◇
とある国の森の奥に大きな屋敷がありました。
そこには少女の霊がいるという噂がありました。
【屋敷に静かに潜む少女の霊に見つかれば最後、呪い殺される】
という噂だった。
そんな少女は今日も一人で静かな夜を楽しんでいる。
「今日も風が涼しくて綺麗な景色。このままずっと見ていたいな」
少女はそう呟く。
その少女の赤い目は暗い闇の中を照らし、白い髪が風でふわりと流れる。その小さな体は屋敷の窓から小さく覗かせていた。
「今日は一体何が起きるんだろう。楽しみだな」
にっこりと微笑むその姿は静かに屋敷に消えて行った。
そもそも何故、この少女が霊になったのか、噂は何処から来たのか、未だに謎で溢れている。
その少女は今日も静かな屋敷の中を彷徨っていた。
◇
今日もこの屋敷には何が起きるのだろう。
そして森の奥に潜む二人の影は何なのだろうか。
少女、エミリーは今日も静かに屋敷から覗くとそこには3人の男たちがいた。
少女は微笑んだ。
「今日は何が起こるか楽しみ...♪」
「ここが噂の屋敷ってか。暗いだけで何もねぇじゃねぇか。ただの噂だろ」
「だが、行ったやつらは結局帰っては来なかったのは事実だ。」
「何か強い力の気配がする、気をつけろ二人とも」
3人の男たちは身構えたその先には白い髪、赤い目をした少女、エミリーが立っていた。彼女は霊ではあるが、透けておらず、普通の人間と同じ肌色をしているため、男たちはエミリーを霊だと思わなかった。
「なんだ嬢ちゃん。どこから来たんだ?」
そう少女に近づいた男は次の瞬間白色に光り、消えた。
「なっ?!?!」
男二人は急いで周りを見たが男の姿はもうなかった。
「この餓鬼、何しやがった!」
男は少女に向かって持っていた剣を持ち、少女の首を狙って切った、はずだった。切ったのは全く少女と一緒の姿をした抜け殻だった。
少女は自分の分身を作り、それを切らせたのだ。
男はすかさず少女に向かうが、いつの間にか少女の姿は遠くに行っており、キリがなかった。
少女は逃げるのに飽きたのか、急に立ち止まってしまった。
男はそれを見てニヤリと微笑み、切ろうとしたその瞬間、白い光に包まれ、男は消えてしまった。
「あともう一人は何処?逃がしちゃったのかな...」
そう言うと、落ち込み、少女は薄暗い屋敷のどこかに消えた。
その時男は、
「あんなやつがいるなんて聞いてない!早く国王に知らせねばならないっ!」
急いで屋敷から出て、都内に向かって青ざめた顔をしながら走り抜け、あと少しの所で男が最後に見た光景は自分の首が切り離されている姿だった。
「逃がすわけがありません。貴方にはここで消えてもらいます」
「お嬢をお守りするためにも、逃がすことがあってはなりません」
真っ暗闇の中、二人の声が聞こえた後、男の意識は途絶えた。
◇
少女の名はエミリーという少女。
エミリーは唯一、本音を言える人が二人いた。
それは、メイドの《デスティニー⦆、執事の《ハーミット⦆という名の仕える二人だった。
それぞれ二人は種族があり、どちらも世界を変えれるほどの力を持っている。
あの屋敷に来た理由は、少女の存在を知り、守るためであった。
恨みを持った人たちに押さえられ、殺されてしまったが、その後に生き返って森の奥に二人で潜んでいる。
「時が満ちるまでお待ちくださいませ、お嬢様」
「それまで陰で私共が残った者たちを排除いたします」
森の奥で今日も二人のメイドと執事は少女を見守っている。