ゆゆゆ世界にダクソの主人公をぶち込んでみた。(未完)   作:イロマス

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 書いててぐんちゃんの口調これで合ってるかなって思ったんだけど。どうなんだろう。
 
 ゆゆゆいコンシューマー版早く発売しないかなぁ。ぐんちゃんと高嶋さんのやりとりがまた見たいよォ〜。



第二話 安息

 彼は不死人だ。己の使命を全うし、二度火を継いだ偉大なる火継ぎの王だ。だが、火の時代に生きた全てのソウルを奪い、貪り、汚した簒奪者でもある。

 そんな彼は世界を創った───だ。しかし、数多のソウルをその身に蓄え、様々な困難を乗り越えた彼は今、膝を折り、両手を床につけ、頭を下げ(土下座)た状態で一人の少女の前にいる。対する少女は怯えた様子で体を震わせている。

 

 何故こうなったのかは数分前に遡り───。

 

 数分前、地下室から出た彼は腕の中で眠る少女をどうするべきか考え、彼は二階にある個室のベッドに寝かせる事にした。一階のボロボロ具合に比べて二階は汚れてはいるものまだ住むには問題ない。多少ベッドはホコリまみれでも致し方あるまい。そう思い立った彼はホコリまみれのベッドにそっと少女を寝かせ、彼は自分の用事を果たすために部屋の窓を開ける。

 

 先程から我が家の前で(たむろ)っている少年達を追い返すためだ。チラッとソウルを覗けば軽く顔を顰めてしまうほどの淀みが混じっていた。

 子供は無知ゆえに何者にも染まると思っているがこれは如何せん度し難い。誰も彼もが己の行為に一切の罪悪感を持たずこれが正義だと思う。まだ騙しはするが役に立つ男(鉄板のパッチ)の方がマシだと。そう思えてしまう。彼は内のソウルからショートボウと呼ばれる通常の弓よりも一回り小さな弓を取り出し部屋の窓から構える。

 先頭に立つ少年よりも少し前、そこに向けて番えた矢を放つ。矢は寸分違わず少年達の足元に刺さり、それに驚いた少年達は我先にと廃屋の前から去っていき、残るのは乱雑な少年達の足跡と静寂だけ。彼はショートボウをソウルに戻すと一階の居間へと降りていく。居間に着いた彼は壊れた床の側に座り何かを始める。

 

 ウーン、ウーンと唸りながらするソレは単純な床の補強作業だった。今上で寝ている少女──ソウルを見るに郡千景と呼ぶらしい。彼女が床に穴を開けてしまったみたいで彼はソウルの中から適当な物を探し、穴を埋めていた。しかし埋められても如何せん強度が足りない。彼が軽く押してみれば簡単に床は落ち、その度に彼は肩を落とす。

 

 いっその事竜から取れる特殊な武器(ドラゴンウェポン)を床にしてみるのもありか?などと血迷った考えが思い浮かんだが重みで床全体が崩れ落ちてしまう。この案は不採用だ。またしても行き詰まってしまった彼は諦めてその場を立つ。

 どうしようか、何をしようかと居間をグルグルと回っているとふと、彼の脳裏に天啓が降りた。

 

(そういえば、まだ森の中に仕掛けた罠を見ていないな。あの娘が起きるまで時間がある。見に行ってみるか)

 

 そう思い立った彼はすぐさま外へと歩みを進める。外に出た彼はまだ少し冷たさが残る森へ視線を向け、足を運ぶ。山を幾分か登っていくと少し開けた場所に出る。そこから村が一望でき、彼は少し立ち止まり村を見下ろす。

 

「この村は………嗚呼。美しく、そして醜いな。人の持つ二面性を良く表している」

 

 少し傾いた日に照らされる村は黄金色の稲穂が光を反射し村全体が神々しく見える。しかし、あの村を燃やし中身が現れたら───。

 

「───いかんな。その相反する性質を持つ事こそか人の美だと言うのに」

 

 頭を振り、彼はまた歩き始める。

 数分歩き続けると小川が流れる場所に出る。罠のある方を見ればそこには一匹のシカがトラバサミによって動けなくなっていた。シカは彼に気づき逃げようとするが彼はソウルから投げナイフを取り出しシカの足に投げつける。体勢を崩したシカに颯爽と近より首を抑え、ソウルから一本の打刀を出し、構える。

 

「………すまんな」

 

 暴れるシカにただ一言、そう言って渾身の力で刀を振り下ろす。余りの強さにシカの首は吹き飛び、血が彼に掛かるが気にせず。息絶えたシカの腹に移動し、解体を始めた。

 

「これは、いる。これはいらないな」

 

 あらかた解体を終えた彼は血に濡れた鎧を揺らしながら帰路に着く。どこか満ち足りた雰囲気で。

 意気揚々と家につくと千景のソウルが少し活発になっているのが見え、千景の状態を見ようと部屋のドアを開けた瞬間、彼に気づいた千景はか細く悲鳴を上げながら毛布をもって後ずさる。彼は何故怖がるのか?とんと理解は出来なかったがよく思い返してほしい。彼は今シカの解体で浴びた血を流さずに家へと行ったのだ。 

 血を滴らせながら来る姿は最早恐怖でしかない。しかしそんなことも気づかない彼は数秒の思考の末、彼の居た時代でよく使われていた謝罪の姿、土下座を遂行することに決めたのだ。そうして冒頭のシーンに戻る。

 

「………えっ、と……あ、の」

 

「………すまなかった」

 

「いや、あの、何で土下座を……。というか、何でそんな血まみれなんですか」

 

「ふぅむ。これは先程まで獣を解体していたからだな。もしや……怖がった理由はこれか?」

 

「あ、はい。そうです……ね」

 

───成る程。

 

 ようやく千景が怖がる理由をしれた彼は慌てることなく土下座を解き、立ち上がる。

 

「───そうか。ならこれならどうだ?」

 

「えっえっ、ええっ!?いきなり何を!?へ、変態じゃない!というか、一体どうやってその鎧を……!」

 

 彼は立ち上がると突如として頭以外の鎧をソウルへと戻したのだ。千景は突然な出来事に赤面し、手に持った毛布を顔の前に移動させ、彼の裸を見まいと必死になる。

 

「なにを、とは?これは私の居た場所では紳士と言われていた姿だ。これを変態と貶すのは辞めてもらおうか?貴公。あと鎧を消したのは秘密だ」

 

 千景は目の前で仁王立ちする彼に対する認識を鎧姿の不審者から鎧姿のヤベー不審者へと格上げした。

 

「貴方の居た場所はどんな所よ………!」

 

 あまりの情報量の多さに千景は敬語も忘れ、羞恥を堪えるように顔を覆い隠す。

 

「どんな所……か。そうだな、少なくともここよりも地獄だったと言える。だが、貴公もそれなりの地獄を経験してると見えるな……郡千景」

 

「………は?なんで私の名前を」

 

 突如として明かされた情報に千景は彼が裸だというのも忘れて彼を凝視する。彼はやれやれと肩を竦めて口を開く。

 

「いやなに。少し視させてもらったのだよ。私は()()()()()には精通していてねってなぜ体を隠す?やましい事はしていないさ。本当だ」

 

「ほ、本当よね?」

 

 恐る恐る聞けば彼は本当だと言ってくる。あまり信用はできないが。

 

「そうだ、あいつらは……?」

 

「あいつら?あぁ、あの少年達の事か。彼らなら帰ったさ。なぁに、少々挨拶をね」

 

 クックックと兜越しから聞こえる笑い声に千景は聞かないほうが良いな、と心の中で察した。

 

「それにしても、貴公。なぜこの家に来た。自分で言うのもなんだが誰もが好き好んで来るところではない。こんな辛気臭い場所には特に、な」

 

「私だって……来たくはなかったわ。でもあいつらに無理やり連れてこさせられたのよ………その、逃げようにも逃げられないし、仕方なく。でもまさか……」

 

 深いため息をつきながら千景は頭を押さえる。今日だけでかなり濃い体験をしたため頭痛がしてくるのだ。

 

「…………」

 

「…………」

 

 頭を押さえる千景。その前には大切な所だけを隠した殆ど裸同然の男。ぱっと見事案と思われそうななんともいえない空気が二人の間にあった。

 

「貴公がどんな目にあったのかは今は聞かないでおこう。まぁ、その、なんだ。ゆっくりしていくと良い。私は……少し退散させてもらおう」

 

 先に喋りだした彼はそう言って部屋の外へと移動する。

 

「えっ、ちょちょっと……!」

 

「どうした?貴公」

 

 突然投げかけられた言葉に彼は振り向く。千景は少し目を右往左往させ、慌てた様子だったが何かを決心した表情に変わると、息をすい。

 

「な、名前を聞かせて。私だけ名前を知られてるのは、その………嫌、なのよ」

 

 一瞬の沈黙が場を包む。もう後には引けない様な必死な千景の表情に彼はただ淡々と口を開く。

 

「不死人。又は火の無い灰、と呼ばれていた」

 

「───はぁ?」

 

 千景はあだ名の事かな?と思ったが彼の雰囲気から本気だと感じとる。千景の知る名前とは程遠い回答に千景の頭痛は更に加速する。

 

「私は下にいる。何かあったら下に来るといい。階段には気を付けたまえ」

 

 彼──灰は今度こそ部屋から出ていき千景だけが残された。

 

「…………はぁ〜〜〜〜〜」

 

 残された千景は全身が萎むのではないかと思うほど深く長いため息をつくことしかできなかった。

 

 

 

❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

 

 

 ギィ、ギィ、と軋む廊下を私は歩いていた。あの兜の男──火の無い灰と言うらしい。彼に会うために私は絶賛怯えながら歩いている途中だ。

 

───それにしてもホコリっぽいわね。せめて掃除ぐらいしなさいよ。

 

 体を見れば所々に埃がついておりちょくちょく鼻に掛かるのが鬱陶しい。

 火の無い灰、この際灰さんと呼ぶ。私はあの人に対する愚痴を漏らしながら階段に差し掛かる。所々ひび割れている為、落ちないよう手すりに手を掛けてゆっくりと降りていけば開けっ放しの襖が見え、奥には灰さんが縁側に腰掛けてじっと座っている。着替えたのか先程のボロ布を羽織った鎧姿ではなく、黒い服を着たラフな格好で居た。

 縁側で背中を丸めて、夕日で少し紅くなった外を見るその姿が私には空虚で燃え尽きた殻の様なものに見えた。

 

───あぁ、火の無い灰という名前なのも納得だ。

 

 変な虚しさが私の心を包み、気がつくと私は灰さんの近くに寄っていた。

 

「ん、おお。貴公、もう大丈夫なのか?」

 

「大丈夫……あの、ありがとう……」

 

 私の存在に気づいた灰さんはゆっくりと振り向き、子供をあやすように優しい声色で言ってくる。さっきまでの変な人みたいな感じは鳴りを潜め、まるで孫に話しかけるような雰囲気へと変わっていた。

 それがどうしてか、灰さんの一言一言が私を恐ろしく安心させる。今日あったばかりだと言うのに気が緩みそうになる。

 

「この時間帯は私のお気に入りの時間帯でな。木々と木々の間から陽の光が差し込んでくるのさ。座ってみるといい。ああ、足下には気をつけたまえよ?」

 

 そういうと灰さんは隣を指差す。一気に警戒心が無くなった私はさながら光に誘われる虫のように灰さんの隣へと向かう。

 座ってみれば成る程、間から差す光がとても暖かい。もう少し気温が暖かければ眠ってしまいそうだ。

 

「この暖かさは……良いものだ。決して裏切りはしない。偽りなどではなく、真に世を照らす太陽だな」

 

 どこかに思いを馳せるように呟く言葉には確かな重みがある。

 

 故に、私は一つ質問する。

 

「灰さん………。アナタは、何モノなの?」

 

 何者、ではなく何モノ。彼と少し言葉を交わしただけだが、どうにも私は彼が人とは思えなくなってきていた。そもそも、まずこの現代で鎧を着ているという時点で可笑しい、さらに鎧を消してしまう変な力もあるときた。人とはかけ離れた力を持つ灰さんを只人とは思えず、私は一気に踏み込んで聞いてみた。

 

 対する灰さんは一瞬言葉に迷った素振りを見せた後、ゆっくりとバイザー越しから声を出す。

 

「何モノか、と言われればどう説明すれば良いか……。そうだな、死のうとも死ねない哀れな不死。世界を裏切り、全てを捨て去った愚かな存在の果て……と言っておこう。まったく、馬鹿馬鹿しいものだ」

 

 そう言って灰さんはどこか可笑しそうに、でも晴れ晴れとした声で笑う。私は信じられない気持ちで灰さんを見る。

 

「信じられぬのも仕方ない。忘れてくれ」

 

「………」

 

 遠くを見ながら言う灰さんに私は何も言えず、灰さんと同じ場所を見つめる。

 不死。つまり灰さんは大昔から今に至るまで生きてきている事になる。もし、誰とも関わらず一人で孤独に生きてきているとすれば、それはとても狂気的で、孤独で、救いようのないものだ。そう思うと灰さんの姿がとても小さく見えた。

 

「信じる……。あなたを信じる」

 

「───貴公」

 

「どうしてか分からない………あなたと喋ってると温かい気持ちになる………まるで、()と喋ってるみたいな」

 

「───っ!」

 

「いや、私は家族の温かさを………知らない。だからこれがそうなんだと言えないけど………」

 

「………貴公の感じる温かさは嘘ではないさ。貴公の(ソウル)がそう言うならば、それは本当なのだろう。父か………そうだなぁ」

 

 遠くから帰りのチャイムが聞こえてくる。今頃学校の皆は家へと帰り今日の出来事を満面の笑みで報告しにいくのだろう。いつもなら自分には関係のないものとしてスルーするソレが今はとても羨ましかった。

 

「もう時間か………貴公、帰ると良い。今は明るいから良いが暗くなると何が起きるか分からないからな」

 

「そう………ね」

 

 朗らかに笑う灰さんとは対象的に私は暗い顔で俯く。帰った所で待っているのは罵倒と暴力の毎日。慣れた筈の毎日が今はとても恐ろしく感じる。

 

「…………」

 

 そんな私を見た灰さんは何かを考える素振りをするといきなり私の肩に手を置く。

 

「本来なら止めた方が良いのだろうが………ここで会ったのも何かの導きだ。私はいつもここに居る。………それに、まだ床の修復が終わっていない。そうだな、あと一人居れば問題はないが………」

 

 灰さんは遠回しに来いと言っている。私はそれを理解すると勢いよく灰さんに顔を向ける。灰さんは何も言わず黙っているだけだ、でもその兜の奥にある表情は微笑んでいると理解する。

 

「私、火の無い灰がここに誓おう。この灰の被った家を貴公の安息の場にしようと」

 

 そう言って灰さんは私に跪いた。私から見ても中々におかしな光景なのだが灰さんの動きが洗礼されているため本当に契を結んでいるのだと錯覚してしまいそうになる。それがとても面白可笑しくてつい吹き出してしまいそうになるが堪える。

 

「さて、帰ろうか。途中まではついていこう。熊に襲われたらひとたまりもない」

 

 灰さんはゆっくりと腰を上げて玄関の方へと歩いていく。私も後から続いて靴を履き、外に出る。

 外は夕日で真紅に染まり、少し目に痛い。帰った後を考えると憂鬱にはなるが、隣で歩く灰さんを見ればその大きく温かい姿に憂鬱は吹き飛ばされる。

 途中まで、というのが少し悲しいが今の私にはさして問題ではない。今朝とは真逆の少し晴れ晴れとした気持ちで私は家へと足を進めた。

 

 

 

 

❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

 

 

 

 

 灰は一人、千景が歩いていった道を見続けていた。今日は良くも悪くも記念すべき日になるだろう。そう思い空を見上げる。ちょうど沈みゆく夕日。赤々と光輝く太陽に灰はとある人物を思い出す。

 太陽のようにでっかくなりたい。と意気揚々に叫ぶ一人の男。絶望しか無かった世界で生きていた彼は最後まで彼の太陽を見つけることはできなかった。だが、彼は知らなくともあの世界では確かに彼は太陽だったと言える。彼と喋ると不思議と気持ちが安らぐ。彼は終ぞ気づかなかったが灰はとても助けられていた。

 

「彼がこの太陽を見たらどう言うだろか。多分、喜び咽び泣くだろうな。いや、今まで以上に笑うだろか」

 

 そんな彼を夕日に見た灰は夕日に向かい背伸びをし、Yの字になるよう両手を挙げる。

 それは太陽に憧憬し、敬い、畏れる者達のせめてもの賛美。太陽の信徒が捧げたその祈りは『太陽賛美』という。

 灰はそんな彼らに敬意を払うように、今は亡きあの太陽の如き男に向けてただ一言叫ぶ。

 

 

太陽あれ!(Long live the sun!)

 

 

 

 




 ん?ぐんちゃんがちょっとチョロい?ぐんちゃんのソウルが問題ないって言ってるから問題ない………はず。

 我々ぐんちゃんを幸せにする会はぐんちゃんのこれからを応援しています。
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