最愛の幼馴染へ   作:有馬かなを幸せにし隊

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前話までが嘘の様な展開
但し本人からしてみたら嘘であってほしかったのであった…


『最後まで気を抜くなと言ったばかりだろぉ!?』

「えー、皆さん。お話があります」

 

 アレから二週間程経ち、犯人はあの後連行中に事故死したらしく色々と絶句したもんだがまあ死んでくれたなら憂いも無いので結果オーライ、かなにも『正体が誰だったか』は言わず解決した事だけ伝えたので相当ホッとしていた。

 

 ……まあ正体は伝えられないから永久に闇に葬る事にする、俺様からしたら死んで何よりとしか感情湧かないがかなからしたら腐っても死んでも実母だからな。

 

 それはさておき、何だかんだで約束通りのデートも決行、最初は震えていたかなも俺様に手を引かれるならと徐々にトラウマも快復へと向かっている……というかつい昨日には二人で外出する分には影響度合い0になるまでには回復しました、一人だとまだPTSDあるみたいだから色々とリハビリしないといけないがな。

 これも毎日デートしていたお陰と言いますか、愛は万物を超え行くと言いますか、まあ俺様の愛故と言ったものだろう。

 色々と大人の階段も登ってしまったからな。

 

 ちなみに星野家は三日前に帰って行った。

 二人きりでラブラブしておけという配慮からだったので土下座でお礼しておいた。

 

 ……とまあ、現実逃避を終わらせ、一堂を見返す。

 そこにはかなを除く今ガチメンバーが勢揃いしていた。

 

「お、なんだなんだー?」

 

「てかかなちゃんいないけどどうしたんだよ」

 

「……大方予想は付いた」

 

「アクたんは予想付いたんだ〜私はちょっと分からないかも」

 

「うーん……私も大体分かっちゃったかも」

 

「……ねえカズくん?なんであたしの方向いてるの?」

 

 一番知られたくないアクアとあかねちゃんにはバッチリバレてそうで俺様に逃げ道が無い事を察してしまう。

 そしてゆきち、そっちを向いているのは色んな意味で貴方に殴られそうだからです。

 なので取り敢えず無言で許してもらえるように訴えてたんです。

 

「良い報告と悪い報告、どちらから聞きたいか……」

 

「あー……これは良い方からが良いかも」

 

「そなの?それじゃそっちからで」

 

 あかねちゃん、今は君のその配慮が逆に俺様の傷を抉るんだ。

 良い子過ぎて辛い、助けてほしい。

 

「んじゃ良い方から……今までアクア以外には言ってなかったけど、かなと付き合う事になりました」

 

「おー!やっとかよ和也〜!はよ付き合えって何度思った事か……」

 

「付き合う前からもう熱々カップルだったからな」

 

「おめでとう、和也くん」

 

「おー!私達が先越しちゃったからいつになるかと思ってたけど割とすぐだったねぇ~」

 

「なんというか、あたしとしては感慨深くなっちゃうな。色々あったもんね……」

 

「いや〜ありがとうみんな、んでアクア、あかねちゃん、ゆきちには割と本当に色々迷惑掛けたな」

 

「ううん、大丈夫。最後良ければ全て良しじゃん?」

 

 みんな祝ってくれて何よりだよ。

 何より……なんだけれどな……最後良ければ全て良し、じゃないんだよな実は……だから現実逃避してたんだよ俺様は。

 

「……で、悪い報告はなんだ?」

 

「現実逃避したい……!」

 

「カズくんが弱気になるなんて珍しいよね、それこそあの時みたい」

 

「うぐっ」

 

「……なあ和也?もしかしてと言うかまさかとは思うんだけどさ、例のゆきに膝枕されてたのが今更バレたとか言わないよな?」

 

「…………」

 

「……え、和也アレかなに言ってなかったのぉ!?」

 

「カズくん?嘘だよね?」

 

「言えないじゃないか……!だって……!その事自体は言えても『お前への恋心諦めて傷心したのを慰めてもらってた』とは言えないだろ……!」

 

 そう、これである。

 一年弱前舞台東京ブレイド公演中にかなへの想いを完全に断ち切ろうとして思い切り自爆して死にかけた時に不可抗力でゆきちに膝枕されてしまった……というか泣き疲れて寝てしまったところを優しく介抱されたんだがこれが今更バレた。

 というか当時連絡して消し忘れてたゆきちとのその後の会話が見つかって死んだ、消し忘れてた事すら忘れていた俺様は一瞬思考停止して色々大慌てしていたがガチギレされて家から追い出されたのであった。

 

 いやまあ自宅帰れやって言われるんだろうけどこのまま同棲してもいっかってなってたところにこれだからダメージがデカい。

 

「和也くん……いくらなんでもそれはダメだよ……」

 

「カズくん、それは擁護出来ないからね?」

 

「何も言えないよぉそれは……」

 

 男性陣は最早何も言うまいという感じで『お前が始めた物語だろ』感を出されていた。

 そして女性陣のお言葉はご尤もです、俺様最早ぐうの音も出ません。

 

「……という訳で同棲してた家追い出されたんですけど」

 

「いや自宅帰れ」

 

「そんな殺生な事言わないでくれよノブ、同じ彼女持ちだろ?」

 

「悪ぃ流石にどうしようもねえわ」

 

「あたしは寧ろあのまま同棲してた事に驚いたよね、ラブラブじゃん」

 

「昨日までは、だけどね」

 

「頼むもっさん傷口を広げないでくれ」

 

 しかし話すら聞いてくれないのは流石にショックというかさ。

 やっと付き合えたのにそりゃちょっと悲しくもなるだろうよ。

 ……まあ俺様が悪いんですけどね。

 

「まあでもさ、かなっちも別に本気で別れたいとかそういうのじゃないはずだからちゃんともう一度謝るしか無くない?てか何ならあたしも当時者だし説明しに行ってもいいし」

 

「それは助かるんだが……俺様の責任だからそれに巻き込む訳には行かない。今日集まってもらったのはまあ、本当に報告と言いますか……どうにもならなさそうだったから取り敢えず話して一旦現実逃避したかったと言うか……」

 

「和也って私の相談に乗ってくれたり大人っぽい!って思ってたんだけどさ」

 

「やっぱりかなっちの事となると年相応だよねぇ」

 

「そういうとこが親しみやすいんじゃない?」

 

「わっかるわ〜かなちゃんへの好意とかフルオープンだったし」

 

「とはいえ今はその年相応の部分で自爆したという事に変わりは無いがな」

 

「も〜アクアくん言い過ぎだよ?」

 

「アクアぁ……お前は後で覚えておけよ……」

 

 久々にいけ好かない要素が出てきて握り拳を作りかける。

 本当にコイツは冷静過ぎるというか良くも悪くも一歩引いてるというか……やっぱりそういうとこは気に入らねえわ。

 とはいえ半月くらい前までガッツリ殺人覚悟して反社会的組織と色々つるんでて精神的に逝きかけていただけに今のこの空気はあまりにも美味すぎる、それはそれとして精神は別の理由で逝きかけているのは言わずもがな。

 

「何にせよ早めに謝っておけ、女絡みは迅速な対応をしないと痛い目を見るからな……」

 

「まるでアラサーの社会人みたいな事言うなお前。でもその通りだなあ……分かったよ、集まってもらって悪いが俺様はちょっと行ってくるわ」

 

 何か知らないがアクアの生々しい経験談なのか身内の話なのかを聞かされた途端謎の悪寒がした。

 コイツ本当に17歳か?女好きアラサーの高給取りイケメンとかじゃないよなお前?

 だがまあ何故か遠い目をするアクアから迸る説得力は本物っぽいのでここは大人しくさっさと帰る事にする。

 

「おーう、さっさと仲直りしろよなー。んで惚気話聞かせろよ?」

 

「応援してるよ」

 

「まあいつもの風景見てれば明日には仲直りしてると思うけどね」

 

「う〜んそれは否定出来ないねぇ」

 

「スマン、助かるわ」

 

「あ、ちょっと待って和也くん」

 

 取り敢えず集まってもらった面子に『スマン』と最後に手を合わせてその場を後にする……しようと思ったところであかねちゃんに止められた、何だろうか。

 

「ん?どうしたよ」

 

「ちょっとこっちに」

 

「おう……」

 

 みんなから少し距離を取って耳打ちしてくる、誰にも聞かれたくない話をわざわざここでするのかと思ったが何やら目が笑っていない。

 怖いんですけど。

 

「……かなちゃんの為に何したか知らないけれど、そういうのは私に言ってくれたらなんでも協力するから『今度は』ちゃんと言ってね?じゃないと割と本気で怒るからね?」

 

「ひえっ……」

 

 その日俺様は思い出した、そうあかねちゃんは人物エミュの化け物であり手掛かり一つでアクアの実母に辿り着いた人外レベルの能力の持ち主だったという事に。

 ならば俺様の細かい挙動からエミュられるのは必然、何故バレないと思ってしまったのか。

 幸いどんな方法で制裁したのかまでは悟られてなさそうだったから良かったがもう少し俺様が気を抜いていたらバレてたんだろうなあ……

 

 ……今度は流石に言うか、隠してる方が後怖いし。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、かな」

 

「ふん、何よ」

 

「言わなかった俺様が悪かったよ……アレは本当はかなへの気持ちを諦める為に苦しんでた時にちょっと……その、唯一本音を吐き出した時で、ああなっていたというか。とにかく疚しい事は無いんだ」

 

「……知らないわよ和也の事なんて。大体そんな事だと思ってたのも分かってたし、でも話してくれなかった事が一番嫌だったから……だからもう知らない」

 

「……もしも、もしもだ。もう出てってほしいとか思ってんなら正直に言ってくれよ。今回は俺が悪かったんだし、何も文句は――っておい……」

 

「居なくなってほしい訳無いじゃない!!そこは『ごめんね』って抱き締めてくれたらそれで良かったのに!!なんで……そんな事言うのよぉ……アタシを一人にしないでよぉ……」

 

「……ごめん」

 

「許さない。これからは絶対に報告してずっとアタシの傍に居てくれないと許さない」

 

「分かったよ。全部報告するしずっと一緒だ」

 

「うん……アタシも意地張ってごめん……」

 

「良いよ……一緒に幸せになろうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 この報告を聞いた今ガチメンバーは直後にブラックコーヒーをがぶ飲みしたらしいがそれはまた別の話である……




和也膝枕事件
第三章最終話で和也がゆきに膝枕されていた事件
実態は話していた通り『かなへの恋心を諦めた傷心の和也を見かねたゆきが癒していた』という事であったが話さなかったのが大裏目に出た
ちなみに37話の話なので29話越しのフラグ回収です

無道和也
何やってんだコイツ…

有馬かな
この後慰めシチュでラブラブしていた
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