『三好in山本五十子の決断』リメイク   作:零戦

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第四十一話 人事発令と艦隊編成

 

 

 

 

 

 

「どうすっかなぁ……」

 

 将和は水交社の自室にて人事発令の命令書を作成していたが、艦隊司令官を誰にするか悩んでいた。将和は五十子と協議をしてGF司令部を乙巡『大淀』に移動し通信指揮艦の役割を担ってもらうつもりだった。それによりGF直卒隊をも前線に組み込む事にも成功していたのだ。

 しかし………。

 

(全体の艦隊司令長官……仮称連合機動艦隊か。それは俺か五十子だが、五十子は戦術には疎いし結局は俺だわな……そうなると空母部隊と戦艦部隊に分ける必要があるが……)

 

 戦艦部隊は決まっていた。これまでの戦歴から宇垣が適任だった。それに最近はヴィンランド海軍で今は観戦武官という形で監視しているサタリー・パイ中将と仲が良い。サタリーは開戦前から大艦巨砲主義者なので宇垣ともウマが合ったのだ。

 だが肝心の空母部隊はまだ決まってはいなかった。いや、候補はいた。智里に楠木、そして峰だ。

 

(それに基地航空の一航艦もいる……一航艦もとなると皆をその背中で引っ張られる奴になるが……)

 

 将和はそこまで思い、一人の人物を思い浮かべる。

 

「……やはり智里しかいない……か……」

 

 将和は溜め息を吐いた。智里もマリアナには意気込んでいたし水を差したいわけでない。が、将和も将でありやってもらうしかないと判断したのだ。

 兎も角、将和は直ぐに陸海の連絡会議に参加して水交社に泊まっていた智里を呼んだ。

 

「どうしたんだい将和?」

 

 今は仕事では無いので2人きりの時は名前を呼ぶ智里である。将和は申し訳なさそうな表情をしつつも口を開いた。

 

「実はな………」

 

 

 

 

 

 

「何だ、そんな事か。私は基地航空で構わないよ」

「……アッサリと言うけど……良いのか?」

「あぁ良いよ、そりゃ私だって思うところはある。けど……葦原が勝つ為、ヴィンランドに負けない為なら私はやるさ」

「そうか……」

「そういう事だ。ただ、強いて言うなら……『エンガノ岬』は任せてくれ」

「……ッ……ククッ、そうさせてもらうよ」

 

 智里の言葉に将和は苦笑する。日本海軍最後の機動部隊が散った海域は負けないと宣言するに等しい言葉を言う智里である。そして話は終わったとばかりに智里は将和の肩にしなだれかかる。

 

「話は終わった……だろ?」

「……全く……」

 

 将和は苦笑しつつも智里に軽くキスをする。夜戦の準備宜しとなったとばかりに智里は寝間着の紐を緩めて将和を押し倒す。

 なおその日、智里と夜戦をしていたところに勘で嗅ぎつけた峰と嶋野も加わった事は言うまでもなかった。(宇垣とサタリーは呉)

 ちなみに五十子も将和と同等の案を編成し智里を機動部隊司令官にしようとしたが、特務参謀になった洋平は反対した。

 

「駄目だ五十子さん。一時の感情でそういった人事はやっちゃ駄目だ」

「で、でも洋平君……」

「史実でもミッドウェイ海戦後に南雲中将と草鹿少将が山本長官に仇討ちを希望してそのまま第三艦隊の司令長官と参謀長に横滑りをしているんだ。山本長官は感情に流されやすいらしい。五十子さんはそうとは限らないとは思うけど、それでもやっては駄目だと思うよ」

「洋平君……うん、ごめんなさい。もうそういった事はしないよ」

「うん」

 

 なお、渡辺戦務参謀によれば五十子と洋平のその後はイチャイチャしていたらしい。

 そして4月1日、葦原海軍は人事発令と艦隊編成を行う事になる。なお、トラック諸島防空戦で第58任務部隊の航空戦力を消耗させていた事もあり史実における2月23日のマリアナ諸島空襲や古賀峯一大将が遭難殉職となる海軍乙事件になる3月30日からのパラオ大空襲は存在しておらずパラオの基地機能は未だ損耗していなかったが葦原海軍は撤退を比島に向けて開始していた。

 それはさておき、人事発令だが先のトラック諸島防空戦で将和に難癖を付けていた神大佐等の佐官10数名は海南島等の僻地に左遷させられた。海軍大臣となっていた米内の「陛下に睨まれたらねぇ……?」という言葉が噂で飛び交い(米内側のデマ情報)神大佐達に同調しようとしていた他の佐官や尉官達は恐れをなして何も言わなくなるのである。

 そしてGFは再編成を行い、GF司令部は旗艦を乙巡『大淀』に変更し横須賀の吾妻島沖に投錨し通信指揮艦としたのである。この通信指揮艦は他にも水上機母艦『秋津洲』や潜水母艦『迅鯨』『長鯨』が担い、台湾や沖縄、シンガポール等に停泊し通信機能を強化させるのが狙いだった。これは史実におけるレイテ沖海戦の『ヤキ1カ電』等を防ぐ狙いもあったのだ。

 艦隊編成では連合機動艦隊を編成しその司令長官には将和が就任した。戦艦部隊には宇垣中将が就任し機動艦隊には楠木と峰が就任したのである。

 

 

 

 

 

 連合機動艦隊

 司令長官 三好将和大将

 旗艦『大和』

 

 第一機動艦隊

 司令長官 楠木多恵中将

 参謀長 古村芳美少将

 旗艦『大鳳』

 第一航空戦隊

 『大鳳』『翔鶴』『瑞鶴』

 第三航空戦隊

 『神鶴』(元『エンタープライズ』)『鳳鶴』(元『ホーネット』)

 第五航空戦隊

 『雲龍』『天城』『葛城』『笠置』

 第一防空戦隊

 『祥鳳』『瑞鳳』『龍鳳』

 第三戦隊

 『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』

 第八戦隊

 『利根』『筑摩』

 第一護衛戦隊

 『五十鈴』『鈴鹿』『名取』『由良』『九頭竜』(元『アトランタ』)

 第十駆逐隊

 『秋雲』『夕雲』『巻雲』『風雲』

 第十七駆逐隊

 『浦風』『磯風』『浜風』『谷風』

 第六十一駆逐隊

 『秋月』『照月』『涼月』『初月』

 第六十二駆逐隊

 『新月』『若月』『霜月』『冬月』

 第六十三駆逐隊

 『春月』『宵月』『夏月』『満月』

 

 

 

 

 第二機動艦隊

 司令長官 草鹿峰中将

 参謀長 山田節子中将

 旗艦『加賀』

 第二航空戦隊

 『加賀』『赤城』『土佐』『蓬莱』

 第四航空戦隊

 『伊勢』『日向』

 第六航空戦隊

 『阿蘇』『生駒』

 第二防空戦隊

 『龍驤』『千歳』『千代田』

 第六戦隊

 『青葉』『衣笠』『古鷹』『加古』

 第十一戦隊

 『扶桑』『山城』

 第二護衛戦隊

 『香取』『鹿島』『長良』『阿武隈』

 第十二駆逐隊

 『叢雲』『東雲』『薄雲』『白雲』

 第二十一駆逐隊

 『初春』『子日』『初霜』『若葉』

 第四十一駆逐隊

 『花月』『清月』『大月』『葉月』

 第四十二駆逐隊

 『山月』『浦月』『青雲』『紅雲』

 第四十三駆逐隊

 『春雲』『天雲』『八重雲』『冬雲』

 

 

 

 

 第一艦隊

 司令長官 宇垣束中将

 参謀長 松田千秋少将

 旗艦『大和』

 第一戦隊

 『大和』『武蔵』『出雲』

 第二戦隊

 『長門』『陸奥』『肥前』『近江』

 第五戦隊

 『妙高』『那智』『足柄』『羽黒』

 第十二戦隊

 『八雲』『和泉』

 第三防空戦隊

 『隼鷹』『飛鷹』

 第九戦隊

 『北上』『大井』『木曾』

 第一水雷戦隊

 『阿賀野』

 第六駆逐隊

 『暁』『響』『雷』『電』

 第二十四駆逐隊

 『海風』『山風』『江風』『涼風』

 第二十七駆逐隊

 『有明』『夕暮』『白露』『時雨』

 第三水雷戦隊

 『矢矧』

 第二駆逐隊

 『村雨』『夕立』『春雨』『五月雨』

 第四駆逐隊

 『萩風』『嵐』『野分』『舞風』

 第十八駆逐隊

 『陽炎』『不知火』『霞』『霰』

 

 

 

 第二艦隊

 司令長官 近藤伊佐見中将

 参謀長 南雲汐里中将

 旗艦『愛宕』

 第四戦隊

 『高雄』『愛宕』『摩耶』『鳥海』

 第七戦隊

 『最上』『三隈』『鈴谷』『熊野』

 第十三戦隊

 『石狩』(元『ヒューストン』)『天塩』(元『ボイシ』)『天神』(元『パース』)

 第二水雷戦隊

 『能代』

 第十五駆逐隊

 『黒潮』『親潮』『早潮』『夏潮』

 第十六駆逐隊

 『初風』『雪風』『天津風』『時津風』

 第三十一駆逐隊

 『長波』『巻波』『高波』『大波』

 第四水雷戦隊

 『酒匂』

 第三十二駆逐隊

 『鈴波』『藤波』『早波』『清波』

 第三十四駆逐隊

 『浜波』『沖波』『岸波』『玉波』 

 第三十六駆逐隊

 『早霜』『秋霜』『清霜』『妙風』

 

 

 

 第一航空艦隊(基地航空艦隊)

 司令長官 小澤智里中将

 参謀長 角田斗角中将

 司令部 ヤップ島

 第二二航空戦隊

 【第151空 第202空 第251空 第252空 第253空 第301空 第503空 第551空 第552空 第802空 第755空 東カロリン空】

 第二六航空戦隊

 【第153空 第201空 第204空 第341空 第501空 第503空 第582空】

 第六一航空戦隊

 【第121空 第261空 第263空 第265空 第321空 第343空 第523空 第761空 第1021空】

 第六二航空戦隊

 【第141空 第221空 第265空 第322空 第345空 第361空 第522空 第524空 第762空】

 

 

 

 

 

(この布陣で迎え撃つか……)

 

 取り敢えずの編成は終わらせた将和である。お茶を飲みつつ将和は嶋野に視線を向ける。

 

「『イ号』の配備はどうなっている?」

「はい、ヤップ島に配備して野中少佐以下の部隊が訓練をしていますわ」

「ん。まぁ転移時から研究してれば取り敢えずは何とかなるか……」

 

 嶋野の言葉に将和は納得しつつお茶を飲むのである。

 

 

 

 

 

 

 

 




信じられるか?この艦隊が沖縄で……
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m
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