戦闘描写って本当に難しいですね、書ける人尊敬します。
下弦の参の攻撃が迫る中、湊は一瞬固まってしまったもののできる限り早く動いた。左手で頭をガードし、右手で装備していた錆び丸を抜刀し毒霧を発生させて相手の動きを止めて距離を取ろうとする、だが無傷とはいかなかった。
一瞬の反応の遅れにより当然の如くダメージはくらう。
頭を守っていた左手に骨折まではいかなくても少しの間まともに動かせないほどの衝撃が走る。その衝撃のまま湊は吹っ飛ばされて生えていた木にぶつかって湊の頭から血が流れる
「すごいね〜君。一発で殺す気で放ったのに耐えられちゃった、この毒霧のせいかな?でも十ニ鬼月である僕にはほんの一瞬動きを止める程度しか効かないみたいだけどね。」
湊は相手が喋っている間に木にぶつかったことで乱れた呼吸を整え、今の状況を整理する。
(相手は下弦の参、この後一般隊士がいくらきたところで犠牲が増えるだけ。つまり俺の勝利条件は
・こいつを1人で殺す
・日の出まで1人で耐えきる
・柱の到着を待つ
の三つだけ。とはいえ連戦の後にこいつを手負いの俺が1人で相手して勝つのは厳しいし、今から柱を呼んでもそもそも日の出までに来れるか怪しい。だからこそ今の俺にできる事をやるしかない、たとえ相打ちになったとしても。)
柱を呼ぶために梟が音も立てずに飛び去ったのを確認すると、覚悟を決めた湊は日輪刀を抜いて構える。
先に動いたのは鬼の方だった、湊に接近戦を仕掛ける。湊はまず鬼の攻撃を分析するところから始めた。
鬼が繰り出す拳や蹴りを弾いて体幹にダメージを与えていく。
(接近戦を仕掛けたと言うことは幻術とかの特殊な血鬼術の可能性は低いな、徒手空拳も右手だけで問題なく弾けることから身体強化の類でもない…
一体何なんだ?)
そういって湊が攻撃を弾いてるとボン!と音がした後、鬼の拳が加速して湊を襲う。急な加速に対応できなかった湊は拳を弾ききれずにガードの上からダメージをくらってしまった。
「おっ、やっとダメージ入った。君なかなか特殊な剣技をするね、僕が攻撃してるのに僕のバランスが少しづつ崩れていってる。でもうまく防げないとダメージをくらうみたいだね。どうだった、僕の血鬼術は?」
湊は鬼からの質問にさっきの音と急な加速から結論を出す
「…爆破か」
「せいかーい!たった一回なのによく気づいたねぇ。そう、僕は自分自身の体を爆破することができるのさ。さっきのはひじの皮膚を爆破して拳を加速させたの。どう?面白い使い方でしょ。」
「…続けるぞ」
「つれないなぁ、少しぐらい僕と話したっていいのに。まぁいいや君みたいな強い人を食べて僕はまた強くなれる。僕のために食べられてね」
鳥の呼吸 弐ノ型 寄鷹斬り
今度先に仕掛けたのは湊の方だった。頭からの流血に、ガードを貫通してくる攻撃、長期戦になればこちらが不利なのは明らか。湊が下したのはそういう判断だった。瞬時に鬼に接近し、相手の懐に入る。
湊の放った一撃は鬼の右腕を切断し、続けて湊は二撃目を放つ。
鳥の呼吸 伍ノ型─守 一文字
葦名流の基礎となる技で踏み込み、そのまま首を狙おうとするところで湊の視界の端で何か光るものが目に入る。それはつい先ほど湊が切り落とし、地に落ちようとしていた鬼の右腕だった。
轟!
瞬間その右腕が閃光に包まれ、炸裂し、湊を襲う。
「ぐはっ‼︎」
爆破の衝撃が湊を吹き飛ばし、炸裂した腕の骨の破片が体を切り刻む。
「引っかかったね。切り落としたからって油断したらだめだよぉ、ちゃんと集中しなきゃあ。」
「チッ…!」
「じゃあ次は僕の番だね、行くよぉ〜。」
鬼は自らの踵を爆発させて湊に接近する。
鬼は先ほどと同様に単純な徒手空拳で湊を攻めるがその中に血鬼術を使った爆破攻撃を混ぜる。
湊はこの攻撃を15分以上も耐えながら、相手の体感を崩して確実に仕留めるチャンスを待つ。
通常攻撃と爆破を使った攻撃では弾きのタイミングが異なるため、湊はうまく弾きながらも少しづつガード貫通の爆破攻撃をくらっていた。
しかし湊とて防戦一方というわけではない。
攻撃を右手で弾きながらも左手で日輪糸を操って木と木の間に張り巡らせていた。
そしてその瞬間が来る。
湊は相手の拳を弾き鬼の体幹を崩した。
刹那、錆び丸を抜刀。鬼の腹に突き刺す。
そして日輪刀で鬼の首を跳ねにかかるがこれは鬼が咄嗟に肩を少しだけ爆破させたことで刃が避けられた。
だが湊の真の狙いはそこではない、刀に注意を引きつけていた隙に日輪糸を鬼の足に絡ませる。糸を強く握った湊はそのまま鬼の足ごと糸を振り回して鬼を木と木の間に張り巡らせていた日輪糸の方に投げつける。
直接錆び丸を突き刺し相手の行動を制限して、刀を使って鬼の注意を引きつける。そして遠心力によって鬼を吹き飛ばしその勢いで張り巡らせていた糸にぶつけて体中を切断し首をも切り裂く。
全てはこのために行なっていた。
しかし鬼も下弦の参を与えられているだけのことはある。いや、この鬼ならばすぐに下弦の一に上り詰める程の実力はあるだろう。
なんとこの鬼は自らの
「ははっ、危なかったよ…、やっぱり君の前では一瞬の隙が命取りになるね…でもここまでだ。君の方もそろそろ限界なんじゃないのか?」
鬼の言う通りだっだ。
7匹の鬼との連戦、そして下弦の参からの不意打ち、頭から流血しながらの長時間戦闘の継続。
湊の体は既に限界を迎えていた。
「ガハッ‼︎」
鬼が吐血する。
「そうだなぁ、俺の体はすでに限界を迎えていると言ってもいい。だがそれは俺に限った話じゃないよな。おまえだって錆び丸の毒霧を浴び、その刃を直接身に受けた。そして血鬼術の連続使用、お前はその技の都合上自らの体を治しながら戦う必要がある。つまり、体の治療と技の発動で他の鬼より二倍近く、早く体力を消耗するわけだ。だが片腕の欠損や背中を爆発させたダメージは、いくら十二鬼月とはいえまだ下弦のお前には即座に治すなんてことはできない。だからこそお前は前座に7匹の鬼を用意したり、不意打ちで俺を殺そうとしてきた。つまりだな、俺が言いたいのはこう言うことだ。お前の方こそ限界を迎えているだろ、鬼のお前が錆び丸の毒で吐血するほどにな。」
その言葉を聞いた鬼は怒る。
「お前、人間のくせに生意気だなぁ。わかったよ、お前をくってこの傷を癒してやるよ。だから僕に大人しくタベラレロヨォ‼︎」
先ほどまでの子供のような口調ではなく感情に任せた怒りの言葉。湊と鬼は体力の限界を超えて最後の技を放つ準備をする。
鬼は怒りで気づかなかったが奥の方から複数の人がこちらに向かってきているのを湊は気配で察知していた。
(良かった…、俺が負けて死んでもこの傷の鬼なら後から来た人たちでも殺すことができる…、そしてその人たちが必ず殺してくれるだろう…。)
安心した湊は最後の技を放つ
鳥の呼吸 漆ノ型 秘伝・大忍び落とし
両足に力を込めて踏み込み湊は最速で突く。
一方鬼も両足を自ら欠損するほどの爆破を起こし湊に向かってくる。湊を殺し傷を癒すことを前提とするほどの技だった。
湊と鬼が真正面でぶつかり合う。鬼は拳をその勢いのまま湊にぶつけようとするが湊はそれを突きで止める。突きによって刃が鬼の腕に刺さり、それを支柱として湊は空に舞い上がる、そして空中で鬼の背後をとった湊は飛びかかり鬼の首をはねることに成功する。
湊は無事、鬼を討伐したかのように思えた。
しかしこれでは終わらなかった、鬼は首がはねられている途中で負けを悟り、自らの体全身に血鬼術を使った。一度使った技は誰にも止めることが出来ない。
着地し鬼の方を見た湊は、斬ったはずの鬼の胴体が光に包まれていくのを見て全てを察する。
(惜しかったなぁ、もう少しで生き残れたってのに道連れで死ぬのかよ、俺。)
そして湊は森の中から自分を助けようと手を伸ばしながら走る人影を見つける。その影は胡蝶姉妹だった。
(そっか、ここに来た援軍ってカナエさんとしのぶだったのか。そういえばカナエさんは柱相当の実力を持ってたもんなぁ。)
湊はもうすぐ死ぬということを自覚していながら驚くほど冷静だった。いや、既に逃げる体力さえ無く、生き残ることを諦めていたからこそ冷静になれたのかもしれない。
(この2人には本当にお世話になったなぁ。こんな俺を気にかけてくれて、しのぶとどこかに遊びに行って、それをカナエさんが影でこっそり見てた日なんかは本当に楽しかった。そうだ、彼女らに礼を言わなければ。)
だがすぐにこの世を離れる湊に残せる言葉は少なかった。そして湊が口にした言葉はこうだった。
「ありがとう、さようなら。」
瞬間、しのぶたちが助けようとしたことも虚しく、鬼の体が炸裂し周りが光に包まれ、一瞬の静寂の後に轟音が響き渡る。その光と音の後にしのぶとカナエが目にしたのは、周りの木が吹き飛ばされていた光景と、残された刃折れの刀のみであった。
その夜、森に悲しみがこだまする。
鳥の呼吸 漆ノ型 秘伝・大忍び落とし
穿ち、舞い上がり、また飛びかかる。
中空を自在に舞ってこそ、梟なり。
湊に忍び義手つける?
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つけてくれ
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別にいらん