Genshin Impact ~第五の降臨者~ 作:三枝愛依
「ふぅ……やっと片付いたな!」
あの後、神殿を出てからジンに報告すると言って戻って行ったリサを見送って、蛍たちは変わった空を見上げていた。
「うん、トワリンが吸い上げてた力は恐らく全部片付けたから空も元の綺麗な蒼い空に戻ったんだと思うよ。」
「とりあえずさ……私たち、一旦水浴びしない?」
蛍とパイモンは任務を終えて達成感に浸っていたが、カルミアはそれどころではなかった。
ガイアと攻略した神殿で吐いたゲロ、リサと攻略した神殿で垂らしてねばっこい鼻水、色々と服が大惨事である。
生憎と彼女の服は黒がベースなので汚れは酷く目立っている訳では無いが悪臭が凄い。
ゲロと鼻水の混合、その悪臭は元素反応と呼ぶに値する程に脅威だった。
「そ、そうだな! カルミアの服はとんでもない事になってるな、旅人もさっきの神殿で服が濡れたし、おいらもカルミアが抱きしめたせいでゲロ臭いぞ。」
ここにいる三人が汚れている理由の原因の十割がカルミアであった。
ゲロを撒き散らしてそれを自分が浴び、疲れ果てたからと戦いを観戦している時にパイモンを抱きしめてゲロ臭を共有し、理性が抑えられないからと蛍を水浸しの床に押し倒してびちょ濡れにする。
「うっ、そんな目で私を見るな!!」
カルミアは顔をかくして、近場の人気がない森の中の川まで走る。
「あ、待って!」「お、おい! おいらを置いていくなよ〜!!」
蛍とパイモンはカルミアを追いかけて、森の川の方へと向かった。
~~~
「イイじゃないカ! ホタエモン、ワタシはまだ触りたいんだヨ〜!」
無論、カルミアと一緒に水浴びをしようものなら蛍はその裸体をカルミアの思うがままにされていた。
ただ、彼女もラインというものは理解しているようで夢と希望の塊である双丘を触るところまでで踏みとどまっている、何がとは言わないが決して下に手は伸ばさない。
「(だって、これR–15だし……18だったら、それはもうね? 凄いことになってたよ!!)」
これが俗に言う、メタいと言うやつである。
R–15というタグこそがカルミアのセクハラを悪化させない唯一の手段なのである。
「あぁ、ちょっと……カルミア、手つきが物凄くいやらしい。」
「お、おい! おいら、そんなエッチな事してるお前たちを見れないぞぉ!!」
陽が空高くに上り、世界を照らし続ける昼の時間。
人が寄りつかない森の奥の川のど真ん中で美女二人がその裸体を晒してキャッキャウフフと騒いでいた。
「ほらほら〜! ここじゃろ、ここがええんじゃろてぇ?!」
「ちょ、やめ……んん、離して──」
カルミアは一度許されるととことん調子に乗るヤツである。
カルミアの蛍の双丘を揉む手つきはどんどんといやらしくなっていき、蛍も笑いでは済まされなくなるほどに声色が変わっていく。
「お、おい! お前たち、それ以上はまずいぞ!! おいら、見たらダメなのに指の間から……うわぁ!!」
パイモンは岩の後ろに隠れて顔を覗かせ、手で顔を覆っているが指の間からチラチラと二人の様子を覗いている。
「必殺! イかせテ──ごっほッ!!」
最早、それ以上のエロスはよろしくない。そう世界が告げたのである。
「ぐふっ! がはッ! あばぁッ!! げぼッ!!」
カルミアの腹、肩、額、足などの数多の部位を殴られ蹴られる。
「いい加減にしてッ!!」
蛍は手のひらに風元素の塊を作り出して、怯んだカルミアの鳩尾めがけて掌底を放った。
風元素の塊はぽんっと軽い弾ける音を鳴らすと蛍の掌底の威力を増強させ、カルミアは腹部から思いっきり遠くへと吹き飛ぶ。
「がっはぁッ?!!!」
勢いのついた一撃にカルミアはその美しい裸体を晒しながら、宙で弧を描く。
そんな美しい瞬間も一瞬、すぐにカルミアは頭から川の水の中に突っ込み、川の中に頭が突き刺さる形で倒れた。
『K.O.!!』
そんな声がどこからか響くと、カルミアは両手で頭を川の中から引っこ抜き、起き上がる。
「くぅ……もう一度──」「風と共に去れッ!!」
「あぁあぁあああああ!!!」
カルミアが突進すると同時に蛍は脱いだ衣服を片手に、片手剣を構えて大きな竜巻を放った。
その竜巻は加速するカルミアを容易く呑み込んで、カルミアの進行方向とは別の反対側へと突き進んでいく。
「ま、待って待って! 待ってええ!! また、また出る──う、うぷッ!」
川の流れはカルミアの方から蛍の方へと流れている。今あそこでカルミアが吐けば、そのゲロは水流を伝って間違いなく蛍と蛍の服を汚す。
「吐いたら、カルミアとは絶縁する。」
カルミアは口を手で抑えて目をつむり、超高速回転する竜巻の中でグルグルと振り回されていく。
「うぅ! うぅ! だ、出すなぁ! 出るなぁ!!」
カルミアはもう目の前までゲロが込み上げているのだろう、でも何かの救いかそれともげろを吐く決め手か、竜巻はふっと消えてカルミアを川から草木の方へと放り投げた。
「お、おぇえええええ!!!!」
草木の中で誰にも見られない場所でただ一人、裸体の美女がゲロを吐いている。
誰がそんな事を想像しようか? 誰がそんなことを予想しようか?
そんなカルミアを放ったらかして、蛍は衣服と髪を川水で洗って風元素で付着した水分を吹き飛ばす。
「風元素って便利だね、パイモン。」
「そうだな! 害虫駆除に衣服の乾燥、元素を拡散させてたくさんの敵を攻撃する! 何をとっても優秀な元素だぞ!!」
最早、パイモンもカルミアを人として見てはいなかった。
~~~
「旅人は肉親を探して旅をするって話をしてくれたけど、カルミアは何が目的で旅をしてるんだ?」
モンドに戻る帰り道で三人がのんびりと歩きながら話をしていた。
一段落、解決して落ち着いたのでもう焦って走る必要もないだろう。
蛍はパイモンの質問に「確かに」と頷いてカルミアの方を見る。
彼女もまた外の世界から来た旅人であるが、蛍のようにまだ皆には旅の目的を明かしてはいなかった。
「私の旅の目的? あー、自由を求めて……かな?」
「自由? モンドの事か? それとも旅人みたいにカルミアも天理って名乗る奴が襲ってきて、旅人は肉親、カルミアは自由を奪われたのか?」
「うーん、まぁ天理……かな?」
カルミアは歩みを止めて近くの座るにはちょうどいい石に腰を下ろす。
「まぁ、話してもいいかな〜?」
今のカルミアはいつもとは違って、巫山戯る気配もなければ静かな落ち着いた雰囲気が漂っている。
「私が旅をする目的はまんま自由を求めて、私って外の世界から来たってのもあるけど元素力を扱えないでしょ? 外の世界から来たとはいえ蛍は元素力を扱えるのに私は扱えない、もちろんこれって蛍が特殊なのもあると思うけど……」
カルミアは何処から紙と筆ペンを取り出して何かを描き始める。
「私には元々、元素とは異なる七つの力があるんだよ。 これは私が外の世界で旅をしていた時に使ってた力でね、この力があっての私で、この力あっての自由なんだよ、私は。」
「七つの力……? それで外の世界を旅している時に身を守ってたとかってことか?」
「まぁ、私なりの言い方をするならその力で私の自由を妨げる者は排除してたって感じかな。」
「排除……てことは、今のカルミアは全然本気じゃないってこと?」
蛍の疑問は当然である、だってカルミアはまだその七つの力を使った様子はない。 それなのに、あれだけの戦闘能力を持っている。
「まぁ、力を使わない私の限界と言うのならまだもう少し上かな、力を全て使える状態なら……どうなんだろう? 実際に私が取り戻してから自分の目で見て感じて欲しいな。」
「この前に私がこう言ったの覚えてる? 『天上天下唯我独尊』の精神で行こう、って言ったの。」
「おう! あの時はカルミアのお巫山戯だと思って本気にしてなかったけど、そのセリフもカルミアの力と関係あるのか?」
「天上天下唯我独尊っていうのはね、とある世界のとある星のとある国に伝わる凄い人が遺した言葉なんだけど、上にも下にも私以上に尊い者はいないって意味なんだよね。」
「つまり、この世の全てを見た時にカルミアよりも尊い者はいないって事だな!」
「そう、この言葉が私とても大好きで、それもなんでかって言うと私はこんな感じで七つの力が結びついてるんだ。」
カルミアは描き終えた絵をパイモンと蛍に見せつける。
その絵は中心に『超究極完璧美少女』と書かれた丸い絵に七つの線が引っ張られており、その先に七つの丸が描かれている。
「これは何だ?」
「中心が私、というよりは私の力の核かな。私の体の中には心臓とか胃とかとは別に中心に核という塊があって、その周りに七つの力が塊としてあるの、その七つの力の塊が核に向かって七つの線で一直線に繋がっていて、この構造のおかげで私は七つの力を使えるんだよ。」
「お、おう? これが天上天下唯我独尊の話とかと何が関係あるんだ?」
「私はこの七つの力があるおかげで自由なの、全てにおいて終わりがなく永遠に進み続ける、果てしなく何かを求め続けられる。」
「ん、んー?」
段々とパイモンが唸り出す。
「パイモンには少し難しいね、つまり私は元々、自由という言葉を体現したような存在なんだよ。だから、誰かから攻撃されても自由だから喰らわないことがまず当たり前だし、何かが邪魔しても自由だから結果的に何事もなく進み続けられるのが当たり前、もちろん稀にそれも叶わなくて失敗することもあるんだけどね。」
「自由という言葉を体現した存在……」
「だから、私は好き勝手やる性格してるでしょ? 突然、神殿の中で蛍の乳を揉んだりするでしょ? あれは私が元々、自由すぎるが故についたわがまますぎる性格なんだよ。」
「それで誰にも邪魔されない、いや……誰も邪魔できない存在だから自分以上の人がいないと知って『天上天下唯我独尊』の精神で歩み出したと?」
「そう、誰も邪魔できないぐらい私が自由で凄い存在ならまさに『天上天下唯我独尊』だよね?」
パイモンはやっと話が理解できたのか、それならと疑問をぶつける。
「それなら、何でお前はその七つの力を使わないんだ? これまでの旅でも自分の自由を邪魔されて危ない目にあったよな?」
「使わないじゃなくて今は使えないんだよね、さっき言った通り私は七つの力のおかげで自由なんだけど、もちろん稀にそれが叶わなくて失敗することもある、その失敗のせいで私は七つの力を鎖で封印されて今は使えないんだ。」
「そうなのか……それは誰が封印したとかは分かるのか?」
「もちろん、私が自由を求めて鎖を解いてもらうのが私の旅の目的。」
カルミアはパパっと紙の裏に文字を書き始めると、すぐに二人に見せつけた。
「そして私の七つの力をその鎖で封印した彼らこそが、この世界の元素を司り、国を統治し守護する七人の神様、七神なんだよ。」
蛍とパイモンは今までで一番の驚きを見せた。
当たり前と言えば、当たり前なのかもしれない。
蛍とパイモンは肉親を探すために七神に情報を求めて各国を歩く、その隣でカルミアはかつて自分の自由を奪った敵ともいえる七神に鎖を解いてもらう為に各国を歩く。
「蛍とパイモンからすれば、私という存在は神様と仲良くするためにはこれ以上ないぐらいに邪魔な存在なんだよね、実は。」
だって、七神が恐れてその全力を以て封印した女なのだ。
それを解いてくれと言うのは、危険人物の手錠を外せと言ってるようなもの。
明らかに良い展開に運ばれるとは思えない、だからこそ良い展開だけを求める蛍とパイモンの旅で私という存在は邪魔である。
「まぁ、だから……そのうち、私は二人から離れて別でこの世界を旅しようと思ってるよ──」
蛍はガバッとカルミアの頭を自分の胸に押し付けるように抱きしめる。
「──ううん、邪魔なんかじゃないよ。カルミアはちょっと聞きの悪い変態だけど私たちにとっては大切な旅仲間、たった三人しかいないのに更に二人になったら心細いよね、パイモン?」
「──そうだぞ! おいらもカルミアの言動と行動には頭を悩ませるけど、嫌いじゃないし寧ろお前のことは大好きだぞ!!」
「折角、旅の目的が七神に会うことって一致してるんだから一緒に旅をしよう、恐れられてるなら神様に怖くない存在だって教えてあげよう、カルミアは優しくて面白い良い奴だって──」
カルミアはそっと優しく蛍の腰に手を回してギュッと抱き返した。
「うん……ありがとうね。蛍、パイモン。」
「お、おいらもそのギューに混ぜろよ!!」
パイモンが蛍とカルミアの横で入り込む隙間を探すがゼロ距離で密着してるのでお互いの間に隙間はない。二人は微笑み、少し隙間を作るとパイモンは嬉しそうな顔をしてその隙間に入り込んだ。
「ふふ……自由よりも価値の高いものってあるのかもしれないね。」
カルミア達は、しばらくモンドの優しい風に包まれながら微笑み合っていた。
原作では、主人公は斬岩・試作と無蜂の剣と銀の剣。それ以外は使ったことないのですが、どうせ沢山武器があるなら使わせたいし……どうしようか迷ってます。
作中におけるカルミアたちの下ネタや暴言をどこまで許します?
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ち─こみたいな伏字があるなら許せる。
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ち○こみたいな伏字があるなら許せる。
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────って完全に─で伏せて欲しい。
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ちんこってもろに言って欲しい。興奮する
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カルミアは下ネタを言う変態じゃない!
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カルミアは伏せたら何も残らない!