Genshin Impact ~第五の降臨者~ 作:三枝愛依
「ここが放棄された四風守護の神殿のひとつだよ」
アンバー案内のもと、蛍、カルミア、パイモンは風魔龍の厄災の解決に進むべく、神殿の扉の前まで来ていた。
はいはい、私ことカルミアちゃんが暴走したせいでその辺の話は全て前話と今の間の空白に隠されてしまいましたからね……全く、私ってばイケない子!
まぁ、その責任もあるので私が手短に説明しよう!
まず、あの後何があったかと言うと……
ジンが蛍の肉親を探すにもこの状況では張り紙しか出来ない、でも今回の厄災が解決すれば騎士団がもっと効率のいい方法で肉親を探し出し、必ず解決してあげるから厄災の問題が解決するまでモンドに留まって欲しいと……
まぁもちろん、私と同じくスーパーウルトラビューティフルな乳を持つ蛍ちゃんはそんな厄災をただ傍観してるだけな訳がなく、なんて言ったと思う?
──西風騎士団に丸投げするわけにはいかない!──
こう言ったんだよ! もうあんな、あぁ!! 美しい!! お兄ちゃんなんか放っておいて私と共に旅をしようよ、蛍ちゃあん!
まぁ、蛍も協力するとなれば必然的に私も協力することになり、ジン曰く、風魔龍が襲ってくれたおかげで災いを終結するきっかけが出来たらしい。
そして調査した結果、モンドを包む暴風の風、即ち厄災の一部は四風守護の神殿にあると……そこにある残滓が風魔龍をあそこまで強くしたとリサが言っていた。
ジンが言うにはその四風守護の神殿は四つあり、その内の三つを攻略するらしい、教えてはくれなかったが一つを残すにはちゃんと理由があるらしい。
仲間だろ! 教えてくれよ、さもなくあの乳揉んでやるからな! ジン!!
と、ここまでが謎の空白である。こうして私たちは四風守護の神殿の前まで来ていたのだ。
「ここはモンドの人も滅多に来ないし、放棄されたのは何年も前……だから、魔物たちが巣を作っているかも。」
「危険なお仕事だな! ま、まぁおいらは何も出来ないけど……」
「そんな事ないよ、パイモン。パイモンはいてくれるだけで助かるから。」
落ち込むパイモンの頭を優しく撫でる蛍、ふぅ……いかんいかん、つい尊いと叫びかけたではないか。
「旅人ぉー! やっぱりおいらには旅人しかいないぞぉ!!」
パイモンはにっこにこで蛍に抱きつく。
「え? 私はパイモンの仲間じゃないの?!」
「カルミアも仲間だぞ、でもお前は頭おかしいからちょっと怖いぞ。」
「頭がおかしい……違うんだ、私がイカレてるんじゃない、世界が清らかすぎるのだ!!」
「ほら! また頭のおかしいこと言ってるぞ!!」
パイモンとカルミアの間に入ってパンパンと手を叩くアンバー、蛍はナイスと親指を立てる。
「はいはい、喧嘩はそこまで! 私達も時間が無いってジン団長が言ってたでしょ? 早く、神殿に入ってパパっと解決しちゃいましょう!」
「全く……最近の若いもんは美の何たるかを……ゴニョゴニョ」
「お、おう! 旅人は強いし大丈夫だな! カルミアも……あんなだけどしっかり強いからな! 負けることはないぜ!!」
パイモンがふんすとドヤ顔を決め込むが、そこで蛍は思い出した。
「そういえばカルミア、新しい剣はどうするの?」
そう、彼女は先の風魔龍との戦いで一撃を防いだ時に片手剣が壊れてしまったのだ。
「あー、うーん……素手で行くしかないよねッ!!」
カルミアは拳を握ってシュッシュッとジャブを打つ。
「アホだな、仕方ないぞ……おいらがいつか危ない時のためにと思ってこっそり隠し持っていた秘伝の武器をやるぞ!!」
『危ない時……? それってもしかして私たちがいつか食糧難に飢えてパイモンを頂く時かな?』
蛍とカルミアは思考がシンクロし、ふとお互いの顔を見合わせる。
お互いの考えてることを察したのか、ふふっと笑ってカルミアはパイモンの目前まで歩み寄った。
「ほら! これだぞ、旅人の剣とは少し違うけど──」
パイモンはその小さな体から狩猟弓を取り出した。
「うっそ、てっきり短剣かなと思ってたけどその小さな体のどこにそんな大きな弓が入るのさ……」
パイモンはにっこにこで弓をカルミアに渡す。
「あ、ありがとう……パイモン」
カルミアは基本的にどんな武器も扱えるオールラウンダーと呼ばれる存在だ、故に片手剣、槍、大剣、弓などの一般的な武具はもちろん扱いに長けている。
ただ、本人曰く、自分は元素力を持たないから法器は持っても投げるだけになってしまうと言っていた。
「カルミアは片手剣じゃないの?」
アンバーが当然の疑問を言う。
「私は何でも使えるよ、片手剣が一番使えるだけ。」
アンバーが少し引き気味に驚く。無理もない、当然の反応である。
本来、武具はその人に合う合わないが必ずある、だからこそ熟練の兵士でさえもオールラウンダーを目指すのではなくその武具に特化した戦い方を学ぶ。
オールラウンダーとは武の天才が可能とする神業である。
「カルミアは頭おかしいけど、やっぱり凄いね……」
おい、頭おかしいは余計だろ!
まぁこんな所で喋ってても仕方ないので早速、神殿に潜ろう。
蛍たち一行は神殿の扉を押して、開く音とともに目の前に現れた謎のブラックホールのような穴に吸い込まれる。
『どわぁ?!』
~~~
「おぉ……ここが神殿なの?」
「凄く、嫌な空気が流れてるぞ。」
「うーん、これは魔物が沢山いそうだね」
蛍とパイモン、アンバーは早くも周囲の気配を感じ取っていた。
ただ一人、カルミアという頭のネジがハズレた女だけは違った。
「きゃー! こんな神殿という神様が干渉する場所にこの超究極完璧美少女を拉致監禁してどうするつもりよ! こんな広い空間でナニするつもり! こんなところでナニされたら、周りの人も見てるし恥ずかし──ぐふぅ! がはぁ!!」
頬を赤らめ、俯く蛍の二連撃にカルミアは入って早々に会心ダメージを喰らった。
「はぁ……カルミア、ここは魔物がうじゃうじゃいるんだぞ! しっかりしてくれよな。」
「いてて……ヒルチャールが三体、こちらに来て……ぐふっ!」
カルミアの叫びに反応したヒルチャール達がもうすぐそこまで迫ってきていた。
「パイモン、後ろに隠れてて!」
蛍はパイモンを背に隠して片手剣を隠し、倒れているカルミアの尻を蹴る。
「起きて。」
「うっす、姉貴! ここは私に任せてください!!」
亜空間から弓を取り出すとカルミアは、自身が遠距離型であることを忘れてヒルチャールめがけて走り出す。
「え? カルミア! あんた、弓なんだよ!!」
「だからなんだって話よ! 弓だろうと剣だろうと、天上天下で唯一人、私という存在の歩みを止められる者はいないんだから!!」
カルミアは脚をバネのように弾くと高く跳躍し、弓を構えて三本の矢を一気に放つ。
「必殺! 乱れ打ち!!」
乱れ打ちと称しながら、その放った三本の矢はしっかりとカルミアを見上げたヒルチャール三体の眉間を射抜いた。
華麗に着地すると弓を手放して、蛍たちに向かってピースサインを決める。
「うっそ……あんな弓の使い方ってあり?」
「カルミアはバカだけど強さは本物だよね」
蛍、パイモン、アンバーの三人は彼女のギャップに笑うしかなかった。
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「このトゲトゲした木の障害物はどうしよう?」
暫く進むと神殿にはギミックが沢山あり、そのうちの一つである障害物に頭を悩ませていた。
「旅人、元素視覚を使えるか?」
パイモンがそう助言する、元素視覚? 何それ?
「うん、緑色だね。」
「草元素だな!!」
どうやら、蛍から見てこのトゲトゲした木の障害物は緑色に見えるらしい、そして草元素に該当するとも。
「草元素なら私の炎元素で燃やせるわ! 任せてぇ!!」
アンバーは弓を構えてトゲトゲ木に向かって炎を纏わせた一矢を放つ。
「うぉおお! 燃えてる!!」
「これは元素反応って言うんだぞ、元素力を今まで持たなかったから説明しなかったけど、この世界の七つの元素は二つ以上が絡むと反応を起こすんだ。」
「へぇ……これは何反応なの?」
「これは燃焼反応、草と炎の元素反応だな!」
素晴らしい、元素力の可能性は。私も元素力が欲しくなってきたな。
炎を当てられたことでトゲトゲ木は強く燃え、やがて灰と化して消え散った。
「よし、これで先に進めるね!」
アンバーが炎元素持ちでよかったよ。
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「これは……宝箱かッ!」
カルミアがそう言い放ち、指をさした先には小さな宝箱があった。
「宝箱………。」
「お宝が入ってるのか?! 楽しみだな、へへっ!」
宝箱と聞いてカルミアとパイモンも興奮したが、誰よりも蛍が静かにそして速やかに宝箱を開けた。
「お、おぉ……蛍、宝箱って聞くとここまで目の色変わるっけ?」
「貰える宝は全て貰っていく、それが旅の常識だよ。」
宝箱に入っていた結晶や武器や石などを両手で抱えてにっこにこに言う。
「あんた達、今は宝箱じゃなくてこの神殿の攻略だよ!」
アンバーが少し怒り気味に注意すると蛍はすっと宝を収納した。
「え? 待って、どこにいれた?」
蛍は背中あたりにひょいっと手放していったが、地面に落ちることはなく何処か亜空間へと消えていった。
「それに触れちゃダメだよ、カルミア。」
そう、この謎は武器をしまう時と同じである。
何故か、私たちはアイテムや武器を譲渡する目的以外で手放すとどこかへと消える。 そのアイテムをイメージするとまた現れる、そういうシステムなのである。
「さぁ、行こう。 宝は私がしっかりと保管しておくから。」
蛍は満面の笑みでそう言いながら、率先して先へ進む。
「蛍も蛍で癖強くない?」「お前に比べたら遥かにマシだぞ…。」
~~~
「さ、そろそろ終わりも近くなってきたよ。ここが恐らく最後のギミック…。というよりは戦闘かな?」
アンバーが指さす所には油断しまくったヒルチャールの群れがいた。
それもこの前の数より少し多い、赤肌の松明を握ったヒルチャールが三体、弓ヒルチャールが二体、盾と棍棒を持つヒルチャールが一体、巨体の斧ヒルチャールが一体、そして新しく大きな盾を持つ巨体のヒルチャールが一体……計で八体である。
「……まぁ、倒せる奴らから順番に倒していこうか!」
カルミアは弓を取り出して、アンバーと共に気付かれていない高所から構える。
奇襲でまずは数を減らす作戦だ。
「どうする? 大きいのやる?」
「いや、弓兵を倒すよ。この場合は遠距離からの攻撃の方が厄介だからね。」
「了解ッ!」
カルミアとアンバーはお互いに二体の弓ヒルチャールを狙う。
『3…2…1……ファイア!』
炎を纏う一矢と黒光りする一矢が油断している弓ヒルチャールの頭を貫いた。
仲間が突如として射抜かれた事に驚き、警戒するヒルチャールの群れ。
警戒していた一体のヒルチャールが高所にいるカルミア達に気付き、声をあげる。
「yaya ika!」
ヒルチャールの指さす方に一斉に群れの視線が集まる、高所なので弓でチクチクしてればいずれは倒せるかもしれないが大盾のヒルチャールが防ぐので何時間かかるかなんて想像もしたくない。
「カルミア、アンバー! 行くよッ!!」
蛍の掛け声と共に三人は高所から飛び降り、迫り来るヒルチャール達に構える。
「うさぎ伯爵、出撃!」
アンバーは可愛らしいうさぎ人形を取り出すと、ヒルチャールの群れに投げる。
うさぎ人形は可愛らしく踊ると周りのヒルチャールの一部はその人形を攻撃する。
あれはデコイのようなものだろうか? それなら助かる、詰め時だ。
「あ、カルミア! 気をつけて、そのうさぎ伯爵は──」
一気に加速しうさぎ人形に集中しているヒルチャール達の真上へと飛び、乱れ打ちを放とうとした刹那──うさぎ人形がぴぎゃあという音とともに爆発した。
「え──ぐふぅ!!」
真上にいた自分は爆発の衝撃波でアンバーたちの元へと吹き飛ばされて戻る。
「けほ! けほ! いてて……爆発するデコイ人形なのね。」
気を取り直して弓を構えると、目の前には爆発の影響で並のヒルチャールが吹き飛び、巨体ヒルチャールが怯んでいた。
「蛍、ヒルチャール達が吹き飛んでるうちに巨体をやってしまおう!」
「分かった!」
蛍が最前線を駆け出し、大盾のヒルチャールを優先して狙う。
こちらは片手剣が一人、弓が二人だ。大盾のヒルチャールが一番の天敵と言える、あの盾を前にしてカルミアの矢は届かない。
いや、待てよ? あの盾は木で出来ている……つまり、草元素の可能性は?
「ぐぅ! 怯みからの立て直しが早すぎる……」
「蛍、元素視覚を使って! その盾は何色?!」
蛍はカルミアの助言にすかさず大盾ヒルチャールを見つめる。
「緑……っ! アンバー、炎元素をぶつけて!!」
アンバーは既に木盾が草元素の可能性を考えて弓矢を構えていた、先端には炎元素が纏っており、アンバーは片目をつむって狙いを定めている。
「旅人、下がって!!」
アンバーの掛け声と共に蛍は横に回って回避し、アンバーの直線上に大盾ヒルチャールが現れる。
「行っくよぉ!」
炎を纏った一矢を大盾ヒルチャールはその大盾で防ごうとする、だが彼女たちにとってそれが狙いであった。
大盾に突き刺さった炎元素の矢はたちまち大盾を燃やし、熱さに耐えきれず大盾ヒルチャールはその大盾を手放す。
「隙あり! 風刃ッ!!」
蛍はすかさず、片手を突き出して真空の渦を作り出す。
それは大盾ヒルチャールだけでなく、燃え盛る大盾も吸い込み、その風色は赤色へと変化する。
「Guooo!!」
燃焼は炎元素をその場に長時間残し続ける元素反応、そして風元素との接触による風と炎の炎拡散反応で大盾ヒルチャールはその全身が炎で包まれる。
激しく燃える炎で大盾ヒルチャールはすぐに絶命し、一瞬にして灰と化した。
「蛍ッ! せぇやッ!!」
元素スキルによる使用後硬直で隙が生まれた蛍の頭上を狙って斧ヒルチャールがその斧を振り下ろしたが、カルミアがその斧の側面を蹴り、落下軌道をずらして間一髪で蛍へのダメージは免れた。
「蛍、あれ使える? 風と共に去れっ! ってやつ。」
カルミアの作戦はこれまでしっかりと刺さってきた、今尋ねてきている事も何かの作戦のひとつなのだろう。
「もちろん、いつでも打てるよ。」
「じゃあ、その竜巻で敵を一箇所に集めてくれる?」
カルミアはアンバーに向かって声を大きくして言う。
「蛍が大きな竜巻を起こすから、そこに炎元素をぶつけて欲しい!」
炎拡散状態が続く竜巻にあの群れを呑み込ませる作戦だろう。
「了解ッ! 旅人、いつでもいけるよ!!」
アンバーの準備完了の声を聞いて蛍は頷き、剣を横向きに構えると側方宙返りで竜巻を放つ。
「消えるんだ。」
蛍が放った大きな竜巻は激しく渦巻き、ヒルチャール達を呑み込んでいく、アンバーが放った炎を纏う一矢はその竜巻の中を貫き、壁に突き刺さった。
矢は壁に突き刺さったが、炎は風に引っ張られ竜巻の中で燃え盛る。
巨体ヒルチャールも並のヒルチャールも関係なし、全てのヒルチャールがまとめて燃えていく。
やがて竜巻が晴れると微かに息の残っていたヒルチャール達にトドメと言わんばかりにアンバーが弓を斜め上に構えて矢を放つ。
「雨のような矢をッ!!」
ヒルチャール達は一箇所に集まった状態で倒れており、それを囲むように円状に炎元素の矢の雨を降らす。
「やるぅ!」「アンバーの逆乱れ打ち?」
「お、終わったか……?」
パイモンが高所から顔を出してぼそっと呟く。
「おいで、パイモン。これでもうこの神殿は終わりだよ。」
「終わったよ〜、パイモン。」
カルミアと蛍がちょいちょいと招き手をして、パイモンを誘う。
「へへっ! よし、じゃあ次の神殿に行く前にご飯食べようぜ!!」
「えぇ? パイモン、何もしてないのにお腹減ったの?」
「何もしてなくはないぞ! おいらだって色々と説明しただろ!!」
ちょっと怒ってるパイモンの頭を撫でて蛍が抱える。
出口として召喚された転移陣のようなものが現れ、蛍一行は神殿を後にした。
感想を二件も頂けて、マジで嬉しいです!
それにまだ3話しか投稿していないのに読んでくださってる数が500を超えており、正直浮かれてますw
因みに主人公が元素を持たないのは今後とも変わらないですが、主人公にも特殊な力を持たせる予定ではあります。前話で七つの鎖って単語が出てきましたがそれがキーワードです。
作中におけるカルミアたちの下ネタや暴言をどこまで許します?
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ち─こみたいな伏字があるなら許せる。
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ち○こみたいな伏字があるなら許せる。
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────って完全に─で伏せて欲しい。
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ちんこってもろに言って欲しい。興奮する
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カルミアは下ネタを言う変態じゃない!
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カルミアは伏せたら何も残らない!