ゆゆゆ世界にダクソの主人公をぶち込んでみた。(未完)   作:イロマス

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 やっと、やっとここまで来たァ!こっからはもう一気に進めます。
 もう少しでのわゆ上巻分が終わる。そしたら諏訪遠征だ!

 では十二話どうぞ。


第十二話 この先 温泉があるぞ

 

「あ〜、身体の疲れが取れる〜取れる〜」

 

「あらあら、若葉ちゃんったらとても気持ちよさそうですね」

 

「そりゃそうだろう〜温泉に入れる機会なんてそうそうなかったからな〜」

 

 あいも変わらず微笑み続けているひなた。私も湯加減の良さについついだらしのない笑みを浮かべてしまう。

 現在、私達は高松市にある旅館に宿泊しに来ている。ついこの間、信託で当分バーテックスの襲撃はないと伝えられた為、日頃の労いと感謝の意を込めて勇者、巫女、そして灰さんは用意された旅館で特別に休暇を取らせてもらっていた。

 本来は巫女はひなただけが来る予定だったが、灰さんが上と掛け合って人数限定で他の巫女も参加出来るようになったらしい。この前大社の神官が「よ、予算が」なんて呟いていたが、苦労しているんだろう。ご愁傷様です。

 

 それにしても良い温度だぁ〜。特に疲れの溜まっている腕や腰によーく効く。

 

「気持ちいいな〜ひなた〜。あ"あ"〜溶けそうだ」

 

「ふふっ、若葉ちゃん、溶けそうじゃなくて本当にアイスみたいに溶けちゃってますよ?」

 

「そーかー?」

 

 溶けてしまうのも仕方ないだろう。日常的に木刀を振っているのだから疲労は溜まっていくばかり。そこでこの温泉だ。気持ちいいなんてものじゃない、筆舌に尽くしがたい快楽が常に体を駆け巡るのだからもう溶けちゃう。

 

「ここまで気持ちいいと歌を歌いたくなるなー」

 

「歌っちゃって良いんじゃないですか?今この旅館は貸切ですし、友奈さん達も咎めはしませんよ」

 

「だな〜、では一曲。スゥー」

 

ああっ!また若葉に一番取られたぁ!

 

「……スゥー」

 

 景気良く歌を歌おうと息を吸った瞬間、引戸を勢いよく開けて現れたのは球子だった。

 あまりに唐突な登場に私の歌う気は削がれ、楽しみを中断された悲しさと恥をかかずに済んだ安堵に膝を抱えて球子の視線から逃げるようにして顔を隠す。

 

「タマっち先輩、走らないで。あれ?何で若葉さんは顔を隠して?」

 

「………聞かないであげてください」

 

「……どうせ勝手に自爆しただけよ。高嶋さん、行きましょう」

 

「はーい」

 

「花本さんと安芸さんは何処へ?」

 

「さあ。迷ってるんじゃないかしら」

 

 呆れたような視線を私に向けながら友奈と共に千景は歩いていく。

 

「ほら、タマっち先輩も体洗お?そのまま浸かるのはダメだよ」

 

「……あーい」

 

 た、助かった。球子を連れて行ってくれた杏に心の中で感謝を伝えながら私はそっと顔を上げる。すると、愉快そうに笑うひなたの顔が目に入り、してやられたような、私の心を見透かされたような感じがして耳が熱くなる感覚がした。

 きっと温泉の熱さのせいだろう。そう思いきって私は少し体をお湯から出す。

 

「ふむ……少し良いですか?若葉ちゃん」

 

「ん?どうしたひなた。そんな真剣な表情なんかして」

 

「ああっ動かないでください。いや、その姿の若葉ちゃんも確かにカッコいいのですが、ちょっと止まってもらって」

 

 そう言ってひなたはじっと私の体を下から上まで余すことなく見つめながらペタペタと触ってくる。

 

「いや、ちょっと……ひなた、やめてくれっ。そんなに触るのはっ、ちょっ、ふふっ……ほんとに!頼む!くすぐったいんだ!」

 

「あっ、ごめんなさい。ですがこれで分かりました……若葉ちゃん」

 

 真剣な声で喋るひなたに私もつい背筋を立ててひなたの声に耳を傾ける。なぜ、温泉だというのにこんな真剣に話しているのだろう?そんな疑問が湧いてくるが次にひなたが喋る内容にそんな事は遠く彼方へ飛んでいってしまう。

 

「──成長、しましたね。胸が」

 

「──は?」

 

 旨?ムネ?胸?私の想像していた内容とはかけ離れた内容に私の脳は軽いショートを起こす。

 

「前回触った時よりも少し、けれど確かに感じる増した重量に私は確信しました。若葉ちゃんのおっぱい、大きくなってます!と!これは喜ばしいことです!」

 

「何を言っているんだ!?あとそんな事喜べるか!」

 

「うぅ、やっと私の努力は実を結んだんです。毎晩気づかれないように若葉ちゃんの胸を揉み続けた甲斐が……!」

 

「えっ、なにそれは……私が寝てる間に?嘘だと言ってくれ、頼む!」

 

「さあ?どうでしょうか、ふふ」

 

 やめてくれ!そんな意味ありげな表情で笑うのは!というか夜に!?私はいつも部屋のドアには鍵をかけているのだが!?

 

「愛の前では鍵なんて些細なものです」

 

 ナチュラルに思考を読まないでくれ。夜な夜な胸を揉まれていると想像すれば、背筋の中心からゾワゾワと毛虫が這うような気色の悪い感覚が迫り、あまりの恐ろしさに私は堪らず両手で体を抱きしめるようにしてそそくさとひなたから距離を取る。──むっ!殺気!

 

「なあ……今、聞き捨てならない言葉が聞こえたんだ。若葉の胸がデカくなったっ……て。それは本当か?」

 

 背後からかけられた声に振り向けば幽鬼のように体を揺らしながらドスの聞いた声で喋りかける球子の姿が。

 あ、これはまずい。球子は自称登山家だ。登山と言ったって山を登る方ではなく人体に……特に女性についてる二つの山に登るという意味での登山家だ。

 ここまで言えば察してくれるだろう。球子は今、私の胸を標的にし登山を試みようとしている。球子は何がとは言わんが小さい。それも勇者の中で1.2を争うほどに。しかも成長してないときた、故に自分よりも大きなモノに対しての嫉妬心、敵対心は人一倍だ。今までは私も球子サイドに居たから目の敵にはされなかったが今のひなたの発言でそれは終わった。

 

「いや、違う。違うんだ。これはひなたが秘密に揉んだせいで……」

 

「でもデカくなったんだろ?」

 

「微々たるもので」

 

デカくなったんだろ?

 

「……は、はい」

 

「ギルティー」

 

 有無も言わせぬ気迫にさすがの私も反論の意思は削がれ、数秒後に来るであろう登山を待つだけとなる。

 

「ぬぁー!裏切ったな若葉ぁー!仲間だと思ってたのに!」

 

「タマっち先輩落ち着いて!見苦しいよ!」

 

「離せあんず!……待て、あんず。お前もおっきくなってないか!?」

 

「えっ?そんな事は……ないと思う……よ?」

 

「いぃや確かに大きいね!タマの登山センサーを舐めるな!」

 

 助かった。標的を私から杏へと切り替えた球子は目にも止まらぬ速さで杏の背後に回り込み、その双丘を両手でむんずと掴みこむ。

 

「きゃっ、タマっちせんぱ……やめっ、あっ……んんっ!」

 

「やめろ球子!やるならばそこのひなたのを揉め!」

 

「えぇ!?若葉ちゃん!?なんでそんな!」

 

「勝手に私の胸を揉んだ罰だ!甘んじて受け入れろ!」

 

「ふあっ!?球子さん何を!?い、いたっ!やめてください!」

 

 もはや登山の鬼と化した球子を止める事はできない。目の前の巨峰を攻略しつくすまで止まらないのだ。

 いいように揉みくちゃにされているひなたに敬礼。矛先がこちらに向く前にしな垂れた杏を担ぎ、いそいそと惨状の中心から逃げた。

 

 

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 ちゃぽ、とゆっくりお湯に体を慣らしながら浸かる。

 露天風呂特有の開放的な空間の中心で夜空を見れば、言いようのない満足感と開放感が灰の胸を満たす。

 わいわいと横に建てられた壁を超えて聞こえてくる少女達のはしゃぐ声にやれやれといった様子で肩を竦める。

 温泉に入るといった経験はこれで二回目だ。初めて入った時はただお湯に入るだけの風呂とは違い、身体の芯まで染みるほどの効能に感嘆の吐息を漏らしたほどだ。二回目となる今回もまたついつい息を吐くほどに素晴らしいものだと感じる。

 

「きゃっ、タマっちせんぱ……やめっ、あっ」

 

「ふぁ!?球子さん何を!?い、いたっ!やめてください!」

 

 ソラールやジークマイヤー達が生きていたら共に入りたいなと思っていると壁の向こうの声が一層忙しくなり、その中に艶声のようなものまで混ざり始め、灰はどこかそわそわとしてしまう。

 不死人には生殖機能や欲情といったものは無いが、徐々に人並みの感性に偏り始めている灰にとってはどう反応すれば良いのか分からず、ついつい頭を抱えてしまう。哀れ。

 

(一体何をやっているんだ……!何かよからぬことでも、いや若葉達に限って……いやいや、なぜ私がこんなに動揺する!)

 

 火の無い灰、齢千超。人の営みに対しては博識だが、夜の営みや下の話にはかなり疎い。

 魂が出てしまうのかと思うほどに深いため息を吐きながら天井を見上げる。隣から聞こえる騒ぎの声に諦めの表情をしながら月を見やる。

 

「──月が……綺麗だなぁ」

 

 

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「ん、ん………かぁー!やっぱ風呂上がりの牛乳は最っ高だな!」

 

「あっ、タマっち先輩口元に泡が……もう」

 

「これじゃ、どちらが姉か分からなくなるな」

 

  風呂上がり、心なしか普段よりも肌が艶々とした勇者組と巫女組は休憩スペースで自由に過ごしていた。

 口元に泡の髭を拵えた球子の口周りを呆れながら杏は拭いていく。いつも姉と豪語している球子が妹のように世話を焼かれているが、球子はそんなこと一切思いもしない。

 

「あれ?灰さんどこにいるか知ってる?」

 

「灰さん?灰さんならあそこに……」

 

 そんな中、何やら灰を探している友奈が灰はどこかと千景に聞いてみると、千景は先程見かけた灰を指差して、固まる。

 どうしたのかと千景の横から顔を出して見れば、集団から離れるようにして静かに涼んでいる灰の前に過去、土井球子と伊予島杏を勇者として見出した巫女である安芸真鈴(あきますず)と同じく巫女であり、()()()を見出した花本美佳(はなもとよしか)が会話していた。

 温泉上がりということもあり、全員が浴衣姿なのだが少々色っぽい。

 瑞々しい髪や朱がかった頬、下ろされた髪から見えるうなじからくる年不相応な色香に灰は居心地の悪さを感じていた。

 だがしかし、灰の心境を分かる者はこの場には居なく、目の前で嬉々として話してくる真鈴と美佳の対処に追われることとなる。

 

「うわっ!どうしたのぐんちゃん?すごく怖い顔してるよ」

 

「何でもないわ、高嶋さん……ただ、弱い自分と闘ってるだけよ」

 

 千景は独占欲や嫉妬心が強い。それは千景の家庭環境からくる仕方のない性質であり、千景自身も自覚している。

 自分の大切な者に近づく者がいれば即座にそれを排除しようとしたり、大切な者が誰かと話していればその者に対して並々ならぬ殺意を抱くほど。

 実際、過去にその厄介な性質のせいで灰や千景達を巻き込んだ事件が起きたりもした。故にアレ以降そうならないよう注意を払っていたが、何だアレは。隣の美佳はまだ何度か話したことがありそれなりの関係を気づいたから良いものの、絶賛満面の笑みで灰に詰め寄るあの女は何ものか。

 久方ぶりに湧き出てくる殺意に内心激闘を繰り広げながら努めて友奈と話す。

 

「という訳で、行きましょ!灰さん!花本ちゃんも早く!」

 

「お、おい、引っ張らないでくれ」

 

「はあ、もう少し落ち着いて行動してください」

 

「あ、灰さんと二人がどこか行っちゃった」

 

「は?」

 

 目にも止まらぬ速さでその方向を見れば、先程までいた3人は忽然と居なくなっている。

 その時、千景の中で何かがキレた後がした。千景は激怒した、かの邪智淫乱な女を下さねばならぬと決意した。

 そこからの行動は早かった、本当に運動不足なのかと見違えてしまう程の速度で退出、怨嗟の声を呟きながら3人を追いかけて行ったのだった。

 友奈は余りの展開についてゆけずにボケーっと千景の開けていったドアを見ているだけだった。

 

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 寝つけない。体に感じる違和感に目をあけて確認すると、高嶋さんが幸せそうな顔で私の腕を抱いて寝ていた。

 

「ふふ、かわいい顔」

 

 まだ少し湿りを蓄えた髪を一撫でしたら、離れた所で二人身を寄せ合って寝ている土井さん達を起こさないようにそっと布団から抜け出す。

 薄暗さに目が慣れると、乃木さんと上里さんの布団がもぬけの殻なのを知る。

 二人揃って手洗いか、それか何処かで話しているのか、私にとってはさして気になるほどではなく、追おうなんて思いにもなれず、皆んなを起こさないようにそっと隅に寄せられた椅子に座る。

 

(……灰さん)

 

 寝息だけが聞こえる空間に一人居ると、無性に灰さんに会いたくなってくる。

 幸いにも灰さんの居る部屋は知っている。寝てるかもしれないが不死たる灰さんは寝ない。その気になれば寝れるのだが灰さんは寝ない。もしかすると私達の知らない所で寝ているのかも知れないが。

 ただ最近灰さんは忙しそうでいつも元気が無い。そんな状態の灰さんに会いに行くのかと一瞬後ろめたさが現れるが、それ以上に会いたい気持ちが強く、心の中でごめんなさい、と謝ってから部屋から出ていった。

 

 

 深夜の旅館というのは思っていたよりも肌寒い。厚手のなにかを羽織ってくれば良かったと後悔しても、既に部屋を離れており今更戻って高嶋さんを起こしては悪いと渋々我慢して歩く。

 少し歩いているとどこかから話し声が聞こえてきた。声からして乃木さんと上里さんだと分かり、チラと曲がり角から覗くと乃木さん達が四角い腰掛けソファに座りながら話していた。

 話の内容と言えば身の上話だったり、世間話だったり、あまり盗み聞きしているのも悪いと思って静かにその場を後にしようとする。

 

「……千景の事なんだが」

 

 ピタっ、と私の足が止まる。私の事を話すなんて一体どんな内容なんだろう。他人の内緒話を勝手に聞くのは良くない事だと分かってはいるがやはり自分の事を話されては気になってしょうがない。

 聞くか、聞くべきではないか。数瞬悩んだ結果、好奇心に抗えず、私は再度聞き耳を立てる。

 

「私は思うんだ……本当は勇者を纏めるリーダーは私じゃなくて千景が適任なんじゃないかと」

 

「なんというか……綺麗なんだ。千景の一途さが。灰さんの助けになりたい、大切な人を守ろうとするあの思いが。確かに千景は不器用だと思う。三年ぽっちの私が言うのも烏滸がましいと思うが、けれど千景の純粋な思いが……私は好きだ」

 

「私の私怨にも等しい復讐心よりも、真剣に勇者に取り組んでいる千景なら上手く引っ張って行けるのではないかと。そう思う」

 

 後悔、羨望、そして諦め、いつもより弱々しい乃木さんの口から出た言葉からそんな気持ちが感じられた。

 元来より責任感の強い乃木さんだから深く考えてしまい過ぎているのだろうと私は思うが、それでも私に対してそう思っていたのかと乃木さんの胸の内が少し分かった気がした。

 

 バカね、乃木さん。私は乃木さんの思うような綺麗な人間じゃない。もっと歪んで、醜悪で、沼のように粘っこい、そんな心なのよ。

 私とは違ってリーダーシップがあって、芯の通った志があって、私の持っていないモノを持ったあなたに嫉妬して、勝手に対抗してただけ。

 私に与えられた唯一の勇者と言う価値が誰かより劣ってしまったら灰さんが居なくなってしまうかも。そんなある訳のない妄想に取り憑かれていただけのちっぽけな人間なの。

 

 けれどそんな私の思いは都合よく乃木さんに届くわけが無く、結局私の中でその思いは燻るだけだった。

 

(───戻ろう)

 

 何故かどっと疲れた。十中八九乃木さんのせいだろう。そうに違いない。

 

(けど……えぇ、これは良い疲れね)

 

 気怠い倦怠感ではなく、胸を満たすような疲れに私はちょっとした喜びを感じ、バレないようにその場を離れる。

 口元で形作られた笑みに気づかないまま。

 

 

 

 

 夢……夢にして鮮明で、しかしどこか現実味を帯びていないもの。それを見たのは一体誰か。勇者組か、もしくは灰か、または………。

 まるでその夢は未来を暗示しているようであった。暗くまるで海の様に広がった空間で一人の男が産まれ落ちる。それは人と言うには巨大で、野蛮で、野生的であった。

 生まれたばかりのそれは漆黒の空を見上げる。空に思うは一体何か。地を、大気を揺らすほどの雄叫びを叫びながら、それは産声を上げた。

 

 

 

 

 





 あとエルデンリングのDLCが6月に発売されラァ!アーマードコア6の売り上げでエルデンリングのDLCが出る、DLCの売り上げでアーマードコア6のDLCが出る。永久機関が完成しちまったなァ!これでノーベル賞はフロムのもんだぜェ〜!


我々ぐんちゃんを幸せにする会はぐんちゃんのこれからを応援しています。

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