最愛の幼馴染へ   作:有馬かなを幸せにし隊

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閑話で書くってアンケしてた癖に本編にねじ込んだ俺を許してくれ…
あと一応何度も言ってますがかなは恋心と家族愛と親愛の境い目を知らずに育ってきているのでフラフラしてるように見えるだけでクソ女では絶対にありません、そこだけ本当に申し訳ないんですがご留意いただければと思っています


『決着を付ける為に』

「なあゆき〜本当に俺達が尾行しないといけねーのか〜?」

 

「しっ! バレたら終わりなんだからねっ。ちゃんとどうなるのか見た……じゃなくて確認してカズくんに報告しないとなんだから」

 

「なあ今見たいとか言わなかったか?」

 

「言ってません! 本当は来る予定だったそのカズくん自体が連日の撮影やメディア出演とAtoZのお仕事、それに今回『アクアくんとかなっちがデートする』って聞いて卒倒したのとコンボで熱出しちゃったんだから仕方ないでしょ!」

 

「まあ別にゆきとのデートにもなるし良いんだけどよ、あかねちゃん誘えば良かったんじゃね? 元カノ兼かなちゃん大好きっ子っしょ?」

 

「あの子は撮影が立て込んでて単純に欠席よ」

 

「あ、そういう……てか和也はそういう時の為に寺関連の仕事とか滝行の仕事受けたんじゃなかったのか……?」

 

「実際に受けてみないと分からないのよ、そういうのって」

 

「そんなもんかあ……」

 

「そんなもんなの、取り敢えずカズくんには合掌しておいたわ」

 

「おいたわしや和也」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし……服は甘ロリで完璧、時間も余裕ある、スマホと財布の場所も分かってる……これならアクアにドジなとこ見せずに済むわね」

 

 アタシは今ものすごく緊張していた、それもそのはず2人いる異性の幼馴染の内の1人とデートをする、更に言えばこのデートで自分の気持ちを……引いてはどちらに恋心を持っているのか明確にすると決心している。

 だとすれば緊張してしまうのも当たり前かもしれない。

 

「決めないと……2人にもルビーにも嫌われる……」

 こうして思い立ったのは何がキッカケだったのかと問われれば、この数日前のルビーに言われた一言にあった。

 

『かなちゃん、そろそろどっちに恋心抱いてるのか決着付けた方が良いよ。お兄ちゃんも和也くんも可哀想だよ。……それに、もしもそうやってずっと宙ぶらりんだと2人から嫌われちゃうかもしれないし、私だって擁護できないよ』

 

 この言葉を聞いて……正確に言うなら『嫌われる』という言葉を聞いて過呼吸になったアタシはルビーに介抱されて色々謝られたけれど、ルビーは悪くないからって多分……笑えていたはず。

 でもアタシは……親しい人に嫌われるのが、置いていかれるのが嫌。

 もう……家の中からお父さんもお母さんも消えていくあの恐怖は味わいたくない、それも特に大切な幼馴染3人だなんて。

 

 そんなのは絶対嫌だ。

 

 ルビーだって、言い合いは多いけれどアタシを見捨てなかったし仲良くしてくれたから本音は大好きだし。

 

「ん……悪いな、仕事の話で遅くなったが……待ったか?」

 

「大丈夫、アタシも今来たとこ」

 

 そんな訳無い、一時間前にはもう着いていた。

 近くに涼める場所なんて無かったから何とか日陰で涼んでいたけれど、そろそろ夏も近付いて来ているからか少し暑い。

 でも今日だけは妥協出来なかったのだから仕方ないじゃない、明確じゃなくたって良いから答えを出せるところまで出すって決めたんだから。

 

「そうか、なら良かった。てか丁度来る途中に喫茶店見掛けたんだけど行かね?」

 

「う、うん」

 

 うぐぐ……相変わらずこの男はサラッとエスコートして……しかもこの調子だとアタシがずっとここにいた事もお見通しっての?

 ほんとにほんとにアクアはもう……手慣れてるんだから。

 でも嬉しいわよね、そういう気遣いされると。

 

「5月半ばだってのにすっかり暑くなってきたわね〜」

 

「そうだな、長袖だと持て余す天候だ」

 

「……もうアタシ達が出てた今ガチ収録開始からも一年経つのね」

 

「まあ……あの時は色々悪かったと思ってるよ。結果として泣かせたのは本意じゃなかった」

 

「良いわよ、もう終わった事だし。それよりも楽しかった思い出も多かったから」

 

 カフェに入って、思い出すのは一年前の今ガチの収録だった。

 あのメンツ全員……特にあかねちゃんは、だけど親交がずっと続いているのもなんというか不思議な話だと思ってしまう。

 しかもMEMちょはアタシ達とアイドルしてるし、男子陣に至ってはアクア以外がその時の縁でアイドルグループになってるし。

 

「そうだな、あの時は楽しかった。別に欲しくは無いと思っていたが……案外友人ってのも悪くない、そう思えた」

 

「アクア……」

 

 ふっと笑みを浮かべるアクアは、何処か寂しそうでどうにもどう声を掛けて良いのか分からなくなってしまった。

 

「よし、丁度良い時間だ。ここで食うのとぶらつきながら探すの、どっちが好みだ?」

 

「え、あ、そ、そうね……何だか色々巡りたい気分ね」

 

「分かった」

 

 自分らしくも無い……とでも言いたげな表情で話題を変える。

 正直アタシもこの空気どうしようとなっていたのでめちゃくちゃ助かっていたりする。

 アタシには適切な言葉を選ぶだけの器用さは無いのよ……残念だけどね。

 

 アクアの隣を歩く。

 それだけで楽しくなる、あんまり話さないけれどそういう静かな空気が心地良い、そっと寄り添っていたくなる。

 

「あ、ここのお店はどう?」

 

「ここは海鮮パスタがオススメだ。あとドリンクやスイーツが中々に凝ってる」

 

「さすが、事前にリサーチバッチリってワケね」

 

「……まあな」

 

 しかも何気にサラッとランダムで指差したお店の情報を躊躇無く言ってくる辺りこの辺一帯多分アクアは全部リサーチ済みなんでしょうね……

 何の気取りや自慢も無くそれをやる辺り最高にアクアしてると言っても過言じゃない、前も思ったけどなんでコイツこんなに手慣れてるのかしら……

 

「どうする? ここにするか?」

 

「そうね、海鮮パスタは気になったしスイーツもあるなら……良いわね」

 

 そこはかとなく気になるけれど、今はお腹が空いた。

 考えるのは後にでも出来るし今はご飯ご飯~……っと、あんまり食い意地は張るもんじゃないわね、根っこの性格から自室の内装まで全て知られてる和也相手ならまだしもアクア相手だものね。

 調子に乗ってドン引かれたら堪ったもんじゃないわ。

 

「……大盛り無料で頼めるらしいが」

 

「する」

 

「即決だったな」

 

「……」

 

「まあ、変に気取られて食われるより美味そうに食ってた方が男は喜ぶもんだ」

 

「……ありがと」

 

 言った傍からアタシは何をやってるんだ、だからマヌケなのよほんとにもう。

 でも引かれなくて良かった……これで引かれてたら一生引きずるところだったんだもの。

 

「無道から事前に『この前のデートがどうだったかは知らないがな、かなはお前の思ってる3割増しで食うからな。ウェーイマウントマウント〜』って聞かされていたからな」

 

「和也は頭のネジが吹っ飛んだのかしら……」

 

 あと和也は本当に何をやってるの?

 マウントとか言ってるけどそれただ情報渡してるだけって気付いてる?

 多分気付いてなさそうなもう1人の残念イケメンな幼馴染に対し呆れながらも相変わらずだと笑みが零れる。

 

「ふぅ……ったく、今日一番の笑顔じゃないのか、それ」

 

「……え?」

 

「今の笑顔。無道の事を話している時のかなは、凄く輝いていた……キザな言い方にはなるがな」

 

「そう……なのかしら?」

 

「自覚が無いとはな。らしいと言えばらしいが」

 

 気付かなかった、アクアとのデートでアクア側から名前が出てきたから気が緩んだ……と言うには少し言い訳がましい。

 素直に言うのなら、間違いなく何も意識せずにそうしてしまった、そうとしか言えない。

 

「うぅ……恥ずかしい」

 

「別に、良いんじゃないか? 今日お前は自分の気持ちがどうあるのか確かめたかった……なら、その答えが出たという事なんじゃないのか」

 

「それって……もしかして」

 

「さてな。少なくとも俺だって自分の気持ちを確かめたかったと言うのは事実だった、それだけは間違いようの無いものだ。それ以上でも以下でも無い」

 

 そしてアクアも。

 自分の気持ちに中途半端でいたくなかった、と顔に出ているくらいにはそういう気持ちが見えていた。

 どっちも恋を知らずに育って来てしまったから、この気持ちの正体が分からなかった。

 

 ……でも、2人で真剣に向き合えば、簡単に分かった。

 

 こんなに近くに答えが落ちていたのかとさえ思う程に。

 

「アイツがどうして俺とかなをくっつけさせようとしていたかは分からない。だが、少なくとも……和也はお前の事を好きであるはずだ。それだけは間違いない」

 

「……! 和也が、アタシの事を……」

 

「そこから先は、自分で考えるんだな。自分の気持ちなり告白時期なり全て、な。他人の恋路に首を突っ込む程俺は野暮じゃない」

 

 ああ、そうだった。

 いつも傍にいて、いつもずっと笑顔にしてくれて、何があっても守ってくれて、何があっても家族でいてくれる……だから気付かなかったんだ。

 もう恋人とか、そう言った事を飛ばした関係性だったから。

 

 そしてアクアは……そう『憧れ』と『親愛』だったんだ。

 きっと憧れを恋心と間違えてしまっていた、こんな簡単な事に気付かせてくれるなんて……やっぱりアクアは凄いわね。

 

 ……気持ちが固まったからには後やる事は一つだけ。

 よし……頑張ろう、頑張れ、アタシ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、世話の焼ける奴だ」

 

「え? なにか言った?」

 

「いや、なんでもない」

 

 

「……俺の最推しの事、頼んだぞ。無道」

 

 




ノブユキ「え待ってこれ報告するの?」

ゆき「……流石にこれはかなっちの事を思うと無理ね、良い雰囲気だったってでっち上げとこっと」

ノブユキ「和也がおいたわし過ぎる」



無道和也
どう考えても熱出した9割の理由はそのアクアとかなのデートをゆきから聞いた事である、おいたわしや
そんでもって更に嘘の情報を掴まされて死んだセミの様になっていた
マウント云々は完全に壊れたテンションの時に後先考えず言い放っていた
敵に塩、送ってますよ

星野アクア
送られた塩を送り返した
かなへの感情は『親愛』『推しの子』
さりなちゃんは最推しではなく『唯一無二』なので完全に別枠である

有馬かな
母親に見捨てられたのがトラウマで『親しい人に嫌われる』事に対し極度に恐怖感を覚えている
やっとこさアクアへの感情が『親愛』『憧れ』和也への感情が『恋情』『家族愛』である事に気が付けた
告白は秋頃、和也の誕生日と合わせてやろうと思っているらしい(原作95話前後)

ユキゆきコンビ
今回尾行していたがあまりにも言えない内容が多過ぎてレポートは完全創作(ユキゆきデートの一部始終)にすげ替えられていた
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