鬼を狩る梟   作:リボルバー・ハト・オセロット

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すみませんかなり遅くなりました。
しかもAC6をやるのでまた遅れると思います。
人生初ACだからね、仕方ないね。


幻影の義父

攻撃を見切られた幻影は大きく後ろに飛び下がる。

 

そこに一心の声が梟の脳内に響く。

(そやつはお主と同じく梟と呼ばれた大忍びじゃ。今のお主が忍びとして自分を偽るのではなく、本当の自分自身として全力で向き合わねば勝つことはできぬであろう。期待しておるぞ()よ)

 

なんであなたが名を知ってる、そう言い返そうとするも既に一心の声は消えていた。

 

幻影は既に迫ってきている。確かに、一心の言う通り雑念を持って勝てる相手でもないだろう。

ここはあくまで幻の中、自分以外誰もいない。

雑念を振り払い、()は目の前の()を見据える。

 

最初に仕掛けたのは梟だった。

素早く接近し刀によるニ連撃をくらわす。湊のまだ幼く小さな体では、うまく弾く事ができないと僅かだがダメージが入ってしまう。湊は注意深く攻撃を観察していく。

 

湊はこの攻撃を弾いた後、梟が刀を後ろへと構えたのを見て再び弾こうと刀を構える。しかし梟は刀を振るのではなく、そこから更に一歩踏み込み、肩で湊に体当たりをした。

 

(タイミングがずらされた⁉︎)

 

フェイントによって弾きのタイミングをずらされた湊はその後の大振りの一振りをうまく弾く事ができなかった。

 

「くッ」

 

そのまま後ろに吹き飛ばされた湊は地面に刀を突き立ててなんとか堪える。

 

(…なるほど。試練と言うだけのことはある。)

 

しかし湊も守り続けているわけにはいかない。今度は湊から仕掛けた。

 

呼吸を整え、常に技を放てるようにしておく。

 

弐ノ型 寄鷹斬り 逆さ回し

 

まずは様子見で技を仕掛けた。

しかしまるで読んでいたかの様に梟に弾かれる。

 

(葦名に存在した大忍び…、やはり弾きの技術は持っているか。)

 

逆さ回しで後ろに飛び下がろうとしているところを梟は手裏剣で攻撃する。

 

それを空中で避けて後方へ湊は下がる。

 

(下手に様子見をするとペースを崩されて死にかねないな…。)

 

考えを改めた湊は集中力を研ぎ澄まし、もっと攻勢へと出ることとした。

 

伍ノ型 葦名流─破 葦名十文字

 

湊が猩々との修行の際に得た雷の呼吸。

今となっては使うことはないがその踏み込みの技術などは受け継がれている。

 

霹靂一閃の要領で刀を納刀し構えた湊は、瞬間踏み込んで梟の懐へと入り抜刀する。

 

(浅い…)

 

湊の十文字は確かに梟を捉えるも、僅かなところで避けられ致命となるほどの攻撃にはならない。

 

しかし梟は避けたことによって、湊に攻撃される隙が生まれてしまった。

ここぞとばかりに湊は攻める。

 

攻撃を弾き、弾かれ。一進一退の攻防が繰り広げられる。

 

 

 

 

一体どれほどの時間が過ぎただろうか、湊は梟の攻撃を受けつつも、確実に梟の体幹を削りつつある。しかしそれは湊とて同じこと。

 

梟が体幹が崩れるまでは行かなくても一瞬だが攻撃する隙が生まれたのを湊は見逃さなかった。

 

(………この人相手に戦いを長引かせると体幹を持ってかれるのはこっちの方だ、一気に勝負をつける!)

 

漆ノ型 大忍び落とし

 

湊は忍び技の奥義たる技で仕留めにかかった。

 

だか梟はこの攻撃を受けたくはない。体制が安定せず見切りが使えない状態の梟は爆竹を使い、怯ませてから反撃しようとする。

 

「爆竹は俺も使ってんだ、対処法ぐらいわかってる!」

 

爆竹が爆発する前に加速によって一気に接近した湊はその刀を肩に刺突し、そこを起点として宙へと舞う。

 

そこから梟の喉元へと刀を振るうがこれはギリギリのところで当たらなかった。着地隙を旋風斬りで襲いかかってくる梟に対し、湊は隠し玉を使う。

 

湊が左腕を空中で振ったかと思うと、梟の体もまた左から右へと引っ張られた。

 

(これはあなたが生きた時代にはない俺だけの忍具。本来のあなたの重さだったら、おそらくうまくいかなかった。でもあなたはこの森の霧で形作られた存在、体重まで再現していたとしてもそれは本物同然とはいかないはず。だからこうしてうまく行った。)

 

()()()、葦名の忍びの時代にはなかった湊だけの忍具。

湊はこれを大忍び落としの時に、保険として梟の腕に絡ませていた。

 

まぼろしお蝶も鋼線を使った高速移動をしていたがそれともまた違う使い方。

相手に直接絡ませ体幹を削る、それが湊の使い方であった。

 

初めての攻撃に梟は対応する事ができず体幹を崩してしまう。

 

(取った‼︎)

 

湊は確信し、梟へと忍殺を決めた

 

 

かに思えたが。

 

「なっ⁉︎」

 

そこには梟の姿はない。確かにその首を討ち取った感触があったにも関わらずだ。

予想だにしなかった事態に湊は焦りを隠せない。

 

(何故だ⁉︎確かに斬った感触はあった。とはいえ先程まで森で戦った幻影もこんな早くは消滅していない。と言うことは忍殺したのではなく消えたと考えるのが自然。一体どこに行ったと言うのだ?)

 

この一瞬の思考が湊の行動を遅らせた。

目の端に映る数枚の羽、気づいた時には遅かった。

 

梟が湊の死角から強襲してくる。

当然弾くことはおろか、ガードさえ間に合わない。

 

「くッ!」

 

梟の二連撃をもろに受けてしまう。

追撃は爆竹を使いなんとか避けて、湊は大きく後ろは飛び下がり距離をとった。

 

(左腕の傷が深いな…。あれが霧ガラスの羽、実際にこの身で体験するとかなり混乱する。正に奥の手ってところだな、逆にいえばそれを使わなければいけないほど追い込んだということ。となると敵の体力はあと半分以下と言ったところか…。とはいえこちらも傷が深い、早めに勝負をつけないと。)

 

そう考えている湊の頭上を1匹の何かが通った。

 

(あれは………さっきの霧ガラス?)

 

湊の頭上を通った霧ガラスは、梟の手中に収まるとその羽を燃え盛らせてこちらに突っ込んでくる。

 

これを跳躍して避ける湊だったが、着地したその隙に梟の追い討ちがかかる。

湊は梟の構えを見てその攻撃を察知した。

 

大忍び落とし、湊も使うその技で追撃してきた。相手はあの葦名で大忍びと呼ばれた男、正に湊の完成形といってもいい人物。その者が放つ、忍び技を極めた先にある技。くらえばひとたまりもないだろう。

 

しかし湊はこう考える。

忍びの目ならば突きの攻撃を捉え、踏みつけて反撃する事ができると。

誤れば死地へと至るだろう、だが見切ればすぐにでも殺せるではないか。

 

湊だけではない、熟達の忍びはそう考える。

 

刹那、湊は深く呼吸し眼前に迫る大男を見据えた。

 

鳥の呼吸 参ノ型 忍びの目【見切り】

 

湊は地を蹴り前へと飛び出した。

 

梟の刃が湊を貫かんとするが、湊は怯えない。

僅かな動揺すらもこの男の前では命取りになる、そう考えるからこそ怯えずに前へと進む勇気が大切なのだ。

 

その結果、湊は突きの動きを捉えることに成功する。

そして梟の刃は湊へ届くことなく、踏みつけられ無力化させられていた。

 

その隙を見逃すほど今の湊は甘くない。

すぐさま斬り返し、梟の首を狙う。

 

しかし梟も霧ガラスの羽を使って反撃を試みる。

 

先ほどと同様に湊の反撃を霧ガラスの羽を使って防いだ梟はその羽で背後へと移動し、奇襲を仕掛ける。

 

だがその動きは極限の集中による湊の目によって追われていた。

 

(その動きは霧ガラスの羽によるものだろ。俺は忍び義手をつけれないから、その羽に攻撃を当てさせて避けるということができない。もし当たることに失敗して腕一本失う危険があるのは嫌だからな。だから今まで実戦で使ったことはなかった。だけどあなたには隠し玉すら効かず、正面戦闘でも勝てない。このまま死んだしまうなら腕一本失う危険ぐらいわけないさ。)

 

梟は兜割りで湊を殺しにかかる。

既にその動作は始まっていた、もう止めることはできない。

 

 

湊はその忍びの目によって、梟が現れる位置を予め察知する事ができていた。

湊は振り返るとその剣を既に振り下ろし始めている梟を視認する。

 

そしてその梟の刃が湊の頭を斬るかと思ったその時、頭と刃の間に湊の手が割り込んできた。

 

その手に握られるは数枚の羽、そう霧ガラスの羽である。

 

梟の刃は湊の頭や手ではなく、それより先に羽へと接触した。

 

瞬間湊は霧に包まれ、その攻撃を避けて上へと飛んだ。

梟ですら読めなかった、完全な奇襲である。

そしてそのまま落下忍殺し、梟に完全な隙を作らせる。

 

宙から着地した湊は再び梟へと駆け、その首を狙う。崩し裏回りによって背後に立ち、そのまま梟の心臓を………

 

「…影落とし。さらば、葦名の亡霊よ。」

 

幻影の梟の体は再び霧となり、霧散していく。

 

 

 

 

 

「よくやった湊よ。」

 

そこに一心が現れ湊のことを讃えた。

梟との戦いで傷つき疲労してる湊だったが、一心には聞かねばならぬ事があった。

 

「なぜ私の本名を知っているのですか?私は梟だとしか申し上げていませんが。」

 

「なに、黄泉でお主の家族を探して会ってきただけのことよ。」

 

なんだそんなことかといった風に答えた一心は言葉を続けた。

 

「幻影とはいえ、よく梟に勝ったのう。流石は隻狼の末裔と行ったところか。」

 

心の底から感心したように一心は言う。

 

「さて、お主は儂の試練に打ち勝った。その黒の不死斬りを手にする資格もあるじゃろう。じゃが何度も言った通り、その刀を下手に振るえばお主は怨嗟の炎に飲み込まれてしまうだろう。そうならぬためには心と体を鍛える以外の方法はあるまい。もっとも、それで完全に()()できるわけではない。これはあくまでも()()じゃ、お主が怨嗟の炎に飲まれまいとするな。」

 

一心の説明を聞き、湊の視線は自然と黒の不死斬りへと移る。

 

「本当にあの刀を俺が扱うことが出来るんでしょうか?」

 

「儂のように完璧に使いこなすと言うのは中々厳しいじゃろう。そもそも不死斬りは生身の人間が扱うような代物ではない。儂にしろ、隻狼にしろ、弦一郎にしろ、その刀を振るった者の肉体はどこかしらで通常の人間を超えている。お主もその妙な呼吸で身体能力を上げているようだが、所詮はただの身体強化の延長線上にあるものじゃ。ましてやお主の体はまだ全盛とは言い難い。じゃが全く扱えないということはあるまい。梟を倒したのじゃ、その資格は十分にあろうて。」

 

(俺の呼吸法が見破られている…流石は剣聖。)

 

一心の底知れなさを改めて認識した湊だが、そこに1匹の鳥が舞い降り、湊の肩へと止まった。

 

「こいつは霧ガラス?なぜここに」

 

この様子を見た一心は興味深そうに笑う。

 

「ほう…森のヌシがお主を気に入ったのじゃ。お主が戦った梟も、こいつに気に入られて共に行動しておった。これは戦ったお主がよくわかっておるだろう。それと同じじゃ、あやつとどこか通じるものがあったのかも知れぬが、その霧ガラスはお主と共に行動する。正に()()()()じゃな。」

 

湊は肩に止まった霧ガラスを見る。

 

「…お前が何を考えているのかは分からないが、そう言うことならこちらこそよろしく頼む。」

 

その言葉を聞いた霧ガラスはその姿を消した。

だが気配ですぐ近くにいるのは感じ取れる。

 

そんなところに更に1匹の鳥がきた。

 

「探シタゾ梟、コノ森ハ霧ガ深イカラナ。オ館様カラノ命令ダ、明日コレカラノ行動方針ニツイテノ話シ合イヲ行ウ。来テ欲シイトノコトダ。」

 

鎹鴉が湊に指令を伝えたのを見た一心は物珍しそうな顔でこういった。

 

「喋る梟とな…こんな鳥がいるとは、儂も初めて見たわい。しかし、お主の名も梟、霧ガラスの見た目も梟、この珍妙な鳥も梟、少しわかりづらいのう。

……そうじゃ!その珍妙な鳥よ、儂が名付けてやろう!」

 

湊は鎹鴉の方を見る。

 

「お前はそれでいいか。」

 

「別二構ワナイ。」

 

その返答を聞いた一心は名を考え始め、そしてこれがいいといった風に伝えた。

 

「…ならば鳥よ、お前は右近じゃ!」

 

「思ってたより普通の名前でしたね。」

 

鳥と全く関係のないような名前に湊は呆れる。

 

「なに、ただ昔を思い出しただけよ。そして湊よ、お主にはこれをやろう。」

 

そういって一心は湊に一つの仮面を投げ渡した。

 

「これは?」

 

「寄鷹衆の仮面よ、忍びともなれば顔を隠す必要もあるじゃろ。必要かと思うてな。」

 

これはありがたい、湊としても必要としていたものだ。

 

「それだけではない、その不死斬りの奥にある木箱を見てみろ。」

 

するとそこには先ほどまで戦っていた梟の道具やその他見知らぬ装備がたくさんあった。

 

「ここには九郎や隻狼が儂等の遺品を数多くのこしておる。その中から使えそうな物があったら持っていくがよい。お主なら、あやつらも何も言うまい。」

 

「…なぜここまでするのです?」

 

「何度も言わせるでない、儂はお主の全盛と戦いたい、ただそれだけよ。それに、お主にはやらねばならぬことがあるのじゃろう?そのために力を求めるのは自然なことよ。」

 

湊は呆れたが、どこか納得していた。恩返しというわけではないが、ここまでしてもらったのだ。一心と戦う時は正に()()を尽くそう、そう心に決めた。

 

「最後にひとつだけ、お主は特殊な呼吸法を使っているようじゃがそれを使わずとも今のような剣技を使える程に鍛えよ、それがその刀をある程度扱えるかどうかの境目となるじゃろうからな。お主がその刀を手に取れば、再びこの場に戻るまで儂がこの世に来ることはない。お主の肉体が全盛に達した時、戻ってくるのじゃ、そして戦おうぞ。それではな、梟。迷えば敗れるぞ…」

 

そういい、剣聖の幻影は消えていった。

 

遺品の中から梟の使っていた煙玉などの忍具、そして霧ガラスの羽でできた羽織に袖を通した湊は黒の不死斬りの前に立つ。

 

(怨嗟…それがなんだ。俺はこの刀を使いこなせばならない。もし使いこなせず周りに被害を及ぼすようなら、そうなる前に自害してやるだけだ。俺はお前を使いこなしてみせる。)

 

覚悟した湊は黒の不死斬りを手に取り、鞘に納めて背中にかけた。

2回目だからか、刀からの警告とも取れたあの幻覚はなかった。もしこれから使うなら自己責任とでもいうのだろうか。

 

「上等だ。使いこなしてやる。」

 

湊は寄鷹の仮面を被り、梟となる。

 

そしてその足は産屋敷邸へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




幻影の破戒僧同様、幻影の梟は体力は1ゲージ、そして火力にデバフをくらっている状態です。
これくらいなら湊に倒させてもいいかなぁって思いました。
幻影体じゃなきゃ大忍びにしても義父にしても湊は負けてます。

梟といえばの特徴として霧ガラスは外せないと思ったので、鬼滅の隊士の特徴でもある羽織として、梟の(おそらく)霧ガラスの羽でできていると思われる羽織、そして本物ヌシの霧ガラスをなつかせました。

梟戦は皆さんが実際にたくさんやられたと思うので描写は薄めです。
もしわからない人がいたら「心中義父、魅せプ」とかで調べてみてください。偉大な方々の動画がたくさんあります。

今回黒の不死斬りに関して妄想と考察を詰め込んだような感じになりましたが、本編であまり語られないので少し盛りました。すみません。

それと、アンケートへのご協力ありがとうございました。湊には忍び義手をつける方向性で行きたいと思います。あってもなくても大まかなストーリーは変わらないのでどちらに投票された方も今まで通り読めると思います。

湊に忍び義手つける?

  • つけてくれ
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