後、模試が近いので次の投稿遅れます
茶屋での会合からはや数ヶ月、湊が鬼殺隊に入ってからもうすぐ一年が経とうとしていた。
あれから胡蝶しのぶは湊のことを気遣ってかお茶や買い物に誘うようになった。そのおかげもあってか湊のメンタルは安定している。
湊はこの数カ月で鬼を狩り続け、入隊から一年も経っていないあいだに乙に昇格するほどになっていた。同期のしのぶから見ても湊には人斬りの才能がある。実際に斬っているのは鬼だが、湊の妹の件もあるため湊の心に一切の影を落とさないなんてことはないだろう。
実際にしのぶとの親睦が深まったことで湊は自分の目的を見失わずに鬼を狩る事ができている。これは湊としのぶの目的が「自分と同じような人を減らす」ということで一致していたからであろう。
しのぶと任務以外でも関わるようになったことで、湊は鬼に効く毒に対する理解を深めていた。元々薬師として働いていたこともあってか、まだ初歩的な部分とはいえその飲み込みは早かった。
とはいえしのぶとは違い、実戦で使える程の技術もまだ持っていないので、あくまで知識として知っていると言うだけであったが、使える知識は多い方がいい、そういった理由で湊は学び続けてた。
そして今、湊は学びの成果を
「た…頼む!もういいだろ!苦しい…。早く…俺を殺してくれ!」
薄暗い森の中で手足を拘束されて身動きが取れない鬼が1匹。
「あー悪いとは思ってるよ?でもこれで最後だから許してくれ。これも後学のためだ。」
そしてその鬼の前に立つ人間が1人。そう、湊である。
湊は、しのぶのように戦いの最中に相手に合わせて毒を切り替えて戦うなんて技術はもってないし、これから持つこともないだろうと思っているために全ての鬼に一定の効果をもつ毒を作ろうとしていた。
でもそのためにはやはり実験をするしかない。しのぶのように戦いの中で毒を相手に直接打ち込むようなことができない湊は、鬼を拘束し縛り上げることで毒を試していた。
ではどうやって鬼を拘束したのだろうか?湊は忍具を使うことで解決した。
日輪糸
湊が以前作った縛り糸を刀鍛冶の里の技術力を用いて強化したものである。
この糸のは日輪刀で使われるのと同じ玉鋼で作られているのでうまくいけば鬼の首をはねることもできる。しかしそれはかなり難易度が高いため湊は今までどうり拘束用として運用していた。
下手に逃げようとすると首に絡まっている糸が鬼の首を切断してしまうため逃げることもできない。しかも湊は使い慣れているので今回は自殺できない程度には緩めて拘束していた。
そして湊はある毒を試していた。
瑠璃の錆び丸
「狼」がかつて使用していた忍具の一つ。瑠璃と青錆びが混じったその刃からは振るうたびに青錆びの毒霧を生じさせる。
湊はこれを小太刀として装備していた。
湊がさっきまでの実験で使った自ら作った薬に対しては鬼はなんの反応も示さなかったが、この錆び丸の毒霧は少し苦しむような反応を見せた。
そして今、湊は錆び丸で直接鬼を斬りつける。
すると鬼は呼吸困難のような症状を見せて苦しみ出した。
一通り確認し終えた湊は鬼を一瞬で忍殺した。
「錆び丸の毒に反応したのかそれとも瑠璃の方に反応したのか…
いずれにせよ俺が作ったのには一切の反応をしめさなかったなぁ。
しのぶはとは違って相手を殺すというよりかは弱体化とか行動阻害とかの方に方向性を変えるかなぁ。」
湊が今回の反省点をまとめ、宿に帰って寝ようとしたところに伝令が入る
「伝令!伝令!真半山ニテ鬼ト思ワシキモノガ出現。薄井湊ハタダチニ調査ニ迎エ!」
全く持って運が悪い。
だが任務は任務だ。湊は真半山に現れたといわれる鬼を恨みながら山に向かう。
真半山は広い山だ。あくまで高い山ではなく広い山。高低差が少なくて楽に感じるかもしれないがそれを感じさせないほどの広さがある、しかも高低差の少なさが自分がどこまで歩いたかを分かりづらくさせ、迷う人も多くいると言う。鬼が人を狩るなら好条件の山と言えるだろう。
鎹鴉─湊の場合は梟だが─によると、広い山ゆえにこの後にもいくらか増援が
来るらしいが少ない人数でことが終わるに越したことはない。
何より湊は使う忍具や技の関係上、1人の方が動きやすい。よって湊の理想は単独でのこの山の制圧である。
湊が山に入り痕跡を調査していると山道から大きく外れた方向に足跡が向かっているのを発見する。これは山で遭難、もしくは鬼から逃げた人の足跡だろうか、それとも鬼の足跡だろうか。どちらにせよ今ある痕跡はこれしかないので、湊はこの足跡の向かう先へと歩みを進める。
歩みを進めた先にあったのは周りを木に囲まれているものの開けた場所だった。その真ん中には倒れている1人の少女がいた。
「おい大丈夫か!」
湊がその少女に駆け寄ろうとしたところ、湊の体が危険信号を発する。
咄嗟に身を横に投げた湊は木の上から迫っていた鬼の攻撃をギリギリのところで避ける。
「っ! 危なかった…」
湊が襲ってきた鬼の姿を視認すると続々と別の鬼が現れてきた。
「確認できるだけでも7匹、内1匹は巨大な鬼。なかなか絶望的な状況だな」
すると誰が食うが早いかと鬼が次々と襲ってくる。
湊は少女を傷つけないためにもこの場所を離れ森の中に入っていく。
チラリと後ろに目を遣ると足の速い個体なのだろうか2体の鬼が湊に迫っていた。それを確認した湊は走るのをやめて鬼に向かい合う。
挟み込むようにして移動した二匹の鬼は湊の頭を潰さんと拳と蹴りを繰り出す。
(鳥の呼吸 壱ノ型 旋風斬り)
湊とて多勢に囲まれた事のことを想定してないわけじゃない、まずは分断して数匹づつ確実に殺していく。
旋風斬りは殴りかかってきた鬼を仕留めるも、蹴ってきたほうの鬼は傷を与えるに止まった。
攻撃後の隙を逃さんとする鬼はすぐに追撃を仕掛けてくる。
しかしこの鬼は知らなかった、忍殺は忍びにとっての息継ぎであると言うことを。
殺すとともに呼吸で体と心を整え、湊はカウンターをかける。
(鳥の呼吸 参ノ型 忍びの目【見切り】)
敵の攻撃を踏みつけバランスを崩させた湊はその体勢のまま刃を首へとやり、引き抜いて首をはねる。
まずは二匹、次なる追手に警戒すべく湊は周囲の木にトラップをはる。
次にきたのは4匹だった。その4匹がトラップに引っかかったのを確認した湊は腕を思い切り後ろに振り抜く。
次の瞬間、2匹の鬼は木に吊るし上げられた後に首と胴体が離れ、もう2匹の鬼は手足が切断される。
「2匹外したか…、いや、即席だが2匹狩れただけで十分だろう」
湊が仕掛けたトラップというのは日輪糸のことだ。この暗闇では視認できないほどの細さの糸をそこら中の木に巻きつけて絡ませてワイヤートラップとして使用し、湊が腕を振り抜くことでその糸が引っかかった相手の部位に拘束する時以上の力で巻きつく事で相手を切断する。
だがこれは味方をも巻き込んでしまうため使う状況は限られる。今回のようなことは稀だ、湊は続けて技を放つ。
鳥の呼吸 弐ノ型 寄鷹斬り・逆さ回し
残った2匹の鬼の再生が終了しきる前に湊から攻撃を仕掛ける。寄鷹斬りで相手の体幹を崩し首をはね、逆さ回しでもう一匹の鬼のところに移動して忍殺を決める。
流石に6匹も相手をすると疲れる。残っているのは大きな鬼、さっきとは違い今からトラップを仕掛け直す時間もない。正面戦闘であの鬼を倒し切るしかない。
そう思っていたところに大きな鬼が突っ込んできた。湊は上にジャンプして踏みつけ、相手の体幹を削る。
しかしこの程度で体幹が崩れるほどこの鬼は弱くはなかった、鬼の猛攻が湊を襲う。湊は一つ一つの攻撃を弾き体幹を削っていくも完全には防ぎきれておらず、拳が頬を掠めて血がながれるなど少しづつダメージは負っていった。
攻防を重ね、相手が繰り出してきた蹴りに対して湊は【見切り】を使って体幹を削る。ある程度体幹を削った湊は鳥の呼吸でも上位の技を使い仕留めにかかる。
鳥の呼吸 漆ノ型 大忍び刺し
刃を相手に刺しそれを支柱にして湊は空へと飛び上がる。この攻撃で体幹が崩れた鬼は膝をつく。それを湊が空中から刃を突き刺して首をはねる。これで先ほど湊が視認した全ての鬼は討伐した。気配を探るも自分以外のものは感じられない、湊の理想通り1人でこの山を制圧してみせた。湊は先ほどの場所へと戻り少女を保護しようとする。
しかし少女は怯えているのか顔をこっちに向けず地面に蹲っていた。
「もしもし?君の事を襲っていた連中は僕がやっつけたからもうそんな体勢を取らなくても大丈夫だよ、安心して。」
湊は宥めるようにして言う。
「ほ、本当?本当にあの化け物をやっつけてくれたの?」
「うんそうだよ。全員やっつけたからもう大丈夫だ、早くこんな山から下山しよう。」
「ありがとうお兄さん、まさかお兄さんがそんな強いだなんて思わなかったよ。」
ここで湊は少女の言い回しに疑問を持つが時すでに遅し。
「お兄さんがそんなに強いならお兄さんを食べれば私はもっと強くなれるね!」
そういってこちらを向いた
「まじかよ‥」
思ってもいなかったことに一瞬固まってしまい、心の声が漏れ出てしまう。
しかし湊が気づいた時には既に殺気を完全に隠した鬼の不意打ちがせまっていた…
日輪糸
湊が作った縛り糸を刀鍛冶の里で改良したもの。
以前のものとは違い素材が金属になったことで強度が上がり汎用性も増えたが、重みが増えたため扱いが難しくなった。
扱えるのは様々な戦闘法をもつ優れた忍びのみである
湊に忍び義手つける?
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つけてくれ
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別にいらん