Genshin Impact ~第五の降臨者~ 作:三枝愛依
時刻は晴天の蒼さを表す十二時、昼ちょうどの時間。
空には澄んだ青い海のような景色が広がり、そこに白い泡のような雲たちがゆったりと流れるように動く。
星広いの崖の急な斜面を上がりながら、蛍とカルミア、パイモンは先に待機していたディルックたちに手を振る。
「おーい! 待たせたなー!!」
「私が来たぁ!!」「待たせてごめんね。」
待機していた三人は全員が揃ったことに喜ばしく思ったのか、柔らかく微笑みの表情で蛍たちに手をふり返す。
「よし、揃ったな。」
全員が揃い、時刻はお昼──『天空のライアー』はウェンティの腕の中にある。
ウェンティが『天空のライアー』に手を添えて言う。
「じゃあ、そろそろ準備を始めるよ。」
「ああ、どんな結果が待ち受けていようと、少なくとも転機は見えてきた。」
「……。」
ウェンティとジンの言葉に一同が頷くが、ただ一人、カルミアだけは空を見つめていた。
「どうしたの、カルミア?」
「いや、空が綺麗だなーって。彼を癒すにはもってこいの澄んだ蒼い空じゃない?」
「確かに……こんだけ綺麗な空を飛べば、心も浄化されそう。」
「ね……。」
蛍とカルミアは空を見上げ、流れるようにゆっくりと動く雲を見つめる。
「はいはい、みんな少し離れて──この世で最も優れた吟遊詩人が琴をつま弾くよ。」
ウェンティの注意に、一同は少し距離をとって崖の先に立つウェンティを見守る。
彼がその指を『天空のライアー』に掛けた直後、吹いていなかった風が突如として頬を優しく撫でるように吹き、そのまま背の方に並んでいる木々の木の葉を揺らす。
彼がつま弾く琴から発せられる音は、美しい音色であり、この幻想世界で最も美しく、最も綺麗な音と言っても過言ではなかった。
静かな、風だけが優しく音をたて吹きすぎる崖の上でウェンティのつま弾く『天空のライアー』の弦が揺らし、放つ音色はそこにいる全ての自然を、風を、命を喜ばせた。
風が喜び、彼を歓迎するかのように優しく、回るように吹いている。
──それはまるで、風が彼を中心に円となり踊っているかのように。
木々が喜び、枝に連なる木葉たちは擦れる音で彼の演奏に相乗りする。
──それはまるで、木々が彼の音色に惹かれ、共に音を奏でたいと望んでいるかのように。
命が喜び、彼が発する美しい音色に目を閉じ耳を澄ませて聴く。
──それはまるで、彼の音色が風のように優しく、心地のよいことを表しているかのように、
だが、それも束の間──彼がその音色を弾き始めてからすぐに星拾いの崖は揺れ、そこにいた万物が怯えるように逃げていく。
ゴゴゴと音をたて、何かが登ってくる。その音は崖を揺らし、彼に惹かれて寄ってきていた万物を逃がすと、直ぐに正体を明かした。
大きな風の竜巻が崖の先で起こり、それと同時に巨大な翼と龍の腹が上向きで露わとなる。
その突風はそこにいたディルック、ジン、蛍、パイモンの顔を各自が両腕で守ることで視界を塞いだ。
やがて、風魔龍は落ち着いて敵対する様子もなく、静かに翼をはためかせながら『天空のライアー』をつま弾くウェンティに近寄る。
彼はウェンティの音色に応えた。
「今さら……話すことはない。」
ウェンティは彼の言葉を否定するように訊ねる。
「そうかい? 僕の見間違いだったのかな?──君の目は、この曲を懐かしんでいるように見えるよ……。」
風魔龍は口を少し開いて小さく吼える
「フン……」
ウェンティとトワリンの会話を聞いて、ジンが驚きのあまり言葉を漏らす。
「本当に、話が……」
それと同時に青い光がウェンティが手に持っていた『天空のライアー』を撃ち抜いた。
『天空のライアー』はたった一撃の光により、先程の美しさも浄化された涙の力も失い、悲しげに地面にコトコトと音をたてて転がる。
「おい! 吟遊野郎!!」
パイモンがウェンティの身を案じて叫び、それと同時に風魔龍の背中から白と青の衣装を纏った、仮面を被る氷元素のアビスの魔術師が現れる。
「そいつに騙されるな、憐れな龍よ……──そいつはそなたを捨てた……。」
アビスの魔術師が放った一撃に胸に手を押さえ、痛みに苦しみながらもトワリンを見つめるウェンティに風魔龍は微かに喉を鳴らす。
「ほら、今もまたそなたのことを騙しに来た……」
ウェンティを見つめる風魔龍の目は確かな怒りへと染まっていく。
「バルバトス……! 」
「憎み、憤るといい……そなたはモンドを敵にしてしまった。もう戻れぬ……」
「吟遊野郎、大丈夫か?!」
「ウェンティ、しっかりして──」
アビスの魔術師の洗脳により、風魔龍は怒りの矛先をウェンティ達へと向けた。
「そいつらは、君と共に……──」
風魔龍は、腹の奥底からふつふつ煮えたぎるような怒りをその大きな口で声にして吐き出した。
「──我を殺しに来たのかッ!!」
彼の咆哮に、先程まで優しく頬を撫でるように吹いていた風は全てを破壊し痛めつけ涙を流させる暴風へと変わり、全員の顔をあまりの強い風に俯かせる。
ただ一人の女を除いて。
全員が風魔龍の怒りを表す風に顔を俯かせ、直撃を防ごうとしていた最中、カルミアは片手に『黎明の神剣』を握って崖の先まで歩み、立った。
「──断じて違うッ!!」
彼女はその剣先を崖の先っちょに突き刺して、柄頭を両手で押さえるように持つ。
「──違うっ!」
彼女の否定に驚き、彼女が作った間に割り込むようにウェンティも否定する。
だが、それも全てアビスの魔術師の言葉によって上書きされる。
「この龍は、真の主に仕えるべきだ──そなた達はここで、自分の無力さに嘆くがいい。」
「止まれッ! ──自由を象徴する神の眷属であるなら、お前自身が自由を放棄してどうする! 何故お前はその愚かで下賎な魔術師に縛られているッ!!」
彼女の怒りは徐々に力へと変わっていき、地面に突き刺した『黎明の神剣』の刀身に炎や氷、雷などの元素が渦巻くように纏う。
「──所詮は神に敗北し、自由を司ることに失敗した愚かな星女よ。そなたも同じだ、自分の無力さに嘆くがいいッ!」
「──力無き私は私でない、それは自由の根源を否定する! 私に無力という言葉は似合わん! 天上天下、唯我独尊! 万物万象を掌握せし自由の星女! 覚えておけ、この幻想世界は既に私の自由に包まれることをッ!! 私という星々の支配者がいる限りは、お前らひとつの星のちっぽけな悪など……この剣で斬り伏せることも容易いということを!!」
風魔龍はアビスの魔術師を載せて、遥か彼方へと飛び去っていく。
「無知蒙昧な神の眷属よ、耳の穴をかっぽじってよく聞け──自由とは、いかなる存在にも縛られず、己が道を往く我儘な奴のこと!!」
カルミアは剣の柄を握り、飛び去ろうとする風魔龍の背を剣先で狙いを定めるように構える。
「止めて──カルミア、それは止めてくれないかな?」
彼女の行動にウェンティが慌てて剣を押し下げる。
「っ!──そっか、分かった……決して彼を殺めるつもりで構えたわけじゃない、彼が誰にも耳を傾けてもらえなかった事実も知っている、それでも自分が苦しんだ過去の行いを自分が再現するなんて愚かな真似をするのは許せなくて……まるで自分を更に苦しめてるようだから。」
「ありがとう──君も随分と変わったね? かつての乱暴さは何処へ……」
ウェンティとカルミアに、一同が駆け寄る。
「バル……ウェンティ殿、それとカルミア──自分の身を守ってください。」
ジンの注意にウェンティはふふっと笑いながら返す。
「ははっ、僕の正体はとっくに分かってるんだろう? ジン。」
ウェンティは胸に手を当てて礼を告げる。
「でも、その名前で僕を呼んでくれてありがとう。」
「『天空のライアー』はどうなった?」
ディルックの質問にウェンティは先程までの美しさを失った壊れかけの『天空のライアー』を皆に見せる。
「まだ弾けそうか──それか、龍の涙でまた直せそうか?」
ウェンティは『天空のライアー』の状態を撫でるように触れて調べる。
「うん……こんな風に壊されたら……もう無理かもしれないね。」
「トワリンの状況が危ない……」
蛍のボソッと呟いた一言にジンが頷き、提案をする。
「じゃあ、偵察騎士を招集して追跡を……」
ジンの提案にディルックが首を振って否定する。
「その必要は無い──」「えっ?」
「少し前に四風守護の神殿遺跡で、そいつの同類をこの手で斬ったことがある。」
ディルックの話にパイモンが食いつき、訊ねる。
「えぇ?! それっていつ……」
「あの怪物たちを追跡するなら、僕の情報網と手口があれば事足りる。」
カルミアはディルックの頼もしさに改めて感動した。
パイモンも同じことを思ったらしく、口からボソッと溢れるように呟いた。
「ディルックの旦那……騎士団が嫌いなのに、自分のやり方でモンドを守ってるんだな!」
パイモンのセリフにウェンティが驚く。
「パイモンちゃんの口調が急に愛に溢れ始めた……!」
ディルックは鼻で笑い飛ばし、腕組みを解く。
「ふん……とにかく、僕の情報を待つといい。」
ディルックは確かな怒りを募らせ、吐き捨てるように言った。
「奴らに分からせてやる。アビス教団がどれだけ好き放題な連中でも──モンドでは、やってはならない事があるとな。」
ディルックのその言葉を最後に、皆は一時的にその場を解散しディルックの情報を待つことにした。
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遥か彼方の、かつてのモンドであった風龍廃墟、空は濁り吹き荒れる暴風は廃墟の塔を中心に全体を覆うように守っている。
その廃墟を見つめるように、崖の上で金色の髪と黒と白のテイワットを感じさせない異世界のような衣装、そして白色に輝く結晶を揺らすピアス。
彼の背には、二体の水アビス魔術師が跪いていた。
真上を過ぎる風魔龍を、彼は見上げながら風龍廃墟に再度視線を戻す。
彼の背の方でもう一体、氷アビス魔術師が現れ、口を開いた。
「殿下、貴方様のしもべはまた勝利を勝ち取りました。」
彼は、情熱に語る氷アビス魔術師に横目で見るように振り向き、感情のこもっていない目を見せる。
「貴方様の国がこの世に再び降臨する時──」
そして、その言葉をきっかけに彼は完全にアビスの魔術師の方へと振り向いた。
「我々は、その栄光を手に……」
彼は跪きながら語るアビスの魔術師たちを、見下し、決して口を開かない。
アビスの魔術師の言葉を最後に風龍廃墟の暴風はより強く荒れだし、彼らの会話は怒り狂った風の音により、一音さえも耳に届かさずにただただ怒り狂う風の音だけが廃墟全体を響かせた。
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「風魔龍……大丈夫かな?」
あれから少しが経ち、ディルックの情報を待ちながらもモンド城外を旅していた三人はふと思い出す。
「そう言えば、安否で思い出したけど、蛍のお兄さんも無事だといいね。」
「おい! 急に心配になるようなこと言うなよ、カルミア!」
「うん……お兄ちゃんはきっと無事だよ、だって私の唯一人の家族で唯一人のお兄ちゃんだもん。」
「旅人……」「蛍、私たちが旅の終点に着いた時、どんな結末が待っていようとも必ず私は蛍に恩を返すよ。」
カルミアはニコッと笑みを浮かべ、カルミアの言葉に蛍は首を傾げる。
「どういう事?」「ん〜? それはその時になれば分かるよ、私は自由以上に大切なものを見つけた、それを教えてくれたのは蛍とパイモンだもん──恩返しは大切だよね。」
「お、おいらも恩返しあるのか?!」
「ふふ、さぁ? きっと凄く大きな恩返しだと思うよ。」
パイモンは目を星のようにキラキラさせて両手をぱちぱちと叩く。
「お、おいら! 旅の終わりは悲しくて嫌だけど、恩返しだけは凄く楽しみだぞ! ひひひっ!!」
「私たちの旅はきっとまだ始まったばかり、まだまだ長い旅の道でまだまだ私も学ぶものがあると思う……挫ける時もあるし、間違ったこともすることもあると思う──そんな時に私を引っ張ってくれたり、否定してくれたりする頼れる仲間で居続けて欲しいな、私も二人の頼れる仲間になるからさ。」
「うん──私たちは三人でひとつの旅をしてるんだから、一人でも欠けちゃだめなんだよ。」
蛍が笑みを浮かべながら、パイモンとカルミアを抱き寄せて頬と頬を擦り合わせる。
「うわわ! 旅人ぉ!!」「おっとと! 蛍っ! か、可愛い──蛍ぅ!!!」
それをきっかけにカルミアは蛍に覆い被さるように襲いかかった。
「ちょ、カルミア──た、助けてパイモン〜!!」
「うわわ! そんな、上裸にしちゃまずいぞ! カルミア、ここは人が通ってもおかしくないんだぞ!! 旅人に服を返せよ!!」
「ふふふ! 私はもう止まらぬ、その楽園に顔を埋め、今日こそは吸ってや──」
「──ちょっとビリビリさせないとね?」
暴走するカルミアの背には、偶然会った、怖い笑みを浮かべるリサの雷が直撃した。
「あばばばッ!──あふっ……」
全身が雷により、麻痺し少しこんがりと焼けるような臭いを放ちながら蛍の横に倒れる。
「全く……この可愛い子ちゃんはどこにいてもこうなの?」
「助かったよ、リサ──これに関しては私が頬をスリスリしたのが悪かったのかも。」
「それだけで彼女は襲ってくるのね……まぁいいわ、あまり人目のつくところではしないように強く言っててちょうだいね?」
「分かったぞ……リサ、ありがとな〜!!」
「はーい、またね〜! 可愛い子ちゃん達とパイモンちゃん〜!!」
こんがりと焼けたカルミアを肩に担いで蛍とパイモンは、モンド城へと帰った。
──まだまだ彼女たちの旅は始まりの一歩を踏んだに過ぎない……こんがり焼けようとも、ゲロで服を濡らそうとも、それもまた彼女たちだけが歩む旅の道。
彼女たちは、これからも波乱万丈で時に楽しく幸せな、時に悲しく苦しいような旅を送ることになるかもしれない。
──これは、七つの国を旅する外の世界からやってきた孤独を拒む二人の旅人と一匹の不思議な白い非常食の長く実りのある旅物語である。
《〜完〜》
まぁ、~完~ではないですけどね。
ここで物語終わったら、意味わからないまま幕閉じちゃいますしw
さて、第二幕は終わりました! 残るは第三幕!!
そしたら次は璃月です!!璃月ですよ、璃月!!
私の推しキャラが待っている! 可愛くて太もものえろい葬儀屋さん、待っててね!!
それはそれとして、今回も少し文章が雑になっていたかもしれません。
自分なりにちょっと臭い感じのかっこいい文章?を書いてみたんですが、どうですか?遠い言い回しとかそういうのはお好きでしょうか?
それとも純粋にそのまま書いた方が読みやすいですか?
まぁ、思いついたらこういう遠い言い回し方使っていこうかなと思います。
それと今回のイベントのクレーちゃん、可愛すぎんか?
あの可愛さは反則だろ、欲しくはならないけど可愛すぎてちょっと控えめに言って倒れそう。
それよりも次のバージョンはフォンテーヌ、恐らくは水神が4.2辺りで来そうですね、性能が気になります。
フリーナでしたっけ?水瀬いのりさん声優の可愛いオッドアイの子が水神かも?と噂されてますよね。
正直、毛先もだしオッドアイって点も神様っぽくていいし、何よりもフォンテーヌの最高審判官相手にタメ口はもはや確定と言ってもいいレベルですよね。
あのPVの召使がかっこよすぎて惚れました、タルタルをよく使うのでタルタルのボイスを見てた時に知ったけど召使は平気で女皇を裏切るらしいですね。これはプレイアブル化の可能性があるということでは? 鍾離、水神、召使を全裸待機してます! フォンテーヌ超楽しみ!!
あと、あのロリちゃんもいいですよね。あの子も欲しいです。
では、話題がひとつに定まらずにコロコロと変わる三枝愛依でした! 皆様、また次回の第三幕で!!
ほなまた!!
作中におけるカルミアたちの下ネタや暴言をどこまで許します?
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ち─こみたいな伏字があるなら許せる。
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ち○こみたいな伏字があるなら許せる。
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────って完全に─で伏せて欲しい。
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ちんこってもろに言って欲しい。興奮する
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カルミアは下ネタを言う変態じゃない!
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カルミアは伏せたら何も残らない!