悪魔と魔女の物語   作:ゾキラファス

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 遂に水星の魔女の学園パロ漫画が始まりましたね。最初舞台が神奈川だと知った時『神奈川って治安良くないから選ばれたのかな?(偏見)』とか思ってしまいました。にしても、神奈川が舞台の作品って多いですね。

 そしていつも誤字報告や感想、ありがとうございます。大変助かっており、励みにもなっております。まだ水星本編の半分くらいですが、これからもよろしくお願いします。


プラント・クエタ 3

 

 

 

 

 

 ジェターク社所属艦 アレキサンドリア

 

「推進部の損傷を確認しろ!無事なら直ぐにここから脱出するぞ!!」

 

 突如行われた、謎の勢力によるプラント・クエタへの攻撃。敵は先ず、プラント・クエタの湾港施設と停泊している船の破壊を始めた。最初に、ここから逃げ出すための足を奪うつもりなのだろう。そうなる前に、一刻も早くここから逃げ出さなければ。

 

「おい!状況はどうなっている!!」

 

「ご無事でしたか!ジェタークCEO!!」

 

 その時、アレキサンドリアのブリッジにヴィムが怒り心頭で入ってきた。

 

「現在、船の推進部の損傷を確認しています!確認が済み次第、直衛のモビルスーツを出してここから脱出しようかと!」

 

 船の指揮を執っていたヴィムの側近が、直ぐに状況を説明する。そして状況を聞き終えたヴィムは、とんでもない事を言い出した。

 

「ならディランザを出せ!俺が出る!!」

 

「は!?CEO自らですか!?」

 

 何と、自らモビルスーツに乗って出撃すると言うのだ。ベネリット・グループ御三家の一角のジェターク社、それもそこのトップであるCEOが自ら出撃する。あまりに危険だ。なんせ敵の正体も数もわかっていない。そこにディランザ1機だけ出撃しても、この状況が変わるとは思えないし、そもそも大昔の戦争でも無いのに、CEO自ら出撃なんて意味が分からない。

 

「いいから準備しろ!」

 

「しかし…ぐう!?」

 

「これ以上、グラスレーの養子小僧になめられてたまるか!!」

 

 だが、ヴィムは側近の胸倉をつかんで大声で言い放つ。彼がここまでブチ切れているのには、理由がある。

 

 実はこの襲撃、ヴィムとシャディクが考えたデリング暗殺計画の一端なのだ。

 

 予定ではヴィムがプラント・クエタを離れた2時間後に、シャディクが手配したアーシアンのテロ組織がプラント・クエタを襲撃しデリングを暗殺する手はずだった。

 しかしシャディクは、その時間をガン無視し、テロ組織に直ちに攻撃を開始するよう命令。元々ヴィムの事は好きではなかったし、この計画を知っているヴィムの始末もできるからだ。

 それを悟ったヴィムは、何としてでもこの場を生き残り、シャディクをこの手で始末してやると決める。

 

(俺を敵に回した事を、後悔させてやる!!)

 

 ヴィムは怒りの籠った目でプラント・クエタの外の宇宙を睨みつめると、格納庫へと向かう。

 

 

 

「あのCEO!襲撃前に例のモビルスーツ探索部隊から秘密通信があったのですが!」

 

「そんなのは後にしろ!今は一刻も早くこの場を切り抜けるのが最優先だろ!!」

 

「は、はい!!」

 

 

 

 ブリッジから出る間際、オペレーターの1人がそんな事を言っていたが、今はそんな場合ではないので後回しにして。

 

 

 

 

 

「マルタン先輩…これ、訓練じゃないですよね?」

 

「当然だろリリッケ!だってB1だよ!?」

 

 プラント・クエタ内の廊下では、地球寮の皆が一様に慌てていた。昼食を終えて、エアリアルとバルバトスをミデアに詰め込む作業をするため船に向っていたら、突然非常事態警報であるB1が放送される。知識としてB1がどういうのかは知っていたが、実際に経験するのは初めてだ。

 

「えっと、事故とか?」

 

「んな訳ないだろオジェロ。明らかに事故って雰囲気じゃねーぞこれ」

 

 オジェロが希望的観測を口にするが、即座にヌーノに否定される。

 

「じゃ、じゃあ何だよ一体!?」

 

「考えられるのは、テロかな…」

 

『っ!?』

 

 ティルの冷静な答えに、その場にいた全員が息を飲む。

 

「はぁっ…!はぁっ…!!」

 

「リリッケ!深呼吸だ!落ち着いて深呼吸をするんだ!」

 

 あまりの事態に、リリッケは過呼吸気味になり、アリヤがリリッケを落ち着かせる。

 

「おいマルタン!どーすんだよ!」

 

「ど、どうするったって言われても…!」

 

 チュチュがマルタンに詰め寄るが、こんな状況どうすればいいかなんてわからない。完全にお手上げだ。

 

「なぁ昭弘、今絶対に爆発があったよな…?」

 

「ああ。ここもヤバイかもしれん」

 

 そうこうしている間にも、何度も聞こえる爆発音と衝撃。おまけにそれは、どんどん近づいているように聞こえる。このままここにいるのは危険だ。

 

「皆、先に避難しておいて」

 

 その時、三日月がその場から離れようとする。

 

 ガシッ

 

「何処に行くつもり、三日月くん…?」

 

 しかし三日月がここから離れようとした瞬間、ニカが三日月の左腕を掴みその場に留める。その顔は、とても不安そうな顔をしていた。

 

「よくわかんないけど、これって何かの攻撃かもなんでしょ?だったら、モビルスーツが必要じゃん。今ここにはモビルスーツが無いけど、ここから出て少し歩けばモビルスーツがあるし」

 

 そんなニカに、三日月は何時もと変わらない表情で答える。そしてその三日月の言葉を聞いた瞬間、オジェロは三日月が何をしようとしているか理解した。

 

「まさかお前、バルバトスであいつらと戦うつもりか!?」

 

「うん」

 

 オジェロの言う通り、三日月はバルバトスで現在ここを襲っている連中と戦おうとしているのだ。だがそんな事、この場にいる全員が認める訳が無い。

 

「馬鹿言うなよ三日月!!もしティルの言っている通りなら、相手は本物のテロリストなんだぞ!?学園でしている決闘とは訳が違う!!マジの殺し合いになるぞ!?」

 

「そうだ三日月!そもそも俺達は訓練を受けているとは言え学生だ!相手になんてならねーぞ!!」

 

 オジェロと昭弘が、三日月に馬鹿な真似はやめろと言う。なんせ相手は本物のテロリスト。目的のためならば、手段なんて選ばない連中だ。いくら三日月が強くても、そんな相手に勝てるとは思えない。

 

「こういうのは、プラント・クエタにいるプロの守備部隊に任せとけ!!態々お前がバルバトスで戦う必要はねぇって!!」

 

 昭弘の言う通り、こういった事はプロの軍人に任せるべきだろう。

 

「それはそうかもしれないんだけどさ、そもそもちょっとおかしくない?」

 

「は?何がだ?」

 

 だが三日月には、ある懸念がある。

 

「ここの守りが凄い事は、俺でもわかるよ。凄い沢山のモビルスーツや船があるしね。でもさ、それはここを襲っている連中も知っている筈。だったら普通はさ、正面から攻撃なんてしない筈じゃない?」

 

「それは、まぁ…」

 

 ここはベネリット・グループが保有する最大の工廠。当然、守りも厳重だ。そこを攻撃するなんて、普通じゃない。だってそんな事をしても、返り討ちに合うのが目に見えているから。

 

「俺の勘だけどさ、ここを攻撃している連中は、ここにいる守備部隊をどうにかできる手段や作戦があると思うんだ」

 

 故に三日月は、プラント・クエタを襲っている連中が、何か切り札を持っていると考えた。恐らく、今プラント・クエタを守っている守備隊をどうにかできるくらいの何かを。

 

「だから、バルバトスで戦うのか?」

 

「バルバトスはビーム効かないし、それに今回の改修で強くなった。おっぱらうくらいはできるよ」

 

「いや、だからってお前…!」

 

 昭弘も、三日月の言っている事がわからなくはない。バルバトスにはビーム兵器が効かない。これはかなり大きなアドバンテージになる。

 それに新しく改修されたバルバトスの戦闘力は、これまでとは全然違うという話だ。並大抵のモビルスーツでは、相手になんてならないだろう。そもそもが、伝説と呼ばれたモビルスーツなのだ。ならば、ここを守っている守備隊よりは何とかなるかもしれない。

 

「それに、スレッタの事も気になるし」

 

 何よりこのままでは、この場にいないスレッタに危害が加えられる可能性もある。そうなる前に、バルバトスでテロリスト達をここから追い払う。それが出来るのは、自分だけだろうから。

 

「ダメ、だよ」

 

 だが、そんな三日月の腕をニカは一向に放そうとしない。それどころか、より強く掴む。

 

「お願い三日月くん、行かないで…このまま、私達と一緒に避難しよう?」

 

 三日月の腕を掴んだまま、ニカはとても不安そうな顔をして懇願するように言う。三日月に危険な真似をしてほしくないし、何よりここで三日月の手を離してしまえば、取り返しのつかない事が起きてしまう。この時ニカは、何故か強くそう思ったのだ。だから離さない。三日月が自分達と一緒に避難してくれるまで、絶対に離さない。

 

「うわっ!?」

 

「きゃあああ!?」

 

 しかしその時、明らかに近くで爆発が起こった。幸い地球寮の皆に直撃した訳では無いが、廊下がかなり大きく揺れる。その衝撃で、何人かバランスを崩してしまった。

 

「今の爆発、近かったよな…?」

 

「だな…マジでやべぇぞこれ…」

 

 オジェロもヌーノも流石にマズイと慌てだす。今すぐ避難しないと、本当に危険かもしれない。

 

「三日月くん!!」

 

 そう思っていると、ニカの大声が響く。同時に三日月が、いつの間にか廊下のずっと向こうにいるのが見えた。

 

「ごめん」

 

 三日月はニカにそう言うと、そのまま廊下を曲がって姿を消してしまう。

 

「待って!三日月く…っぐう!?」

 

 直ぐに追いかけようとしたニカだが、また爆発と衝撃が起こり、その場から動けなくなってしまう。その後直ぐに動いて廊下を曲がり三日月を追うが、

 

「そんな…」

 

 そこには一部天井が崩れ、瓦礫で通れなくなった廊下があった。瓦礫の隙間から向こうを見てみると、三日月がどんどん離れて行くのが見えるが、これではもう追いつけない。

 

「兎に角今は避難しよう!船に行って、何時でも発進できるようにしておけばいざって時に逃げられるし!」

 

「おいマルタン!てめぇスレッタやミオリネや三日月を見捨てるつもりかよ!?」

 

 船に避難を提案したマルタンに、チュチュがかみつく。未だにスレッタとミオリネがいないこの状況で逃げるなんて、あり得ないからだ。

 

「あくまで逃げる準備だけだよ!3人を置いて逃げるなんて絶対にしないって!!」

 

 だが当然、マルタンは自分達だけ逃げるなんて思っていない。これはあくまで逃げる準備だ。それを理解したチュチュは、それ以上は何も言わずに船に向けて移動する。

 

「三日月、くん…」

 

 そしてニカも、本当なら三日月を連れ戻したいと思いつつも、皆と一緒に船に向うのだった。

 

 

 

 

 

「ミオリネさん、怪我とか無いですか?」

 

「大丈夫よ。そういうスレッタは?」

 

「全然大丈夫です」

 

 明かりが消え、薄暗い廊下ではスレッタとミオリネが2人並んで歩いていた。突然放送された緊急事態警報。そして爆発と衝撃。何が起こっているかよくわからないが、碌な事じゃないだろう。

 しかし、2人が離れ離れになっていないのは幸運だ。もしここで離れ離れになっていれば、合流するのは難しかっただろう。全て、衝撃で吹き飛ばされた時に、直ぐにミオリネの元へ走ったスレッタの判断のおかげだ。

 

「兎に角に、コントロールセンターへ向かうわよ。そこにさえ行ければ、どうとでもなる」

 

「わかりました」

 

 このままここにいても意味が無い。プラント・クエタの全ての隔壁を操作できるコントロールセンターにさえ行ければ、隔壁を開けてシェルターに移動も可能となる。最悪、ミオリネが自分はデリングの娘だと言えばここの職員に保護されるだろう。最も、ミオリネはその言葉だけは使いたくないのだが。

 

「動くな!!」

 

「「!?」」

 

 だが扉を開けた瞬間、その先にいた人物に2人は銃を向けられた。2人はそれがここを襲撃しているテロリストだと思い、つい目を閉じて動きを止める。

 

「な、ミオリネ様!?」

 

 しかしそれは、テロリストではなく、デリングの護衛をしているSPだった。更にその後ろには、ノーマルスーツを着たデリングもいた。

 

「何で、あんたがここにいんのよ?」

 

 まさかの人物との再会に、ミオリネは少し面食らう。

 

「何故、ノーマルスーツを着ていない?緊急時には着るのが鉄則だろう」

 

「……先ず娘の心配が先じゃないの!?」

 

 しかしデリングのその言葉を聞いて、ミオリネは大声で怒鳴る。普通親ならば『怪我は無いか』とか『大丈夫か』と聞く筈なのに、デリングはノーマルスーツの有無を聞いてきた。やっぱり、目の前にいるこのクソ親父はムカツクとミオリネは思う。

 

「いやミオリネさん!今デリング総裁すっごく心配してくれてますよ!?」

 

「はぁ!?どこがよ!?」

 

「だってもしここで外壁に穴が空いたりすれば、私達宇宙に放り出されちゃうんですよ!?そうなったら数秒で死んじゃうんですよ!?だからノーマルスーツの事を聞いてきたんですって!!」

 

「……」

 

 でもスレッタの言葉で、ミオリネは押し黙る。確かにそうだ。現在プラント・クエタは、謎の攻撃を受けている。そしてミオリネとスレッタは、未だに制服のまま。こんな状態で宇宙に出れば、あっという間に死んでしまう。そう考えると、デリングは確かに自分の事を心配してくれているのだろう。もっとマシな言い方はあっただろうが。

 

「直ぐそこの倉庫に、ノーマルスーツがある。今すぐ着替えるんだ」

 

「言われなくてもそうするわよ」

 

 デリングに言われ、ミオリネは直ぐに倉庫に向う。

 

「あ、あの!!」

 

「む?」

 

 でもその途中、スレッタが足を止めてデリングに話しかけた。

 

「は、始めまして!ミオリネさんの婚約者の、スレッタ・マーキュリーと言います!」

 

 そしてスレッタは、デリングに頭を下げながら挨拶をする。

 

「ああ、知っている」

 

「そ、そうでしたか!えっとその、ミオリネさんとは真剣に将来を考えていまして!あとその、最近は温室の世話も任されるようになってまして!」

 

「ちょっとスレッタ!そういうのは後にしなさい!!」

 

「あ、すみません…」

 

 婚約者であれば、相手両親への挨拶は大事。デリングに会える機会なんてそう多くないスレッタにとって、これはその多くない機会なのだ。なので挨拶をしていた。でも状況が状況。命の危険があるので、そういうのは安全が確保されてからにして欲しい。

 

「えっとじゃあ、これが終わったら皆で食事とかどうですか?両家顔合わせって事で」

 

「あんたね…」

 

 だがスレッタ、それならばと食事の約束を取り付けようとする。そんなスレッタに、ミオリネは呆れる。そもそもそんな約束、デリングが受ける筈は無い。

 

「いいだろう」

 

「は?」

 

「この場を切り抜けられたら、お互いの家族全員で食事を一緒にしようじゃないか」

 

 しかし何と、デリングはそれを了承した。その事実に、ミオリネは思考が一時停止する。

 

「わかりました!お母さんにもそう伝えておきますね!」

 

「ああ」

 

 そんなミオリネの事を置いて、スレッタとデリングは食事の約束をする。

 

「総裁、そろそろ」

 

「そうだな。移動しよう」

 

「ミオリネさん。私達は先ずノーマルスーツを着ましょう」

 

「…………あ、うん」

 

 普段見ないであろう父親の言動だったが、今は急いでこの場をどうにかしないといけない。取り合えず先ずは、ノーマルスーツを着よう。そしてミオリネとスレッタは、倉庫にあったノーマルスーツを着てデリングと共に移動するのであった。

 

 

 

 

 

「ソフィ、ノレア。問題ないか?」

 

『問題ありません。何時でもいけます』

 

『こっちも問題ないよー』

 

 その頃プラント・クエタの外では、この場を襲っているテロリストである『フォルドの夜明け』が仲間と合流をはたしていた。その中には、エアリアルと似た顔つきのモビルスーツもいる。

 全体的に茅色をして、足が短いモビルスーツが、ガンダム・ルブリス・ソーン。ソーンより太く大型で、暗めの青緑がかったグレーをしたモビルスーツが、ガンダム・ルブリス・ウル。その名の通り、この2機はエアリアルと同じガンダムだ。

 そしてそれぞれのパイロットは、ソフィとノレア。2人共、ガンダムを操縦できるれっきとした魔女である。

 

『でも残念』

 

「何がだ?」

 

『ここにあの三日月・オーガスがいると思ってたんだけど、見つからなかったんだよねぇ』

 

 そんな中、合流をしたウルのパイロットであるソフィは不満げだ。彼女は、少し前からずっと例の決闘の動画を見ており、そこで圧倒的な力を示したバルバトスと三日月にご執心なのだ。ここにくれば会えると思っていたのだが、全然見つからない。なので不満げなのだ。

 

『いたとしても、さっきの攻撃で死んだんじゃない?』

 

『うーん?それは無いかな?なんかさ、いても普通に生きている気がするんだよねぇ』

 

『あっそ』

 

 もう1人のガンダムのパイロットであるノレアは、どうでもいいと言った感じ。

 

「お喋りはそこまでだ。守備部隊が来るぞ。殲滅しろ」

 

『『了解』』

 

 実行部隊のリーダーであるオルコットが、こちらに向かってくる守備隊を捕捉。2人もその命令に従い、敵を殲滅するべく行動する。

 

 

 

「相手の数は確認されているだけでも12機。各機、油断するな」

 

 『了解』

 

 プラント・クエタに配属されていたドミニコス隊の隊長は、ここを襲っているテロリスト達がかなりの戦力を保有しているという情報を聞いて気を引き締める。

 だが正直、テロリストの事を馬鹿だろうとも思う。いくら数を揃えたとしても、こちらには数多くのモビルスーツに自分達ドミニコス隊もいるのだ。そんな場所を攻撃するなんて、正気じゃない。それでも、決して油断はしないが。

 

『隊長!敵を発見しました!』

 

 隊員の1人が、暗めの青緑がかったグレーのモビルスーツを発見。手には大型のガトリングのような武器を持っており、左肩にも何かしらの武器のようなものがある。

 

「よし、散開!!」

 

『了解!!』

 

 ベギルペンデ4機が散開し、相手を囲んで撃破しようとする。

 

『それじゃ、全部ぶっ壊しちゃうよ~』

 

 それをウルに乗っているソフィが、笑顔で迎え撃つ。

 

『パーメットスコア2!!』

 

 そしてウルのパーメットスコアを上げて、ベギルペンデに攻撃を開始。先ず4機の攻撃を綺麗交わし、その内の1機に肉薄。

 

『各個撃破って、知ってる~?』

 

『しまっ!?』

 

 そのまま装備しているビームガトリングガンを至近距離で発射。あっという間に、そのベギルペンデは穴だらけになり、爆発四散する。

 

「GUNDフォーマットだと!?」

 

 そのウルの動きを見て、隊長は目の前の敵モビルスーツがガンダムであると確信。これはマズイ。ガンダムは非常に強力なモビルスーツ。一刻も早く撃破しないと、被害が増すばかりだ。

 

「くそ!魔女め!各機、アンチドートを使うぞ!!」

 

『隊長!俺が奴の動きを止めます!その隙に!』

 

「わかった!援護する!行動開始!!」

 

『了解!!』

 

 部下の1人を失った隊長は、出し惜しみは無しといわんばかりにアンチドートを起動するべき動く。ウルのビームガトリングの攻撃を避け、部下の援護にまわる。

 そして援護を受けた部下が、一気にブースターを吹かしてウルに体当たりを敢行。そのままプラント・クエタの外壁にウルを押しとどめる事に成功。

 

「よし!今だ!」

 

 隊長が指示を出し、周りにいた部下のベギルペンデが対GUNDフォーマット兵器であるアンチドートを起動。するとウルに灯っていた赤い光が消えて、動きが止まる、これでもう、ウルはただの的になり下がった。

 

 

 

『パーメットスコア、4』

 

 

 

 筈だった。

 

『な!?』

 

 突然ウルの動きだし、そのまま部下が乗っているベギルペンデの後ろに回り込む。

 

『心臓、痛い…!息出来ない…!さっき食べたお菓子吐きそう…!でも私、生きてる!!

 

 そしてウルはビームガトリングをベギルペンデに向けて、攻撃する。

 

『な、何で…!?』

 

 攻撃を受けたベギルペンデは、そのままパイロット諸共爆発四散するのだった。そしてウルは、そのまま隊長が乗っているベギルペンデに攻撃をする。

 

「どういう事だ!?何でアンチドートが効かない!?」

 

 隊長は焦っていた。なんせ、対ガンダム兵器であるアンチドートが効かないのだ。そんな風に焦っていると、ウルが隊長の乗るベギルペンデに肉薄し、ビームガトリングをコックピットに向ける。

 

『アンチドートが効くのは、スコア3までなんだよねぇ』

 

 そんな子供の声を最後に、隊長は宇宙で命を散らすのであった。

 

 

 

『クソ!実弾兵器は条約違反だろ!』

 

 同じ頃、ソフィと戦っていたのとは別の守備部隊のパイロットが、実弾兵器を使うテロリストに対して怒りをあらわにする。議会法では、宇宙空間での実弾兵器の使用が禁止されているのだ。理由は単純に、スペースデブリを増やさない為である。

 人間の握り拳ほどのスペースデブリでも、ぶつかれば簡単に人の命を奪う。それがモビルスーツ用の弾薬の薬莢程の大きさ共なれば、小さな宇宙船くらいなら沈む事さえある。

 

『宇宙を汚しやがって!アーシアンがーー!!』

 

 長い年月をかけてようやく綺麗になったというのに、それをテロリスト達が汚している。スペーシアンである彼はそれが許せず、テロリスト達に攻撃を続ける。

 

 しかし、

 

『がっ!?』

 

 そんな彼も、あっけなく宇宙に散る。

 

「地球を汚して宇宙に逃げたくせに」

 

 彼を撃ち落としたソーンに乗るノレアは、小さくそう呟く。彼女からすれば、どの口でそんな事が言えるのかと言いたい。

 未だに地球は、戦争シェアリングのせいでめちゃくちゃだ。森も川も海も、昔に比べて汚れてばかり。そんな地球に住むことをやめて宇宙に逃げたくせに、今度は自分達の宇宙を汚すななんて言い出す。ふざけるな。

 そもそも、宇宙で技術を進化したら地球復興をするんじゃなかったのか。もうその事すら忘れているくせに、そんな事を言わないでもらいたい。そんなノレアに、また残っていた守備部隊が襲い掛かる。しかしノレア、それを難なく全て撃破。

 

「んじゃ、港の破壊に行こうか」

 

 そして港の破壊を続けるため、そこから移動するのだった。

 

 

 

『この、テロリストどもがーーー!!』

 

 ノレアが港の破壊へ移行している時、また別の場所で守備隊がとあるモビルスーツを相手にしていた。それは白とオレンジが特徴的で、他のモビルスーツに比べると異質な形状をしている。

 しかし、見た目に騙されてはいけない。なんせこのモビルスーツに乗っているのは、ソフィとノレアに匹敵する程の実力者なのだから。その証拠に、オレンジのモビルスーツの周りには、破壊された守備隊のモビルスーツの破片が沢山散らばっている。

 

『な!?』

 

 敵のモビルスーツが腰の部分からワイヤーを発射。守備隊のデミギャリソンはそれを避ける事が出来ず、ワイヤーを機体にからめてしまう。これでは動けない。その隙に敵のオレンジのモビルスーツがデミギャリソンに近づき、両手に持っていた巨大な半月のような刀を振り下ろす。

 

『う、うわぁぁぁぁ!?』

 

 その攻撃を避ける事が出来ず、デミギャリソンは破壊され、パイロットも死亡。

 

『くっそーーー!!』

 

 仲間の死を目の当たりにした守備隊が、謎のモビルスーツを囲むように散開。しかし、

 

『があっ!?』

 

『ぐうっ!?』

 

 オレンジのモビルスーツは、攻撃を避けながら再びワイヤーを発射。それが2機のデミギャリソンにひっかかったのを見たオレンジのモビルスーツは、そのまま力いっぱいに2機のデミギャリソン同士をぶつける。そこに両手にした大型の近接武器をそれぞれに振り下ろし、デミギャリソンを破壊したのだ。

 

『ちくしょーーー!!』

 

 残った最後の守備隊のデミギャリソンが、ビームライフルでオレンジのモビルスーツを攻撃しまくる。

 

『ぐあっ!?』

 

 しかし突然背後から攻撃され、ブースターを破損。そうして動けなくなったところに、再びオレンジのモビルスーツが近接攻撃を開始。手にしていた大型の近接武器を、デミギャリソンのコックピット目掛けて振り下ろす。デミギャリソンのパイロットは、痛みを感じる暇もなく死亡した。こうして瞬く間に、プラント・クエタの守備隊は全滅したのだった。

 

「これで12機目。他愛ないな」

 

『ですね団長。口ほどにもない』

 

『大方、今まで死線を潜り抜けてこなかった連中ってところか』

 

 オレンジ色のモビルスーツのユーゴーの元に、ライトピンクとライトグリーンのユーゴーが集まる。彼らこそ、現在フォルドの夜明けと共にプラント・クエタを襲っているテロ組織『夜明けの地平線』なのだ。

 そして彼らは、地球上のあらゆる戦場でその腕を磨いてきた歴戦の猛者。プラントの守備という、緊急時以外で戦闘の経験の無いパイロットなぞ、相手にならない。

 

「オルコット、守備隊は全滅した。これでプラント・クエタまで安全に行けるぞ」

 

『わかった。ではナジに連絡し、後方待機班を向かわせる』

 

「じゃあ俺達は、次の守備隊を警戒しておこう」

 

 現場指揮官であるオルコットに連絡を入れ、サンドバル達も周囲の警戒をする。流石に打ち止めと思いたいが、まだ増援が来ないとも限らない。なので警戒し、また敵が現れたら即座に殺しにいくのだ。

 

 そしてオルコットの通信を聞いたナジは、後方に待機させていたプラント・クエタへの突入部隊へ指示を出し、デリングの暗殺へ向かわせる。

 

 

 

 

 

 プラント・クエタ内

 

「う…」

 

 ノーマルスーツに着替えたミオリネは、意識がはっきりしなかった。

 

(あれ…?私、どうしたんだっけ…?)

 

 ミオリネは落ち着いて、自分が最後に記憶していた事を思い出す。ノーマルスーツに着替えた後、ミオリネとスレッタはデリングと共にシェルターに移動を開始。しかしその途中、突然大きな音と共に何かが爆発したのだ。

 

(その後に…そうだ!スレッタ!!)

 

 そしてミオリネは思い出す。通路が爆発し、それに自分がまきこまれた事を。傍にはスレッタもいた。ミオリネは目を開けて、周囲を確認する。

 

「え…?」

 

「ぐっ…」

 

 すると目の前に、険しい顔をしたデリングがいた。そしてデリングは、そのまま地面にゆっくりと倒れる。よく見ると、背中には大きな破片が刺さっている。つまりこれは、デリングが先ほどの爆発からミオリネを守ったという事だ。

 

「お父さん!!」

 

 それを理解してしまったミオリネは、数年ぶりにまともに父親の事をそう呼んだ。

 

「逃げ、ろ…」

 

 対してデリングは、ミオリネにそう呟く。その顔は、とても苦しそうだ。

 

「ミオリネさん!どいてください!!」

 

 そしてそのデリングを見たスレッタは、ミオリネを押しのけて直ぐにデリングを問診する。

 

「これは、破片が大きすぎて抜かない方がいいかな。下手に抜くと血がいっきに出ちゃうし。デリング総裁!ちょっと痛いでしょうけど我慢してくださいね!今から破片が抜けないよう少し固定しますから!」

 

「ぐうっ…!」

 

 スレッタは慣れた手つきで、デリングに刺さった破片をテープのような物で固定する。

 

「あんた、慣れてるのね…」

 

「ミオリネさん。私、水星ではレスキューパイロットだったんですよ?最低限の応急処置くらいは出来ますって。それに水星だと、こんな怪我珍しくなかったですし」

 

「……因みに、SPの人達は?」

 

「……ダメでした。後、向こうは見ない方がいいですよ。私でも、吐きそうになりましたから…」

 

 そんなスレッタの手際の良さに、ミオリネを驚く。でも、今はそこに驚いている場合じゃない。先ずはデリングの方に集中しないと、瓦礫の向こうで死んでいるSPと同じになってしまう。

 

「私の事は、ここに置いていけ…怪我人を運ぶような余裕は、無いだろう…生存確率の高い行動を、しろ…ノートレットならそうする…」

 

 その時、デリングからそんな提案がされる。しかしミオリネは、その提案より驚く事があった。

 

「…何で、そこでお母さんの名前が出てくるのよ」

 

 デリングの口から突然出てきた、ノートレットのいう名前。それは数年前に事故で亡くなった、ミオリネの母親の名前である。

 

「2人で、決めた事だ…何かあった時、どちらか…だけ…でも生き残るようにしようと…」

 

 デリングは苦痛にゆがんだ顔で、ミオリネに伝える。詳しくはわからないが、デリングはかつて妻ノートレットとそういう決め事をしたらしい。

 確かに重症のデリングをここに置いて、怪我をしていないスレッタとミオリネだけで動けば、移動速度はずっと上がる。いざという時に走る事もできるし、無駄な体力を使う心配もない。

 

「ふざけんな!そう言われて置いていく訳ないでしょ!!」

 

 だがミオリネ、当然ここにデリングを置いていくなんて真似はしない。

 

「あんたにはまだ言いたい事や聞きたい事が山ほどあんのよ!?だから絶対にここに置いてなんていかない!ここを切り抜けて病院に入院させて、ベッドで1晩中罵倒してやるんだから!!」

 

「ミオリネさんの言う通りですデリング総裁!私も、あなたをここに置いて行くなんて真似しません!それに、さっき食事の約束をしたばかりなんですよ!?早速約束を破る真似しないで下さい!!」

 

 ミオリネに続き、スレッタもデリングを一緒に連れて行こうとする。

 

「ミオリネさん!そこの壊れたドアを担架代わりにしてデリング総裁を運びましょう!何かで固定しながら!」

 

「ええ、わかったわ。じゃあ瓦礫をどかすの手伝って」

 

「勿論です!」

 

「馬鹿者め…!」

 

 襲撃されている中で、重症の人間を運ぶなんて非合理的な判断だ。だがもう、2人には何を言っても無駄だろう。そしてスレッタとミオリネは、壊れたドアにデリングを固定して、瓦礫をどかしながら進んでいく。

 

 

 

 

 

 プラント・クエタ 78ハンガー

 

 地球寮の皆と別れた三日月は、バルバトスとエアリアルが置いてある78ハンガーにたどり着いていた。先ほどに比べると爆発は聞こえなくなったが、未だに油断は出来ない。なので早くバルバトスに乗って、ここを襲っているテロリスト達を追っ払いたい。

 

「ブリッジ。ガンダムらしきモビルスーツを発見しました。例のガンダムフレームもここにいます」

 

『その2機、回収できるか?』

 

「できます。先ずハンガーから出す必要はありますが」

 

『なら急いで回収しろ』

 

『バルバトスだ!私ちょっと行ってくる!!』

 

『ソフィ!勝手に動かないで!!』

 

 だがその為には、先ず今78ハンガーにいる敵を排除しなくてはならない。

 

(どーしよ…武器なんて、さっきそこに落ちてた鉄パイプくらいしかないし…)

 

 いくら三日月でも、マシンガンを持っているテロリスト相手に無謀な攻撃はしない。攻撃をしたとたん、蜂の巣にされるだろう。

 

(誰か1人を人質にして…ダメだ。片腕がこれじゃ成功しないし、それであいつらが大人しくする訳ない)

 

 このままでは、エアリアルとバルバトスがテロリストに奪われてしまう。そうなる前に何とかしなければ。

 

 どうするべきか考えていると、三日月の直ぐ傍にあったロッカーがバランスを崩し大きな音を出して倒れたのだ。

 

(ウソでしょ…)

 

 マズイなんてもんじゃない。これでテロリスト達は、絶対にここまでやってくる。事実、足音がゆっくりとこちらに近づいてきている。おまけにロッカーが倒れたせいで、ここに来た時のドアが塞がれてしまった。ロッカーをどかせば逃げられるが、そんな時間は無い。

 

(やるしか、ないか…)

 

 覚悟を決める三日月。勝ち目なんてほぼないが、何もしない訳にはいかない。三日月は左手で拾った鉄パイプを握り、こちらにやってくるテロリストに攻撃をしようとする。だがそうなる前に、

 

「ぐあっ!?」

 

「がっ!?」

 

 銃声と共に、テロリストが倒された。

 

「無事?三日月くん」

 

 隠れていた三日月に声をかけたのは、プロスペラだった。その手には、銃が握られている。

 

 「うん、別に怪我も無いよ。ありがと」

 

 三日月も内心ほっとし、手にしていた鉄パイプを放り投げる。

 

「こいつら、死んだの?」

 

「ええ、そうしないとあなたは殺されていたしね」

 

「そっか」

 

 三日月は床に血だらけで倒れているテロリストを見ても、そんな感想しか出てこない。やはり自分は、どこかおかしいのかもしれないと三日月は思う。

 

「ねぇ、バルバトス動かせる?」

 

 でも今は、それよりやらないといけない事がある。

 

「動かせるけど、バルバトスでどうするつもり?」

 

「あいつらをおっぱらう」

 

 バルバトスを使い、ここを襲っているテロリストを追っ払う事だ。

 

「バルバトスのメイスと尻尾で、相手の足とか背中のスラスターとか壊したらあいつらも戦えなくなって逃げるでしょ」

 

 三日月はプロスペラにそう提案する。確かに武器や動く為のスラスターが無ければ、モビルスーツも戦えない。

 

「うーん、気持ちは本当に嬉しいけど、それじゃダメね」

 

「え?」

 

 しかしそれではダメだと、プロスペラは三日月に言う。

 

「いい、三日月くん。今ここを襲っているのは、本物のテロリスト。視界にスペーシアンが入ったら、問答無用で殺しにくる連中よ」

 

 プロスペラの言う通り、今床に倒れて死んでいるのは本物のテロリスト。子供とは言え、スペーシアン相手に慈悲なんて見せないだろう。

 

「確かにここで、三日月くんがバルバトスと共に戦えば、スレッタもミオリネさんも、地球寮の皆も助ける事が出来るかもしれない。でもね、それをするなら相手をここからおっぱらうだけなんて半端な気持ちじゃダメ。そんな気持ちじゃ誰も助けられないし、貴方が殺されちゃうわよ?」

 

「そうなの?」

 

「ええ。だって戦場では、殺意が無い子から死んでいくもの」

 

 そう言うとプロスペラは、手にしていた銃をしまい、三日月に説明をする。

 

「戦場は命の奪い合い、殺し合いの場所。そんな場所に殺意を持たず優しい気持ちで立っていたら、直ぐに相手にその隙を入られて、殺されるわ。『あ、こいつ自分を殺す気が無いな』って。だからもし三日月くんが今バルバトスで戦う気なら、相手を必ず殺すっていう覚悟が無いと絶対にダメ」

 

 プロスペラの言う通り、戦場でそのような気持ちはいけない。歴戦のパイロットは、そういった覚悟の無い者を優先して狙う。事実、学校を卒業したばかりのパイロットが、初陣で戦死する原因がこれだったりする。相手に殺す気が無いと悟られ、その隙を突かれて逆に自分が死ぬのだ。

 だからこそ、もし今戦うのであれば、相手を確実に殺すという覚悟が無いといけない。

 

「でももしその覚悟があれば、今ここにいないスレッタも、ミオリネさんも、地球寮の皆も救えるかもしれない。どうする?三日月くん?貴方は殺す覚悟を持って、バルバトスで戦える?」

 

 そしてプロスペラは、三日月に確認するように問う。でもその仮面の下の顔は、どこかこの問いに答えないで欲しいと言っているように見えた。

 

「その気があれば、バルバトスで行ってもいいんだね?」

 

「……ええ、その気持ちと覚悟があればね」

 

「わかった、じゃあちゃんと殺すよ」

 

 だが三日月の答えは、最初から決まっている。その覚悟が必要と言うのなら、覚悟を持とう。相手をちゃんと殺そう。そして皆を、必ず守ろう。それが必要ならばやる。それが、三日月・オーガスという人物なのだ。

 

「本当にいいのね?もう、後戻りは出来ないわよ?」

 

「うん。後でスレッタ達に怒られるかもしれないけど、それがスレッタや皆を守れるなら、俺はいいよ」

 

「……そう。わかったわ」

 

 プロスペラは少しだけ、悲しそうな声をする。

 

「ゴドイ、直ぐにバルバトスの起動準備をして」

 

「わかりました」

 

 だが直ぐに切り替えて、バルバトスの起動準備を始める。

 

 そして三日月も、急いでパイロットスーツに着替えるのだった。

 

 

 

 

 

 大きな爆発が起こり、78ハンガーの隔壁が破壊される。

 

『バルバトス、どこかな~?』

 

 破壊された隔壁の外から、ソフィの乗ったウルが現れる。先程の通信で言った通り、彼女はここに来たのだ。

 

『あ、見~つけた』

 

 センサーを動かすと、モビルスーツの反応があった。姿は見えないが、間違いなくそこにいるのだろう。そしてソフィは、何のためらいも無くビームガトリングを発射しようとした。

 

『っ!?』

 

 だがその寸前、何かがウルに攻撃をしてきた。とっさに避ける事に成功したが、ウルが先ほどまでいたハンガーの床や壁には、何かによって切られたような跡で出来ている。そしてハンガー内を、何かがゆらゆらと動いている。

 

『何?』

 

 ビームライフルでも無く、ビームサーベルでも無く、ましてやGUNDビットでも無い。今まで見た事の無い攻撃だ。ソフィが目を凝らすと、そこには右手に大きな鉄塊のような武器を持ち、背中から尻尾のような物が生えているモビルスーツがいた。その正体は、進化を遂げたバルバトス・ルプスレクスだ。

 

『あれ?なんかバルバトス、形変わってる?』

 

 以前見た動画とは姿が違う。でもこれは、間違いなくバルバトスだろう。

 

 「とりあえず」

 

 バルバトスの目が光ると同時に、背中のスラスターが動く。

 

 

「ここから、出て行け」

 

 

 そして三日月は、バルバトスのスラスターを一気に吹かしてソフィのウルを宇宙まで押し出したのだった。

 

 

 

 

 




 そんな訳でスレッタ、エアリアルと合流できず。
 いや実際、あれ合流できるかどうかわからなかった気がするし。エアリアルがパーメットでスレッタの場所わかっていたからそう言って、そしれでプロスペラも『あの子はここに来るわ』とか言ってたんだろうけど、実際運良くないと無理でしょあれ。

 そしてデリングの件なんですが、悩んでます。作者、感想で言われるまで総裁選の事を完全に忘れてまして。
 もしデリングが助かれば総裁選が無く、ミオリネも地球に行く事が無いし、クイーンハーバーの事件も起きない。こう考えると、デリングって本当に重要な役目でしたね。
 でもなんかうまい事理由付けすれば総裁選やれるだろうし(例えばデリング自ら行方不明になるとか)、そもそも総裁選しなくてもクワゼロまでは何とか書けるだろうしで、本当に悩む。

 まぁ正直言うと、物語の整合性考えるのが面倒って部分もあるんですけどね。

 でも、ゆっくりと考えてみます。少なくとも、自分は絶対に納得できるように。

 そしてどこか矛盾点や変なところがあれば遠慮なく言ってください。修正しますので。


 次回、第8の悪魔VS地球の魔女とお供達。
 
 さぁ、フォルドの夜明け。そして夜明けの地平線。

 覚悟しよっか♪
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