ゆゆゆ世界にダクソの主人公をぶち込んでみた。(未完)   作:イロマス

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 一ヶ月近く遅れて本当にすみません!遅れた理由としてはスランプに陥っていた事ですね。まだ少しスランプ気味なのでまた投稿遅れると思いますが、暖かく見守っていてください。

 では第十話どうぞ


第十話 理由

 

 

逃げるなァ!バーテックス!!

 

「最高級うどんを無視するだなんて……許せない!」

 

「……分かっていたことだけど、バーテックスは敵ね」

 

「何で……何でそんな酷いことが出来るんですか!」

 

「仇は取るぞ……アイツはタマが倒す!」

 

 三度目の襲来。戦いも半ばへと移ったそんな中、極彩の根が形成する樹海のとある場所。まるで人の様な二本足で走るバーテックスを追う様にして若葉達は各々の得物を手にして迫っていた。

 怒り、悲しみと四人全員が同じ気持ちを抱きながら全力で追う中、一人距離を取りながら走る灰は心底理解出来ないと言った様子で着いていっている。

 

 事の発端は案の定球子であった。「バーテックスって意思みたいなものあるじだろ?ならうどん見せれば食いつくんじゃないか!?」そんな事を大袈裟に喋りながら新たな進化体の進行方向に投げた。

 投げたはいいのだが……その後のバーテックスの取った行動が彼女達の怒りのスイッチを悉く押していくとは灰も流石に予想できなかった。

 投げられた最高級うどんは見事なカーブを描いてバーテックスの目の前に着地。それを目の前にしたバーテックスは一瞬動きを止めた。それを灰達はドキドキしながら眺めていたのだが、次の瞬間バーテックスは置かれたうどんの袋を一切の躊躇もなしに踏みつけて去っていたのだった。

 瞬間、若葉達の動きは文字通り固まった。その瞳は驚愕と理解不能、そんな心情をありありと分からせるほどに見開かれ、体は沸々と湧き上がる怒りに震えていた。

 そして沸点が彼女達の限界を超えた時、彼女達は遂に怨嗟の鬼と化した。

 

 おかしいのは私か?私なのか?と半ば混乱に陥りながらも若葉達になにか言うそぶりは見せない。いや、見せられないのだ。

 たかがうどん、されどうどん。四国の者にとってうどんとは切ってもきれぬ縁。もしここで下手に喋ろうものならばあの切っ先がこちらに向くかもしれない。若葉達ともあろうものがそんなことは無いと信じている、信じているが今の彼女達の殺気ではその信頼も揺らいでしまう。

 

(許せ、バーテックス。その恨み一身に引き受けたまえ。同情はしないが)

 

 触らぬ神に祟りなし、灰は一貫して沈黙を貫くことにした。

 何故か走るバーテックスの無い瞳がこちらを恨めしそうに睨んでいる様に感じたが、知らぬ存ぜぬ見向きもせずをしていれば、視界の端でバーテックスが斬られ、貫かれ、殴打され、粉微塵と化していた。

 恐るべし、うどんの怨み。

 間違ってもうどんに対しての失言は無いようにしなければ。灰は人知れず固く決心した。

 

 

 

 

「──そんな事があったのだ。おい、笑うんじゃない」

 

「いや、くくっ……これを聞いて笑うなって言う方が無理だ。バーテックスが怯えるほどの……ふふっ、いい話のネタになるな」

 

 ガランとした教務室の一角。今にも堰を切って溢れそうになる笑いを堪えながら悶える烏丸をジト目で見ながら灰は今日何度目かのため息を吐く。

 

「いっそのこと灰も混ざれば良かったんじゃないか?そうすれば余計な心労もなくなるだろ?」

 

「それが出来たら苦労しない。あの時は私がマトモでなければ場の空気というか、何か根本的なものが崩れる気がしてならなかったのだ」

 

「そうか、難儀なもんだな」

 

「少しは人を心配する努力でもしてみたらどうだ」

 

「努力はしてるさ……()()()に比べればマシになったほうだ」

 

「あの頃……あぁ。そうだったな、なら成長していると言える」

 

「だろ?」

 

 過去を懐かしむように、けれど微かな影を残した笑みをしながら手元のカップに視線を落とす烏丸に灰は少し意外そうな表情をする。

 

「お前も過去を懐かしむんだな。ドライな印象があったから意外だ」

 

「誰だって過去を思うさ。無くしたいもの、変えたいもの、もう一度やりたいもの、何だって思うんだよ。まぁ、灰に比べれば私もまだまだだけどな。あと気づいてるか?」

 

「何だ?」

 

「口調だよ。堅苦しさが薄れてきてる。雰囲気もだが、あいつらに近しいものになってるぞ」

 

「……そうなのか?」

 

「お前、他人の変化には敏感なのに自分のことになると一気に鈍感になるよな」

 

「……悪かった。気をつける」

 

「それは私じゃなくて外のアイツらに言えよ」

 

 外で自由に過ごす若葉達を見やりながらそうだな、と言えば烏丸はやっと分かったかと言わんばかりのため息をつく。

 

「最近、アイツら……若葉達はどうだ?」

 

「どう?……あぁ。順調に強くなっている人の身でここまでの成長を見せるとは思わなかった」

 

「案外、簡単にお前の隣に立てるようになるんじゃないか?」

 

「……もしかするとな。若葉は一層抜刀術を鍛え、私ですら初撃を躱すのが容易ではなくなってきている。友奈も持ち前の武術の基礎を固め、柔軟な対応が出来るようになり、千景は広範囲の攻撃を更に発展させ回避を困難にさせている。球子と杏もだ、球子が守り杏が突く。息のあったコンビネーションに更に磨きをかけ、侮れなくさせている。もし全員が同時に来たなら……」

 

「来たなら?」

 

「最低でも30分は掛かるだろうな」

 

「それは若葉達がお前に勝てる時間を言っているのか?」

 

 想像する。極まった技術を遺憾なくコチラに向けて発揮する五人の姿を。今の彼女達を神の時代に置き換えるとするならば……大雑把に黒騎士十人分だろうか、しかも火が消え掛かった終末世界では無く神の時代、その全盛。そこに遠距離も得意な奴が入っていると考えれば一筋縄ではいかないだろう。

 しかし灰だって数多の戦場を戦い抜いた戦士だ。

 

「──負けんよ。千景達が本気で来るなら私も本気で行くだけさ。手持ちやある物全部使えば30分と言うわけだ。こんな老ぼれだがまだまだ若い者には負けてられんよ」

 

「つくづく灰はおかしいよな。若葉と友奈は私が知る中で一番人間辞めかけてる奴だぞ」

 

「人間辞めかけているんじゃなくて本当に人間辞めなければ私には勝てんよ。力ではな。ただ……心は強い。私よりも断然にな」

 

「おい、どこに行く」

 

「外の空気を吸ってくる。煙草の匂いはやはり慣れない」

 

 この場の空気は堪らんと言わんばかりに足速にこの場を去る灰。呼び止める暇も無くあっという間に一人になってしまった烏丸は不機嫌そうに煙草の煙を吐く。

 

 

 

 がらんとした廊下。少々傾き始めた太陽の光が灰の横顔を照らす。烏丸の下を去った灰は誰もいない放送室の前に立っている。

 あの諏訪との通信を最後に来ることは無かった放送室。灰ですら分からない衝動に突き動かされるままドアを引く。

 なんの突っかかりもなく開けられた放送室の中は掃除が行き届いており今も使えるようになっている。

 

「精々校内放送だけだと言うのに……掃除してくれていたんだな」

 

 もう使われることはないであろう四国外との通信の為の通信機があの時と変わらない姿で場所で静かに鎮座していた。

 撫でてみれば埃などは一切なく、若葉とひなたがよく掃除していたことが伺える。

 

「……あー、あー。こちら四国だ、もしこの通信が届いているのならば返答してくれ」

 

 通信機に電源を入れ、マイクに喋りかける。無駄だと分かっている。この行動になんの意味もない。

 未だノイズを発し続ける通信機の前で灰は乾いた笑いをする。それは己に対する嘲りか、それともあの時すぐさま救援に向かおうともしなかった大社の者達へか。

 

「弱いな……私は」

 

 数々の強敵を斃した。何度も世界を救った。沢山の同胞を殺し、救った。しかしそれは受動的なものであった。

 四国の戦いもまた同じ。理由などない、降りかかる火の粉を払うが如く淡々と戦いへと挑んでいた。僅かにだが強者と戦える高揚感などあったが、思いの外期待外れだった為に一瞬にして色々なものが冷めてしまう。

 前に烏丸が言っていた。千景はどうなのかと、千景を守るのは理由にすらならないのかと。

 

「──守護ることに理由などないだろうに」

 

 弱き者は守る。信条でも何でもない、己の性から起こしてしまった()()()()()を境に出来た癖をどうして戦いの理由に出来るだろうか。

 

「理由のない力ほど……危ういものはない……か」

 

 とある本で知った一言だが、思いの外今の己に通づるものがある。自分の気まぐれによって簡単に四国を滅ぼせてしまうこの現状。だからこそこの言葉が灰に重くのし掛かる。

 

(若葉達は凄いな……)

 

 灰とは違い、突然生活していた所で偶然選ばれ、突然バーテックスと戦わせられるというのに彼女達は確固たる信念を持って戦っている。

──故に折れない。

 一度戦えば簡単に勝てるだろう。しかし折れない若葉達は何度でも立ち上がるだろう。それはかつて使命に燃えていた自分自身のよう。

 若葉達に羨望の念を抱き、腑抜けた自分に対して失望しながら椅子に座り込む。ぼーっと放送室の天井を眺めていた時、灰の耳がある声を捉える。

 

『誰──か──聞こえ──い──か?』

 

「──っ!!聞こえている!こちらは四国だ、生存者か!?どこにいるんだ!」

 

 確かに聞こえた少女の声。雑音混じりで殆ど聞こえてはいないが声色から感じる力強さ、生き生きとした声からまだ少女は生きていると確信する。

 

『私達──北海道に──皆んなは──生きて──でも──勇者は私は一人──敵も増えて──だから──』

 

「北海道……!北方にあった生体反応か!場所は分かった、救援に向かう!待っていてくれ!」

 

 生きているならば急がねばならない。今も北海道が生きていると言う事は勇者が居ることの裏付け、しかし諏訪の一件があるため悠長にしている暇が無い。

 

『そうですか──良かった──』

 

 徐々に増えてゆくノイズ、通信が切れる直前、心から安心した声が通信機越しから聞こえついに少女の声は聞こえなくなった。

 砂嵐の音しか聞こえなくなった通信機の前で灰は震える息を吐きながらゆっくりと立つ。

 

「直ぐに救助(たすけ)る。──待ってろ」

 

 急いで大社に取り合わなければならない。灰は速る思いを抑えながら放送室を後にした

 

 

 

 

 

 




 何度目か分からないけど文章力が欲しい。切実に。

 あとゆゆゆい遂に発売されましたねー。皆さん買いましたか?私は買えてません。買 え て ま せ ん(大事な事なのでry)
 早く買いてえよ。待っててねぐんちゃん。

我々ぐんちゃんを幸せにする会はぐんちゃんのこれからを応援しています。
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