最愛の幼馴染へ   作:有馬かなを幸せにし隊

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『何だかんだで大団円』

「『今からガチ恋始めます!』全収録終了です!」

 

「お疲れ様でした〜!」

 

「色々あったけど楽しかった〜」

 

「あかねがそう言ってくれるなら文句はねえな」

 

 今ガチのエンディング撮影も終了し、完全にクランクアップとなった。

 後は本放送が2回残ってるのみ、それが終われば完全に今の八人での活動は全て終わる。

 ほんの少しの寂しさと、多大な達成感。

 最初こそ目立つつもりなんて無かったが、終わってみれば楽しい現場だったとつくづく思わされる。

 一歩間違えれば打算と騙し合いになりかねない恋愛リアリティショーで良くもまあ全員と仲良くやれたものだと感心してしまう……最後の告白では色々あったが。

 

「で……」

 

「早速聞いても良いかな?」

 

 そしてその『色々』の渦中にいる一人、あかねちゃんにずずいとゆきちとメッちゃんが近付いてくる。

 君ら本当にそういう話には目が無いな。

 

「最後のキス! 本当に付き合うの!?」

 

「どうなるの!?」

 

「……わ、分かんない。番組の流れ的にアレは受ける流れだったし……あっ! と、というかごめんなさいかなさん! 仕事とはいえその……」

 

「良いわよ、あかねちゃんは気にしないで。アイツが悪いんだから……」

 

「うう……ありがとうございますかなさん……」

 

「待て、一応俺も仕事上として割り切ってやったんだが」

 

 星野アクアお前は良くも抜け抜けとそんな事が言えたもんだ。

 折角多少は認めてやったのに、かなを選ばないとかどうかしてるだろ。

 だがここで言ったところで場の空気と言うものもあるからな、敢えて弄る方向でいってやる。

 

「の割には復帰後のあかねちゃんに顔真っ赤にしてた癖に。完全に仕事上での告白ならかなに行ったって問題無かったのをわざわざ行ったって事はちょっとは気が合ったんじゃないのか? んー?」

 

「……黙秘する」

 

「後でハリセンでコイツ叩いて良いぞかな」

 

「有難く叩いとくわ」

 

「慈悲は無いのか」

 

「無いね、ちっとは反省しとけよー」

 

「有馬、俺が悪かった。泣かすつもりは無かった……許してくれ」

 

「アンタが悪いんだから叩かれるくらい我慢しなさい」

 

 珍しく少し慌てて弁解と謝罪、そして項垂れる星野アクア。

 自分で撒いた種なんだから大人しく諦めろ、さもないとかな経由で貰ったルビーちゃんのメアドに今すぐあの告白シーンでかな泣かせた事ぶん投げるぞ。

 あの子かなといがみ合ってるとはいえ仲は悪くないからな、流石にキレるくらいの気持ちはあるはずだ。

 

「そ、それに私にも仕事がありますし彼氏を作ってる時間があるかどうか……」

 

「いやいや芸能人とはいえ高校生にもなったら恋人の一人や二人当然でしょ!」

 

「ゆきとか取っかえ引っ変えじゃないの?」

 

「えーそんなイメージなの? マジでリアルに仕事第一にやってきて、今まで彼氏なんて一人もいなかったんだよ? それこそノブくんが初めてで……」

 

「え? ゆき今なんて?」

 

「あ、しまっ」

 

 そしてこっちはこっちで爆弾発言が飛んでいた。

 お前ら不成立じゃなかったのか……いや、不成立をスケープゴートに怪しまれない様に付き合ったなこの感じ。

 ははーん、上手くやったもんだ。

 

「あー……バレたか……」

 

「おいどういう事だノブユキィ! お前俺の事仲間だって言ってなかったか!?」

 

「いや俺だってあの時は本気でそう思ってたんだけどな……これ話す流れ?」

 

「あたしが口滑らせちゃった事だし良いよ」

 

「分かった。その、さ。俺達ここにちょっと遅れて来たじゃん?」

 

「まさかっ!? 自然と二人きりになった時に告白ー!? やるじゃんゆき〜」

 

「ひゃー……どっちから先に告白したの?」

 

「あたし……まあ、ケンには悪いけど番組はスケープゴートにしたって感じ。そうすれば一緒にいても自然と話題にはならないはずだし」

 

「良かったじゃない、おめでとう」

 

「……そう言われると俺も返しようが無いな、おめでとう二人とも」

 

 傍から眺めると、眩しいとふと思う。

 小さい頃から芸能活動をしてきて、それを優先してきた。

 その為に学校にはあまり通う事も無く、高校も通信制を選択した。

 その選択に後悔は無い、俺様は煌びやかな芸能界で一等星になって最高の輝きを受けるべき人間なのだからな。

 

 しかしそれはさておきとして、平凡な青春を送る事への憧れもほんの僅かながら存在していた。

 もしも過ごせていれば、どんな世界だっただろうか。

 かなも俺様も普通の高校生で、毎日下らない話をしながら平凡な生活をするのも悪くないと何度か考えた事もある。

 

 この『今ガチ』はそんなふとした時に思っていた『小さな憧れ』を一時でも形にしてくれたという意味で、今見ているこの光景は俺には眩しく映ったのかもしれない。

 

「そうそう、上手い具合に番組をスケープゴートなり利用なりして欲しいもんだよ。……こっからは番組側は一切関与しない、この先の関係性は付き合おうが別れようがウチのカメラなんて一切無い、良くも悪くも自由な世界」

 

 ディレクターもこちらに来たと思えば何かしら吹っ切れた顔付きでアドバイスをしていた。

 何かと途中まではヘイトを溜めていたとはいえ、自分が何をしているかの自覚はやはりあったのだろう。

 

「そのまま付き合って結婚するカップルもいれば、体裁上数ヶ月付き合ってから別れるカップルもいる。未来はちゃんと自分で考えて決めるんだ」

 

『この業界、利用するだけして捨てる悪い大人だらけだからな。変な誘惑には乗るなよ……悪い大人からのアドバイスだ』とそれだけ言って去っていった。

 何だかんだでこうして若輩者を気にかけているだけ、アンタは良い大人だろうよと心の中で呟いておく。

 

「つーかアクアいなくね?」

 

「ふむ、本当だな」

 

「は? 逃がさないわよ! 黙秘の答えを口割らせるまでは!」

 

「あーあかなちゃん激おこじゃん」

 

「そりゃなあ」

 

 そしてその隙を狙ったのか、あのクソボケは消えていた。

 と言ってもその辺にはいるだろうが小賢しいところもまたいけ好かない、俺だって逃がす訳無いんだからな。

 

「あ、外にいたー」

 

「んじゃ呼んで来ますか!」

 

 どうやらゆきユキコンビが見つけたらしいが……鏑木Pも一緒なのか。

 何を話していたかは知らんがこれで確保だ。

 

「……なんだ」

 

「結局のところアクアはあかねちゃんの事異性として見てるの! 見てないの! どっち!」

 

「だから黙秘だと」

 

「アタシとしてはあかねちゃんの事泣かせてほしくないからハッキリ聞きたいんだけど」

 

「有馬に言う必要は」

 

「もう二度と口聞いてやんないわよ」

 

「…………異性としては、その、見ていない」

 

 この男、アイ憑依あかねちゃんにもめちゃくちゃに弱かったが実は素の状態で一番逆らえないのかななんじゃないのか?

 ここまで感情出してるアクアとかかな以外だとルビーちゃんくらいだと思うんだが。

 

「そっかぁ。まあ、うん、私もそれは感じてたし大丈夫。ありがとね、本当の事言ってくれて」

 

「ただ……俺は、あかねに女優として強い興味を惹かれている。これは断言する、絶対に嘘じゃない」

 

「それは……素直に嬉しいかも。一番言われて嬉しい言葉でもあるから」

 

 ちゃんと折れたお陰であかねちゃんも無駄な心配なんてしなくて済んだっぽいしこれで一旦全て終わりかね。

 クソボケで〆なのはどうにも不満が残るが。

 

「それじゃあ、お仕事として彼氏彼女しようね」

 

「コイツの家事務所だからいつでも遊びに来て良いわよ、アタシがいる時はあかねちゃんに引っ付くけど」

 

「ああ本望ですぅ!! かなさんに抱き着かれるなんて私の気が保てるかどうか……」

 

「もしかしてなんだけど冷静に見て今回の今ガチで成立したカップルこっちじゃね?」

 

「だよね、俺も思ったかも。双方Loveがデカい」

 

「あたしとしてはあかねにあたし以外の友達が出来て嬉しいかな」

 

「むふふ〜そういう見方も悪くないねぇ〜」

 

 まあ、何にせよだ。

 俺も含め、みんなが、かなが笑顔で終えられる事が出来た事に対する不満は無い。

 

 これだけは言い切れるのだった。




無道和也
実はルビーとはかな経由での親交がある
アクアに対し『コイツ有馬かなに弱いのではないか』と疑い始めている

有馬かな
泣きはしたが引きずらない強かな女

星野アクア
実際弱い

黒川あかね
有馬かな厄介オタクにはなってないが優しくされ過ぎたせいで明後日の方向に逝った

熊野ノブユキ&鷲見ゆき
原作より少し遅れてクランクアップ直後に付き合い始めた
原作同様お似合いカップル

MEMちょ
この後アクアに勧誘される事をまだ知らない

『今からガチ恋始めます 最終回』
結局一番バズったのは本命のユキゆきコンビでも大捲りしてきたアクあかコンビでもなく、アクアにフラれて泣き崩れてるかなを笑顔にした和也だった
なおアクあかコンビとは僅差で瞬間最高視聴率を上回っていた

世間の声くん「やっぱりかなちゃんってアクアより和也と付き合った方が幸せになれるんじゃね?」
和也「解せぬ」
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