ゆゆゆ世界にダクソの主人公をぶち込んでみた。(未完)   作:イロマス

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 本編を投稿する前に少し幕間でお茶を濁しておきましょう。幕間の話は本編とは関係ない話です。あくまで『こんな平和な話』があったみたいな感覚で読んでください。
 基本的なノリはゆゆゆいに近いです。


幕間その一 灰の一日

 

「灰さんの趣味ってなんだろう?」

 

 ある日の食堂。灰を除いた全員の前で、友奈は言う。確かに、といった様子で全員が各々の反応を示す。

 

「そういえば、私達は三年も一緒に居るというのに灰さんの事をあまり知らない。灰さん自身多くを語らないとはいえさすがに知らなさすぎだな」

 

「だよねー。ねえぐんちゃん、灰さんの趣味って分かる?」

 

「あ、えっ?……そう、ね。灰さんの趣味……武器集め、とか」

 

「武器集め?それはどういう?」

 

「言葉通りよ。灰さんは興味を惹かれた物は片っ端から集める趣味があるのよ……いや、アレはもう癖のようなものね」

 

 千景の脳裏には目新しい物を見つけた際の灰の表情が浮かび上がる。好きと断じた物に対しての表情はまさに貪欲そのもの、アレを趣味と言ってしまったら何か違うような気がする為、千景は即座に否定する。

 

「他にはないのか?例えば体を動かすとか……」

 

「……狩り、は違うわね。習慣のようなものだもの……他に……」

 

 そこまで考えてふと、千景は自分も思ったより灰の事を知らないのでは?と訝しむ。千景の知るものは全て癖や習慣など趣味の範疇を超えたものしか知らない。それはそれで若葉達の知らない一面を自分は知っているという自慢が出来るため無問題なのだが、それでも灰が自分に対して趣味を教えてくれなかったという事に少々苛立ちを覚えてしまう。

 

「千景ですら灰さんの趣味を知らないのか……ふむ、これは一大事だと私は思う」

 

 いつになく神妙なる面持ちで喋る若葉。単に灰の趣味云々の話なのだが、全員は納得したように頷く。

 

「あっ、でも今灰さんって大社に居ないよね?」

 

「最近は大社に居ることが少なくなってますからね。一体何をしているんでしょうか?」

 

「……ならさ!今度の休日に灰さんの後をついて行こうよ!もちろん灰さんには内緒で!」

 

「いや、灰さんに断りを入れれば教えてくれると思う……」

 

 至極真っ当にそんな事を言えば、球子はチッチッチ、と指を振りながら

 

「分かってない、分かってないな千景。ただ理由を聞くだけじゃあ面白くないだろ?」

 

 いつの間に持っていたのか、黒サングラスを目に掛けながら。

 

「調査、尾行!こんな浪漫の塊のようなイベントをみすみす逃すのか?いや、タマはできない!」

 

「タマっち先輩、うるさいよ、ここ食堂だよ?あとそのサングラスどこから出したの?」

 

「……理解に苦しむわ」

 

 何が浪漫だ。理解不能といった感じで額を抑える千景を他所に、着々と灰の尾行計画が練られていく。頼りの杏とひなたに関しては杏は呆れながらも止める気配なし、ひなたに関してはふふふ、とイタズラに笑いながら傍観を決め込んでいる。

 哀れ灰。この場で味方は殆ど居ない。千景は何処かに居る灰に対して心の中で謝る。

 結局、灰のあずかり知らぬ内に尾行の件は確定事項となったのだった。

 

 

❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

 

 

 なんて事だ。ある日の休日に私達は物陰に隠れている。理由は単純、今物陰の向こうには灰さんが歩いているからだ。

 現在私達は大社から歩いて数分の所にある商店街付近に居る。私は灰さんの尾行に反対なのだが、土井珠子の愚行に付き合わされている。ハッキリ言って今すぐ逃げ出したいが、隣で高嶋さんが楽しそうにしているため逃げようにも逃げられない。

………高嶋さんの笑顔……クッ!眩しいわ。

 危うく浄化されかけるも、なんとか耐えきる。

 

「こちらCシャドウ現在朝の9時。灰さんは商店街で店の人と楽しく話しているわ。オーバー」

 

「ラジャーだCシャドウ。では尾行を開始する」

 

「………」

 

「どうしたのかしら、伊予島さん?目標はすぐそこよ」

 

「思っていたよりノリノリですね……千景さん」

 

 ノリノリ?違う、私は渋々付き合ってあげているだけ。今も名乗りたくない名を名乗ってるだけで別にこのシチュエーションが私の琴線を刺激したなんてそんな事は万が一もありえない。

 

「ほら、早く行くわよ」

 

「なあ、あんず。もしかして千景……」

 

「言わない約束だよ、タマっち先輩」

 

「何か言ったかしら?」

 

「「いえッ何も!」」

 

 

❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

 

 

灰さんの後を追って行くと、今度はそれなりの大きさの図書館へと着いた。

 

「うん、灰さんが本好きというのは私達も知っているからそこまで驚かないな」

 

 乃木さんの視線の行く所を見れば灰さんが本を黙々と読んでいるのが見える……が、多い。本が。純文学、古典、歴史、本という本が灰さんのいる机を覆っている。

 司書が「え"っ!?」みたいな目で見てるわね。分かるわ、私も今そんな感じだから。

 

「多くないですか、あれ」

 

「まぁ……そう、だな」

 

「嘘かと思いますけど、灰さんアレ全て今日中に読み終わらせる気でいるんですか?」

 

「……そうね、多分読み終わらせるわ」

 

「タマ頭痛くなってきた」

 

「私もー」

 

 隣に座る高嶋さんと土井さんは視界を覆う活字の山に頭から湯気を出しながら机に突っ伏している。

 かく云う私も少しこめかみの所が痛くなってきている。ゲームばかりして本を読んでいなかった弊害がこんな所で来るとは……。

 

「灰さんって本は読む事は分かったけど、恋愛小説は読むのかな?だとしたら……」

 

「……伊予島さん。その小説はどこから出したのかしら?」

 

 何処となく瞳を光らせている伊予島さんに軽くドン引く。というか伊予島さんの周りに風が吹いている……気がする。多分擬音にすれば「ビュォォー!」みたいなのが出る事だろう。

 

「……!灰さんに動きが……!」

 

「早っ!?いくら何でも早すぎないか!」

 

「……急ぎましょう。ほら、高嶋さん。起きてちょうだい」

 

「うーん……ワザリングハイツアンちゃん……デスクイーンぐんちゃん……うーん……はっ!帰って来れた……」

 

「どんな夢なの……?」

 

「えっと、私が二人いたり若葉ちゃんの子孫がすごい妄想してたり、あっ!あとぐんちゃんが若葉ちゃんの子孫の子達から厨二病?センスナンバーワンって称号を貰ってたよ!」

 

「本当にどんな夢を見てたの?」

 

 一体どんな夢を見ていたのかは知らないが、ロクでもない夢なのは間違いない。

 まだ少し夢の世界にいる高嶋さんを引っ張って行きながら私達は灰さんの後を追う。灰さんの尾行はまだ始まったばかりだ。

 

 




 まだキャラ崩壊してないな……ヨシ!
 こんな感じで幕間は基本戦闘無し、ゆるっゆるでやって行きます。
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