そのかわりの小難しい話はそこまで気にしなくていい。というか投稿者の主観がガッツリなので人によっては好き嫌いがあるかもしれないし
それでも良い人はどうぞ色々と考えてみてください
俺は今、飛行機に乗っている。この前の弦十郎の旦那から告げられた驚きの言葉から1週間程経過した。
そして今はアメリカに向かう飛行機に乗っている。もちろん翼も一緒だ。
他にも了子さんと旦那も来ている。
二課の方は大丈夫なのか、と思うが一時的に代理人として風鳴訃堂が司令を務めている。大丈夫か?
そんなこんなで飛行機でアメリカに向かった訳だがあと少しで到着だ。
という訳で到着F.I.S!……え?色々飛ばしすぎだって?ただの移動してただけだからな。まぁ簡単に言えば映す価値無し!というワケだあ(パラガス感)
にしても
「デケェな」
F.I.Sてこんなにでかかったのか。秘密のひの文字も無いな。
なんて事を考えていると
「良く来てくれました」
歓迎の言葉と共に白衣を来た人が来た。
「私は、F.I.Sの所長ロック・ダールトンです。よろしくお願いします、特殊災害対策室機動部二課の皆さん」
「特殊災害対策室機動部二課の司令、風鳴弦十郎です。こちらそよろしくお願いします。ダールトンさん」
弦十郎の旦那とF.I.S所長のダールトンさんが社交辞令したら、さっそくF.I.Sに入る事になった。
そして様々な身体検査がおこなわれた。血液採取に身体測定、体力測定、他にも色々とやられた。
はっきりいって疲れた。
数時間かけてやっと終わって今は昼時の為、F.I.Sの食堂に来ていた。
流石にアメリカ最大の研究施設、食堂はでかいし料理の種類も多かった。俺と翼は一緒にピザを食べていた。
弦十郎の旦那はダールトンさんと話しがあるらしくいない。了子さんは他の研究者と一緒に俺のLiNKERの調整の為にここにいない。
まあ、今は食事だ。ピザなんて久しぶりに食った気がする。
それはそれとしてピザの伸びるチーズ相手に格闘している翼は可愛いなあ。周りの職員も心做しか雰囲気が柔らかい。
そんな所にやってくる人物が一人。
「ここ、いいですか?」
「あんたは……ウェル博士」
その人物は英雄狂人ことウェル博士だった。
「おや、私を知ってるんですか」
「ああ、LiNKERを作ってもらうって聞いたからな。席は良いぞ」
「なるほど、君が日本の装者の天羽奏くんですか。席どうもです」
ウェル博士は手に持った昼飯……昼飯では無いな。イチゴのケーキ、しかもホールの半分かよ。
周りの職員達から「またか」「胸焼けしそ」「あれでよく体調崩さないよな」「コーヒーぐらいつけたら」「ホント甘いもの好きだよな」なんて声が聞こえてくる。
甘い物好きなのはわかってたけどここまでとは、美味しそうではあるけどこの量はやべぇ。
「突然ですみませんが質問良いですか?」
「ほんとに突然だな、まぁいいけど」
いきなりだな。でもこいつ色んな意味でぶっ飛んでるからな。この世界のウェル博士はまともな事を祈る。
「貴方にとって英雄とはなんですか?」
……こいつぅ、英雄狂人か!?英雄狂人なのか!?
いや、まだだ。ただの英雄好きかもしれないし。
「なんでそんな事を?」
「ああ、私の趣味というか興味というか。そんな感じですよ。初めての人には聞くようにしてるんですよ。ある程度その人の事わかりますし」
……ううむ判断出来んな。とりあえず答えるか
「そうだなぁ。英雄とは……『自己犠牲』『己より他者を想える者』」
「ほう、その心は」
「これは、俺というか日本のヒーロー像に起因してるんだよ」
「日本の?」
日本のヒーローとは何かを聞かれたら仮面ライダーだったりウルトラマンを考える人が多いだろう。
しかし、たぶんだけど日本人が最初に知るヒーローは
「ウェル博士は、日本のアンパンマンて知ってるか?」
「確か、幼児向けのアニメでしたよね。それが?」
「アンパンマンてのは顔があんぱんで出来ててな、アンパンマンはお腹を好かせた子供に自分の顔を分けてやるんだ。顔はあんぱん出できてるからな」
「……カニバリズムですか?」
「あはは、確かに聞いただけではそうだけどアンパンマンはあんぱんの擬人化だし、そんか深く考えない方がいいと思うけど。まあ、簡単に言えば己の身すら他者のために使う究極の自己犠牲精神てのが日本のヒーロー像に多いんだ」
アメリカと日本だとかなり違うんだよな
「アメリカだとMARVELが有名だよな」
「ええ、そうですね。私も愛読していますし」
「アメリカのヒーローての勧善懲悪。善が悪を倒す構図が殆どだ」
「確かに言われてみればそうですね」
「さっきいったアンパンマンは確かに悪自体はいるけど、殆どは困っている人がいてそれを解決する為に悪に対峙する構図だからな。明確な悪との戦いでは無く、あくまで悪は人助けの過程にある障害なんだよ」
「ほうほう。そう言われればだいぶ違いますね」
アンパンマンの作者も「強いからヒーローなんじゃない 喜ばせるからヒーローなんだ」という言葉を残してるしな。それにアンパンマンは時にバイキンマンと共闘してるし。敵というよりライバルみたいなもんだよな。
「そんな感じかな。あと、好きな言葉があるんだ」
「好きな言葉ですか?」
「ああ、アニメのセリフなんだが『英雄とは己が視界に入る全ての人間を背負うもの』て言うのが好きなんだ」
「それはまた良い言葉ですね」
あの言葉には衝撃を受けたよな。でも的を射てると思うだよな。
「英雄ならそれぐらいしてみせないでどうする。て言ってるようにも聞こえるんだよな」
「確かに英雄と呼ばれるぐらいですからね」
「それと逆に嫌いなものがあるんだよ。正義はあんま好きじゃない」
「それまたどうして」
「ウェル博士、正義てのは曖昧だと思うんだ」
「曖昧ですか?」
「正義てのを辞書で調べると正しい道理。人間行為の正しさ。てのが出てくる。さらに英雄の定義にこういうものがある。1人を殺せば犯罪者だが、100万人殺すと英雄になる。映画チャップリンで出てきた言葉だな。
その通り戦争にでもなれば敵兵を100万人殺せば英雄だろうさ。そして戦争なんてのは国と国の正義のぶつかり合いだ。己が正しいと信じて敵を殺す。そこに辞書にあるような正しい道理なんてあるか?
そんなものは無い。いや、戦争する国からしたら正しいんだろうけど。正義てのは自分を正当化する為の免罪符にも使われる。
正義程曖昧で酷いものは無いよ。さっき言った戦争の事だって、敵国から見たら英雄なんてものじゃないただの悪魔だよ。
それにこんな言葉もある、勝てば官軍負ければ賊軍てな。ホントに正義程難しいものは無い」
「…………なるほど、面白い考えです。それが君の英雄、ひいては善悪、正義に対する価値観ですか。勉強になりました」
おや?こんな事話したら英雄狂人なら言葉にせずとも顔に出ると思ったんだけどな。もしやこいつやばくない方か
「君はとても聡明な人物のようだ。この歳でこれ程の考えを持って持てるとは、将来に期待できそうです。それに君なら色々と任せても大丈夫そうですね。
大いなる力には大いなる責任が伴う。シンフォギアという人々の希望足り得るものを持つものとして頑張って欲しいですね」
「お、おう」
こいつ英雄狂人じゃねぇ。こいつからこのこんな言葉が出るなんてつい動揺しちまった。
「小難しい話はここまでにしましょう。お隣のお嬢さんがハテナマークを乱立させているからね」
ウェル博士にそう言われれ隣を見ると翼は惚けた顔をしてピザを食べていた。
「翼には少し難しかったかな」
「普通、奏くんの歳でも難しい話でしたよ。もっと単純な答えがでるかと思ってんですけどね」
そう言ってウェル博士はケーキを食べ始めた。
……まあ、良いか。俺も残りのピザ食べるか
ウェル博士との食卓は雑談をはさみながらしばらく続いた。