才能が野比のび太な転生者   作:色々残念

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話自体は最初から思い付いていましたが、なんとかそれを文章にすることができました
今回の番外編は、特別な番外編になります
この話を更新してからタグにドラえもんを追加しようと思っていました
一応これが最後の番外編になりますが、今回は5200文字くらいになりましたね
番外編その3より前の時間軸で、起こった話になります


ドラえもん モビタとのび太の冒険譚

迷宮都市オラリオ、ダンジョンが存在する冒険者の街であるオラリオには、数多の神と数多のファミリアが存在する。

 

神の恩恵を授かり冒険者とる者達以外にも商店を開く商人や、恩恵を授かることなくオラリオに住まう住民達も少なくはない。

 

ファミリアはダンジョンを探索する探索系や、他者の治療を行う医療系、鍛冶などを行う職人系、商品を販売する商業系などに分かれていて、それぞれ専門とするものが違っていた。

 

私が所属するロキ・ファミリアは探索系のファミリアでは最大手で、Lv9の私とLv8が7名所属している為、最強のファミリアだと言われている。

 

そんなロキ・ファミリアの幹部である私は、ロキ・ファミリアの主神であり、私の伴侶でもあるロキ様と一緒にオラリオの街を歩いていると、道端で倒れている少年を発見。

 

「この子、モビタにそっくりやないか」

 

驚いていたロキ様のその言葉通り、気を失っている少年は眼鏡をかけてはいるが、身長と髪型と服以外の外見は私に似ていて、着ている服も私の前世の世界、モンスターなどが存在しない日本で子どもが着るような衣服で間違いない。

 

どう見ても野比のび太くんにしか見えない少年は、完全に気を失っているようだ。

 

【名医鞄】のスキルで少年の状態を確認してみたが、特に怪我をしていたりはしないが、一部の記憶のみが喪失状態となっていた少年。

 

「こんなに似とるんやったら、モビタに関係がある子かもしれんし、ほっとくのも良くないやろうな」

 

私に似ている少年が気になっているロキ様は、この少年を放置しておくつもりはないようである。

 

そうですね、ロキ様が良ければ、この子を介抱出来る場所まで移動しませんか、と提案した私に「せやな、この子連れて移動しよか」と頷いたロキ様。

 

少年を私が背負い、近場の医療系ファミリアであるディアンケヒト・ファミリアの治療院にまで少年を運び、ヴァリスを支払って用意してもらった個室のベッドに寝かせておくと、私とロキ様は少年が起きるまで待ってみた。

 

しばらくして目を覚ました少年は「ドラえもん!」と言いながら飛び起きて、周囲を慌てた様子で確認し「此処は何処!?」と戸惑っていたな。

 

此処は、病院のような場所ですよ、きみの名前を聞かせてくれませんか、と聞いた私に「ぼくは野比のび太です」と答えたのび太くんは「ぼくの近くにドラえもんは居ませんでしたか!?」と聞いてくる。

 

いえ、倒れていたのは貴方だけでしたね、ドラえもんというのは、貴方の知り合いですか、と言った私に「ドラえもんはぼくの友達です」と迷いなく答えたのび太くん。

 

ドラえもんさんの外見はどんな感じでしょうか、と聞く私に「えーっと、青くて首に鈴を着けてて丸くて、タヌキみたいな耳のない猫型の」とまで言ったのび太くんは頭を悩ませながらドラえもんの特徴を思い浮かべようとしていた。

 

やはり野比のび太くんの友達のドラえもんは、未来の世界の猫型ロボットで間違いないだろう。

 

スキル【千里眼池】の効果で発展アビリティ千里眼が発現している私は、オラリオ全域とダンジョンを含めて千里眼でドラえもんが居ないか探してみたが、どうやらドラえもんは新たな異端児だと思われて異端児達の隠れ里に匿われているみたいだった。

 

ドラえもんの発見はしたが、それを今この場で言えば、ダンジョンにまで着いてくるとのび太くんなら言い出しかねない。

 

今は、探してみますね、と だけ言っておき、後でのび太くんとドラえもんを合流させておくのが良さそうだ。

 

とりあえず治療院にのび太くんを残したまま、ロキ様をロキ・ファミリアに送る最中、ロキ様が口を開く。

 

「あの、のび太って子のことは前から知っとったんか?」

 

そんなことを聞いてきたロキ様に、知ってはいましたが、会うことはないと思っていました、と私は正直に答えた。

 

「モビタの魔法の説明に名前だけは出とったドラえもんって誰やねんって思っとったが、のび太っちゅう子はドラえもんを友達だって言っとった。ドラえもんについてもモビタは知っとるんやな」

 

真剣な眼差しで此方を見て言ったロキ様。

 

そうですね、ドラえもんについても知っています、正確にはオラリオが存在しない別世界の未来からやってきたのがドラえもんです、と私は嘘を言うことはない。

 

「未来、時を越える力を持っとるっちゅうことか。それだけの力を持っとるドラえもんとやらがオラリオをどうにかしようとか考えたら大変やな」

 

不安を滲ませるロキ様に、ドラえもんは、そんなこと考えませんよ、とだけ言っておき、ロキ様を安心させた私はロキ・ファミリアのホームにロキ様を送り届けた。

 

その後、スキル【何処扉】を用いて異端児達の隠れ里に移動した私はドラえもんと対面することになったが「の、び、太、く、ん」と途切れ途切れに声を出していたドラえもんは、壊れかけているようだ。

 

ロボットの修復を可能とする【鉄人兵団】のスキル効果を用いてドラえもんを修復すると、横になっていた状態から飛び起きたドラえもんは「のび太くん!」と言いながら周囲を確認し始める。

 

「此処は、何処なんだ!?のび太くんは!?」

 

慌てた様子で周囲を見渡しているドラえもんに、落ち着いてください、のび太くんは無事です、と話しかけておくと「きみは!?」と私を見て驚いた顔を見せたドラえもん。

 

貴方とは、初めて会う筈ですが私のことを知っているんですか、と聞いた私に「それはその」と言いづらそうな顔をしていたドラえもんは、この世界のことも観測していたのかもしれない。

 

まあ、気になることはありますが、今はのび太くんと貴方を再会させるのが先ですね、それだけ言って、ドラえもんをスキル【月の兎】で人間の姿に変えておくと、ドラえもんは青い髪の少年に姿が変わった。

 

「これは」と驚くドラえもんに、そのままの姿で会わせると貴方がモンスター扱いされますからね、少しの間は人になっていてもらいます、と言うと、元に戻ろうと思えば戻れますので安心してください、と続けて伝えて用意していた服を着てもらう。

 

着てもらった服はサイズが合っていなかったので【着替写真機】のスキルで、ピッタリのサイズの服に着替えさせておき、次は【何処扉】を用いて移動する私にドラえもんも着いてきてもらった。

 

ディアンケヒト・ファミリアの治療院に向かい、のび太くんを寝かせていた個室にまで向かうとベッドに座っていたのび太くんが「ドラえもん?」と猫型ロボットから少年の姿になっているドラえもんに気付く。

 

「のび太くーん!」

 

「ドラえもーん!」

 

抱き合って喜び合うのび太くんとドラえもんを連れて治療院から出た私は【鉄人兵団】のスキルを用いてのび太くんにドラえもんと一緒に鏡面世界へと移動。

 

ここなら誰も居ないので何を話しても大丈夫です、お2人がこの世界に来た理由を教えてくれませんか、と問いかけた私に「この世界?」と不思議そうな顔をしたのび太くんと対照的に真剣な顔をしたドラえもんは「脱獄した時間犯罪者がこの世界に逃げ込んだんだ」と答えてくれた。

 

「のび太くんとぼくはそいつを追ってこの世界に来たんだけど、そいつに攻撃されてぼくは壊れかけの状態になって、のび太くんは一部の記憶が奪われてる」

 

そう言ったドラえもんの言葉には嘘は無さそうなので、別世界の未来から来た時間犯罪者がこの世界に潜伏していることは間違いないようだ。

 

別世界の未来の道具も持ち込んでいることは確かな時間犯罪者が、何処に居るのか千里眼で確認してみたが、どうやら時間犯罪者はデダインの砂漠で何かしらの研究を行っているようである。

 

どう考えてもろくなことをしていないのは確実なので、早めにどうにかしておいた方がいいかもしれない。

 

鏡面世界から元の世界に戻り、のび太くんとドラえもんを連れて【何処扉】で向かった時間犯罪者の研究施設。

 

黒一色の衣服に白衣を羽織った時間犯罪者の男は「どこでもドアでは入れないように封鎖をしていた筈だぞ!?何故だ!?」と戸惑いながら驚いている。

 

あくまでも私の【何処扉】はスキルであり、効果が似ていても完全にひみつ道具の「どこでもドア」という訳ではない為、スキルに関しては封鎖できていなかったようだ。

 

「侵入者を排除しろ!ベヒーモス・オルタナティブ!」

 

時間犯罪者の男の言葉に従うように現れたのは、かつてゼウスとヘラのファミリアが倒したというベヒーモスに酷似した怪物。

 

「そいつはデダインの砂漠で発見したベヒーモスの身体の一部を用いて、23世紀の技術で強化を施した特別製だ。並みの人間では相手にならん」

 

時間犯罪者は自慢気に言うと研究施設の奥まで逃げ去っていく。

 

「襲え、ベヒーモス・オルタナティブ」

 

完全に退避して声だけこの場に届けた時間犯罪者から命じられ、角を生やした巨大な黒獣とも言うべきベヒーモス・オルタナティブは咆哮を上げて襲いかかってきた。

 

のび太くんとドラえもんを庇うように前に出た私は、スキル【超手袋】の効果を用いて超高補正がかかった力でベヒーモス・オルタナティブの突進を受け止めて、のび太くんとドラえもんさんは先に行きなさい、時間犯罪者を逃がしてはいけません、と2人に先に向かうように促す。

 

「きみだけに任せて、先に行くなんて」と嫌がるのび太くんとドラえもんは優しい。

 

役割分担ですよ、私はこの怪物を倒す、きみ達は時間犯罪者を捕まえる、それぞれが役割を果たすんです、と言うと、それにこう見えて私は結構強いんですよ、と言いながらベヒーモス・オルタナティブを放り投げて安心させるように2人に笑いかけた。

 

ね、大丈夫でしょう、だからここは私に任せて2人は先に行ってください、と言った私に「わかった、行くよのび太くん」と言ってのび太くんを引っ張って連れていったドラえもん。

 

放り投げられた程度では無傷なベヒーモス・オルタナティブは怒りの咆哮を上げて、此方に飛びかかりながら前腕を振り下ろす。

 

直撃を避けたとしても凄まじい衝撃波が巻き起こり、吹き飛ばされる私の身体。

 

空中で体勢を立て直し、壁に着壁した私は鞘に納めた剣を引き抜き、剣を右手に持ちながら左手に無詠唱魔法【ガンスミス】で形成したリボルバーを握る。

 

【白銀の剣】【銃の名手】のスキル効果で全ステイタスに高補正を重ねがけした私は、着壁した壁を蹴り、ベヒーモス・オルタナティブに接近。

 

更に【大寒波扇】のスキルで零下100度の大寒波を剣に纏わせ、スキル【夢幻の剣士】の効果で斬撃の範囲を拡大し、ベヒーモス・オルタナティブを一刀両断。

 

零下100度の大寒波を纏う剣の斬撃により凍り付いたベヒーモス・オルタナティブの切断面からは血が流れることはない。

 

魔石という弱点が消えていたとしても頭頂部から全身が真っ二つになれば生きてはいられなかったベヒーモス・オルタナティブ。

 

猛毒の血肉を持つというベヒーモスと同じ性質を宿していそうなベヒーモス・オルタナティブの血肉を撒き散らさないように仕留めた私は、のび太くんとドラえもんの後を追う。

 

抵抗する時間犯罪者を相手に必死に戦っていたのび太くんとドラえもんに加勢し、魔法銃のリボルバーの弾丸をゴム弾のような質に変えて、スキル【夢幻の剣士】の不可能を可能とする効果で時間犯罪者のバリアーによる防御を貫いて破壊した弾丸。

 

「馬鹿なっ!?23世紀の最新式バリアーがっ!?」

 

驚愕の声を漏らす時間犯罪者の隙を、見逃さなかったのび太くんは、ひみつ道具のショックガンを用いた早撃ちで時間犯罪者を倒す。

 

その後、ドラえもんが通報したことにより現れたタイムパトロールによって、気絶した時間犯罪者は捕まり、未来の刑務所に送られることになった。

 

タイムパトロールによって時間犯罪者の研究施設も破壊されることになったが、そのおかげで時間犯罪者に奪われていたのび太くんの記憶も戻り、後は元の世界に戻るだけとなったのび太くんとドラえもんの2人。

 

これでお別れですね、と言う私に「うん、でも、助けてくれたきみのことは忘れないよ」と言ったのび太くん。

 

「ぼくも忘れない」と言ってくれたドラえもんは、まだ人間の少年のままだった。

 

ドラえもんさん元に戻るの忘れてますよ、と私が指摘すると慌てた様子で元の猫型ロボットに戻ったドラえもんに、皆で笑う。

 

こんな風に笑いながらだと湿っぽい別れにはなりそうにないが、それでいいのかもしれない。

 

のび太くんとドラえもんがこの世界を去る時「きみの冒険をぼく達は、これからもずっと見ているから!」と言ったのび太くん。

 

そんなのび太くんとドラえもんに手を振り、私ものび太くんとドラえもんさんのことは忘れません、と伝えておく。

 

消えていったのび太くんとドラえもんを見送り、何も残っていない黒一色の砂漠に1人だけになった私は【何処扉】でオラリオへと戻ると歩き出した。

 

これからも私の冒険を見ていてくれると言ってくれた相手が居るなら、私は冒険者として立ち止まらず歩き続けていくとしよう。

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