最愛の幼馴染へ   作:有馬かなを幸せにし隊

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A.拗らせた有馬かなガチ恋勢


『嫌な予感っていつもそうだよな!俺様の事なんだと思ってるんだよ!』

「……俺様、なんでこんな時間にブラついてんだろうな」

 

 そろそろ宮崎旅行……ゲフンゲフン、宮崎にMV撮影に行く日だ。

 本来なら身体を休めていても良いのだが……どうにも家で過ごしているとかなの事が頭から離れない、俺はメンヘラか何かか?

 そんな訳で少しでも気晴らしになればとこうしてブラついてる訳だが。

 何をするでもないのに時間だけ潰していると、こうも呟きたくなるもので。

 

「適当にどっかで食事でもするかね……いや、でも時間的には15時40分だしな……」

 

 食事をするにも微妙な時間、今日の集合が16時半なのもあって何かと中途半端なのが困ったものだ。

 そうして何をするでもなく困った困ったと歩いているとふとブティックが見えた……都内でも有名なブランド物を扱っている店だ、それだけなら別段何も問題は無い……無かったはずなのだが……

 

 

「まずい……アイツの服の好みって何……!? ここは王道のセクシー系!? それとも堅実可愛いガーリーファッション!? 気をてらってスポーティ!? それとも甘ロリ!? あーもう分かんない!!」

 

 

「俺様に逃げ場とか無い訳?」

 

 そのブティックにいたのが、今一番会ったら情緒がおかしくなる人物こと俺様の初恋相手有馬かなだった。

 だから考えたくないから外出たんでしょうが!! 遭遇して!! どうすんだよ!!

 これじゃ本末転倒だろうに……しかしあんな姿見て放っておく事が俺様に出来るだろうか。

 

「……無理だろうなあ」

 

 惚れた弱みだと諦観して、吸い込まれるように店に足を入れる。

 俺様が来るには少し女性ものが多いそこはそれでも俺様がいつもオシャレなだけあって場違いという程でもなく、空気は悪くない。

 

 さて、仕方ないから件の幼馴染のとこへ向かうとするかね……

 

「よっ、かな」

 

「ヴェッ!? って和也じゃない! どうしたのよ!」

 

「どうしたもこうしたも、お前があーでもないこーでもないって服選んでる姿が可愛かったから見に来た……って言ったら殴るか?」

 

「べっつにー? 和也に可愛いって言われるのは嬉しいし殴らないわよ。てか和也、アクアの服の好み知ってる?」

 

 からかいついでに言った言葉でも肯定されて凄く内心喜んでる自分がいる事に驚いたんだよね。

 絡まなさ過ぎるとちょっとした事でもこんなに生を実感する事になるとは……

 

 しかしアクアの好みねえ……直接聞いた事は無いが、盛大に思い当たる節はあるんだよな……何せB小町はアクアが溺愛する妹ルビーちゃん、アクアがアイドルとして一番好きだと俺様に言ってきたかな、そして18歳というにも少し童顔と言えるメッちゃんだ。

 

 つまりだ。

 

 アイツは……セクシー系よりロリコンの気が高い……!

 それに加えかなに似合う服装を踏まえると堅実なガーリーファッションよりストレートに火力の高い甘ロリ派だ、俺様の直感がそう告げているから間違いない。

 

「甘ロリだ。アイツは実はそっちの方が好みの可能性が高い」

 

「本当なの? その心は?」

 

「B小町構成メンバーが全員童顔」

 

「今更気付きたくなかったその情報……!」

 

 頭を抱えながらドン引きするかな、やっぱりリアクション面白いよなあコイツ、そういうところも好きなんだけど。

 しかしさっさと選んでやらないとな……多分これからアクアとのデートだろうしな、なんで他の男とのデート服選んでるんですかね……

 

「それはそうと時間、大丈夫なのか? これからデートじゃねえの?」

 

「うわぁ時間忘れてた!! もう2時間前から選んでるのに!!」

 

「いや選び過ぎだろ」

 

「あわわわわわタクシーも呼ばないと……ええっとあれ? スマホも財布どこ〜!?」

 

 ほんとコイツは……俺様より年上な癖にそうやって肝心なところで子どもっぽいからまた可愛いんだよな。

 だから俺様が着いてないと危なっかしいったらありゃしねえ。

 世話の掛かる幼馴染だよ……全くさ。

 

「財布ならポッケじゃなくてカバンの中だろ? スマホもポーチの中」

 

「あ、そうだった! ってヤバいヤバい早くしなきゃ……」

 

「慌てんな慌てんな、タクシーは俺様が呼んどいてやるからチャチャッと買って着替えてきな」

 

「うわ〜ごめんほんと! このお礼はMV撮影終わった後にでも返すから!」

 

「良いって、ほら遅れるぞ」

 

「う、うん!」

 

 外に出てここにタクシーを呼んでセッティングし、待機。

 かなの着替える時間を考慮するなら着替えてこっち来て息を整えてる間にタクシーが来る感じだろう、俺様ってば時間管理完璧?

 これでアクアとじゃなくて俺様とのデートだったらエスコート完璧とか言えたんだろうなあ……はぁ。

 

「ごめん! ありがとう!」

 

「おーう、もう少ししたらタクシーも来るだろうしちょっと休んでな」

 

「そ、そうする……」

 

「……良く似合ってる。可愛いぞ」

 

「ふふんっそうでしょそうでしょ!? 和也が言ってくれるなら安心よね!」

 

 この姿を独り占めしたいんだがなあ……なんて邪な事を考えてしまう、バカか全く。

 このまま連れ去りたいとか、確かに思っちまうくらい可愛いしいっそここで告白したいとか思うけど……一度決めた事、ここは笑って送り出さねえとな。

 

「ほら、タクシー来たぞ。可愛く決めてあの男の事落としてこい」

 

「おおお、落とすとか、そういうのじゃないわよ……まだ自分の心に名前も付けられてないし……だ、だからこういうのはアレよアレ! 自分の気持ちの名前を確かめる為に行くみたいな!?」

 

「そうかそうか。んじゃ、いってら〜」

 

「ほんとありがとねっ!」

 

 最後まで律儀にお礼言っちゃってさ。

 そういうとこが俺様が惚れちまうとこなんだってのに……

 あーあ、さっさと集合場所行くか……はぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まあ、東京よりは暖かいか」

 

「いくら『日本のハワイ』なんて呼ばれてる宮崎とはいえ日本は日本だから仕方ないでしょ……」

 

「今日はチェックインの前にスタジオ撮影あるんだっけ」

 

「そそ、有名インスタグラマーのアネモネちゃんも同じスタジオの別室で丁度同じ時間に撮るらしいけど」

 

 時間は飛んで宮崎到着直後。

 日本のハワイだのなんだの言われてはいるが日本は日本、四季のある気候には勝てずしっかり寒かった。

 とはいえ東京何かよりは充分温暖ではあるから過ごしやすいっちゃ過ごしやすいが。

 

「アネモネってあのアネモネか。確かメッちゃんと仲良いって話だけど……まさかな、まさかB小町のMV撮影が宮崎であるハズないよな……?」

 

「ははは、それこそまさかっしょ!」

 

 あれ、なんだこの感覚。

 妙に嫌な予感がする、それも詰将棋の如くジワジワと状況証拠が詰められていく様に。

 いくら何でもまさか過ぎるとは思うが……

 

 

「……どうして宮崎にB小町が?」

 

「え? そりゃB小町の撮影は宮崎でやるからよ? てかアンタらも撮影? 何かアイドルになったとか聞いたけど」

 

「あっそっかぁ……」

 

 

 なお、そのまさかだった。

 スタジオに着いた瞬間まさかの鉢合わせ、お互い一瞬固まってから我に返った俺様がちょっと震えながらそう問い質しかながシレッと答えて今に至る。

 というかかなはちゃんと甘ロリのアイドル衣装で攻めてんだな、めちゃくちゃ可愛い。

 あとなんか撮影には着いてこなかったらしいがあかねちゃんがいるらしいのが良く分からんがまあアクアもついでに着いてきてるらしいし、アクアいるところにあかねちゃんありみたいなもんだし深く考えるもんでも無いか……

 

「うはは! まさかほんとにB小町と同じ日に同じスタジオ使うとはな!」

 

「メムと会えたしラッキーって事にしとこ」

 

「あ、やっほー和也くん奇遇だね〜撮影?」

 

「……まあな。しかし旅先も日時もスタジオも被るとはな」

 

 ほんと、飛んだ偶然だと言わざるを得ない。

 かなとは離れるって言ってるでしょうが。

 なに? 運命は俺様とかなのイチャイチャでも見たい訳?

 

 

「これで宿泊先も被ったら流石に笑っちゃうかもね」

 

「とんでもない事言わんでもらって良いですかねメッちゃん」

 

 そこまで被ったら流石にどっかの神の意志を感じずにはいられなくて怖くなるわ。

 流石にそこまでは無いだろうけれども。

 

「んじゃとりま俺達も撮影行くか」

 

「だねー」

 

「っと、ちょい待ち」

 

 色々思う事はある、ありまくるが……それはそれとして、かなを良く見られたいという気持ちは変わらず持ってるからな。

 

「わわっ、何よ」

 

「ったく、リボンヨレヨレだぞ。ウエストも締めすぎだ、髪にもホコリ着いてるし……良し、ブラシは……予備で持ってきた新品で良いか……っと、ほらこれで可愛い」

 

 うんうんやはりかなは可愛いな。

 これだけやってりゃアクアも落とせるだろ。

 

「あ……ありがと……」

 

「……ねえ、あの2人ほんとに付き合ってないの?」

 

「ミヤコさん……和也くんとかなちゃんの距離感は今に始まった事じゃないしなあ……」

 

「オイアクア、どうだかなは? 可愛いか?」

 

「……かわ、いい」

 

「~~! すすす素直に褒めてくれたぁ……!

 

 

「……良かったな。さて、待たせて悪かったな」

 

「良いって良いって、かなちゃんの事なら待ってやんよ」

 

「それくらい、問題無い」

 

 ……これで良かったんだよな、多分、きっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……かなちゃん? どうしたの?」

 

「な、なんでもないっ」

 

 

 

 

「まさか耳元で和也に囁かれてめちゃくちゃ照れてたなんて言えないじゃない……もしかしてアタシ、和也の事……? うぅ……もう、アタシはどっちの事が好きなの……? なんで分からないのよ……」

 

 




無道和也
ドンドンへなちょこになっていくがかなの事はやっぱり放っておけないらしく
そんで知らぬ間にかなにやっていた事が当人にクリティカルヒットしていた事をコイツは知らない

有馬かな
完全に不意打ちで耳元に(和也としては意識せず)囁かれた為にクラっと来てしまい和也の事を意識し始める
元々そういう対象として意識していなかっただけであり、軽い女という訳ではない(ここほんと大事)
とはいえ素直になったアクアが可愛かったのも事実らしい

星野アクア
思わず我慢出来なかったらしい

黒川あかね
この後和也に完璧にしてもらったかなを見て乙女の顔になっていた
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