悪魔と魔女の物語   作:ゾキラファス

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 お久しぶりです。ウルズハントの映画観てきました。なんか賛否あるけど、私は映画館で観れて良かったって思っています。カチュア、可愛いよね。是非1クールアニメで観たい。

 それと今回はもしかすると、人によっては賛否ある内容かもですが、作者が好きなように書いた結果なので、どうか暖かい目で見てくれると幸いです。
 でも明らかな矛盾などあれば言ってくださいませ。その時はしっかりと修正させていただきます。

 それでは、どうぞ。

 追記 感想にて指摘があったので最後の方を少し編集しました。


雨降って地固まる 2

 

 

 

 

 

 地球寮

 

「やっと終わったー…」

 

「今日はずっとティコ達の世話で1日が終わったな」

 

「最近忙しくて、掃除とかあまりできなかったしな」

 

「でもおかげで、今日は隅々まで綺麗にできましたね」

 

 シャワーを浴び終えたニカとアリヤとチュチュとリリッケが話しながら寮内を歩く。プラント・クエタの襲撃事件以降、取り調べや精神状態などの事情が合わさってまともにティコ達の世話が出来ず今までずっと放置気味だったのだが、今日やっと寝床の掃除が可能となったので4人は小屋を隅々まで掃除をしていた。

 しかし、数日間碌に掃除していなかったせいですっごく汚い。なので掃除に時間がかかってしまい、もう夕方前となっているのだ。因みに男子たちは、寮内の掃除や荷物の整理整頓をやっていた。

 

 昨日の朝のあの言い争い以降、このままではいけないと思った昭弘とティルが、今は一旦三日月の事を置いておいて、とりあえず何かをして体と頭を動かそうと言い、こうして全員で掃除や整理整頓をしていたのだ。

 こういう時は体を動かしている時の方が楽だったりするし、体を動かしていると案外悩みが消えたりもするからだ。幸いな事に、今日は休校日。授業が無いのでいくらでも掃除ができる。

 

「お疲れー」

 

 そのまま談話室に行くと、そこにはテレビの前で寛いでいる地球寮の男子メンバーが揃っていた。全員既にシャワーを浴び終えたのか、どこかさっぱりしている。

 

「倉庫の整理はどうだった?」

 

「何とか全部終わった。流石に疲れたがな」

 

 ニカの問いに、昭弘が答える。体力自慢の彼も、1日中倉庫で整理整頓したのは堪えたようだ。勿論、彼だけで無く地球寮の男子全員がそうなのだが。

 

『こちらをご覧ください。これは数年前、太陽系外の遥か彼方で新たに発見された彗星『セラフィム彗星』の写真です。彗星の尾が、まるで6枚羽の天使のように見えるのでそう名付けられたと言います』

 

「へー、これ綺麗だね」

 

 ふとニカがテレビを見ると、とあるニュース番組で近年発見された新しい彗星についてのニュースが流れていた。最近はずっと地球でのデモ活動やテロ等の暗いニュースばかりだったので、こういった明るい話題のニュースを見ると少しだけ気分が晴れるものだ。

 

『このセラフィム彗星ですが、大きさはおよそ2キロほど楕円形の彗星と言われており、現在地球圏に向けて移動しています。しかし、軌道は地球からずっと離れたところを通過するらしく、万に一つも地球に衝突する可能性は無いと多くの天文学者が言っておりますので、どうか皆さんご安心を』

 

「彗星か…中々見れるものでも無いし、もし地球の傍まできたなら皆で見てみたいね」

 

「ニカ姐それいいじゃん。地球寮全員で天体観測ってのも悪くないし」

 

「ふふ、その時はノーマルスーツを着て宇宙で見たいですね。その方が綺麗に見えるでしょうし」

 

 ニカのちょっとした願望に、チュチュとリリッケが賛成する。特にそういった星に興味がある訳ではないが、折角来るというのだ。それならば見てみたい。もし全員で見れる事ができたら、それはとても素敵な思い出となるだろう。

 

「……ところで」

 

 そんな事に少しだけはしゃいでいたニカが、ここで先ほどからずっと気になっていた事について聞く事にした。

 

「さっきからマルタンは何でうつ伏せで寝てるの?」

 

 何故か談話室に来た時からずっと、マルタンだけ複数並べた椅子の上で、腰を出してうつ伏せで寝ているのだ。後なんか、腰に湿布を張っている。

 

「さっき倉庫の荷物運ぼうとした時に、腰やったんだよ」

 

「あー…」

 

 明弘の説明を聞いて、納得するニカ。あまり言いたくはないが、マルタンは細身の貧者体系である。そんな彼が、無理して重い荷物を持とうとしたらどうなるか、簡単に想像できる。

 

「だから昭弘にやらせておけって言ったじゃん」

 

「い、いや…僕寮長だし…ああいうのは率先してしないといけないって思って…」

 

「それで怪我したら世話ねーぞー」

 

「う、ごめん…痛った!?

 

「あー、動くな動くな。じっとしとけ」

 

 ヌーノの言う通り、やる気を出して怪我したら逆に迷惑である。今後はあまりこういった無理はしないようにしようと、マルタンは決める。

 因みに腰は1度やると癖になって何度もやる可能性があるので、もし腰をやった場合は1度ちゃんと病院に行こう。じゃないと地獄を見るぞ。

 

「ねぇティル。今日、三日月くんは?」

 

「いつも通り、ミオリネの温室にいた。そこで自分の畑を弄っていたよ」

 

「そっか…」

 

 痛がっているマルタンをよそに、ニカがティルに質問をする。あの日以降、三日月は地球寮に戻ってきていない。

 そして地球寮の皆も、誰も三日月に会いに行っていない。どんな顔して会えばいいかなんて、わからないからだ。しかし毎日誰かが、遠くから三日月を見て今どうしているかを確認だけはしていた。

 

「どんな、様子だった?」

 

「遠くからだからあまりわからないけど、特に変わった様子は無かったよ」

 

「つまり、何時も通りって事か…」

 

「おいオジェロ」

 

 三日月に特に変わった様子が無いと知り、オジェロは少し苦い顔をする。やはりどうしても、普段通りの三日月が怖いと思ってしまう。これで多少何か変化があれば、また違った感想が出るのだが、何時もと変わらないのならそれも無理である。

 

「…あー、にしても、そろそろオープンキャンパスだな」

 

「あ、そっか。もうそんな時期か」

 

 このままだと、昨日の繰り返しになりかねないと思ったヌーノが、とっさに近々開催されるオープンキャンパスについて口にする。これを簡単に説明すると、アスティカシア学園への入学希望者が学園にやってきて、体験実習や模擬抗議、在学生主催のイベントを3日間に分けて楽しむちょっとしたお祭りである。それがもう直ぐまで迫っている。地球寮も例に漏れず、色々と準備をしないといけない。

 

「GUNDの出店でもするか?」

 

「今更出店かよ」

 

「でもチュチュ。俺らは予算もあまり無いし、それが無難じゃね?GUNDの宣伝にもなるしさ」

 

 毎年他の寮は結構派手な事をしているが、予算の少ない地球寮ではそんな事出来ない。ここはヌーノの言う通り、出店が無難だろう。何もしないよりは、ずっといい。

 

「それもだけど、ランブルリングはどうすんだ?」

 

「あー、それがあったー…」

 

「あーしは勿論参加するぞ!!スペーシアンをぶっ飛ばせるチャンスなんだからな!!」

 

 昭弘の質問に、うつ伏せのマルタンが頭を抱える。

 

 ランブルリング。

 オープンキャンパスの最終日に行われる、モビルスーツを使ったバトルロワイアル形式の模擬戦だ。これに参加して活躍すると、自社のモビルスーツの宣伝に大いに貢献できる。そこで優勝したパイロットも、各方面から引手数多な存在となるのだ。参加は自由で強制では無いのだが、ホルダーは必ず参加しないといけない。そして現ホルダーのスレッタは、まだ学園に戻ってこない。

 

「スレッタが戻ってさえくれば終わる話なんだけどな…」

 

 オジェロが呟く。このままでは、地球寮のホルダーは戦いから逃げて不参加になったという不名誉なあだ名がついてしまう。そうなっては、GUND事業にも影響が出かねない。

 なのでどうにかしてスレッタには参加してもらわないといけないが、簡単にはいかないだろう。

 

「いっそあーしが力づくで連れて帰るか?」

 

「それはダメだってチュチュ」

 

 チュチュなら本気でやりそうなので、アリヤが直ぐに静止させる。なんせスレッタも、プラント・クエタの事件後に相当ショックを受けていたからだ。ずっと一緒にいた家族のように仲の良い幼馴染が、人殺しに手を染めた。これでショックを受けない程、スレッタは強くない。

 それに本人も、現在モビルスーツに乗れるかどうかわからないのだ。もしかすると、リリッケのような状態になっている可能性だってある。ここで無理やりモビルスーツに乗せて戦わせるなんて事、いくら何でも出来ない。

 地球寮の皆がどうするか悩んでいるその時、

 

 バァン!!

 

『!?』

 

 突然大きな音と共に寮の扉が開いた。

 

「はぁ…!はぁ…!」

 

「す、スレッタ?」

 

 皆が扉の方を一斉に振り向くと、そこには両手で膝を押さえて大きく息を乱しているスレッタがいた。

 

「み、皆さ…ん!ごほっ!そ、相談が…ごほごほっ!!おえ!?」

 

「スレッタ!1回深呼吸して落ち着こう!?アリヤ!奥の部屋から酸素缶持ってきて!!」

 

「わかった!」

 

「私はタオル持ってきます!!」

 

 スレッタが何か言いたそうだったが、とても話せる状況じゃないと思いニカが先ず落ち着かせる。その間にアリヤが酸素缶を探し、リリッケがタオルを取りにいった。

 

「ひゅー…ひゅー…」

 

「おーい、何かクソスペわがままお嬢様がぶっ倒れてるんだけど」

 

「…チュチュ、部屋まで運んでやってくれ」

 

「あーしがかよ。昭弘が運べばいいじゃねーか」

 

「男の俺が運ぶとセクハラとか言われそうなんだよ…」

 

「あー…ったく、しゃーねーな」

 

 そしてチュチュは、スレッタの後ろの廊下でぶっ倒れているミオリネを部屋まで運んで介抱する事にした。

 

 因みにその運び方は、ミオリネの両足を掴んで引きずるというかなり酷い運び方だったりする。

 

 

 

 

 

 10分後。

 

「この体力馬鹿。花嫁を置いて行く花婿なんて普通いないわよ」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

 ようやく落ち着いた2人は、談話室の椅子に座りながらティコの搾りたてホットミルクを飲んでいた。実はこの2人、どうしても直ぐに話さないといけない事が出来たから、学園に戻ってからずっと地球寮目指して全力で走ってきたのだ。

 しかしいくら体力のあるスレッタでも、流石に学園入口から地球寮までの長い距離を走るのはキツく、先ほどのように吐きそうになったのだ。

 因みにミオリネも頑張りはしたが、地球寮にたどり着いた瞬間に限界を向かえて、倒れてしまったののだ。吐かなかったのは、乙女としての最後の意地である。

 

「それでスレッタ。何かあるの?」

 

「その前に質問があるのですが、あの、皆さんは今、三日月を怖いって思っていますか?」

 

『っ!!』

 

 突然のスレッタの質問に、地球寮の全員がびくっとなる。特にオジェロとリリッケは顕著だ。

 

「…やっぱり、そうですよね」

 

「あ!違うのスレッタ!確かに怖いとは思ったかもだけど、別に三日月くんを嫌っている訳じゃなくて!!なんていうかその!!」

 

 直ぐにニカが何とか弁明をしようとするが、上手い言葉が思い浮かばずあたふたしてしまう。

 

「大丈夫です。私もミオリネさんも、同じですから」

 

「え?」

 

 てっきりスレッタから何か言われると思っていたのに、スレッタからはまさかの言葉。

 

「実は、皆さんにお願いがあって来ました。話を、聞いてください」

 

 そしてスレッタは、地球寮の皆を見ながらお願いをする。

 

「……わかった。聞くよ。皆もいいよね?」

 

『勿論』

 

「ありがとうございます」

 

 そのお願いを、地球寮全員が聞く事にした。

 

「すぅーーはぁーー」

 

 スレッタは1度大きく深呼吸をし、椅子から立ち上がる。

 

「どうか、三日月を怖がらないで下さい!!」

 

 そして地球寮の皆に、頭を深く下げて願いをしだすのだった。

 

「え!?す、スレッタ!?」

 

 突然スレッタが頭を下げてきた事に、全員が驚く。

 

「その!プラント・クエタで三日月は、取り返しのつかない事をしたかもしれません!だって、私達を守る為とは言え人の命を奪ったんですもん!そんなの、皆さんが怖がって当然です!そもそも私も怖かったですし!!

 

 スレッタも、三日月が人殺しをした事が怖い。もっと言えば、人を殺してケロっとしていた三日月が怖い。でも、だからと言ってこのまま三日月を怖がっていてはいけない。

 

「でも、このまま私達が三日月を怖がってずっと遠ざけていたままにしていると、三日月はどこか遠くに行ってしまう気がするんです!!」

 

 だってこのままだと、三日月は手の届かない場所に行ってしまうかもしれない。まるで煙のように、突然ふらっと消えてしまうようなそんな感覚。スレッタは、どうしてかそんな気がしてならないのである。

 

 三日月は、とても優しい子だ。

 

 もしも今後、どこかでプラント・クエタ襲撃事件の情報が洩れて、地球寮が他の寮から怖がられるような事になれば、三日月は皆に迷惑をかけない為に学園を去るだろう。

 確かに三日月は、幼い頃から危険な採掘作業もしている度胸と技量があるので、例え学園を突然去ってしまう事になっても1人で難なく生きていけるかもしれない。

 

 でも、1人ぼっちはとても寂しいものだ。

 

 いくら三日月が強い子でも、この先ずっと1人でいる事が平気でいる訳が無い。ましてや、初めて出来たスレッタ以外の友達に怖がられ、仲直りせずにいるなんて絶対に後悔する。少なくとも、スレッタはそんなの絶対に嫌だと思っている。

 だからスレッタは、何とかして三日月と地球寮の皆を前のような関係に戻したい。でも、正直どうすればいいかなんてわからない。なのでスレッタは、こうして頭を下げてお願いする事にしたのだ。それ以外に、思いつかなかったから。

 

「私も、皆さんが三日月を怖がらなくなるようお手伝いします!何が出来るかぱっと思い浮かびませんが、兎に角お手伝いします!!このまま三日月を1人ぼっちにさせない為にも、どうかお願いします!!」

 

『……』

 

 スレッタは必死になって頭を下げる中、地球寮の皆はどうするべきかと思いながら周りを見渡す。

 

「私からもいいかしら?」

 

 そうしていると、今度はミオリネが口を開いてスレッタを援護する。

 

「スレッタの言う通り、確かに三日月はとんでもない事をしたわ。でもね、このまま三日月を遠ざけるなんて真似はあまりに恩知らずよ?」

 

「それは、そうだけどよ…」

 

「けどじゃない。そもそも私だってとっても怖かったわ。なんせスレッタと一緒に、目の前でそういう現場を目撃したんだもの。こういう言い方は卑怯かもだけど、あんた達よりショックを大きかったわよ。実際、あの日以降お肉見るのも嫌だしね」

 

 そういうミオリネの顔は、よく見ると少し瘦せているように見える。実は彼女は現在、肉や魚といった固形の食べ物が食べきれず、食事をゼリー飲料で済ませているのだ。それゆえ、どうしても摂取エネルギーが足りずにやや体重を落としてしまっている。

 

「そしてあんな事を平然と行って、その後何喰わぬ顔をしている三日月を怖がるのは当然。むしろ怖がらない方がおかしいもの。でもね、あの時三日月がいなかったら私達の誰かは確実にここにいなかったわよ」

 

 少なくとも、スレッタとミオリネはそうだろう。あの時バルバトスに乗った三日月がいなければ、テロリストによって射殺されていたのは間違いない。

 

「言うなれば三日月は、命の恩人。そんな彼をこのまま怖がって、遠ざけていいわけないでしょ?」

 

「そんな事、わかってるんだよ…」

 

 ミオリネに言われなくとも、オジェロだってそんな事理解出来ている。でも、やはり怖い。平然としている三日月が怖いのだ。

 

「わかってるなら、それを乗り越えなさい。それとも何?三日月は今後も平気で人を沢山殺すヤバイ奴だとでも思ってるの?」

 

「そ、そんな訳ねーよ!!」

 

「だったら、乗り越えられる筈でしょ。根性出してやりなさい。今抱えている恐怖を糧にして、前に進みなさい。私もやるから、あんた達もやりなさい。それにこういうのはね、最初の1歩を乗り越えると、後が楽になるものよ」

 

 1回乗り超えると、2回目以降は躊躇や恐怖心が無くなるという言葉がある。これは仕事や恐怖系のアトラクションや犯罪、そして人間関係等全てに言える事だ。人は経験をして、成長していく生き物。

 ここで頑張って三日月への恐怖を乗り越えたら、その後はまた以前のように接する事が出来る。少なくとも、ミオリネはそう考えていた。

 

「あの!もしもまた三日月が同じような事をしたら、その時は私とエアリアルが絶対に止めます!三日月にもう2度と、あんな事させません!!だから、お願いします!!」

 

 ここで再び、スレッタが頭を下げる。だってこのままだなんて、絶対に嫌だ。何としてでも、また以前のように皆で過ごしたい。だから必死になってお願いをする。

 

「…今後会社の営業停止命令が解除されたら、俺達はGUNDを戦争で経験した傷痍軍人達に売り込む事がある。これは、その予行演習とでも思えば多少は楽になるんじゃないか?」

 

「だね。言い方は悪いけど、人の命を奪った事のある人達に対する良い練習になると思うよ」

 

 スレッタに続く形で、昭弘とティルも説得を開始。確かに三日月は人の命を奪ったが、それは今後GUNDを売り込む予定である傷痍軍人にも言える事。

 そういった訓練を受けているかいないかの違いはあるが、命の奪い合いを経験した人という点では三日月と彼らは同じだ。ここで三日月を怖がったままでいると、そういった人達と上手く話せる事が出来ないかもしれない。

 そしてそれは、GUNDの普及を遅らせる可能性がある。ここで三日月に対する恐怖を乗り越えれば、今後はそういった人達にも普通に接する事が可能かもしれない。

 

「だーもう!わかったよ!正直まだ三日月の事怖えーけど、気合で何とかしてみせる!!」

 

「わ、私も!頑張ってみます!!」

 

「っありがとうございます!!」

 

 ここまで言われて、何もしないなんて事は流石に出来ない。オジェロもリリッケも、この恐怖を頑張って乗り越えてみる事にした。

 

「当然、私達もだよ。これ以上、三日月くんを1人になんてさせられないし」

 

「そうだな」

 

「だね」

 

 ニカの言葉に、昭弘とティルも頷く。このまま三日月を1人になんて、絶対にしたくない。だから必ず仲直りをする。

 

「マルタンも、それでいいよな?」

 

「ここまで言われて距離を置くなんてしないよ。当然、僕も三日月を怖がるなんて真似しないって」

 

「私もだよ」

 

 チュチュもマルタンもアリヤも、この恐怖心を乗り越える事にした。正直まだ少し怖いが、スレッタとミオリネにここまで言われて怖がったままでいるなんて無理だ。腹をくくって、三日月を怖がらないようにしよう。

 

「決まりね。なら早速行くわよ」

 

「え?何処に?」

 

「三日月のところに。今からね」

 

「お、おう!」

 

「わ、わかりました!」

 

 そしてミオリネの命令と共に、地球寮の生徒は全員で三日月のところへ行く事となったのだ。

 

「ところでミオリネ。学園に戻ってから三日月の奴、ずっと温室で寝泊まりしてんだけど、知ってたか?」

 

「は?」

 

 ついでにミオリネは、オジェロから三日月が勝手に温室で寝泊まりしているの知り、1度三日月を叱ろうと決める。

 

 

 

 

 

 三日月の畑

 

「ふむ、成程。こうやって収穫するのか」

 

「あんた、知らなかったの?」

 

「いや、知識としては知っていたさ。でも、実際に自分の手でするのは初めてでな。知識だけと実際にやってみるとでは勝手が違うなと思っただけだ」

 

 ミオリネの温室の直ぐ隣に作られた三日月の畑。そこでは現在、三日月とイオクがジャージ姿でジャガイモを収穫していた。

 

「見ろジュリエッタ!ジャガイモだ!私自らがジャガイモを収穫したぞ!!」

 

「イオク先輩は収穫しただけじゃ無いですか。そういう台詞は種植えしてから言ってください」

 

 その様子をジュリエッタは、直ぐ近くにあった椅子に座って眺めていた。

 

「ところでこれは、貰ってもいいのか?」

 

「いいよ。どーせ1人じゃこんなに食べきれないし」

 

「そうか。なら今夜はジャガイモを使った料理を作ってみる事にしよう」

 

「ポテトサラダかジャーマンポテト、薄く切って揚げるチップスもいいですね」

 

「うむ。考えるだけで腹が鳴るな」

 

「俺はふかし芋がいいな。あれ簡単だし」

 

「あー、いいですね。バター乗っけるとそれだけで美味しいですし」

 

「にしても、こうやって体を動かすのも悪くないな。最近はずっとデスクワークばかりでモビルスーツの訓練もしていなかったし」

 

「まぁ、体を動かすとストレスが減るって言いますからね」

 

「へぇ、そうなんだ」

 

 額を汗を首にかけたタオルで拭きながら、イオクはこの収穫作業を楽しむ。2人は昨日、三日月に会ってその後食事を共にした。

 そしてそこで、三日月の畑の事を聞いたのだ。イオクはそれに興味を持ち、こうして手伝ってみる事にしたのである。三日月も特に拒む理由が無かったので、こうして手伝わせている。

 

「ところでだ三日月。お前は地球寮の者と何かあったのか?」

 

 そうして収穫したジャガイモをカゴに入れている最中、突然イオクがそんな事を言ってきた。

 

「……何で?」

 

「なんか悩んでいる顔をしていたからな」

 

(こいつ勘良いな…)

 

 普段特に何も考えてなさそうな顔しているのに、何でかイオクはこういう勘が鋭いのだ。最も、これが戦闘に生かされる事は全く無いのだが。

 

「まぁ、ちょっと喧嘩みたいなのしてて」

 

 イオクの質問に、三日月は真実を隠しつつ答える。

 

「ふむ。そういう時は早めにしっかりと話し合ってから謝るといいぞ。ずっと喧嘩したままだと後で後悔するからな」

 

「そうなの?」

 

「そうだ。時間が経てば経つほど、仲直りは出来なくなっていく。そしてあの時仲直りしておけばよかったと後悔するのだ。そうなりたく無いのなら、早めに仲直りをした方がいいぞ」

 

「……そうだね」

 

 イオクの言う通りかもしれないが、今回の出来事は全部三日月に非がある。今更謝ったところで、地球寮の皆が自分を受け入れてくれるとは思えないし、そもそもこんな自分が地球寮に居ては迷惑になるだろう。

 だったらいっそ、このままでいいかもしれないと三日月は考えていた。これ以上は無いが、これ以下も無い。少し寂しくはあるが、自分がいなければ何も問題は無い。

 

「何。もし喧嘩が長続きしてどうしようもなくなったら、我が寮に来るがよい。歓迎するぞ」

 

「そうですね。私は賛成です。一緒にいればより切磋琢磨できますし」

 

 それもありかもしれないと、三日月は思う。既に沢山の決闘が溜まっているこの状況。打開するには、決闘を消化しないといけないのだが、今の地球寮に今まで通り決闘準備のお願いなんて出来る訳がない。ならば自分だけ、別の寮に移動するのもありっちゃありだ。

 因みにイオクはこの提案を、善意100%で言っている。彼は別に、ガンダムフレームとか興味無いのだ。ただ友達が困っているのを、助けたい一心で言っている。

 

(でも、何だかなぁ…)

 

 しかしそう思えば思うほど、何だか心が重く寂しいと感じてしまう三日月。自分が悪いにも関わらず、どうしてかそう感じてしまうのだ。もしかするとそれだけ、地球寮の居心地が良かったからかもしれない。

 

「三日月!」

 

「ん?」

 

 そんな風に思っていると、聞き覚えのある幼馴染の声が聞こえた。

 

「皆、どうかした?」

 

 三日月が声のした方を見てみると、そこにはスレッタとミオリネを含めた地球寮の皆が勢揃いしていた。

 

「あのね、大事な話があるの」

 

「…わかった。えっとそういう訳だから、ちょっといいかな?」

 

「うむ、わかった。行くぞジュリエッタ」

 

「ええ。あ、ジャガイモありがとうございますね、三日月・オーガス」

 

 何かを察したイオクとジュリエッタの2人は、収穫してカゴに入れたジャガイモをカゴごと持ってその場を後にする。

 そして2人の姿が見えなくなった後、三日月は1度タオルで汗をしっかり拭いて、地球寮に皆に顔を向けた。

 

「それで、何?」

 

「皆がね、三日月と話したいって」

 

「話?」

 

 スレッタが説明をすると、

 

『ごめんなさい!!』

 

「え?」

 

 地球寮全員が異口同音で、三日月に頭を下げ謝罪をした。

 

「マジですまなかった三日月!俺達、命を救われたのにあんなひでぇ態度取っちまって!本当にすまねぇ!!」

 

「私もです!私、本当に酷い事しちゃって!!三日月先輩、ごめんなさい!!」

 

 最初に、特に三日月に怯えてしまったオジェロとリリッケが三日月に謝罪をする。ここに来るまでの間、2人は腹をくくった。確かに三日月はまだ怖い。

 でも、このまま三日月が突然いなくなるかもと思うともっと怖い。だから、根性を出して恐怖を乗り越えて謝る事が出来たのだ。

 

「いや、あれは怖がって当然でしょ。俺の反応がおかしいのであって、皆の反応が普通な訳だし。どう考えても俺が悪いでしょ」

 

「そんな事無い!!あれは命の恩人に対する態度じゃねぇ!!悪いのはとんでもねぇ恩知らずな真似した俺達だ!!だから謝らせてくれ!!」

 

「……わかった。じゃあその謝罪を受け取るよ」

 

「ありがとう!」

 

「ありがとうございます!」

 

 これ以上は2人が土下座しそうな勢いだったので、三日月は2人からの謝罪を受け取った。

 

(なんか、心が軽くなった気がする…)

 

 それと同時に、それまであった心の重さが消えた気がする三日月。もしかすると、自分は気が付かないうちにずっと地球寮から怖がられた事にダメージを負っていたのかもしれない。

 

((あれ?思ってたより怖くないかも?))

 

 そしてオジェロとリリッケも、三日月に謝った途端にそれまであった恐怖心が軽くなったのを感じてほっとしていた。ひょっとすると、自分達は必要以上に三日月を怖がりすぎていたのかもしれない。

 確かに三日月の異常性は怖いが、こうして話してみるとそこまででも無い気がする。もしあのままずっと三日月を怖がっていたままだと、一体どうなっていた事か。

 

((謝って良かった…))

 

 スレッタとミオリネに言われて、勇気を出して謝ったかいがあったというもの。これなら、また以前のようになれるかもしれない。

 

「次、いいかな?」

 

「ああ、いいぞ」

 

「どうぞ、先輩方」

 

 そしてオジェロとリリッケに続いて、残りの地球寮の子達が三日月と話しだす。

 

「えっとね三日月くん。私達、貴方に助けて貰ったのに、今までお礼を言ってなかったでしょ?だから、今言わせて。あの時、私達を助けてくれてありがとう」

 

「あの時は、俺達も色々と混乱してた。だから言わせてくれ。本当にありがとう」

 

 先ず最初に、ニカと昭弘が三日月にお礼を言う。

 

「僕からも言わせてくれ。助けてくれて、ありがとう」

 

「あーしもだ。三日月、命を救ってくれてマジでありがとうな。おかげであーしらは、こうして生きて学園に戻ってくれた。この恩はぜってー忘れねぇ」

 

「チュチュの言う通だ。俺達の事、助けてくれて感謝してる。ありがとな」

 

 続いてティルとチュチュとヌーノがお礼を言う。

 

「別にいいよ。あれは俺がしたくて勝手にした事だし」

 

「だとしても、今までお礼のひとつも言っていないのは人としてダメだ。地球寮の寮長として言わせて。皆を助けるために、バルバトスで戦ってくれてありがとう」

 

「マルタンの言う通りだ。君は正しく命の恩人だ。私からもお礼を言わせてくれ。ありがとう」

 

 最期に、マルタンとアリヤが三日月にお礼を言った。三日月はあれは自分が勝手にした事でわざわざお礼を言う必要も無いといった感じで話すが、ここでお礼を言えないままなのは本当にダメ。

 だから、しっかりと感謝の言葉を伝える。そして三日月は、その全てを素直に受け取った。これで一応、元からあったわだかまりは消えたと言えよう。

 だが、話はまだ終わっていない。

 

「それでなんだけど、三日月さえ良ければどうか地球寮に戻って来て欲しい」

 

「え?」

 

 マルタンの突然の提案に、三日月は驚いたような顔をする。

 

「このままずっとここに住む訳にはいかないでしょ?だから、戻って来て欲しいんだ。勿論、三日月の気持ちが優先だけど」

 

 まさかそんな事を言われるとは思っていなかった。なんせ自分は、人を殺して怖がられている。そんな奴とまた同じ寮で住もうと提案するなんて、普通はしない。

 

「いいの?だって俺…」

 

「そんな事関係ないよ」

 

 しかしマルタンを初めとした地球寮の皆は、それでも三日月に戻ってきて欲しいと願う。だって三日月は、もう地球寮の大切な仲間であり命の恩人。そんな彼を、このまま寮の外に遠ざけておく訳にはいかない。

 

「……皆がいいなら」

 

「勿論だよ!」

 

 そして三日月はその善意に折れて、地球寮に戻る事にした。

 

(なんか、胸がポカポカするな…)

 

 寮に戻れるとわかった途端、三日月は胸が温かくなるのを感じる。

 

(あ、そっか。俺、嬉しいんだ)

 

 三日月はその感情が、嬉しい物だとわかった。どうやら自分は、思っていた以上に寂しいと感じていたのかもしれない。

 

「三日月」

 

「ん?」

 

「私もあの時、怖がってお礼言えなくてごめんね。それと、助けてくれてありがとう」

 

 そう思っていると、今度はスレッタが三日月に謝ってきた。

 

「別にスレッタが謝る必要無いよ。俺の方こそ、嫌な物見せちゃってごめん」

 

 そんなスレッタに、三日月も頭を下げて謝罪するなんせスレッタとミオリネの目の前で、人を1人バルバトスで肉片にしたのだ。あんな光景、トラウマにならない方がおかしい。謝るのはむしろこちらの方だ。

 

「ううん、三日月のおかげで、私とミオリネさん、そしてデリング総裁は助かったんだもん。なのにあんな風に怖がったりして、本当にごめん…」

 

 しかしスレッタは、三日月に謝る。他の地球寮の皆と一緒で、命の恩人に対する反応じゃなかったからだ。確かに普通は怖がるものだが、それでも先ずはお礼を言う方が先だった。今更かもしれないが、ここでお礼を言わないといけない。

 

「気にしてないからいいよ」

 

「……そっか。でも、もし何かあったら言ってね?」

 

「うん」

 

「それと、もしもまたあんな事があっても、その時は同じことしないで。無茶言っているのはわかっているけど、その時は私とエアリアルが止めるから」

 

「……」

 

「その、私、三日月がこれ以上あんな真似するの、嫌だから…もしかすると三日月、死んじゃうかもしれなかったし…そんなの、嫌だから…」

 

 それは、スレッタの心からの願い。三日月は、誰かを守る為なら躊躇なくまた戦うだろう。しかしその結果、死んでしまうかもしれない。そんな嫌だ。だって死んだら、もう2度と会えないのだから。

 

「大丈夫だよ。俺にはこのお守りがあるからね」

 

 そう言うと三日月は、自分の左手首に撒いていたミサンガをスレッタに見せる。これがある限り、三日月は死なないと思っている。だってこれは、スレッタから貰ったお守りだ。プラント・クエタでも、三日月は傷一つ追わなかったし、効果は間違い無いだろう。

 

「ふふ、そっか。でも無茶はしないでね」

 

「わかった」

 

 これまでの経験からちょっと信用できないが、三日月はそう簡単に約束は破らないだろう。それにもしもまたあんな事があったら、スレッタは絶対に止める。エアリアルと共に、何があっても止める。

 

「じゃあ最後は私ね。三日月、先ずは助けてくれてありがとう。おかげで私とスレッタ、そしてクソ親父も命拾いしたわ。あんな父親でも、死んだら悲しいしね」

 

「うん」

 

「それはそれとして、あんた何勝手に人の温室で寝泊まりしてんのよ」

 

「他に場所無かったし」

 

「トマトとか触ってないでしょうね?」

 

「自分の畑しか触ってないよ」

 

 最後になったミオリネは、言いたい事は他の皆が全部言ったので自分は勝手に温室で寝泊まりしている事で説教する事にした。別にいいのだが、せめて一言許可取って欲しい。だってあそこは、ミオリネにとって本当に大切な場所なのだから。

 

 その後、ミオリネの説教が終わった後に皆で温室にあった三日月の荷物を地球寮の部屋に運んだ。その姿に、もう以前のようなピリピリした雰囲気は無く、以前のように仲睦まじい様子であった。

 

 こうして色々あったが、三日月は再び地球寮へ戻る事となったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フロント9区 ドルトコロニー

 

 アスティカシアから遠く離れ、大昔に建造された古いコロニーであるドルトコロニー。かつては工業で賑わい、何百万という大勢の人が住んでいたが今となってはごく僅かな管理業者がいるだけでほぼ無人と言ってもいい。

 

 そんなコロニーの中央で、突然大きな音と共に一筋の光が走る。

 

 その光がまっ直ぐに直進すると、コロニー内に置いてあった大型の戦艦の装甲板に弾着。あっという間に、装甲版に大きな穴を開けた。装甲版は融解し、ドロドロに溶けている。こんなものを食らってしまえば、人などあっという間に消し炭となり、何も残らないだろう。

 

「これで出力2割弱か…凄まじいな…」

 

 その様子を、学園から抜け出したシャディクは驚きながら見ていた。サリウスに学園から出るなと言われた彼だが、学園内ならいくらでも工作は可能。こうしてサリウスに悟られる事無く、密かに学園を抜け出す事だって出来るのだ。

 そして学園を抜け出したシャディクは現在、このドルトコロニーでとある実験を行っている最中である。地球で見つけて回収し、ドルトコロニーで修復した古の兵器。それの実働実験を行っていた。

 その結果は、成功。出力を2割まで落とした状態で撃ったにもかかわらず、戦艦級の装甲に穴を開ける。凄まじい威力だ。

 

(こんな物が、300年前はそこら中で暴れていたっていうのか。よく人類滅びなかったな…)

 

 しかし同時にシャディクは、恐怖も覚えた。なんせこれで出力2割である。もしも全力で攻撃をすれば、コロニーに穴どころかコロニーそのものを簡単に破壊できてしまうだろう。

 こんな化け物が跋扈していたのに人類が滅びなかったのは、間違いなく英雄アグニカのおかげである。

 

(英雄が討ち取った天使。それを復活させている俺は、間違いなく地獄行きだろうね)

 

 そんな化け物を、こうして復活させているシャディク。正直に言えば、彼もこんな化け物は使いたくない。なんせほんの少しでも使い方を間違えたら、人類は滅亡しかねないのだ。普通ならば、こんな物見つけ次第破壊するだろう。

 更に言えばシャディクは別に、スペーシアンの殲滅なんて望んでなどいない。彼が求めているのは、変革だ。戦争なんて全く求めていない。尤も、いざとなればやる覚悟はあるが。

 

(けど、それでも俺はやらないといけない…例え犠牲をどれだけ払う事になるとしても)

 

 しかし、それでも彼には成さねばならない事がある。この不平等な世界を何とかするために、やらねばならぬ事がある。その為に犠牲が必要なら払うし、悪魔と契約をしろといえばするだろう。

 

「実験は成功ですね、プリンス」

 

「そうですねギニアス主任。それで、何か気になる事は?」

 

 そんなシャディクの元に、1人の金髪の男が近づいてきた。彼は今回の実験の責任者である、科学者のギニアスだ。

 

「特に問題はありません。むしろ新しい発見ばかりで驚いてしますよ。まさか現在の戦艦の主砲以上の威力とは思いませんでしたので」

 

「そうですか」

 

「しかし、やはり消費エネルギーが多いですね。これでは連続して撃てるのは、よくて10発です」

 

「戦艦に使用しているエネルギータンクを使っているのに?」

 

「はい。それだけ威力が高いという事ではあるのですが。エイハブ・リアクターさえあれば、従来通りの力を発揮できるのでしょうが…」

 

「まぁ、流石にそれは無理ですね」

 

 今回の実験で放った主砲、これは本来バルバトスに使用されているエイハブ・リアクターが必要だ。しかし現在、エイハブ・リアクターはアスティカシアにいるバルバトスが装備している2基しかない。

 なので代用として戦艦に使用されている大容量エネルギータンクを使っているのだが、それでも消費エネルギーはどうしようも無いのである。これ以上増設すると、今度はバランスが悪くなって動けなくなってしまうので、もう本当にどうしようもないのだ。

 

「それで、動かせますか?」

 

「そこは問題ありません。全身にパーメット技術を纏わせているので例の魔女の力が必要ではありますが、戦う事はできます。まぁ、流石に本来通りのスペックで戦うのは無理ですが」

 

「十分です。計画の邪魔になる例の悪魔さえ倒せればそれでいいので」

 

 更に言えば、これは失われたロストテクノロジーの塊。その大部分が破壊された状態で見つけ、それを現代技術で可能な限り復元したはいいが、流石に従来通りとはいかない。尤も、従来通りのスペックなら人類は滅びるだろうが。それでも、あの悪魔を倒すのには十分な筈だ。

 

「では最終調整は任せます。4日後には学園に運び込むので、そのつもりでお願いします」

 

「ええ、わかっています。それでは」

 

 そういうとギニアスは、奥の実験室に戻っていく。

 

「シャディク、あの男は信用できるのか?」

 

 それを見送っていたシャディクに、隣にいたサビーナが話しかける。

 

 サビーナは、あのギニアスという男を信用していない。なんせ彼は、元々シャディクの仲間という訳ではないからだ。シャディクに賛同して協力してくれている、とある男から派遣された科学者。

 そして彼自身は、シャディクの夢などどうでもいいと思っている。彼はそれまでいた家族を事故で失って茫然自失となった中、協力者になった男に拾われ、そして命令された仕事をしているに過ぎない。そういった輩は、あまり信用できない。いざとなったら、平気で裏切るからだ。

 

「大丈夫さ。彼は嫌な思い出を仕事に打ち込む事で忘れているに過ぎない男。この仕事が終われば、またただ生きているだけの男に戻るだけだよ。それに仮に裏切った時は、ちゃんと始末するしね」

 

「そうか」

 

 それならいいが、いざとなったら自分で始末しようとサビーナは決める。シャディクを信用していない訳じゃなく、彼がミスをした時にフォローする為だ。

 

「おっと。ちょっと失礼」

 

 サビーナがそう思っていると、シャディクの端末が鳴る。

 

「もしもし、どうしましたか?」

 

 電話の相手は、少し前からシャディクに積極的に支援してくれているとある男からだ。彼が協力してくれたおかげで、シャディクはこのドルトコロニーを買える事が出来た。

 更に今回修復した例の兵器も、彼が様々な技術提供をしてくれている。その結果、例の兵器は不完全ながらも復活を果たせた。ある意味、シャディクが頭を上げれない人でもある。

 

「ええ、わかってします。それでは」

 

 短い電話をし、シャディクは通話を切る。

 

「何と言っていた?」

 

「ただ実験の結果を聞かれただけさ。あと、君の夢を応援しているともね」

 

「…シャディク、わかっているだろうが、あの男は決して信用するな。あいつは何か企んでいる。その為に私達を利用しているに過ぎない」

 

「そんな事わかってるよ。元からあの男は全く信用していない。確かに支援はしてくれたが、明らかにこちらに何か隠しているしね。ただ向こうがこちらを利用するなら、こちらも向こうを利用するだけさ」

 

 サビーナの忠告を、シャディクも素直に聞く。なんせあの男は、明らかに何かを企んでいる。それに気が付けないほど、シャディクは鈍くない。

 しかし、彼の協力のおかげで計画を大幅に進められるのも事実。なのでシャディクは表向きには協力しつつ、裏ではその内始末する気でいる。

 

「背中から刺されるなんて真似はされるなよ?」

 

「勿論」

 

「それならいい。じゃ、そろそろ帰るとしよう。サリウス代表を騙すのもそろそろ限界だろうしな」

 

「わかったよ」

 

 簡単に利用される気は無い。そして油断もしない。シャディクは協力者の男への警戒を一層強めながら、学園に戻る準備を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 フロント22区 オムデン・コロニー・カンパニー本社

 

 ベネリット・グループとは別の企業、オムデン・コロニー・カンパニー。モビルスーツ開発こそ他社に後れを取っているが、スペーシアンにとって必要不可欠なコロニー事業ではトップシェアを持っている大企業。

 その本社ビルの一室の徹底した傍聴対策を施した部屋で、とある者達が会話をしていた。

 

「それでご主人様。どうでしたか?」

 

「実験は成功らしい。これで天使の力を見る事が可能となった」

 

 シャディクと通話をしていた赤毛の男は、端末をしまい執務室の椅子に座る。その部屋には男以外に、黒髪と金髪の女が2人。そして女は2人共、メイドのような恰好をしている。

 

「最も、あの天使は俺が探し求めている自由では無いがな」

 

「そうなんですか?」

 

「既に1度殺され死体となり、無理やり墓から這い出してきた存在だ。俺が探し求めている物とは程遠い」

 

「成程」

 

 男は長年、天使を探し求めてきた。しかしそう簡単に見つかる訳も無く、苦労していた時にシャディクが天使を発見したのを知った。元より多少は何かの役に立つと思い裏で秘密裏に支援してきたが、まさか長年探していた物を見つけてくるとは思わず、彼は大層驚いたのだ。

 なので最初より、支援を多くする事にした。その結果、シャディクは天使の復元に成功している。だが男は、その天使にはもう興味なんて無い。

 

「それに、欲しい物は既に手に入れた」

 

 そう言う男の手には、天使の内部にあったとある座標データが入った端末がある。これは男が派遣した科学者ギニアスが、男に命令され、シャディクに内緒で秘密裏に取り出した物。

 これは、シャディクが見つけた天使より遥かに価値のある情報だ。これさえあれば、あの不完全な天使などもういらない。あんな物、シャディクにそのままくれてやっていい。

 

「いやー、それにしてもちょっと可哀そうだよねー」

 

「あの子の事?別にいいじゃない」

 

「そうなんだけど、いいように利用されてるじゃん?流石にちょっとねー」

 

「向こうもそれは気が付いているさ」

 

「え?そうなんですかご主人様?」

 

「そこがわからないほど、彼は愚鈍じゃない。まぁ、浅はかではあるがな」

 

「あー、あの計画ですか?」

 

「確かにあれはちょっとね。絶対に不可能よ」

 

 3人はシャディクの計画について話すが、全員が否定的である。あんな事、実現できる訳が無い。彼はベネリット・グループで総裁になり、グループの財力でそれを成そうとしているが、それでは一時しのぎに過ぎないだろう。

 なんせアーシアンには、下地が無い。その下地を揃えるのに、何年何十年かかるかわからないのだ。その間にスペーシアンは、また搾取を始めるに決まっている。

 

「ではこちらも、そろそろ動くとしよう」

 

「じゃあ、出発ですか?」

 

「ああ。長距離航行の可能な船をバッチが。そしていざと言う時のモビルスーツはタギングが用意してくれ。俺は役員共を黙らせる」

 

「「了解です、ご主人様」」

 

 赤毛の男に命令され、黒髪の女性タギングと、金髪の女性バッチは頭を下げる。そして彼ら3人も、シャディク同様に計画の為に動き出す。

 

(生涯かかると思っていたが、案外直ぐ手に入るかもしれんな。俺が求めている自由は)

 

 こうして、オルデン・コロニー・カンパニーの重役であるシクラーゼ・マイアーは、シャディクとは違う自分の野望の為に裏で動き出す。

 

 全ては、本当の自由を手にする為に。

 

 

 

 

 

 アスティカシア学園 地球寮 モビルスーツ格納庫

 

「ふぅ…これでよし」

 

 三日月が地球寮に戻って2日。ニカは皆が寝静まった夜に、シン・セーから貰った資料通りにバルバトスのシステム調整を行っていた。

 なんせ今の三日月には、決闘の申し込みが山ほど来ている。今までは三日月が地球寮から出ていたので何にも出来ずにいたが、地球寮に戻っている今なら問題ない。

 

(明日から、いよいよ決闘か…)

 

 決闘は、明日から始める事になっている。その為にニカは、夜遅くにバルバトスの調整を行っているのだ。これで多少なりとも、三日月に対する贖罪になればと思いながら。

 

「何してるの?」

 

 そんなニカに、話しかける声がした。

 

「三日月くん?どうしてここに?」

 

「なんか全然寝付けなくて。ちょっと散歩でもしようかって思ってたんだ」

 

 ニカが振り返ると、そこには三日月がいた。どうやら、寝付けないらしい。

 

「えっと、明日から決闘でしょ?だからバルバトスのシステムの調整をしてたんだ」

 

「こんな夜に?」

 

「実は、私も寝付けなくて…」

 

 これは本当だ。ニカはここ暫く、睡眠が浅い。理由は、三日月がプラント・クエタで大暴れしたの原因の人物を知っているから。

 そして自分は、その人物の協力者。あの襲撃事件自体は、本当に何も知らなかったのだが、それでも罪の意識が無い訳じゃない。そしてどうせ眠れないのなら、こうして何かをしている方が楽だ。

 

「そっか。ありがと」

 

「ううん。私が好きでしている事だし」

 

 三日月もニカが本当にシステム調整しているだけとわかり、以前のようにそれ以上追求する真似はしない。

 

「ねぇ、これから夜の散歩なら、私も付き合っていい?」

 

「別にいいよ」

 

「ありがと」

 

 これ以上システム調整もする必要も無いので、ニカも三日月の散歩に付き合う事にした。

 

 

 

 

「やっぱり、コロニー内だと地球よりずっと星空が良く見えるね」

 

「宇宙ならもっとよく見えるけどね」

 

「そうだね。私も以前ノーマルスーツで船外活動の授業した時は、本当に綺麗に見えて感動したよ」

 

 寮の外で、ニカと三日月は並んで歩く。まるでデートみたいだが、今の2人を誰が見てそうは思わないだろう。なんせニカは作業着を少し着崩した姿で、三日月は黒いTシャツに下はジャージである。これを見てデート中の恋人のようだとは、誰も思うまい。

 

「ところで、腕はもう大丈夫なの?」

 

「うん。このサポーターにも慣れたしね。後は会社のGUNDが正式採用されたら、それを使ってみるよ」

 

 三日月は右腕に装着したサポーターを撫でる。GUNDが審査資格試験に合格さえすれば、三日月の右腕も今よりずっと楽に使える筈だ。

 

「そっか。でも困った事があったら何でも言ってね?」

 

「その時は頼むよ」

 

 それでもニカは、三日月の世話を焼く気でいる。なんせ三日月の腕は、ニカがシャディクに情報を渡したせいでも

あるからだ。こんな事で三日月に対する罪滅ぼしになるとは思っていないが、それでもしない訳にはいかない。

 

 ぐぅ

 

 その時、何か妙な音がした。

 

「今のって」

 

「あ、その、もう遅いし、ちょっとね…ははは…」

 

 今のはニカの腹の虫の音。気が付けばニカはずっとシステム調整をしていたので、少し小腹が空いてしまったのだ。

 

「これ食べる?」

 

 すると三日月は、懐から小袋に入った火星ヤシをニカに手渡す。

 

「いいの?」

 

「うん」

 

「ありがと」

 

 ニカはそれを受け取り、ひょいっと口に入れる。

 

「あ、結構甘いね」

 

「よかった。これ偶にハズレあるんだよね」

 

 ニカに続いて、三日月も火星ヤシを食べようとした。

 

「あれ?」

 

 しかし食べようとした瞬間、手から火星ヤシを床に落としてしまった。

 

「どうかしたの?」

 

「なんだか、手が震えるんだ…」

 

「え!?あ、本当だ!!どこか痛い!?」

 

「いや全然。痛みは無いよ。でも、なんだか今日は変だな…」

 

 気が付くと、三日月の手は小さく震えていた。思えば今日は全然寝付けないし、食事中もあまり食べれなかったし、授業もどこか上の空だった。こんな事、初めてだ。

 

(そういえば…)

 

 そんな三日月を見てニカは、少し前にヌーノが言っていた事を思い出す。

 

『でも少しだけ言わせてもらうと、三日月が何にも感じてないって事は無いと思うぞ』

 

 あの時ヌーノは、三日月は決して何も感じないやばい奴では無いと言っていた。更にヌーノは、少年兵として戦っていた子が後に苦しむとも言っていた。

 もしかすると、今三日月はそれまで気が付かなかった戦闘をしたという恐怖心に今気が付いたのかもしれない。人は無意識のうちに、多くの葛藤を胸に押しこむ。それが何かのひずみで、表に出てしまう事があるのだ。三日月にとって、それが今なのだろう。

 

「……」

 

 そしてニカは、ある行動に出た。

 

 

 

「は?」

 

 

 

 それは、三日月を両腕で思いっきり抱きしめるというもの。更に右手で、三日月の背中を優しく叩く。

 

「え、えっとね、私、小さい頃に怖い夢とか見た時、死んだお母さんがこうやって抱きしめてくれたんだ…だからその…」

 

 怖い時は、誰かに抱きしめられると落ち着く事がある。これは科学的にも証明されている事だ。そしてニカは、既に他界した亡き母にこうしてもらった記憶がある。こうされると、本当に落ち着くのだ。

 今の三日月は、多分プラント・クエタでの事で怖がっている。そう思ったニカは、こうして三日月を抱きしめる事にしたのだ。

 

(なんか、落ち着くなこれ…)

 

 その効果はあった。三日月は手の震えが止まり、心も穏やかになったのだ。

 

「大丈夫?」

 

「うん、もう大丈夫だよ。ありがと」

 

「そう、よかった。三日月くんが何ともなさそうで」

 

 そう言うとニカは、僅かに微笑んだ。

 

「……」

 

 その瞬間、三日月の胸が一瞬だけ高まった。

 

「三日月くん?」

 

 三日月は突然じっとニカを見つめる。

 

 そして、

 

 

 

「ん」

 

「!?」

 

 

 

 突然ニカに、キスをしたのだ。

 

「な!な!!な!?何!?何!?何ー!?!?」

 

 三日月から一気に飛びのくニカ。その顔は、まるでトマトのように真っ赤だ。

 

「いや、可愛いなって思ったから」

 

「んな!?」

 

 三日月の発言に、ニカは更に驚く。だってそんな理由で、普通はキスなんてしない。因みにこれ、ニカにとってファーストキスであるが、三日月にとってもそうだったりする。

 

(だからって普通する!?もしかして、水星ではそうなの!?)

 

 因みに三日月がどうして突然キスしたのかと言うと、水星の年寄連中のせいなのだ。

 

 何だかんだで、最終的にそれなりに仲良くなった三日月と水星の年寄達。そんな彼らはある日、三日月と食事をしている時に『もし女を見て可愛いと思ったらそれは多分恋だから一気に畳みかけろ!』という教えを三日月に授けた。

 更にスレッタと一緒に読んだ古い少女コミックでも、恋人になる前の男女がキスをするのは別におかしい事では無いし、何なら恋人になる為に必要な事であるという間違った情報を鵜呑み。その結果三日月は、今ニカにキスをしたのである。今自分はニカを可愛いと思ったし、それは多分ニカの事が好きという事だろうし、だったらキスしてみようと。ある意味で、本能に従ったともいうかもしれない。

 

「こ、こんな事!スレッタに知られたら悲しむよ!?」

 

 一方ニカは顔を真っ赤にしてそう言う。だってこれはダメだ。なんせ三日月にはスレッタがいる。なのにキスだなんて、絶対にダメ。これではスレッタに申し訳が立たない。

 

「何でスレッタ?」

 

「え?」

 

 しかし三日月は、まるで何言ってるのといった顔でニカに尋ねる。

 

(あれ?もしかして三日月くん、スレッタの事家族としてしか見てない?)

 

 ここでニカは、三日月がスレッタを家族以上に見ていないのではと思った。思い返してみれば、2人の距離感は兄妹のそれ。特に恋人のような甘酸っぱさも無かったし、今まで1度もイチャイチャした事も無かった。

 

(だったら、私にもチャンスが…って何考えてるの私!私は三日月くんの事そういう意味で想っていたりしないから!!

 

 ニカは頭をブンブンと横に振るう。確かに三日月はカッコイイし優しいし頼りになるが、それは別に恋心ではない筈。

そもそもの話、自分なんかがこんな想いを持ってはダメだ。だって自分は、言ってしまえば敵なのだから。

 

「そろそろ遅いし、もう寝よっか」

 

「あ!?うん!そうだね!?帰ろっか!!えっとそれと三日月くん。今あった事は、誰に言わないでね?」

 

「?わかった」

 

 寮に帰る途中、ニカは三日月にそうお願いをする。もしこんな事がバレたら色々と大騒ぎになりそうだからだ。なのでこの件は、自分の胸の内にしまっておこう。そうすれば、騒ぎになる事も無いだろうし。

 

(まだ唇に、感触残ってる…)

 

(キスって、柔らかいんだな)

 

 並んで歩いて寮に帰る2人。その間に、一切会話は無かった。

 

「……」

 

 そしてその現場を、偶然通りかかってこっそりと見ていた子がいた事に、2人は最後まで気が付かなかった。

 

 

 

 

 




 オールフェーンズ!涙―!!

 そんな訳で、三日月皆と仲直りとキス回でした。最後のキスが1番書きたかった。
 1度謝ると心が軽くなるのは割とあると思う。少し強引かもしれませんが、これで仲直りと言うことで。


 以下、登場したキャラの簡単な説明

 シクラーゼ・マイヤー

 今は亡きアプリゲーム「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズウルズハント」に登場するキャラ。ゲーム本編では黒幕的な活動をしており、主人公ウィスタリオに対して色んな妨害をしてくる。作者が映画を観た結果、丁度良さそうなキャラになると思い、本作に採用された。
 本作では殺し屋では無く、普通にオムデンの重役になっている。そしてとある目的の為に、シャディクに協力しているらしい。

 タギング・コーサ

 ウルズハントに登場する水先案内人。褐色肌と右目が隠れているのが特徴。本作ではウルズハントに関係なく。シクラーゼに仕えている設定になっている。

 バッチ・コーサ

 ウルズハントに登場する水先案内人。金髪且つ常に目を閉じているのが特徴。この子もタギング同様、シクラーゼに仕えている事になっている。因みにタギングとは別に姉妹では無いと思われる。

 ギニアス主任
 元は地球で普通に働いていたかなり腕の良い兵器の技術主任。しか数十年前、妹夫婦が行方知れずとなり、生きる気力を失った。そこをシクラーゼに拾われて、命令されるがままに仕事をしている。
 因みに妹夫婦は、火星に住んでいたらしい。


 シクラーゼを採用した理由は、あまりキャラつけされてないから割と設定漏れると作者が安直に考えたからのと、MA関係でマッキー以外だと丁度良さそうなのが彼だったからです。今後どれだけ登場するかは、まだわからない。ひょっとすると、作者の都合であっさり退場させられるかもしれませんが、その時はご容赦ください。
 それと、どこかおかしいところがあれば言ってください。修正いたしますので。

 次回は2期冒頭の連続決闘の予定。そして最後に、三日月とニカのキスを目撃した子も動きます。
 それでは、また次回。

ウルズハントの映画は

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