そして近くで見た時の感想が、
こいつらでけぇ…。
でした。
いや、本当にデカイのよ。特にグエルとシャディク。多分190以上はある。本編じゃスレッタが高身長設定のせいで、そこまで大きく見えないけど、本当の大きいのよ。あとミオリネが思ってたより大きい。もっと小さいかと思ってました。
そして今回は、ほぼ本編通り、かもしれない。
追記 感想にてご指摘があったので、少し編集。
「実がならない…」
三日月はミオリネの温室の前で座りながら、自分用のプランターを見て呟く。ここ最近、三日月はミオリネと話している内に、食べ物を育てて収穫するというものに興味を持った。
水星の過酷な環境では、食べ物を育てるなんて不可能。なので食べ物は買うのが当たり前。だがアスティカシアに来て、ミオリネの温室を見たり手伝ったりしている内に、野菜を育てて食べる事を知り、自分もやってみたいと思う様になったのだ。
でもいきなり温室を買ってやるなんて出来ないので、ミオリネから小さなプランターを借りて、初心者にも簡単と言われてるミニトマトを育ててみる事にした。
が、全く実がならない。もう苗を植えてそれなりには時間が経ったというのに、未だに苗には実がつかない。
ふと、後ろにあるミオリネの温室を見てみると、そこには綺麗に育っているトマトの数々。一体自分と何が違うのか、三日月は自問自答する。
「三日月、ちょっと端末見せなさい」
「ん」
直ぐ傍にいたミオリネに、三日月は端末を渡す。プランターで野菜を育ててみる事を決めた際、ミオリネから必ず毎日記録を取り続けろと約束されたのだ。気温、湿度、水の量、肥料の量。そういった事全てを記録しておけば、いざという時どこが悪いか一目瞭然だからである。
「あんた、水あげすぎよ」
「え?水を沢山あげれば早く育つんじゃないの?」
「やりすぎると根が腐っちゃうのよ。もう少し水を減らして。あと、こっちの肥料を使ってみて」
「わかった」
現にこうして、三日月のプランターの何が悪いかミオリネは直ぐに分かった。やはり、記録というのは大事である。
「安心しなさい。私も最初はトマト失敗してたし」
「トマトの人も失敗するんだ」
「当たり前よ。失敗しない人間なんていないわ。大事なのは、その失敗を糧にする事よ」
ミオリネであれば、どんな事でもそつなくこなしているイメージだったが、彼女にも失敗の経験がある事に、三日月は意外という顔をする。
そしてミオリネから新しい肥料を受け取り、明日からは水の量を減らそうと決める。
「あて」
「そしてあんたは何時までも落ち込んでんじゃないわよ」
三日月に助言をしたミオリネは、温室内で落ち込みながら収穫ハサミを閉じたり開いたりしているスレッタの頭を軽くこずく。
ここのところ、スレッタはずっとこんな感じでぼーっとしたり、落ち込んでいたりしている。原因はたったひとつで、エランがいないからだ。
あのデートのドタキャン時の電話以来、エランは電話に出ないし、学校にも来ていない。そのせいで、こんな風になっちゃっているのだ。
「ん?」
その時、3人の端末が鳴る。3人がそれぞれ端末を見てみると、そこには『インキュベーションパーティーへの招待状』と書かれていた。
「招待状?」
「インキュベーションって、何?」
「グループ内の社交パーティーみたいなものよ」
「社交パーティー?」
ミオリネは2人に軽い説明をする。
「用は、新規事業の立ち上げパーティーよ。グループ内で事業を起こそうって人間が大勢の前でプレゼンをして、投資を募る。そこで設定額に達する事が出来れば、めでたくその事業が出来るって訳。あんたはホルダーだから招待状が来たんでしょうね」
「な、成程」
ミオリネの説明に納得するスレッタ。ベネリットグループ程大きな企業であれば、そういった社交パーティーだってあるのだろう。
それに自分はパイロットだが、一応末端とは言えグループ内の企業の社長令嬢でもあるし、そもそもホルダーだ。そんな自分であれば、こうしてグループ内の社交パーティーに呼ばれても不思議は無い。
「俺別に興味無いな」
「行く必要無いからそれでいいわよ」
「そうなの?」
「そもそも、これは学校を卒業して、既にグループ内の会社でそれなりの地位にいる連中が参加するパーティーなの。もしくは、新進気鋭の若手とかね。学生で参加するなんて、それこそシャディクやグエルっていった御三家の連中だけよ」
「へー」
あまり興味が沸かない三日月だが、ミオリネ曰く参加の必要は無いとの事。ならば学校で、何時ものように過ごすとしよう。
「だったら、来ますよね!?」
「は?」
「御三家が来るっていうなら、エランさんも来ますよね!?」
しかし、三日月の幼馴染は違ったようだ。
「緊張しちゃうなー。こんな場所慣れないし」
インキュベーションパーティー当日。そこには普段の制服に、胸に造花を付けているニカがいた。
「気にせず普段通りにすればいいんじゃない?」
「三日月くんは、全然緊張してないね」
スーツ姿の三日月と一緒に。
「別に普段通りでいいのよ。こんな、上辺だけのハッタリだしね」
そこに、青いドレスを身に纏ったミオリネが現れる。普段と違い髪も結っており、化粧もしている。その姿は、何というか気品がある。それにミオリネは、全く緊張していない。恐らくだが、こういう社交パーティーの経験が豊富なのだろう。
こういった姿を見ると、やはりミオリネは良い所のお嬢さんなんだと実感できてしまう。
「ていうか三日月。あんたスーツ着ると、雰囲気ガラっと変わるわね…」
「そう?」
ミオリネの言葉に、首を傾げる三日月。今の三日月は、黒いスーツに青いネクタイ。そして髪型をオールバックにしており、何時もと全く違う雰囲気がある。普段は狂犬といった雰囲気だが、今は良い所の子、もしくはパーティーに潜入している英国スパイみたいな印象を感じる。
勿論これ、三日月が自分でやった訳では無い。全部アリヤとリリッケのコーディネートである。2人共かなり張り切ってやった為、今の三日月はかなり決まっている。
(こいつよく見ると、顔はかなり良い方なのよねぇ。私のタイプじゃないけど)
普段はその言動せいであまり意識していないが、三日月はかなり整った容姿をしている。黒い髪に青い瞳。鼻も高く、肌も白い。これでもし身長がスレッタくらいあり、あの狂犬さが無ければ、さぞ女子にモテていただろう。
「これ、動きにくいから嫌なんだけど…」
一方で三日月は不満顔。普段着慣れないスーツのせいで、動きにくいからだ。これではいざという時、スレッタを守れないかもしれない。
「我慢しなさい。あんたはホルダーであるスレッタの幼馴染で、あの伝説のガンダムフレーム、バルバトスのパイロットなのよ?だからしっかり身だしなみを整えないとダメなの」
「……こっちみたいに制服でもいいじゃん」
「ニカはいいけど、あんたはダメ。立場ってものがあるからね」
ミオリネの言う通り、三日月はあのバルバトスのパイロット。そんな彼が制服でパーティーに参加するなんて、流石にダメ。こういう場では、立場に則った格好が必要だからだ。所謂、TPOである。
「お、おまたせしました」
そうやって話していると、スレッタがやってきた。スレッタは赤いドレスを着こんでおり、頭には金色のティアラ風の髪飾り。肩も大きく出しており、三日月同様、普段と違う印象を覚える。
「あの、ミオリネさん…これ胸がきついんですけど…」
「私のドレスなんだから仕方が無いでしょ」
スレッタが着ている赤いドレスは、ミオリネの私物である。が、スレッタはフラットなミオリネと違ってかなりスタイルが良いので、胸が結構キツイのだ。
「ああ、トマトの人ってむぐ「三日月くん?それ以上は言ったらだめだよ?」」
間違いなくミオリネが激高するであろう事を言おうとしていた三日月だったが、ニカが三日月の口を押えた事でなんとかなった。
「ところで、三日月。これ、どうかな?」
そんな三日月に、スレッタはドレス姿の自分の感想を求めた。
「うん。綺麗だし、とても似合ってるよ」
「えへへ、ありがとう。三日月もかっこいいよ」
「ありがとう」
三日月の素直な感想を聞き、スレッタはご満悦。
「……スレッタ、私を見て何か言う事ある?」
「え?あ、はい。ミオリネさん、とっても綺麗ですよ。まるでお人形さんみたいです」
「そう。どうも」
(張り合ってる…)
そんな2人のやり取りに嫉妬したのか、ミオリネはスレッタに感想を求める。それを見ていたニカは、やや呆れ顔をした。
「じゃ、行くわよ3人共」
そう言うとミオリネは、3人を引き連れてパーティー会場へと入っていく。こうして4人は、インキュベーションパーティーへと参加するのだった。
グループ内の各企業がプレゼンをしている中、スレッタ達は会場内を散策していた。エランと会う為である。元々今回のパーティーは、スレッタがエランに会いたいがために参加した。なのでミオリネにとって、新規事業なんてどうでもいいのである。
因みにニカは、モビルスーツブースを見て回りたいからという理由で、一時別行動を取っている最中だ。メカが好きなニカにとって、ここはある種のテーマパークのようなもの。もうこんな機会無いだろうしじっくり見てみたいと思うのも仕方が無い。
「やぁ、ミオリネ」
「シャディク、あんた来てたのね」
「義父さんの付き添いでね」
そこに現れたのは、スーツ姿のシャディク。手にはソフトドリンクの入ったフルートグラスを持っており、とても様になっている。
「水星ちゃんも久しぶり」
「……」
「わ、三日月」
シャディクがスレッタに近づいた瞬間、三日月がスレッタの前に出て壁のような役割をする。未だにシャディクが信用できないからだ。
「三日月くんは、相変わらず俺の事を警戒してるね?ただあいさつするだけだよ?」
「日頃の行いのせいじゃないの?」
「ははは、手厳しい。ところでミオリネ、偶には俺にアドバイスとかくれないかい?」
「フォーカード17地区の契約を勝ち獲ったあんたにするアドバイスなんて無いと思うけど?」
「俺はミオリネの意見が聞きたいのさ」
シャディクはミオリネに話しかけるが、ミオリネは別に嫌がっていない。というより、何やら随分距離が近い気がする。気になったスレッタは、聞いてみる事にした。
「あの、仲良しなんですか?」
「ミオリネとは幼馴染だよ。君と彼みたいなね」
「あ、成程」
「違う。腐れ縁よ」
何とシャディクとミオリネは、幼馴染だったようだ。まるで自分と三日月みたいな関係に、スレッタはシャディクに少しだけ親近感を持った。
「それで、今日はどうしてここに?」
「スレッタがエランに会えるかもって思ったから来たのよ。新規事業には興味無いわ」
「あ、そうだ。シャディクさん、エランさん見ませんでしたか?」
同じ御三家の人間なら、何か知っているかもしれない。だからこの期に、スレッタはエランの事を尋ねてみた。
「エランかい?俺は見てないな。そもそもあいつはこういった集まりが好きじゃないし、今日は来ないと思うけど」
「あ、そうですか…」
だがシャディクはエランを見ていないし、ここに来ない可能性が高いと言う。シャディクの発言に、スレッタは少し落ち込む。そして三日月は、据わった目をしてシャディクを見る。
「あんた、言葉選びなさいよ」
「いや、嘘を言っても仕方が無いと思ってね」
若干やらかした事を感じながら、シャディクは手持っているドリンクを飲む。
「そういえばシャディク。あんたあれは何なの?」
「ん?どれの事だい?」
そんなシャディクに、ミオリネは質問をする。
「例の廃棄予定だったドルトコロニーの事よ。あんた、あれをこの間買い取ったでしょ?あんな古い物買って、一体何するつもり?」
少し前、シャディクは廃棄予定だった小型のコロニーである、ドルトコロニーを買い取ったのだ。大昔は船の建設やモビルスーツ整備で栄えたコロニーだったが、既に200年以上の築年数が経っており、設備も老朽化して、中に人も全く住んでいない古いコロニー。もう解体して、一部資源の再利用をするくらいしか価値の無いコロニーだ。
そんなコロニーを、シャディクはある日突然買い取ったのだ。今更あんなもの買っても、何の利益にもならない。むしろ維持費で苦しむだけ。ミオリネはそれが不思議だったので、本人に尋ねてみたのだ。
「実はちょっと試したい事があってね。丁度設備の整った、コロニーくらいの大きな施設が欲しかったから購入したのさ。あ、あのコロニーに関してはグラスレー社や義父さんは関係ないよ。完全に俺のポケットマネーから出したしね」
「グラスレーが関係無いとしたら、個人的なやつ?コロニーを改造でもして、テーマパークでも作るつもり?」
「ふふ、秘密だ」
何やら胡散臭い感じだが、これ以上聞いても何も答えないだろうし、ミオリネもそれ以上の追及をやめる。
「ぽ、ポケットマネーでコロニーを買う?」
「お金持ちだね」
そして2人の会話を聞いていたスレッタと三日月は、スケールの大きな話に付いて行けずに啞然としていた。
その後、シャディクと別れた3人は、会場内でエランを探す。しかし、全く見つからない。ここで3人は、栄養補給をするため1度腹ごなしをする事にした。スレッタとミオリネはフルーツを。三日月は肉を。
そして三日月がローストビーフを手に取り、食べようとした時、後ろから声をかけられた。
「お久しぶりです。三日月・オーガス」
三日月が後ろに振り返ると、そこにはライトグリーンのドレスを着たジュリエッタがいた。
「あ、金髪の人」
「私の事はそんな風に覚えているんですね…」
三日月が人の名前を覚えない事は知っていたが、自分の呼び方がそれなのはどうかと思うジュリエッタ。だって金髪ならシャディクとかも入るし。
「今日来てたんだ」
「ええ、これでも一応、アリアンロッド社重役の娘ですからね。まぁ正確には付き添いなんですが」
「付き添い?」
「はい。うちの寮の寮長のです。あの人、3年の経営戦略科では一応主席ですし、こういった催しには極力参加して色々見ているんですよ。将来、アリアンロッド社を背負っていくから、今のうちに色んな事業を自分の目で見ておきたいって事で。尤も、今回は大したものが無いらしく、資金援助は誰にもしないらしいですけど」
どうやらジュリエッタ、同じ寮の先輩の付き添いでここに来たとの事。しかしジュリエッタ本人は、あまりこういう場所には来たくないらしい。
「前に壊したモビルスーツ、直ったの?」
「まだです。どうせならって事で、この期に新たな改修作業を行っているんですよ。なので再び乗れるのはもう暫く先かと」
「へー」
三日月は以前の決闘で自分がぶっ壊したレギンレイズが気になり何となく聞いてみた。どうやら、未だにジュリエッタのレギンレイズは修理が終わっていないらしい。それどころか、より強くなるべく改修作業をしている最中との事。これはまた決闘を行ったら、以前のように勝てるかわからない。油断せずに戦わなければ。
「にても、ドレスは好きじゃありません。動きにくいし、そもそも着飾るのが趣味じゃありませんし」
「わかる。俺もこれ嫌だよ」
同じパイロット科である為か、動きづらいドレスは好きじゃないらしい。三日月もそれには同感し、ジュリエッタに対して頷く。
「そういえば、あなたは今回どうしてここに?」
「スレッタの付き添い。スレッタがやりたい事があるって…あれ?どこ行ったんだろう?」
後ろを振り返ると、そこにはスレッタとミオリネがいなかった。自分が話している間に、いつの間にかどっかに行ったみたいだ。
「これは失礼しました。私の事は気にせず、スレッタ・マーキュリーを探しに行ってください」
「ありがと。じゃ」
ジュリエッタにそう言われ、三日月はその場を離れる。そしてスレッタを探すのだった。
(早く、リベンジをしたいものですね)
去って行く三日月の背中を見ながら、ジュリエッタは思う。負けっぱなしは好きじゃない。今改修しているレギンレイズの新型が完成したら、必ずリベンジをすると。その為には、日ごろの鍛錬を欠かさずにやらなければ。
「ジュリエッターー!どこに行ったのだジュリエッターー!!」
その時、遠くから自分を呼ぶ声が聞こえる。
「あーもう恥ずかしい。大きな声で名前を呼ばないで欲しいものです…」
ジュリエッタは、今しがた聞こえた自分の幼馴染の元へと向かう。ああいうところが無ければ、まだ素直に尊敬できる人なのにと思いながら。本当に、惜しいものである。
(ったく。何で俺がこんな真似を…)
人込みの中を、エラン・ケレスは内心愚痴りながら歩いていた。彼は強化人士では無く、本物のエラン・ケレスだ。本当ならこんなパーティーになんて参加したくもないが、未だに他の影武者が用意できておらず、これ以上スレッタと距離を開けたり話さずにいるのはまずい。なのでその繋ぎ要因として、本人が出張ってきたのである。
(お、いた)
エランの目線の先には、三日月がいた。出来ればスレッタがよかったが、彼も良い関係を築いておかないといけない。少なくとも、ペイルグレードはそう判断した。なのでエランは、演技をしながら三日月に挨拶をする。
「やぁ、三日月・オーガス。久しぶり」
「誰お前」
だが、三日月は瞬時にそう言い返してきた、
「僕だよ。エラン・ケレスだ。忘れたのかい?」
一瞬焦ったエランだが、ここでボロを出すほどまぬけでは無い。直ぐに演技を続け、微笑みながら三日月と話す。
「いやお前顔が似ているだけの別人でしょ。誰だよお前」
「……どうしてそう思うんだい?」
「見たらわかるじゃん」
しかしどういう訳か、三日月は自分が強化人士4号ではないと断定する。顔は99%同じ。身長も体重も全く同じ。勿論、声や話し方だって同じだ。
こんなの、ペイル社のCEOだって見分けがつかない筈。なのに三日月は、エランと4号を完全に見分けている。
(おいおいおいおい待て待て!何だよこいつ!聞いてねえぞこんな奴だなんて!!)
流石にこれには焦るエラン。当初の予定では、この後にやる筈のとある作戦の前に、スレッタや三日月と話して、そこから作戦行動に移るつもりだった。
しかし、三日月は自分を4号では無いと完全に見分けている。これでは、自分の言う通りにしてくれる事など絶対に無いだろう。今の三日月には、自分はエランを名乗る偽物なのだから。
(ふざけんな!偽物はあいつだろうが!しかしどうする!?)
このままでは、三日月に殴られるかもしれない。そんなのごめん被る。
だがどうすればいいか、瞬時に行動できない。下手に動けば、更に三日月に不信感を与えるからだ。
その時、
「っと、すまない。電話だ」
「あっそ。じゃ」
エランの端末が鳴った。そして三日月はエランに興味を失ったのか、その場を後にする。
「おい」
『申し訳ありませんエラン様。まさか見抜いてくるとは』
電話の相手はペイル社CEOの1人、ニューゲン。彼女は2人のやり取りを別室から見ていたのだ。
「俺は2度とあいつとは話さないからな」
『ええ。それがよろしいかと。ついでに、今後学校に潜入させる予定の強化人士5号にもそういう命令を出しましょう』
そして直ぐに対策を考える。今後2度と、三日月とは話さない方が賢明だろう。
『では、スレッタ・マーキュリーはお願いします』
「……その子は大丈夫だよな?」
『流石に大丈夫かと…え?大丈夫よね皆?』
もしスレッタも三日月みたいに見抜いてきたら最悪だ。そうなれば今回の作戦は全部ぱぁ。もうここは、スレッタを信じるしかない
「やぁ。スレッタ・マーキュリー」
「え、エランさん!?お、お久しぶりです!!」
結論から言えば、スレッタは自分が4号だと信じて疑わなかった。この時、エランとペイル社CEOは全員ほっとした。
「ったく、どこ行ったのよあいつら」
先程までプロスペラと話していたミオリネは、スレッタと三日月を探していた。
(というか、何なのよあの人。あれがスレッタの母親?随分性格悪いじゃない)
ミオリネは、先程まで話していたプロスペラの事を思い出す。
『そのドレスも、身に着けているアクセサリーも、寮に入らず理事長室で生活しているのも、全て父親であるデリング総裁のおかげなのに『父親だなんて認めない』なんて言ってると思うと、ついおかしくってね。先ずはその可愛い意地を捨てないと、貴方は何時までも成長しないわよ?デリング総裁のお嬢さん?』
父親であるデリングの事を言ってきたり、今の自分の立場について言ってきたりと、態々今日、この場で言わなくていい事を言ってきたプロスペラ。
はっきり言って、気に障る。とてもでは無いが、あのスレッタの母親とは思えない。変な仮面つけてるし、色々信用できない。そう思いながらスレッタを探していると、三日月を見つけた。
「あ、三日月。スレッタ見なかった?」
「いや、俺も探しているところ。逸れたの?」
「まぁね。この後ホルダーのあいさつがあるのに、どこほっつき歩いてるんだか…」
ミオリネの言う通り、スレッタにはこの後学園代表として挨拶がある。なので早く見つけたいのだが、未だにどこにいるかわからない。このままでは遅刻だ。
「トマトの人が迷子になったからじゃないの?」
「んな訳ないでしょうーが」
三日月の言葉に、直ぐツッコミをいれるミオリネ。そもそも迷子になるとしたら、絶対にスレッタの方だろう。絶対に自分では無い。
『ご来場の皆様方。これより、ペイル・テクノロジーより発表があります。その場でお聞きください』
「は?そんなのあったかしら?」
会場のアナウンスに、首を傾げるスレッタ。
「え?」
そして壇上に、エランと共にスレッタが現れたのだ。
「どうぞ…」
「ありがとう、モグラちゃん」
同時刻、パーティー会場の外では、シャディクがある生徒からデータを受け取っていた。データ内容は、エアリアルとバルバトスについて。
そしてデータを渡したのは、地球寮のニカ・ナナウラ。実は彼女、ある理由でエアリアルとバルバトスのスパイ活動を行っているのだ。
「言っておきますけど、大したデータはありませんからね。今回渡したのは、あくまで表面上のデータだけですから」
「十分だよ。先ずはわかる範囲からわかればいいしね」
出来ればエイハブリアクターのデータが欲しいところだが、流石にそれは無理との事。でも何もわからないよりずっと良い。そういうのは、追々わかれば良いのだから。
『ーーー!!』
「え?何…?」
「多分、御三家による催しが始まったところだね。気になるなら見てきたら?」
「っ…!」
シャディクの言葉に、嫌な予感を感じたニカは、直ぐに会場内に戻っていく。そして戻った先では、あまり見たくない光景が広がっていた。
「弊社のモビルスーツであるファラクトが、GUNDフォーマットを利用していた事が調査部によりわかりました」
「あの不思議な現状は、GUND技術が相互干渉した事により起こった現象」
「GUNDに反応するのは、GUNDだけ」
「ご来場の皆さま、これではっきりしました!エアリアルは呪われたモビルスーツである、ガンダムです!!」
(何…これ…?)
現在、スレッタは混乱の中にいた。先程エランと再会した時は、ようやくまた会えたから泣きそうになってくらいだ。つい、お喋りを長くしすぎたくらいである。その後エランと共に壇上へ上がり、学生代表としてあいさつをした。
ここまでは良い。
しかしその後、ニューゲンから先の決闘についていくつか質問をされた。それに素直に答えたら、突然足元が上にせり上がり、エアリアルはガンダムだと言われる。
「ガンダムの製造及び所持は、重大なカテドラル条約違反だ。ペイル社はどう責任を?」
「既にファラクトは破棄。更に開発部門も解体しました」
「そうか。ならば、シン・セーも同じ処分を受けるべきだな」
「ええ、そう思いますわ」
ジェターク社CEOであるヴィムの言葉に、ペイル社はそう答える。
「我々ベネリットグループは、ガンダムを所持しない。そうですね?デリング総裁」
「……」
更にVIP席では、グラスレー社CEOのサリウスが、デリング対してガンダムについて再確認するような事を言う。しかしデリングは、何も言わない。
実はこれ、サリウスが主導となり、事前に御三家が裏で取引をした結果なのだ。彼らの目的は、デリングの反応を知る事。21年前、デリングはヴァナディース機関を殲滅し、ガンダムを全て破壊している。そしてその後、ガンダムの所持を禁忌として扱った。
だからこそ、明らかにガンダムであるエアリアルを容認しているのが気になる。もしここで、エアリアルを破壊するのならばそれでいい。
だがもし、ここまで確固たる証拠があるエアリアルを容認するのならば、御三家も考えを改めないといけない。
更にガンダム嫌いのサリウスとしても、エアリアルは是非破壊したいので、この期は逃したくない。
「違います!エアリアルはガンダムなんかじゃありません!」
そしてエアリアルのパイロットであるスレッタは、必死で弁明する。だってエアリアルは家族なのだ。水星で共に過ごし、落盤事故にあった三日月を一緒になって助けた家族。そんなエアリアルが、呪いのモビルスーツである筈が無い。
「やっぱりそうだったのか」
「シン・セーはこれで終わりでしょうね」
「当然だろう」
しかし誰も、スレッタの言葉に耳を傾けない。
「お願いします!話を「黙れ!この血塗られた魔女め!!」っ!?」
更に弁明をするスレッタに、ヴィムは大声で怒鳴る。彼自身、別にガンダムかどうかはどうでもいい。だがここで、エアリアルを破壊し、その責任をシン・セーだけじゃなくデリングにも負わせる事ができれば、自分は一気に総裁の座に近づける。
だからこそ、徹底的に追いつめる。息子であるラウダが、会場の外でプロスペラを足止めしている今が最大の好機。これ以上、スレッタに反論なんてさせない。
「お前たちヴァナディース機関の魔女は、未だにこんな恐ろしいモビルスーツを作っているのだぞ!乗った人間を死なせるモビルスーツを!それがわからないのか!?」
「え、ちが…私は魔女なんかじゃ…」
「答えろ魔女!!それとも、答えたくないだけか!?」
「あ…う…」
やや言い過ぎな気もするが、スレッタに反論させない為にはこうするしかない。そしてヴィムが更に追い打ちをかけようとした時、
ゴシャァ!!
「ごふぅ!?」
『……え?』
ヴィムは突然顔を蹴り飛ばされ、そのまま横に吹き飛んだのだ。
「な、何が…?」
ヴィムが衝撃があった方向に顔を向けると、
「……」
そこには、明らかにブチギレている三日月がいた。何と三日月は今、ヴィムの顔面に跳び蹴りを食らわせたのだ。
「き、貴様!!」
直ぐにヴィムの護衛をしているSPが、三日月を取り押さえようとする。しかし、
「がは!?」
「ぐふ!?」
三日月は、そのSP達を続けざまに殴り飛ばす。更に応援にやってきたSPも、まるでゲームみたいに倒していく。
三日月がここまでブチギレている理由は、スレッタが傷ついたからだ。スレッタにとって、エアリアルは大事な家族。三日月も、エアリアルは好きだ。それにスレッタは、本当に優しい子。断じて、恐ろしい魔女なんかでは無い。
だというのに、エアリアルを呪い呼ばわりし、挙句スレッタを血塗られた魔女と言う。これだけで、スレッタがどれだけ傷ついた事だろう。
なので、スレッタを傷付けた元凶をぶちのめす。相手が御三家だろうが知った事か。目の前のヴィムが終わったら、次は壇上にいるあの4人だ。
「な…」
そして三日月は、あっという間にヴィムの護衛のSPを全て倒した。訓練されたSPを全員倒した事に、ヴィムは驚く。
そのまま三日月はヴィムに近づき、胸倉を掴み、殴るために腕を振りかざす。
「やめなさい三日月ーー!!」
直後、会場内に響く声。三日月が声のした方を向くと、そこには端末を持ったミオリネがいた。
「何?トマトの人。邪魔しないでくれない?」
「今すぐ手を離しなさい!」
「嫌に決まってるでしょ」
「嫌とかじゃない!つーかいきなり何してんの!?」
「こいつ、スレッタを魔女とか言っただろ。だからだよ。そんなの許せる訳ないじゃん」
ミオリネとの会話は平行線だ。このままでは、三日月はヴィムを再起不能になるまで殴りかねない。御三家のCEOを再起不能にする。
もしそうなったら、もう誰も三日月もシン・セーも庇えない。その前に、この状況を打開しないと。
「スレッタとエアリアルは、私が今から救うわ!!」
「は?どうやって?」
「見てなさい!!」
するとミオリネは、壇上に向かって歩き出す。
「エアリアルは、ジェタークにもペイルにも勝利した優秀なモビルスーツ!それを破棄するなんて勿体ない!」
「何の真似ですか?ミオリネ様」
そんなミオリネに、サリウスは質問する。
「私はあの子の花嫁よ!?だったら、あの子を助けるのは当たり前でしょ!!」
「問題を履き違えていらっしゃる。エアリアルは、パイロットの命を奪う非人道的モビルスーツ。そんなモビルスーツを、認める訳にはいかない」
「パイロットであるスレッタはピンピンしてるじゃない。ただ否定して排除する事しか出来ないなんて、古臭いわ。それに、ここでシン・セーを潰したとして、同じくシン・セー所有のバルバトスはどうするつもり?」
「…バルバトスは、ベネリットグループで厳重に管理するつもりです」
「は!結局そういう話じゃない!エアリアルの方は排除しておいて、この世に1機しかないガンダムフレームであるバルバトスは手元に置く!その気なら、最初からエアリアルも排除しないようにしなさいよ!エアリアルだってとても高い希少価値がある筈よ!!」
「では、排除以外の道があるとでも?」
「当然!」
ミオリネは、傍にいた会場スタッフに指示を出し、参加している全員の端末にデータを送る。
「過去の決算報告から、ファラクトの機体廃棄と、同開発部門の解体に伴うペイル社の損失を、およそ1200億と見積り、その倍の2400億!これを目標金額とした新規事業のプランをご提案します!シン・セーとペイルの開発部門をM&Aにより買収し統合。生命の安全を前提に、管理運営を目的とした新会社を設立します。その会社名は、ガンダム!!」
ミオリネの提案した新事業に、会場はざわめく。
「皆さんは今、会社の業績を立て直す起爆剤を欲している筈。協約の縛りや、生命倫理は我が社が全て引き受けます!投資は匿名契約。グループからも独立させておけば、いざという時のリスクもありません!この話に価値があると思った方は、どうか株式会社ガンダムに投資を!!」
ミオリネの一世一代のプレゼンが終わり、会場の巨大モニターに投資額が表示される。
「……え?」
しかし、誰も投資を行おうとしない。
「お前の話には価値が無い。どんな大言壮語を言おうとも、それを裏付ける信用が、お前には存在しないからだ。ここにいる皆が、そう言っている」
そんなミオリネに、父であるデリングが当然だとし言い放つ。なんせ今のミオリネは、ただの学生。いくら経営戦略がトップの成績を取っていようとも、ミオリネは会社経営をした事が無い学生なのだ。
そんな彼女が、いくら凄い事業を提案したとしても、誰も信用なんてしない。そもそも扱っているのが、条約違反であるガンダムだし。
「出ていけ。子供の意地に付き合う程、我々は暇ではない」
そう言うと、デリングは会場から出て行こうとする。
「もういい?」
「ちょ、ちょっと待て!」
そして三日月は、ヴィムを殴るべく腕を再び振りかざす。誰も止めない辺り、皆三日月を恐れているのだろう。それに、下手に割って入って被害を受けたくない。こういう時は、誰かを人柱にしておけばいい。所謂、コラテラルダメージというものだ。
「待ってください!!」
そんな三日月より先に、ミオリネは再び大声を出す。そして履いていたヒールを脱ぎ捨て、父親であるデリングの元へかけだす。
「三日月!まだ何もするんじゃないわよ!まだ終わってないんだから!」
「……わかった」
「不満そうな顔すんな!」
「ていうか三日月!何時までそのままなの!?いい加減その人離してあげて!!」
未だにヴィムの胸倉を掴んでいる三日月に1度注意をし、ミオリネは父デリングの元へたどり着く。
「何だ?」
「貴方の言う通り、今の私には信用がありません。だから、総裁である貴方の信用を私にお貸しください!!」
ミオリネ最後の手段。それは、ベネリットグループ総裁であるデリングの信用を借りるというものだった。
「どうか、お願いします!!」
ミオリネは頭を深くさげ、父親であり、総裁であるデリングにお願いをする。
静寂が、会場を包む。10秒か、1分か、はたまた10分か。誰もが、このやり取りの行く末を見ている。その間、誰も喋らない。
「重いぞ。お前が考えている以上に、ガンダムの呪い。そして、ガンダムフレームの悪魔の力は」
「え?」
「例え何があろうと、絶対に逃げるなよ」
デリングはそう言うと、端末を操作する。すると、投資画面に投資がされた。そして立て続けに、誰もが株式会社ガンダムに投資をしていき、あっという間に目標金額を達成する。エアリアルが、破棄される事が無くなった瞬間でもある。
「っ…!!ありがとうございます!!」
それが分かった瞬間、ミオリネは会場にいる投資してくれた人達に頭を下げる。
「三日月!そういう訳だから、今すぐ手を離して!!」
そして未だにヴィムの胸倉を掴んでいる三日月を見て、直ぐに手を離すように言う。
「わかったよ」
ミオリネに言われ、三日月はヴィムから手を離す。
「それとヴィムCEO。先程は、子供相手に少し言い過ぎだ。それは勉強代として、素直に受け取っておくんだな。仕返しなんて真似考えるなよ?」
「くっ!!」
デリングは去り際に、ヴィムに向かってそう言い放つ。ヴィムは悔しそうに歯を食いしばる。流石にこうなったら、もう何も出来ないし、言い返せないからだ。
「風向き、変わりそうね」
「ええ」
それはペイル社も同じ。彼女達も、これ以上は何も言わない。少なくとも、今は。
「デリング、やはり認めたな。ガンダムを」
そしてサリウスは、会場から出ていくデリングの背中を睨みながら、小さな声でそう呟く。
こうして波乱を呼んだインキュベーションパーティーは、幕を閉じたのであった。
「一時はどうなるかと思ったけど、よかったねスレッタ」
「はい。でも、いきなり会社なんて」
「これからどうするんだろうね?」
「大丈夫よ。全くの無策って訳じゃないし」
パーティーの帰り道。4人は、学校行きのシャトルを待っていた。
「そうそう三日月、あんた帰ったら説教だからね」
「何で?」
「暴力はダメだって言ってるのに、あんた今日暴力を振るったでしょ。それも、御三家の一角であるジェターク社CEOとその護衛に。今日はクソ親父のおかげで何とかなったけど、それが無かったらあんた間違いなく退学よ?」
実際、デリングの介入がなければ、三日月はかなり危うい事になっていただろう。最悪、逮捕なんて事もあったかもしれない。御三家には、それだけの力があるのだ。
「だから帰ったら説教。ていうか反省文書かせるから」
「三日月。寮に帰ったらちゃんと書くんだよ?」
「……わかった」
スレッタもミオリネに同意する。自分を思ってくれたのは嬉しいが、やはり暴力はダメ。なのでしっかり反省させる。
「ふふ。色々と凄い花嫁さんね、スレッタ」
「お、お母さん!?」
そうやって三日月に説教していると、スレッタの母親であるプロスペラが現れる。
「え?三日月くん、あれがスレッタのお母さん?」
「そうだよ」
「えっと、あの仮面は?」
「確か医療機器だった筈。昔、水星の磁場にやられたからとかで」
初対面のニカは、その威容な風貌に少し圧倒される。
「お母さん!質問があるんだけど!」
「何かしら?」
「エアリアル、ガンダムじゃないよね?」
そしてスレッタは、どうしても聞きたい事があった。それは、エアリアルがガンダムか否か。エアリアルを作ったのはプロスペラだ。そんな彼女であれば、この質問に必ず答えられるだろう。
(まぁ…ガンダムな訳ないよね)
内心、そんな訳無いとスレッタは思う。だって本当に呪いのモビルスーツだとしたら、今頃自分は生きていない。ならば、エアリアルがガンダムである筈が無い。
「いいえ。エアリアルはガンダムよ」
「…え?」
しかし、プロスペラの発言に、スレッタは呆気に取られる。
「あ、そっか。バルバトスと同じでガンダムフレームって事だよね?」
だが直ぐにスレッタは、プロスペラの発言の意味を理解した。自分が知らなかっただけで、エアリアルはバルバトスと同じガンダムフレームなのだろう、と。そうだとしたら、やはり母は凄い人だ。
「違うわ。ガンドの方のガンダムよ」
「…………え?」
「ふふ。とうとうバレちゃったわね」
だがそんな考えは、儚くも砕け散ったのであった。
「……」
そしてそんな2人のやり取りを、三日月はじっと見つめていた。
すまない。出番のなくなったマルタンと、三日月に蹴られたヴィムさん。 作者が好きに書いたらこうなっていた。
次回は株式会社ガンダム編。まぁまた何時になるかわからないので、気長にお待ちください。
追記。ちょっとアンケート設置しました。必ず出すとは約束できないけれど、よろしければお答えください。活動報告もありますので、お時間があればそちらもお願いします。
今後、登場してほしいガンダムフレームは?
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グシオン
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バエル
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キマリス
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ガミジン
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ゼパル
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ハーゲンティ
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ムルムル
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アスモデウス
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ザガン
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別に出なくていい