リリィちゃんをFate/Zeroに突っ込んだ安易な奴   作:鎖佐

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調子よく書けたのは此処迄…
どうするかなぁ


4

「…防いだな?我が必殺の槍ゲイ・ボウを受けて‼」

 

ランサーは確信していた。 明らかに肉を断った感触では無かった。むしろ、強固な結界を削るような感触。

 

視線の先。コンテナと衝突して土煙に隠れるその先で、優しい光が僅かに漏れた。

 そして晴れた土煙から現れた少女は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ…。無傷…‼」

 

「これは…想像以上の難敵のようだ…おい坊主。セイヴァーの耐久はEだったんじゃなかったか」

 

「それは間違いない。なら、そういう宝具か魔術だ‼」

 

「セイヴァー本人は回避に専念、その上で宝具の一撃を防ぎきる守りの宝具。多対一を強制するエセサーヴァント共。…ふむ」

 

 彼女が現れてからほんの数分しか経っていないにも関わらず、判明した事実を列挙するだけで難敵であると理解できる。それでもウェイバーは其処まで彼女を危険視していなかった。ライダーの神髄は戦車であり、その気になれば空を飛びながら戦うことも出来る。彼女は空中でも尋常ではない機動を見せていたが、所詮跳躍の延長。飛行が出来るライダーなら優位に立ち回ることが出来るだろう。

 

「おい、ライダー?」

 

 だから隣にいるこの大胆と無遠慮をはき違えたこの男の次のセリフは手に取るように分かった。思わずまたかと白けた目を送ってしまう。

 

「そこな少女。セイヴァーよ。其方にも問うておこう。我が軍門に下り、共に天下を取る気は無いか?」

 

 その場にいる誰もが「またか」と思う中、問われた少女に変わって返事を返したのは、剣士では無く槍騎士だった。

 

「戯れるな。貴様も我らが白巫女を穢す気か。我欲の為に民を使い潰す愚王を私は殺した。貴様の事は詳しく知らん。だが私も、白巫女に仕える他の者も、王という生き物が嫌いだ。二度とふざけたことを抜かすな」

 

「む、むう。ありゃ余の天敵だな。性格的に」

 

筋金入りの王嫌いにして王殺しの騎士。下手をすれば「王特攻」なんてモノを持っているかもしれない。全ての者が目の前の少女を脅威であると視線を向ける。そしてある者は策を弄した。

 

『…ライダー、そしてセイバーよ、提案がある。あのセイヴァーは極めて厄介な難敵だ。ここは共同で対処し、仕留めるべきと考えるが、如何に』

 

「な、マスター!?」

 

 それに不服を告げるのはランサーだ。尋常の勝負に水を差されることは、主であっても遠慮願いたい。だが、

 

『そもあのセイヴァー自身が一対一と言う決闘のルールを無視しているではないか。何の問題がある。大体ランサー。貴様が赤槍の方を突き立てていれば、仕留めていたか、あるいは重傷を負わせていたやもしれんモノを、仕留め損なったのは貴様だぞ』

 

「それ、は」

 

「生憎だがランサーのマスターよ。余はそのような無粋な事をするつもりはないぞ」

「悪いが私も同感だ。そもそも、ランサーとは初めて会った。下手に協力しようとしても、むしろ息が合わずに足を引っ張りあう危険が増すだろう」

 

 英霊二騎はさも当然であると否定する。だが、彼らは英霊。サーヴァントだ。

 サーヴァントとは、使い魔。魔術師の道具である。であれば、

 

『…はあ、では……ウェイバー・ベルベット君。令呪を使ってライダーに命令したまえ、「ランサーを援護して、セイヴァーを倒せ」と』

 

 持ち主に命令するのが確実である。

 

「な、貴様…‼おい坊主。聞く耳持つな。おい‼」

 

『令呪一画で私の機嫌を買うことが出来、この聖杯戦争の強敵を一騎落とせるのだぞ?賢い者なら悩むまでもない。この聖杯戦争が終われば、また時計塔に戻れるのだ』

 

 それは、震える程の甘言だった。魔術師の頂点が集う時計塔12のロード。その一角たるケイネス・エルメロイ・アーチボルトが敵に回る。それは想像をはるかに超える重い事実だった。

 想定では、聖遺物を失ったケイネスは聖杯戦争に不参加になると思っていた。だが、実際には新たに聖遺物を用意して参加してきた。それも十分強力なサーヴァントを連れてだ。

 

 なら、モノを言うのはマスターの能力だ。自分ではケイネスに逆立ちしたって勝ち目はない。

 なら、ならば…

 

「ええい小娘、それに槍騎士よ。このままでは2対1だぞ。流石に分が悪かろう。さっさと引いたらどうだ」

「令呪を使ってくれるというのなら、使えばいいだろう。その後撤退するさ」

「令呪狙いか!?なるほど先ほどのアーチャー戦もそれが狙いか!?だがしかし、いざ戦うとなれば、余の戦車が相手だぞ?逃げられると思うのは、ちと軽率だわな」

 

「おい‼ライダアアアアアア‼‼‼‼」

 

 

絶叫が、響いた。

叫んだ当人、ウェイバー・ベルベットは今にも殴り掛からんという勢いでライダーに迫る。残念ながら、体格差のせいでさまにはならないが。

 

「これは僕の令呪だ‼これは僕の戦いだ‼お前あれだけ調子良いこと言ってたくせに、全く僕のことを信用してないじゃないか‼」

「いやそうは言ってもだな。さっきまでの(テイ)ではダメかもしれんとおもうだろう?」

「じゃあ言ってるよ。マスターの命令だ。帰るぞ‼ お前の‼勧誘は‼失敗だあ‼」

 

 肩で息をしながら、しかしライダーのマスター。ウェイバー・ベルベットは吠え切った。

 先ほどまで震えていた小坊主が、甘言を跳ねのけて、堂々と。

 さまには、残念ながらならないが。

 

 だが、それを受けたライダーは面食らったような顔して、満足げに笑った。

 

「っくく。 あい分かった。マスターよ、我らはこれより帰路に着く。…其方らがこの後決着をつけるか、あるいは次に機会を委ねるかは与り知らんが。悔いのないようにな」

 

 言い切ったウェイバーは言ってしまったという後悔と、奇妙な達成感を抱きながらふと少女を見る。あるいは決戦の相手となるかもしれない少女は。

 

「…?またね?」

 

なぜ見られたのだろう。という態度をしつつ。申し訳程度の別れの挨拶を送ってきた。

 

「あ、うん。また」

 

 思わず素で返事を返したところで、戦車は動き出した。

 

「ではさらばだ‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、どうするか。キリも良いし帰ってもいいのだが。どう思うランサー」

 

「横入りしてきたのは貴様だろうセイヴァーの騎士よ。…如何する我がマスター」

 

 

 

『…ふん、前哨戦としてなら、まずまずの戦果だろう。不測の事態もあったが、失うものは無かった。次セイヴァーと戦うときは必勝の策を持ってあたるとしよう。帰還するぞランサー』

 

「はっ」

 

 直立姿勢からの跳躍で姿が見えなくなるランサー、同時に周囲に貼ってあった人払いの結界も消え去った。残るはセイバーとセイヴァーの二人。

 

 結界は解けたが、今は深夜。人の気配は全くなく、戦いを再開することも可能ではある。勿論、出来れば避けたいというのがセイバー陣営の意志だ。

 セイバーの手傷は決して軽傷ではない。片腕が使えない以上決め手に欠け、消極的な立ち回りを余儀なくされるだろう。だが、剣士と槍騎士の攻撃は十分片手で防ぐことが出来ると予想出来る。そして彼女の尋常ならざる回避センスも自らの直観で十分対応可能。

 

 負傷込みで勝機は六割。セイバーはそう予想した。

 

「…アイリスフィール」

 

 視線をセイヴァーから外さないまま、アイリスフィールにこの場をどうするかを問う。アイリスフィールはその意志を受け取り、セイヴァーに語り掛ける。

 

「人払いの結界が払われたわ。これより先は神秘の秘匿が暴かれるかもしれない。わたしたちとしてはこのままお開きにしてしまいたいのだけど、どうかしら」

 

 〝神秘の秘匿に失敗したら責任は間桐にある〟〝やる気なら結界を張り直せ〟〝その瞬間攻撃を開始する〟

 言外に込められた意味を紐解くならこのような物だろうか。

 セイヴァーのマスターが間桐であるという確証はまだ無いが、特殊クラスの召喚を外部のマスターが出来るとは考えられない。つまり間桐臓硯の小細工だ。そして間桐のマスターが急造の魔術師であることもアイリスフィールは切嗣から教えられ把握していた。ともすれば、人払いの結界すら張れない程に彼は未熟だ。

 

「アイリスフィール、いざとなったら躊躇わずに海に飛び込んでください。着水するより先にあなたを拾い上げて見せます」

 

「ええ、お願いね。セイバー」

 

 彼女たちにとって優位なのはそれだけではなく、立ち位置もある。 背後を海に面したアイリスフィールは一見逃げ場が無いように見えるが、セイバーは水面を湖の乙女から与えられた加護によって走ることが出来る。退路も万全なのだ。

 

 

 どちらに転んでも対処可能。むしろ、恐らくはこの場を観測している衛宮切嗣が間桐雁夜を探し出す時間を稼げると思えば、継戦にもメリットがある。

 

 つまりセイヴァーの返答次第。

 

 

 

 

 

そして、セイヴァーもまた判断を己のマスターに委ねた。

 

『どうするの?』

『そう、だな。悪いが俺は、人払いの結界なんて、使えない。戦いはここまで、だ。ゲホ』

『おじさん?』

『問題ない。分かっていたことなんだ。…最後にこのセリフを、残しておいてくれ』

 

 

「セイバーさん」

 

 口を開いたのは、今まで殆ど喋らなかった白い少女

 

「私なら、その呪い、解けると思う」

「なっ」

「呪いを!?」

 

 予想外の返答に驚く二人。すぐさま敵の言葉を真に受ける事は無いと意識を切り替えるが、驚愕は意識の隙だ。

 

「じゃあね」

「え」

 

 てっきり何らかの取引を持ち掛けてくるものだと考えていた。相手の姿は少女ではあるが、サーヴァントは全盛期の姿で召喚される。計略に長ける者である可能性に思考を傾けている間に、彼女は背を向けて立ち去ってしまった。

 

「ええっと、今のは」

「……ブラフ、ですね」

「ブラフ?」

「ええ、これで私達の陣営は、ランサーとの決着が着くまでセイヴァーを倒すことを避けるべきになりました。この傷の呪いが解ける迄、彼女はもう一つの解決策になる、かもしれない」

「かもしれない以上、優先する相手ではない。ということね」

 

 誰も居なくなった倉庫街を見渡して、今回の戦いを振り返る。

 セイバーに一撃を与えて見せたランサー

 空を駆け雷鳴と共に現れたライダー

 無数の宝具を打ち出すアーチャー

 そして、少女の姿でありながら他のサーヴァント達を相手取って見せたセイヴァー

 

「これが、聖杯戦争」

「ええ、誰一人として尋常な敵は居ない。過酷な戦いになるでしょう。私の負傷をほぼ全ての陣営に知られたのも、かなりの痛手。申し訳ございませんアイリスフィール、無様をお見せしました」

「ううん。これは聖杯戦争。どんな出来事が起こっても、不思議じゃない。…それにね、セイバー」

 

 

「戦っているのはあなただけでは無いのよ?」

 

 

 アイリスフィールは気負いもせず、無邪気な笑みを浮かべてそう微笑んだ。

 

 

 

 

 

 同日、冬木ハイアット・ホテルが吹きとんだ。

 




リュウノスケェ‼キャラが濃い上にマジでリリィちゃんと接触した場合の化学反応が予想出来ねえ‼
マジで難題だわ
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