『三好in山本五十子の決断』リメイク   作:零戦

36 / 50
第三十五話 絶対国防圏前編

 

 

 

 

 

 年が明けた光文18年1月4日、葦原海軍は動き出した。葦原海軍史上最大の撤退作戦『ケ号作戦』の始まりであった。

 

「しかし撤退作戦に大量の艦艇を使うとはな……」

「仕方ない。輸送船はマリアナ等の陣地構築の資材輸送にしているから此方に回せる数が少ないからな」

 

 ラバウルの第八艦隊司令部で将和と束はそう話している。『ケ号作戦』の第一段階では駆逐艦と海軍が保有する輸送艦を使用する事にしていた。それでも海上護衛総隊司令長官の清は何とか調整をして輸送船14隻を撤退作戦用で提供する事が出来たのである。

 なお、参加艦艇は

 乙巡

 『阿賀野』『能代』

 水母

 『瑞穂』『日進』『秋津洲』

 駆逐艦39隻

 第『1号』型輸送艦14隻

 第『101号』型輸送艦11隻

 第『201号』型輸送艦8隻でありブーゲンヴィル島の第六師団撤退には清から提供された輸送船14隻を使用しショートランド等の小島には輸送艦等を使用して撤退が開始されたのである。

 そしてソロモンでの一大根拠地となっていたラバウルでは自給自足のために畑や水田が急いで作られていた。ラバウルは侵攻してくるヴィンランド軍を引き付ける役目があった。

 その為、ラバウルはソロモン諸島から撤退してきた兵力を糾合して約10万の兵力でラバウルを要塞化するのである。ラバウルを守備するのは史実と同じく今村均中将であり将和も納得する人事であった。

 

「撤退は上手くだろう。ヴィンランドも第三次ソロモン海戦の傷が癒えていない」

「だな。その間の撤退か」

「あぁ」

 

 無論、ヴィンランド軍も葦原海軍のこの動きは掴んでいた。太平洋艦隊司令長官のセシリア・ニミッツ大将はソロモン諸島の兵力増強と見込んでおりガダルカナル島への更なる増強を決意していた。

 

「やはり葦原海軍はガダルカナルの奪回を諦めてはいないようですね」

「サタリーはいないが私がいるんだ。奴等なんて叩き潰してやるよセシリア」

 

 ハルゼイはフンと意気込むがセシリアは首を左右に振る。

 

「油断は禁物ですフレンダ。サタリーでさえ破れたのです」

「分かっているわよ」

 

 そう言うハルゼイであった。しかし、ハルゼイが葦原軍がソロモン諸島から撤退している事に気付いたのは1月の末であった。撤退していた事に驚きつつもハルゼイはラバウル攻撃を発令させた。

 爆撃隊がラバウルに来た時に出迎えたのは200機あろう戦闘機隊であった。

 

「何て事よ!? 葦原のサルはまだこんなにも戦闘機を持っていたというの!?」

『七番機被弾!! 落ちる、落ちる、落ちるゥゥゥ!!』

『四番機、脱出します!!』

『後方からゼロが……ギャッ!?』

『一時上方!! ギャアッ!?』

『編隊を密にするのよ!! 繰り返す、編隊を密にするのよ!!』

 

 ラバウル上空で出迎えたのは葦原陸海軍の戦闘機であり、それぞれ二式単戦『鍾馗』三型甲、局地戦闘機『雷電』22型、零戦、隼等であった。

 

 

 

 

 二式単戦『鍾馗』三型甲

 

 全長 8.9m

 全幅 9.45m

 全高 3.24m

 翼面積 15㎡

 自重 2,400kg

 全備重量 3,200kg

 発動機 ハ42-11

 離昇 1,900馬力

 最高速度 636km/h

 航続距離 1,400km

 武装 機首12.7ミリ機銃×2丁(各250発)

    主翼20ミリ機銃×2丁(各150発)

    30kg~100kg爆弾×2発

    250kg爆弾×1発

    夕弾×2発

 

 

 

 

 

 

 局地戦闘機『雷電』11型

 

 

 全長 9.7m

 全幅 11.8m

 全高 3.945m

 主翼面積 20㎡

 正規全備自重 4,600kg

 発動機 『ハ-42-21』(離昇2,400馬力)

 最大速度 650キロ

 航続距離 1,900キロ

 武装 20ミリ機銃4門(内門200発 外門250発)

    一番二八号噴進弾×6発

 

 

 

 零戦33型

 

 全幅 11.0m

 全長 9.240m

 全高 3.57m

 翼面積 22.60㎡

 自重 2,900kg

 正規全備自重 3,500kg

 発動機 金星72型(離昇1,680hp)水メタノール噴射装置付

 最高速度 618km

 降下制限速度 780km

 航続距離 900km(正規)+1,700km(増槽有り)

 武装主翼 97式13.2ミリ機銃2挺(各350発)

      99式20ミリ機銃2挺(各250発)

      一番二八号噴進弾×6発

 

 

 

 

 隼三型乙

 

 全幅 10.9m

 全長 8.92m

 全高 3.085m

 翼面積 22.60㎡

 自重 2,500kg

 正規全備自重 3,100kg

 発動機 ハ115-Ⅲ(1,430馬力)

 プロペラ ハミルトン・スタンダード可変ピッチ3翅直径2.80m

 最大速度 608km

 降下制限速度 700km

 航続距離 2,600km

 武装 機首 13.2ミリ機関砲(ホ103)2門(各240発)

    主翼 13.2ミリ機関砲(同上)2門(各250発)

    30~250kg爆弾1~2発ないし夕弾2発

 

 

 

 

 

 これらの機種に攻められたらどうしようもなかった。また、ラバウルには輸送路はあったが実質は放棄にも近い形だったので輸送回数を減らす措置が取られる事になる。第8方面軍司令官の今村中将は回数を減らすのは良いがその時の物資の量はなるべく多めにと要請しており清もそれに答えるべくなるべくの船団数は多めの措置を取る事になる。

 また、ラバウルへは航空消耗戦を仕掛ける為に陸海軍の航空隊が送られるが海軍は海軍で次期作戦計画(あ号作戦)の事もあったので3個航空隊(零戦2個隊・雷電1個隊)を送り込み、陸軍は5個飛行戦隊(第一、第五、第九、第四七、第八五)を送り込みそれぞれラバウル防衛の任を担う事になる。

 他にもポートモレスビーからも撤退を開始しておりその撤退部隊はマリアナ、フィリピン方面に再配備されるのであった。

 そしてそれらと平行するようにギルバート・マーシャル諸島からも撤退を開始しており撤退がバレないよう擬装を施してからの撤退が開始されていた。ギルバート・マーシャル諸島からの撤退部隊はマリアナ方面に再配備されサイパン、グアム、テニアン島等に配備されるのであった。

 その一方でマリアナ諸島のサイパン、テニアン島、グアム島の三島を中心に陣地構築を展開し陸軍も第31軍を創設させていた。更にはヤップ島も航空基地の拡充を急がせていた。

 

 

 第31軍

 司令官 小畑中将

 所属部隊

 第13師団(サイパン島)

 第29師団(グアム島)

 第36師団(グアム島)

 第43師団(サイパン島)

 第52師団(トラック諸島)

 

 7個独立混成旅団

 テニアン島(2個)

 サイパン島(2個)

 グアム島(2個)

 トラック諸島(1個)

 

 戦車第9連隊(サイパン島)

 戦車第12連隊(グアム島)

 戦車第13連隊(テニアン島)

 独立戦車3個中隊(それぞれ各三島に配備)

 

 無論、これらの輸送も清が担当しており作戦名『松輸送』としており上記の部隊の他にもブルドーザー等を装備した工兵隊が多数派遣されており来年の完成を目指すのである。

 

「張り切るのは良いけど……体調は大丈夫か?」

「んー? まぁ大丈夫だ」

 

 2月10日、横須賀鎮守府の一角にある海上護衛総隊司令部では面会に来ていた将和は目にクマが出来ていた清に尋ねるが清は苦笑する。

 

「俺が頑張れるのはこういう時くらいだからな」

「……無理はすんなよ」

「あたぼうよ」

 

 バリバリと煎餅を食べる清に将和はそう言うのである。そして退出後に廊下を歩いていると参謀長の井上と出会した。井上は軽く会釈をするだけだったが将和は口を開いた。

 

「清の体調、見てやってくれよな」

「……本人がAreYouokayと言うのならNOproblemでしょう」

「……………………」

「では」

 

 そう言って歩き出す井上の背中を見る将和であった。そして数日後、政務中に清が過労で倒れるのである。そこで参謀長の井上が代理で上番をするがその量の多さに驚愕していた。

 

(何て量なの……ッ。長谷川長官はEveryday、この量をこなしていたというの!?)

 

 井上は清の能力に漸く気付いたのである。井上が見抜けなかったのも仕事は他の参謀にも振り分けていたのであるが実際には少数程度の量であり殆どは清が担っていたのである。なお、清が言うには「彼女達の負担をかけさせたくない」との事。

 だからこそ、それを見抜けなかった井上は自身を恥じた。

 

(いえ……私はあの人を何処かでDespiseしていたのね……)

 

 仕事を何とか終わらせた後、井上は清の病室に行くと清は寝かされていた。そのうち仕事をするかもしれないと医師が判断したので寝かされているというより眠らされていた。

 

(ほんと……馬鹿ね……)

 

 そう思う井上であった。それから清が復帰してからは井上も参謀長としての業務を本格的に行うようになるのであった。

 

 

 

 

 

 

 光文18年4月1日、将和の第一航空艦隊は第一機動艦隊へと名称を変更した。それに伴い艦艇も増強したりと編成を変更したりもした。そして新編された第一機動艦隊の空母部隊は瀬戸内で発着艦訓練や編隊飛行訓練、対艦攻撃訓練を行っていた。

 また母艦飛行隊も空地分離方式になり601空、602空、603空、652空、653空等が発足されていた。

 

「ん。皆の腕も良いようだな」

 

 『加賀』の防空指揮所で将和は上空を見ていた。

 

「何とか大切に育てないとな」

「その通りだね。それで決戦場所はやはり……」

「あぁ……第一段階としての決戦場所はマリアナだ」

 

 たまたま視察に来ていた峰の言葉に将和はそう答えたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一機動艦隊

 司令長官 三好将和大将

 参謀長 宇垣束少将

 旗艦『加賀』

 

 第一航空戦隊(601空)

 『加賀』『翔鶴』『瑞鶴』『鳳鶴』(『ホーネット』)

 第二航空戦隊(602空)

 『蒼龍』『飛龍』『雷龍』(『ヴィクトリアス』)

 第三航空戦隊(603空)

 『赤城』『土佐』『蓬莱』(『サラトガ』)

 第五航空戦隊(652空)

 『雲龍』『天城』『葛城』

 第六航空戦隊(653空)

 『笠置』『阿蘇』『生駒』

 第七航空戦隊(654空)

 『飛鷹』『隼鷹』

 第一防空戦隊

 『千歳』『千代田』『龍驤』

 第三戦隊

 『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』

 第五戦隊

 『妙高』『羽黒』

 第七戦隊

 『最上』『三隈』『鈴谷』『熊野』

 第八戦隊

 『利根』『筑摩』

 第十一戦隊

 『駿河』『筑波』

 第一護衛戦隊

 『五十鈴』『名取』『九頭竜』(『アトランタ』)

 第六十一駆逐隊

 『秋月』『照月』『涼月』『初月』

 第六十二駆逐隊

 『新月』『若月』『霜月』『冬月』

 第六十三駆逐隊

 『春月』『宵月』『夏月』『満月』

 第六十四駆逐隊

 『花月』『清月』『大月』『葉月』

 第十戦隊

 『阿賀野』『長良』

 第四駆逐隊

 『野分』『嵐』『萩風』『舞風』

 第十駆逐隊

 『秋雲』『風雲』『巻雲』『夕雲』

 第十七駆逐隊

 『浜風』『磯風』『浦風』『谷風』

 

 

 

 

 

 




御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。