あらすじなど考えていなかったから酷い文だ…
紙に飛び散った赤がまるで彼岸花のように見えたあの日のこと。あなたが首を切って死んだあの日のことを未だに覚えています。耳元で飛ぶ蝿のように煩わしいと思うほどに脳みそにこびりついて離れない、あの日の記憶です。
あの日はとても暑い夏の日でした。少し先が歪んでみえ、蝉がジワジワと鳴いている。僕と穹くんは明確に何処に行くという訳でもなく2人で死に場所を探していました。始めは穹くんでした。「もう耐えられないんだ。どこか遠いところに行って死のうと思う。」と泣いているのか、雨に濡れているのか分からないほどびしょ濡れになり、言っていました。それに僕はなんと返したのかもうあまり正確なことは覚えていませんが、ただ「穹くんがそうなら僕も死にます一緒に死にましょう」のような事を返したんだと思います。
それから僕たちは有り金をありたけにつめた財布をもっていろいろなところに巡りました。綺麗な花畑、海、山もいいかもしれないと言って2人でキャラキャラと笑い合いながら歩きあったことを覚えています。
海でわらったあなたの笑顔が、花畑で花かんむりを作っていたあなたが、山で木に登って笑ったあなたが僕の脳みそに五寸釘を打ち付けられたように離れない。そんな楽しい日々を、何ヶ月続けたのか。もう思い出せない。
そしてあの日にたどり着いてしまった、あの暑い夏の日、少し先が歪んで見える日、蝉がジワジワと鳴く日。あの日は僕が珍しく早く起きた日でした。なんだか、悪い予感がして、背中に冷たい指をツゥと滑らせたような悪寒があったのです。
僕が「穹くん、穹くん」と何度呼んでもいつもの元気な声は聞こえなくて、嫌な予感がした僕は半ばパニックになりながら探し回っていました。
そして見つけてしまったのです、首を小さな果物ナイフで切り、幸せそうな顔で眠る僕の可愛い恋人の姿が。僕は何が何なのか全く分からなくて、するべきだったことも出来ず、穹くんが書いていたのだろう遺書を見つめていました。その遺書には首を切った時にできたであろう血の後が残っていたこと、それが彼岸花にみえたこと、内容、全てを覚えています。内容は僕に対してのありがとうということ、楽しかった思い出、それと穹くんはどうしても後追いをして欲しくなかったようで何度も何度も後追いはするな、という節の文章を書いていました。だから、僕は今も死ねずにのうのうとあの人を想いながら懺悔を続け、記録を書くのです。