最愛の幼馴染へ 作:有馬かなを幸せにし隊
※実はプロット当初は前話みたいなやりたい放題ワガママ放題やって盤面掻き乱しつつ、かなちゃんとも基本的に言葉の殴り合いしながら実は大切に想い合ってる関係性にするのが和也のデフォ性格と設定になっていたのは秘密(実際に動かしてみたら勝手に性格がああなってあんな行動し出して収拾つかなくなった)
※そういう経緯があってタイトルとかも軒並み変更した(n敗)
「今日、来るみたいね鮫島先生」
「だな。……かなには悪いが一旦脚本は爆破されるだろう。だがより良いものを作り出す為の尊い犠牲だ、許せ」
「はいはい、分かったわよ。稽古も終盤って時に言われるくらいなら今言われた方が万倍マシだもの」
それから数日、どうやらこの日鮫島先生がここに稽古を見に来るらしくホワイトボードにはデカデカと『今日は12時から原作者の方がおこしになります』と書かれていた。
十中八九例の件に付いて最終確認を取りに、そして言われた通りの内容の場合脚本を全部白紙に戻してほしいと言いに来るのだ。
俺様も少し独自で動き過ぎたかと思ったが、どちらにせよ最終確認には何れ来るのだからちょっと早めたに過ぎない……過ぎないはずだ、そう、多分、メイビー。
他の役者にも迷惑掛けるだろうが、核となるメインの1人あかねちゃんの為だと心の中で謝罪を入れておく。
「ねぇアクアくん、この脚本どう思う?」
「俺が前に出たドラマの脚本に比べたら50倍はマシ」
「今日あまは確かに酷かったもんね……でも段々と上手くなってく俳優の人たちの演技は見てて楽しかったな」
「そうだな。無道と有馬が徹底的に鬼の特訓してたからな」
「あーそれは上手くなるよねえ」
「……それで、脚本で気になるとこでもあるのか」
「うーん……キャラの造形が読めないというか、心情が見えてこないというか……でも劇に落とし込むなら簡略化しちゃうのは仕方ないのも分かるし……」
「確かにな。脚本担当も作品のファンらしいしそこは苦渋の決断だったんじゃないか」
「だよねえ……どうしよ……」
今日も今日とてあかねちゃんは不調か。
シレッとメルトが褒められてたのは嬉しいが、それはさておきその悩みもあと少しで終わりにしてやる。
同じ東京ブレイドファンとして、その心を無視する訳には行かない。
「……アタシもアタシで割り切ってやってたけど、アンタと勉強の一環として見た時とは少しずつ違う解釈が混じってたとこあって引っ掛かる感じあったし、変わるなら変わるで歓迎するわ」
「と、言われるならまあ良いんだがな。……っと、鮫島先生のお出ましだ」
「はーいお疲れ様ー! 今日はスペシャルゲストがお越しですー!」
さてそうこうしている内にどうやら鮫島先生が到着したらしい。
先生はあの時こそかなりしっかり対応していたが実は相当なコミュ障とあり、吉祥寺先生も当たり前の様に同伴だが。
悲しいかな吉祥寺先生、ただの同伴なのに胃痛ポジションになる事が確定しているとは。
「あ……えと……こんにちは……」
「東京ブレイド作者の鮫島アビ子先生! ……と、私付き添いの吉祥寺と申します」
「吉祥寺先生『ご無沙汰』してます~」
「有馬さん! 『今日あまの打ち上げ以来』ですね~。それに無道くんやアクアくんも! あの時はほんとにありがとね!」
「大した事はしてないですよ」
「こちらこそ、そう言ってもらえるのは光栄です」
しかしあくまでも吉祥寺先生はこちらの作戦に協力してくれている人に他ならない、あの日会った事を悟られるのは何としてでも避ける為のかなの作戦にちゃんと乗ってくれている。
俺様も無難に挨拶を済ませる。
「先生、おひさっす」
「……あれから上手くなった?」
「あの時は、その、迷惑ばっか掛けてたんで。今日、良ければ俺の演技見てってください。そして、帰りに感想ください」
「分かった。楽しみにしてる」
メルトは、最初吉祥寺先生からは嫌われていた。
自分の作品が大幅改変……改悪された上で棒演技で潰されかけたのだから当たり前と言えば当たり前だ。
だが俺様達の指導の甲斐あって中盤以降は少しずつ認める部分も出てきて、今はそこまで悪い関係には無い。
そしてこの数日でメルトは面白い事になっている。
本題は脚本爆破だが、こっちも気にするとしよう。
「先生、はじめまして……あ」
それはさておき先生には面白い性質が一つある。
「ほら先生、ちゃんと挨拶して」
「む、無理……イケメンと美少女は目を合わせただけでテンパる……」
「まあ分かるけども……」
これである。
ちょっとキラキラが強過ぎるのか、先生はこういう俺様の様な絶世のイケメンに非常に弱い。
だが嫌いという訳ではなく寧ろ好きだと言うのがまた面白いのだが。
なおこの前の時に関しては用件があったからギリギリ耐えていたらしい、後で聞いた。
「まぁ、ゆっくり見学してください」
「ありがとうございます」
閑話休題。
本題はここからだ、ここから俺様とかなを中心に脚本の違和感を敢えて目立たせて演じる事で万が一にも見落としを無くす。
俺様もかなも演技のエンジンを上げたり下げたりする事は得意分野、ならば簡単にこなせるはずだ。
「……」
2人とかなとアイコンタクトを取る、全員やる事の把握は出来ている。
後は……俺様の上手さも含めて見ていってもらうとするか。
この際だから鮫島先生に演劇の良さも知ってもらいたいしな。
「……みんな、演技上手。良い舞台に出来ると思う」
「そりゃララライは一流の役者しか居ませんから! それにそれ以外から呼んできた役者も粒揃いですし!」
「みんなきっと、沢山練習してくれてるんですよね……」
控えめながらも先生にも笑みが浮かぶ。
常日頃から思っているが、イケメン美少女に弱いと自称しているこの人もちゃんと美少女だと思っている。
特に漫画を描く事が人生みたいな人であるのとこの対人関係的に恋愛にも全く興味が無いと思わせる安心感から鑑賞する美少女として非常に眼福だ。
さて、この笑顔が見られているという事はまずオマケの方の『演劇の良さを知ってもらう』は達成だろう、後は本題だな。
「先生、舞台の時は練習ではなくて稽古って言う方が良いですよ」
「そ、そうなんですか? 私何も知らなくて……」
「いえいえ、仕方ない事ですよ」
「すごいなぁ……私には絶対できない」
「……だからこそ、あれですよね……私が、言わなきゃ、ですよね……」
チラリと一瞬だけこちらを見る先生。
俺様はそっと静かに笑みを浮かべる、自分の信念を貫き通すならここですよと背中を押す。
多少だけ強ばっていた先生の顔が少し緩んだ気がした。
「あの……脚本て今から書き直して貰う事は出来ますか」
「ンンッ!?」
「あ、胃痛が……」
「ももも勿論ですが……ど、どの辺を……?」
この言葉はスタッフ陣営からしたら言わば軽い死刑宣告の様なものだ。
こういう事があるのが面倒で舞台化を、酷いと全ての映像化や肉付けを断固として拒否する作家は存在している。
鮫島先生も経験値が高い漫画家であったなら、恐らく舞台化はあまり好まない拘りを持つだろう……何せキャラ改変を親の仇レベルで嫌う人だからだ。
「どの辺……というか、その……」
だがこの人は22歳、芸能界との絡みもここが殆ど初。
そうなった場合……制作陣との意識の違いが盛大に出てくる。
『言っても良い』と言われた場合、そういう人は躊躇が無い。
つまりだ。
「全部……ですかね?」
「……ま、マジですか」
「今胃がキュッとなった気が……」
「ええ……」
脚本は確実に爆破される。
そして吉祥寺先生とGOAさんの胃痛も天元突破する。
吉祥寺先生に関しては本当に申し訳ないと思っている。
「……僕は、父親になる資格は無い」
カミキプロダクション、社長室。
薄暗いその部屋の中でカミキヒカルは俯いていた。
この前、久々にアイに再会し改めて自らが父親であって良いのかと振り返り、やはり自分にその資格は無いと彼は再確認していた。
「アクア、ルビー……会いたくない訳が無い。僕とアイの『愛の形』だ。あの日やっと知れたんだ、本当の愛、そして命の重みを感じる事を」
ヒカルは振り返る。
劇団ララライのワークショップによって出会ったアイとの思い出、2人とも欠けていた人間で、それ故にお互いがその穴を埋め合う様に惹かれていき、次第に本当の意味での命の重み、それを背負う事の責任を知った。
「何が愛してるだ。僕は出産にも立ち会わず、子どもにも会わず、事故に遭ったと聞かされても暫く会いに行かなかった腑抜けだろう。そんな事言う資格は、4人で暮らす資格なんて無い」
「アイをスキャンダルから守る為? 体良くそう言っても結局は裏から手を回すくらいしか出来なかった。そんな情けない男が父親であって良いはずが無い」
だが、だからこそ彼は背負っていた。
過去の行いを悔い、十字架の様にいつまでも背負っている。
「……それでも。『3人の命の重みを背負う事は出来る』。僕が全て背負い込んで、全てから守ってみせる。それが唯一出来る事だから――」
「……金田一敏郎、劇団ララライ主宰」
「俺の父親へと繋がる、最大のピースだ」
「必ず見つけ出してやる……」
「あの事故を仕組んだ、アイを殺そうとした『悪魔』――」
カミキヒカル
漂白されたカミキヒカル、誰だお前!?(他人事)
なおアクアには勘違いで命を狙われてるもよう
漂白されて性格が原作最新話付近のアクアになった、お前らホンマ親子やな
星野アクア
あ、オイ待てぃ!(江戸っ子)多分そっちに進むと最終的に原作119〜121話なんて軽いくらいの地獄を抱えると思うんですよ(名推理)
無道和也
完全に原作者サイドと思わせといて実は勿論だが無責任に放置はしていない、GOAへのフォローも織り込み済みで行動している