『三好in山本五十子の決断』リメイク   作:零戦

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第十二話 『運命の開戦』前編

 

 

 

 

 

 

 

「……遂に来たか……」

「あぁ。『ニイタカヤマノボレ一二○八』だ」

 

 草鹿からの問いに将和はそう答えた。そして将和の言葉に艦橋内には緊張が走った。

 

「いよいよ……だね」

「……一時間後に各空母の飛行隊長を集めろ」

「了解だよ」

 

 それから一時間後、『加賀』の作戦室に各空母の飛行隊長が集まり『1208計画』のーー真珠湾作戦の内容が伝えられた。

 

「真珠湾を攻撃……」

「いよいよね……」

「厳しい戦いになりそうだね……」

 

 各飛行隊長らはそう話しざわめきが収まったところで将和は再び口を開いた。

 

「開戦と同時に美太平洋艦隊とハワイの地上軍港施設を航空攻撃及び艦砲射撃で叩き、機雷で封鎖する……少なくとも半年は身動きさせなくさせる。それが本作戦の目的だ。但し、太平洋艦隊がいればという話だがな」

「成る程」

「いればというのは?」

「伊号潜を潜入出来なかったから在泊艦艇が不明だ。諜報員の情報では大型艦艇が少数ながらいるというがな……」

「それは仕方ないですね」

「それとオアフ島北方約150キロの海域に伊号潜四隻が待機している。対空砲火で被弾し、母艦までに帰れなくなった機はそこに不時着水をしろ」

「待ってください!!」

 

 将和の言葉に空母『土佐』艦攻隊隊長の鈴木大尉が立ち上がった。

 

「不時着水するなら敵艦に体当たりします!!」

「そうです!!」

「不時着水など生き恥を晒すも同然ですよ!!」

「1機1艦体当たりです!!」

「………この馬鹿野郎ォ!!!」

『………ッ………』

 

 体当たりを主張する鈴木大尉らに将和が怒号を放った。あまりの怒り様に村田少佐らは唖然とした。将和の怒号に慣れていない者は等目に涙を浮かべていた。

 

「初撃でいきなり体当たりするなど言語道断だ!! 残念だがこの戦いはまだまだ続くのだ、生きて生きて生き抜いて国のため、故郷のため、家族のため生き抜くのだ!! 軽々しく死を言うなど俺は許さん!! しかもお前らを俺が育てたのだから俺はそんなパイロットに育てた覚えは一切ないぞ!!」

『………』

 

 各空母飛行隊長達は尊敬する将和の言葉に沈痛な表情をする。一番悲しむのは両親、旦那、家族等なのだ。

 

「いいか……改めてお前らに告げる。『生きて帰れ』俺からの命令だ。必ず守れ!!」

『はい!!』

 

 将和の言葉に飛行隊長達は敬礼をするのであった。艦橋へ戻った将和は防空指揮所に上がり自分の艦隊を見る。

 

「………」

「長官、皆が気になるか?」

 

 ふと参謀長の草鹿が将和の傍らにいた。

 

「なに、今のこの艦隊は世界最強の精鋭だ」

 

 将和は自信を持って答えた。自身が一から育てあげた艦隊なのだ。だからこそ自信を以て答えれた。

 

「ま、急に交渉が纏まりもし帰れと言われたら帰るがね」

「確かにね。それなら誰も戦死しないからね」

 

 将和は苦笑しながら草鹿に言うのであったが残念ながらそれはなかったのである。そしてヴィンランドはというと……。

 

「ねぇキンメル、本当にジャップとやるの?」

 

 ハワイオアフ島の美太平洋艦隊司令部でハルゼー中将は太平洋艦隊司令長官メアリー・キンメル大将に問う。

 

「分かんないけど……上層部次第かな。けど備えのために君の空母で航空機輸送をするのよ」

「そいつは分かっている。だが空母が三隻しかいない上に所属している『サラトガ』はサンディエゴで整備中だよ?」

「あぁ、そこで本国に増援を要求した」

「おぉ、それで?」

「大西洋艦隊の『レンジャー』よ」

「旧式じゃないか。せめて『ヨークタウン』に『ホーネット』を……」

「『ヨークタウン』は訓練中で『ホーネット』は出来たばかりで飛行隊はまだないわ。あるだけでもマシな方ね」

「チックソッタレが……それで『レンジャー』が来るのはいつなの?」

「来年の1月かな」

「それまでは三隻か。仕方ない」

 

 ハルゼーはそう言って席を立つ。出航する時刻が近づいていたからだ。

 

「なぁキンメル。万が一、ジャップを刺激した際は何処までやっていい?」

「無論、貴女の常識で判断して。私から言えるのはそれだけよ」

「サー・イエッサー」

 

 キンメルの言葉にハルゼーはニヤリと笑い、空母『エンタープライズ』と共に真珠湾を出航するのであった。しかし、葦原が最後通牒を提出した事により事態は一変、

 12月7日、三好大将率いる第一航空艦隊はハワイ近海にまで接近していた。12月の波のうねりは第一航空艦隊の各艦を襲っている。

 

「……果たして雷撃隊は出せるのでしょうか?」

 

 うねりの酷さに嶋野は将和に問うが将和はニヤリと笑う。

 

「何なら俺が発艦してみようか?」

「……長官がやっては意味が無いだろう。長官なら難なく発艦するじゃないか」

 

 将和の言葉に隣で聞いていた草鹿は溜め息を吐いた。将和ならどんな事があっても必ず成功させるだろう。

 

「ははは、済まん済まん。だが村田達ならやってくれるさ。それに『蒼龍』にはうちの息子もいる」

 

 葦原時間の12月8日午前1時30分、第一航空艦隊の各空母の飛行甲板には第一次攻撃隊が勢揃いしていた。『加賀』のマストにはZ旗が掲げられて風によって靡いている。搭乗員達はZ旗を見て身震いをする。

 

「長官ッ」

「(……さて、また歴史を変えにいこうか)第一次攻撃隊発艦始めェ!!」

 

 将和の命令は発光信号を通して各空母に伝わる。

 

『総飛行機発動ッ!! 総飛行機発動ッ!!』

「手隙の奴等は攻撃隊を見送るよ!!」

「急げ急げ!!」

「頑張ってー!!」

 

 スピーカーから流れる放送に手隙の整備兵達は飛行甲板に駆け上がる。

 

「行くよ!!」

 

 旗艦『加賀』から最初に発艦するのは制空隊隊長の板谷重美少佐である。両翼には配備されたばかりの97式ロケット爆弾(一番二八号)8発を搭載していた。板谷機は見送りにきた手隙の乗員達から見送られつつ『加賀』の飛行甲板から発艦していく。それに続いて二番機、三番機も発艦していく。

 

「女性の海鷲達が往く……」

 

 将和はポツリと呟くが幸いにも誰にも聞かれなかった。同時刻、空母『蒼龍』では艦爆隊の発艦が終わり艦攻隊の発艦が行われていた。

 

「分隊士、飛行長が旗を振っていますよ」

「……よし、行くよ」

 

 自分の番が来た空母『蒼龍』艦攻隊第二中隊長の三好将弘大尉はフットブレーキを離し滑走を始める。採用された九一式航空魚雷改三を搭載した将弘の九七式艦攻は『蒼龍』から発艦する。その直後、魚雷の重みで機体が沈み、海面ギリギリまで低空飛行をする。

 

『くっ』

「大丈夫大丈夫。沈まないから」

 

 怯える偵察員の言葉に将弘はゆっくりと操縦桿を引いて上昇する。無事に発艦出来て将弘は息を吐いた。

 

「さて……(全く……死んだと思ったら太平洋で漂流してるし、一航艦に拾われたと思ったら親父はいるし、んで親父は親父だし……ま、どうせいつもの事になりそうだからほっとくか)」

 

 将弘(何故かハワイ沖で漂流していた。よく生きてたな)はそうボヤキつつも編隊に合流した。第一次攻撃隊は以下であった。

 

 

 第一次攻撃隊

 零戦72機(97式ロケット爆弾(一番二八号))

 九九式艦爆90機(250キロ陸用爆弾及び250キロ通常爆弾搭載)

 九七式艦攻36機(九一式航空魚雷改三)

 九七式艦攻72機(800キロ徹甲爆弾)

 

 

 彼女達は編隊を組みつつ真珠湾を目指すのであった。

 

 

 

「引き続き第二次攻撃隊の準備を急がせろッ」

「了解!!」

 

 攻撃隊を見送った将和は草鹿にそう告げた。それから午前2時45分には第二次攻撃隊として零戦72機、九九式艦爆126機、九七式艦攻90機が発艦を開始するのである。ちなみになおこの攻撃に先立ち、陸軍はブリトンの植民地のマレー半島コタバルで奇襲上陸作戦を史実通り行っていた。

 また当時ハワイには移動式のサーチレーダーステーションが6箇所設置されていた。本来ならレーダー類は日本が押さえていたが一部の日米開戦回避派がイギリスに劣悪品を密かに提供した事でレーダー類も米英に渡っていたのだ。その中でオアフ島北端のオパナに設置されてあったレーダーステーションでレーダーを操作していたのはジョーゼフ・ロッカードとジョージ・エリオットの2人の二等兵であった。

 しかし、エリオットは新米でロッカードからレーダーの操作法を学んでいる途中であった。この時、レーダーのオシロスコープスキャナーに50機を超える飛行機の大編隊(第一次攻撃隊)とおぼしきものがキャッチされた。

 

「これは……」

「直ぐに報告しよう!!」

「あぁ!!」

 

 二人は急いで情報センターに電話をした。この日は日曜日で本職の管制官は休んでおり、レーダーのしくみを理解するための訓練として管制官役をしていた若手陸軍航空隊パイロット、カーミット・タイラー陸軍中尉が応対した。

 

『50機以上の大編隊を探知しました!!』

 

 興奮気味に話すエリオットだがタイラーはこの日、フィリピンに配備される予定である12機のB-17がオアフ島に飛来する予定であることや、2隻の空母が航行中であることを知っており、その機影が友軍のものであると誤認したのである。

 

「あぁ、そいつは大丈夫だ。気にするな」

 

 という曖昧な返事を返したタイラーだった。上官にこう言われた二人は問題ないと判断したのである。

 7時35分に第一次攻撃隊はオアフ島北端カフク岬を雲の切れ目に発見し7時40分には「突撃準備隊形作れ」を意味する「トツレ」が発信された。

 更に先に真珠湾に侵入した『筑摩』の偵察機から「在泊艦は戦艦一、甲巡〇、乙巡一〇」との報告が入り、それと前後してラハイナ泊地に向かった『利根』の偵察機からは「敵艦隊はラハイナ泊地にはあらず」との報告が入った。

 そして7時49分(同3時19分)、第一波空中攻撃隊は真珠湾上空に到達した。

 

「見ろ、真珠湾やで!!」

 

 双眼鏡で見ていた淵田は叫ぶが直ぐに舌打ちをした。

 

「アカン、空母がおらん!? 戦艦も1隻しかおらんで!!」

「しかもドックに入渠中ですね」

 

 淵田は悔しそうに叫びつつも水木通信士に叫んだ。

 

「水木、ト連送や!! そんで旗艦『加賀』に発信!! 『トラ・トラ・トラ』や!!」

「はいッ!!」

 

 直ちに『トラ・トラ・トラ』――我、奇襲に成功せり――の電文が発信されたのである。そして淵田中佐は信号銃を撃ち上げた。それを村田少佐率いる雷撃隊は高度を下げ始めた。

 

「ほな、始めようやないか!!」

 

 斯くして第一次攻撃隊は米太平洋艦隊に攻撃を開始したのであった。

 そして時は少し戻って淵田中佐機が『トラ・トラ・トラ』の電文を放つ30分前、野村大使は再度リリィ・ハル国務長官と面会した。

 

「このような結果になり……残念です」

「……ノムラ大使、本気ですか?」

「本気です。残念ながら貴国は我々を本気にさせてしまいました」

 

 野村大使はそう言う。ハルは思わず野村大使から渡された対米覚書と宣戦布告の詔書を見つめたが内心でのハルは喜んでいた。

 

(これでプレジデントが望んだ戦争が出来る)

 

 ハルは表情に出さないよう努力しつつ野村大使を見据えた。

 

「分かりました。ですが後悔を為さらぬよう……」

 

 ハルは足早にその場を去った。ハルが去った扉を野村はじっと見つめた。

 

「……後悔をするのは貴国なのよ……」

 

 野村の独白は何を指すかは分からなかった。ハルは直ぐにホワイトハウスに駆け込み書斎で寛いでいたローズンベルトに短く伝えた。

 

「戦争です」

「……諸君、これで我々が望んでいた戦争が出来るぞ。まぁ猿の卑怯攻撃は無いがな」

 

 ハルの言葉にルーズベルトは満足そうに頷き、直ちに陸海軍の戦闘態勢が発令された。それは真珠湾も例外ではなくショート中将も戦闘機隊発進を発令させホイラー飛行場は膠に騒ぎ出すのである。

 

「急げ急げ!! 急いで上がるぞ!!」

 

 P-40のパイロット達はそう声を荒げながら離陸していく。20数機まで離陸したところが彼等の限界だった。その時に第一次攻撃隊が現れたのである。

 

「総隊長、2時方向に敵機がいます!!」

「何やて!?」

 

 操縦士の松崎大尉の言葉に淵田は示された見ると確かに多数の敵戦闘機が飛行していた。

 

「クソッタレ、三好長官には既に奇襲成功の電文を送ったんや。ここで帰るわけにはアカン!!」

『淵田総隊長、此処は我々に任せてくださいッ』

「板谷!?」

 

 淵田の言葉に制空隊隊長の板谷機が淵田機の前に出る。そうだ、此処には彼女達がいたのだ。

 

「ヨッシャ、なら頼むで板谷!!」

『了解。護衛機以外は私に続け!!』

 

 板谷機はバンクしながら増槽を投棄して敵戦闘機群へ向かう。その後ろには列機も続いていた。

 

「攻撃隊には近づけさせないで!!」

 

 零戦隊はP-40と格闘戦に突入する。板谷の乗る零戦は1360馬力もある栄発動機を駆使して瞬く間にP-40の後方に回る。

 

「貰った!!」

 

 機首の13.2ミリ機銃が吼え、弾丸はP-40の機首に着弾しアリソンV-1710-39レシプロエンジンは火を噴いてP-40は眼下の地面に墜落していく。

 

「アハハハ、幸先は良いかもしれないわ!!」

 

 板谷はそう言いつつも新たなP-40を見つけて迫るのであった。そして村田少佐率いる63機の雷撃隊は一気に真珠湾へ躍り出た。

 

「高度5メートルへ!!」

「ヨーソロー!!」

 

 村田少佐の一個中隊は停泊していた標的艦『ユタ』(元戦艦)に狙いを定めた。ヴィンランド太平洋艦隊はキンメルの指示で出撃しており標的艦くらいしかの艦艇しか残っていなかった。しかも乗組員の大半は上陸しており残置している乗組員での作業は困難を極めていた。

 

「左舷に雷撃機多数!!」

「撃ちまくれェ!!」

 

 『ユタ』の乗組員は対空火器に飛び付き対空射撃を開始するが九七式艦攻の速度が速すぎた。

 

「は、速すぎる!?」

「畜生、撃ち続けて!!」

「マズイ、魚雷を投下されるわ!!」

 

 乗組員達は必死に抵抗するが村田隊はそれを嘲笑うかのように魚雷を投下した。

 

「用ぉ意……撃ェ!!」

 

 高度5メートルから投下された九一式航空魚雷改三は12メートルの海底に突き刺さらずに海中を疾走する。

 

「航跡確認!!」

「七本走っています!!」

 

 そして七本の魚雷が『ユタ』に突き刺さった。突き刺さった瞬間、『ユタ』の左舷に七本の水柱が噴き上がる。

 

「命中命中!!」

「よし、旗艦に発信!! 『我、敵大型艦雷撃ス』よ!!」

 

 艦攻隊の攻撃は熾烈を極めた。停泊していた旧式の駆逐艦や小型艦艇等は雷撃を受け轟沈をしたりしていた。その中で唯一動けたのは重巡洋艦『ニューオーリンズ』であった。ヴィンランド太平洋艦隊は出撃していたが、『ニューオーリンズ』は念の為として残されていたがそれが仇となったのである。

 

「現在、速度8ノット!!」

「急いで水道を抜けて!!」

 

 フォード島に係留されていた『ニューオーリンズ』は直ちに機関始動をしてノロノロと真珠湾を出ようとしていた。

 

「もうすぐ半分よ」

「このまま通過を……」

 

 第一航空艦隊の第一次攻撃隊は炎上している艦艇に集中している。乗組員達はそう思っていた。だが、彼等(彼女)達は来た。

 

「フハハハハハ!! この時をッ、この時を待っていたぞ!!」

 

 高度5メートルの超低空飛行で『ニューオーリンズ』に迫っていたのは将弘の中隊だった。将弘は今まで突撃はせずにずっと攻撃を静観していたのだ。その理由は真珠湾で艦艇を閉じ込めるため、それに尽きていた。

 

(前回と同様……真珠湾を封鎖すれば少なくとも三ヶ月は行動不能になるはず……)

 

 将弘は『ネバダ』から来る対空砲火を避けつつ『ニューオーリンズ』に接近する。

 

「攻撃目標、前方の巡洋艦ッ!!」

「ヨーソロー!!」

 

 将弘は雷撃最適位置まで接近して投下策を握る。

 

「用ぉ意……撃ェ!!」

 

 炸薬が300キロもある九一式航空魚雷改3を投下、将弘はそのまま重量の浮き上がる作用を利用して上昇し離脱する。

 

「全機無事!?」

『はい、栗野機が多少被弾しましたが全機無事です!!』

 

 投下した魚雷九本のうち六本が『ニューオーリンズ』の左舷に次々と命中し水柱を吹き上げた。

 

「魚雷命中!!」

「やった!! 真珠湾を封鎖したぞ!!」

 

 被雷した『ニューオーリンズ』(2本不発)は大傾斜をして大破着底した。その場所こそ水道への入口だったのだ。これにより真珠湾は完全に封鎖されたのである。

 

「見たか親父ィ!!」

 

 将弘は風防を開けてそう叫んだのである。その一方で基地攻撃も行われていた。

 

「地上で大人しく眠ってなさい!!」

 

 『瑞鶴』艦爆隊坂本明大尉率いる27機の九九式艦爆は250キロ爆弾と97式ロケット爆弾を投下してホイラー飛行場は炎上していた。特にロケット爆弾の威力は凄まじく駐機していた多数の戦闘機を破壊する事に成功していた。

 

「何なんだこの攻撃は!?」

「分からん、良いから伏せておけ!!」

 

 爆撃から生き残った兵士達がそう叫ぶ。艦爆隊は他にも史実では攻撃が行われなかったハレイワ基地をも攻撃し同基地は使用不能となって無事なP-40で離陸しようとしていたテイラー中尉とウェルチ中尉は零戦の機銃掃射で戦死したのである。

 破壊の限りを尽くした第一次攻撃隊であるが午前8時54分には第二次攻撃隊が到着し総隊長の嶋崎少佐が全軍突撃を下命し第二次攻撃隊は大損害のヴィンランド太平洋艦隊に止めを刺すべく攻撃を開始するのであった。

 

「徹底的に叩くのよ!!」

 

 艦爆隊を率いる江草少佐は逃げようとする艦艇に攻撃を集中、この攻撃で艦爆隊は4機が撃墜されるがそれでも基地機能は完全に喪失していたのである。

 その中でも燃料タンクについては予定通り攻撃はしていなかった。

 

「長官、電文です!!」

 

 時間が大分前に戻るが旗艦『加賀』で将和は淵田機から発信された『トラ・トラ・トラ』の電文を見た。

 

「長官、奇襲成功です!! ……あっ」

「……………………」

 

 隣にいた草鹿は思わず将和の手を握る。それに気付いた草鹿は直ぐに手を引っ込むが嶋野が悔しそうに見ていた。

 

「あぁ。だが始まったばかりだ」

「む、無論です」

(今回もこの戦争の引き金を引いたか……何の因果だろうな……)

 

 将和は防空指揮所に出て前方の海面を見つめる。

 

(まぁそれでも引いた事には後悔はない。変えれるのはこれからだ、まだ始まったばかりなんだ……)

 

 将和は第一次攻撃隊が帰って来るまで防空指揮所に居続けるのであるが不意に将和は口を開いた。

 

「作戦の第二段階を始める。参謀長、空母は任せるぞ。俺と嶋野は『霧島』に移乗する」

「長官……本当に移乗するので?」

「当たり前だ。『霧島』の具合はユトランド沖で知ってるからな」

 

 草鹿の言葉にニヤリと笑う将和であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 登場航空機

 

 

 零戦22型

 

 全幅 11.0m

 全長 9.121m

 全高 3.57m

 翼面積 21.30m2

 自重 2,900kg

 正規全備重量 3,600kg

 発動機 『栄』32型

 離昇(1380hp)水メタノール噴射装置付

 最高速度 586km/h

 航続距離 1,220km(正規)2,350km(400L増槽付)

 武装

 主翼 99式20ミリ機銃2挺(各200発)

    99式13.2ミリ機銃2挺(各350発)

    30kg又は60kg爆弾2発

    97式一番二八号噴進弾

 

 

 

【概要】

 史実零戦53型を元に開発配備された戦闘機。史実よりも防弾装甲は重装備となり航続距離については胴体下に400Lの陸海統一型一型増槽を搭載する事で2350kmの航続距離を何とか保有する事が出来てはいる。

 機銃も弾丸は史実陸軍が開発配備したマ弾を搭載しており攻撃力は増加している。

 

 

 

 

 九九式艦爆11型

 

 全長 10.08m

 全幅 14m

 翼面積 34.970㎡

 全備自重 4600kg

 発動機 『金星』54型

 離昇 1300馬力

 最高速度 435キロ

 航続距離 1300キロ

 武装 機首 7.7ミリ機銃二挺

    後部13.2ミリ旋回機銃一挺

    250キロ爆弾×1

    60キロ爆弾×2

 

【概要】

 史実の22型を元に開発された。防弾装甲を施しており史実と比べたら落ちにくくなっている。

 

 

 

 

 九七式艦攻22型

 

 全長 10.3m

 全幅 15.518m

 全備自重 4,800kg

 発動機 『栄』31型

 離昇 1300馬力

 最高速度 426キロ

 航続距離 1860キロ

 武装 後部13.2ミリ旋回機銃一挺

    800キロ航空魚雷×1

    500キロ爆弾×2

    250キロ爆弾×4

    60キロ爆弾×8

 

【概要】

 史実の12型を元に防弾装甲を施しており更には1トンまで爆弾を搭載する事を可能としている。九九式艦爆同様に落ちにくくなっている。

 

 

 

 

 




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