『三好in山本五十子の決断』リメイク   作:零戦

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第四十六話 捷号作戦

 

 

 

 

 

 

 葦原海軍は元より葦原陸軍も次の戦場がフィリピンになると想定し、その準備段階に移行した。パラオ諸島に配備されていた第14師団等はフィリピン方面に再配置される事になる。

 フィリピン方面に関しては南方軍総司令官の寺内元帥陸軍大将の管轄であったが寺内は第14方面軍司令官の山下奉文大将にフィリピン方面は任せる事にしたのである。

 

「儂が色々とややこしくなる可能性がある。それなら山下に任せるのが良い」

 

 参謀達からの問いにそう答える寺内元帥陸軍大将であるがそれは間違っていなかった。寺内からフィリピンの全権を委任された山下はルソン決戦を固め、レイテ決戦は放棄されレイテ島は遅滞戦術(ゲリラ戦)を展開する事になる。

 

 

 第14方面軍

 司令官 山下奉文大将

 参謀長 武藤章中将

 参謀副長 宇都宮直賢少将

 所属部隊

 第35軍(ミンダナオ島)

 第14師団

 第16師団

 第100師団

 第102師団

 独立混成第54旅団

 

 第41軍(ルソン島)

 第一師団

 第八師団

 第十師団

 第19師団

 第23師団

 第26師団

 

 方面軍直卒

 第103師団

 第105師団

 戦車第二師団

 第四飛行師団

 第68旅団

 独立混成第55旅団

 独立混成第58旅団

 

 砲兵部隊

 野戦重砲第12連隊

 3個独立重砲兵大隊

 7個独立速射砲大隊

 3個独立機関銃大隊

 4個中迫砲大隊

 8個迫撃砲大隊

 

 他史実部隊多数

 

 

 

 しかしながら、陸軍もまだ戦力は足りないと判断しており大陸から撤退を開始した支那派遣軍から幾つかの師団や旅団を引き抜き、第14方面軍に充てるつもりであった。また、山下は持久戦になる事は想定しており糧食の備蓄を最優先としていた。

 

「増援に関しては支那派遣軍から来ます」

「岡村さんには申し訳ないがな……それでもフィリピンは葦美の天王山になる」

 

 マニラの第14方面軍司令部で山下大将と武藤参謀長はそう話していた。なお、支那派遣軍から増援としてくるのは第27師団と第34師団、独立混成第17旅団、独立混成第22旅団であった。さて、此処で支那派遣軍と出てくるが史実であれば盧溝橋事件から支那事変と発展してくる。

 しかしながら、盧溝橋事件は発生しても局地的に収めており少なくとも派遣軍ではなく支那駐屯軍であり天津で基本的に駐屯していた。

 風向きが変わってきたのは伴天連歴1944年7月であった。ヴィンランドからの大量な兵器供給を受けていた中華民主国軍は軍の近代化に成功。少なくとも16個師団と5個航空隊の近代化に成功しており、その矛先は天津に駐屯する葦原陸軍に向けられたのである。

 7月7日、中華民主国軍は天津に侵攻を開始したのである。無論支那駐屯軍は反撃を開始、満州からも増援として3個師団が国境線を越えたのである。

 

「蔣介石め、余計な事を……」

 

 マリアナ沖海戦後に内地に戻った将和はその報告を聞いて思わず天を仰いだのである。現在の大陸は守勢としているが中華民主国軍の勢いはあり、陸軍も太平洋に回す筈だった飛行師団や師団等を大陸に回す羽目になるのであった。それでも何とか遣り繰りをしてフィリピンに増援を出すのである。

 そして陸軍がフィリピン戦の準備をする中、葦原海軍も準備をしていたのは例外ではない。彼女達も決戦に供えていたのだ。

 

「今回のフィリピン戦は……敵上陸船団を撃滅する事にある」

 

 日吉のGF司令部にて将和は集まった五十子達にそう説明をする。

 

「敵上陸船団……確か史実の日本海軍も……」

「そうだ。攻撃目標は敵上陸船団であり、空母を囮にして戦艦を突っ込ませた。だが、作戦は色々あって失敗した。我々は失敗させない」

「つまり……我々も空母を囮にして戦艦をレイテ湾に突撃させると?」

「その通りだ」

 

 智里の言葉に将和は頷き、フィリピン方面の海図に指示棒を指す。

 

「艦隊は3個艦隊とする。一つは機動部隊、一つは戦艦部隊、一つは更に分派した戦艦部隊だ。機動部隊は内地からフィリピンに南下し、ハルゼイの機動部隊を釣り上げる。その間に2個戦艦部隊がレイテ湾に突撃する。簡単な事だ」

「……成る程、確かに簡単だね。レイテ湾に辿り着けるかは簡単では無いけどね」

 

 将和の言葉に峰は苦笑する。そして将和は艦隊編成表を全員に配布する。

 

 

 

 

 第一遊撃部隊(サマール島方面からレイテ湾へ)

 司令長官 宇垣束中将

 参謀長 松田千秋少将

 旗艦『大和』

 第一戦隊第一小隊

 『大和』『武蔵』

 第二戦隊

 『長門』『陸奥』

 第五戦隊

 『妙高』『那智』『足柄』『羽黒』

 第十二戦隊

 『八雲』『和泉』

 第三防空戦隊

 『隼鷹』『飛鷹』『龍驤』

 第九戦隊

 『北上』『大井』『木曾』

 第一水雷戦隊

 『阿賀野』

 第六駆逐隊

 『暁』『響』『雷』『電』

 第二十四駆逐隊

 『海風』『山風』『江風』『涼風』

 第二十七駆逐隊

 『有明』『夕暮』『白露』『時雨』

 第三水雷戦隊

 『矢矧』

 第二駆逐隊

 『村雨』『夕立』『春雨』『五月雨』

 第四駆逐隊

 『萩風』『嵐』『野分』『舞風』

 第十八駆逐隊

 『陽炎』『不知火』『霞』『霰』

 

 第二部隊(第一遊撃部隊と同じく)

 司令長官 近藤伊佐見中将

 参謀長 南雲汐里中将

 旗艦『愛宕』

 第四戦隊

 『高雄』『愛宕』『摩耶』『鳥海』

 第七戦隊

 『最上』『三隈』『鈴谷』『熊野』

 第十三戦隊

 『石狩』(元『ヒューストン』)『天塩』(元『ボイシ』)『天神』(元『パース』)

 第二水雷戦隊

 『能代』

 第十五駆逐隊

 『黒潮』『親潮』『早潮』『夏潮』

 第十六駆逐隊

 『初風』『雪風』『天津風』『時津風』

 第四水雷戦隊

 『酒匂』

 第三十二駆逐隊

 『鈴波』『藤波』『早波』『清波』

 第三十四駆逐隊

 『浜波』『沖波』『岸波』『玉波』 

 

 第三部隊(スリガオ海峡からレイテ湾へ)

 司令長官 三好将和大将

 旗艦『出雲』

 第一戦隊第二小隊

 『出雲』

 第二戦隊第二小隊

 『肥前』『近江』

 第四航空戦隊

 『伊勢』『日向』

 第六戦隊

 『青葉』『衣笠』『古鷹』『加古』

 第十一戦隊

 『扶桑』『山城』

 第十五戦隊

 『黒部』(元『ホノルル』)『川内』『神通』『那珂』

 第六水雷戦隊

 『鳴瀬』(元『セントルイス』)

 第三十一駆逐隊

 『長波』『巻波』『高波』『大波』

 第三十六駆逐隊

 『早霜』『秋霜』『清霜』『妙風』

 第七水雷戦隊

 『吉野』(元『フェニックス』)

 第十二駆逐隊

 『叢雲』『東雲』『薄雲』『白雲』

 第三十七駆逐隊

 『清風』『村風』『里風』『山霧』

 

 

 第一機動艦隊(内地からフィリピン沖へ)

 司令長官 小澤智里中将

 参謀長 古村芳美少将

 旗艦『瑞鶴』

 第一航空戦隊

 『大鳳』『翔鶴』『瑞鶴』

 第三航空戦隊

 『神鶴』(元『エンタープライズ』)『鳳鶴』(元『ホーネット』)

 第五航空戦隊

 『雲龍』『天城』『葛城』『笠置』

 第一防空戦隊

 『祥鳳』『瑞鳳』『龍鳳』

 第二防空戦隊

 『千歳』『千代田』

 第三戦隊

 『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』

 第八戦隊

 『利根』『筑摩』

 第一護衛戦隊

 『五十鈴』『鈴鹿』『名取』『由良』『九頭竜』(元『アトランタ』)

 第十駆逐隊

 『秋雲』『夕雲』『巻雲』『風雲』

 第十七駆逐隊

 『浦風』『磯風』『浜風』『谷風』

 第六十一駆逐隊

 『秋月』『照月』『涼月』『初月』

 第六十二駆逐隊

 『新月』『若月』『霜月』『冬月』

 第六十三駆逐隊

 『春月』『宵月』『夏月』『満月』

 第二護衛戦隊

 『香取』『鹿島』『長良』『阿武隈』

 第二十一駆逐隊

 『初春』『子日』『初霜』『若葉』

 第四十一駆逐隊

 『花月』『清月』『大月』『葉月』

 第四十二駆逐隊

 『山月』『浦月』『青雲』『紅雲』

 第四十三駆逐隊

 『春雲』『天雲』『八重雲』『冬雲』

 

 

 内地錬成部隊

 第二機動艦隊

 司令長官 楠木多恵中将

 参謀長 草鹿峰中将

 旗艦『加賀』

 第二航空戦隊

 『加賀』『赤城』『土佐』『蓬莱』

 第六航空戦隊

 『阿蘇』『生駒』

 

 

 

「三好長官、ボク達は置いてけぼりかい?」

 

 編成表を見た峰は将和を見る。その目はしょうもない理由なら許さないと書いてあり、それは隣にいる楠木も同じであった。

 

「簡単な事だ。次の海戦が葦原が勝つか負けるかで決まる。それまでに母艦航空隊のパイロットを育成してもらいたいからだ」

「ッ」

「……フィリピンでは和平は決まらない……というわけだね?」

「あぁ、フィリピンの次は沖縄と予想している」

「ッ。成る程、ルーシ連邦ですね」

「お、正解だ偉いぞ洋平、100万年無税」

「それは伏見の農民にして下さい」

「何の話かな?」

「気にするな。まだ俺は呼ばれていないからな」

「??」

「まぁ話を戻すとだ。俺の中で最終決戦は沖縄としている。だからこそパイロット育成の為に智里と楠木は残す」

「……沖縄で決着つかなければ?」

「……………………」

 

 洋平の言葉に将和は一瞬、口を噤んだがゆっくりと口を開いた。

 

「……葦原に太陽が落ちる」

「ッ!?」

 

 将和の言葉に洋平は眼を見開く。葦原は空襲らしい空襲を受けていなかったがそれでもヴィンランドは太陽——核開発を進めていたのだ。

 

「太陽が落ちる前に決着をつける。いやつける。まぁ……沖縄で決着がつかなければ一つ案はあるが……今は言うべきじゃないな」

 

 将和はそう言いながらお茶を啜る。そう、将和はまだそれは言うべきではないと判断していた。

 

「話はズレたが……それが俺の見解だ峰」

「……仕方ない。一先ずはそれで満足しよう。だが長官……生きて帰れよ?」

「無論だ」

 

 峰の言葉に将和は頷くのであった。

 

 

 

 

 

 




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