巴が蘭に対する恋愛感情の小さな1歩です。

(宇田川家母 捏造)

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未来の巴蘭です。

キャラ崩壊は出来るだけしないようにしています。


注:宇田川家 母 捏造


初恋

日付が変わりそうな頃、蘭からまたお父さんと喧嘩したって電話があった。

 

話を聞いて、「またか〜?気分転換に遊び行こうぜ」って、アタシはそう言った。

 

「…うん」

 

いつもより憂いを帯びた声で蘭は承諾してくれた。

 

「じゃあ明日にでも行こうか。蘭の行きたいとこ行こうぜ」

 

そんな感じで電話は終わった。

 

 

 

その夜、変な夢を見たんだ。蘭と恋人らしいことをする夢。

 

おいおい蘭は幼なじみだろ?幼なじみと付き合いたいとか…

 

それでもその夢の中の蘭は、いつもより色っぽく見えて、まあ、ひまりで言うところ「ピンクのフィルターがかかった」ような感じだろうか。

 

 

 

「巴、おまたせ」

 

「おう…」

 

なんでだ、私服なら見慣れてるはずなのに、肌面積が多い訳でもないのになぜかいつも以上に可愛く見える。

 

太陽に照らされて、黒髪も赤いメッシュも綺麗に透けて、

 

「綺麗だ…」

 

ハッとしてすぐ変な意味ではないって誤魔化したけど、蘭は「なにそれ」ってふっと笑う…

 

待て、それは反則……

おい待て待て、蘭は幼なじみで親友、だろ?

どうしちゃったんだアタシ…

 

「…行かないの?」

 

「っあー!そうだな!よし蘭、どこ行きたい?」

 

「じゃあ楽器屋さん行きたい。ギターの弦、ストック切れそうだし」

 

「おっいいな!よっしゃ行くぞー!」

 

 

いつもの商店街を抜け、楽器屋へと向かう道中、ぐぅぅーっとアタシのお腹が鳴って、

「…何か食べてく?」

 

「いや、手頃なもんでいいよ。あ、コロッケでも買ってくってこうぜ」

 

「うん」

 

 

はぐみの家の精肉店に寄って、コロッケ2つ買って行った。

はぐみが「さっき揚げたばっかだから、いつも以上にサクサクーってして美味しいよ!」って言っていた。

 

「ん、本当だ、いつもおいしいけど、いつも以上においしいかも」

 

「だな!」

 

蘭は箱入り娘だから、こうやって買い食いするのもちょっとした反抗かな?

そんなこと考えてみたりしている。

 

 

「巴、そういえばさ」

 

「あ、蘭、ちょっとごめんな」

 

蘭の口元に衣が少し着いているのに気づいて、取ってあげた。

 

「ついてたぞ」

 

 

ってやってから気づいた。いつだかひまりに借りた少女漫画でこんなシーンあったよな?!

 

戸惑うアタシ、蘭も恥ずかしかったみたいで、顔を赤くする。

 

少し沈黙が続いて…気まずい……

 

「あ、そうだ、早く楽器屋行こうぜ!」

 

「あっうん、そうだね」

 

 

楽器屋に着いて、蘭はギターの弦を、アタシは、ドラムの欲しいものは今のとこ大丈夫そうだし…って店内を見ていた。

 

ふと目に止まった赤いピックをみて、

蘭が前に、「ピックが削れてきた」って言ってたよな。よし、これ買っておこう。多分形も、蘭が使ってたのと同じやつ…だしな。

 

 

 

 

 

自分の会計を済ませ、蘭を待っていると

「あれ〜?ともちんだ〜」

 

声の方に目を向けると、モカだ。

 

「おっモカじゃねえか!モカもなにか買い物か?」

 

「実はそうなんだよね〜…」

 

モカが窓越しに店内を見て蘭に気づく。

 

「…ハッ、モカちゃんパン屋さんに行くところでした〜。

えへへ〜いけないいけない。」

 

「あれ?楽器屋に用事があるんじゃ…」

 

「デートのおじゃまはしちゃダメだ、と思いまして〜。じゃあね〜」

 

「え?!あ、おいモカーー!!」

 

えっま、待て、これってで、でで、、デートなのか??

 

「…巴、なにしてんの」

 

?!

 

「あっ、い、いやーなんでもない」

 

アハハとちょっと苦しい笑いをして、何とかその場を持った。

 

そのあとはゲーセン行ったりした。蘭に似た感じの黒猫のぬいぐるみ、少し苦戦したけど何とか取れた。

 

 

「蘭〜、夜ご飯何食べたい?」

 

「と、巴の好きなものでいいよ」

 

「となると…ん、すまん電話」

 

「いいよ、出てきて」

 

親から今日の飯どうするんだって電話がきた。

 

「今蘭と出かけてるんだけど…」

 

「蘭ちゃんさえ良ければ、うちで食べて行ってもらったら?泊まってってもいいわよ。あこも喜ぶだろうし」

 

「蘭に聞いてみる」

「蘭、うちで食ってけよ。母さんもいいって。

あと、まだ家に帰りたくないとかならうち泊まってけよ!」

 

「え、悪いよ…」

 

「大丈夫だって!あこも母さんも喜ぶだろうし」

 

「じゃあ、お言葉に甘えようかな…

私もお母さんに電話してくる。」

 

「おう!

あ、もしもし母さん?」

 

 

まてまてなんでこんなラブコメ的展開になってるんだ?

そしてなんでアタシは今日こんなにどぎまぎしてるんだ…?!

 

 

 

「おまたせ」

 

「おう!行こっか!」

 

 

会話が止まった…き、気まずい…

 

「巴、一番星ある」

 

びゅおっと吹いてきたビル風の先に赤く染った空と、一番星が瞬いて、

ふと隣に目を向けると、嬉しそうな横顔が、とても眩しくて…

 

 

「…綺麗だ……」

 

なんて呟いた。

 

 

 

 

「お姉ちゃんおかえり!

蘭ちゃんいらっしゃーい!」

 

家に帰るとあこが勢いよく迎えてくれた。

 

「巴、おかえり。ご飯出来ているわ。

あら、蘭ちゃん、来てくれて嬉しいわ。ゆっくりしていって頂戴ね」

 

「たっだいまー!」

「お邪魔します」

 

 

荷物を置いて手を洗って、食卓につく。

 

「「「「いただきます」」」」

 

父さんはまだ仕事が終わってないんだと。

 

「おいしーい!おかーさん、今日いつも以上に気合入ってるねー!」

 

「ふふ、蘭ちゃんも来てくれるって言うから、いつも以上に頑張っちゃった」

 

「なんかすみません」

 

「あらいいのよー。いつも巴とあこがありがとうねぇ」

 

「いえ、こちらこそ」

 

そんなことを母さんと蘭が話しているのを横目に、ふと蘭の方を見ると、

やっぱり、食べ方綺麗だなぁ…

 

「巴?」

 

母さんがアタシの顔を覗きこんできた。蘭もあこも。

 

「あー、えー、なんか顔についてるか?」

 

「いや、そういうんじゃないけど」

 

「そっか、ならいいんだけどな!あはは」

 

蘭のた食べてるとこ見ていたなんて、流石にいえねえよ〜〜〜!!

 

 

飯を食ってから少しして、蘭に風呂に入って貰った。

 

「お風呂、先にありがとう」

 

「いいって」

 

まだ少し雫が残っていて、湯気と火照った肌が馴染んでとても色っぽかった。

 

…もうこういう風にいちいち反応しすぎないようにしよう…うん。

 

 

「巴もお風呂行ってくる?」

 

「そうだな、そうするか。あとでアイス食おうぜ」

 

「いいね」

 

蘭はふっと笑った。

 

アタシは風呂に入りながら、指をドラムスティックみたいに動かす。ドコドンッターン、シャーンシャーン、なんとなく、ドラムの音が聞こえる。あードラム叩きてえ。

 

 

上がって、ゆっくりしながら蘭にもアイスを渡してアイスを食う。

 

「風呂上がりのアイスうめー!」

 

「本当だね。うちだとこんなことしないから」

 

「あー、まあ、蘭は特にな」

 

 

そんな他愛ない話も楽しい。

だが、アタシの昔着ていた服を寝巻き代わりに貸したはいいけど、なんだろう、変な感じがする。もちろん嫌ではない。

 

 

 

「そろそろ寝ようか」って言ってアタシのベッドに一緒に入る。

 

蘭は今日1日色々あって疲れたのか、ものの数分で寝てしまった。

 

寝顔…綺麗だな。

あ、髪が口に入りそうだ。のかしておこう。

 

 

今日1日振り返ってみると…ちょっと恥ずかしい、かもな。

 

「おやすみ、蘭」

 

 

 

 

この時のアタシはまだ、蘭への親友としてではない、また別の意味の好意を知らなかった。

 




お読み下さりありがとうございます。

巴蘭ちゃんてえてえので広まるといいなと思います。
てえてえを書けるようになりたいです。

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