異世界に転生してドラクエ魔法で無双することを願った男は、なぜか前世と変わらない世界に転生していた。それもちょっと昔に。

しかしちょっぴり、前世とは世界の様子が違うようだ。
ドラクエ魔法で呪霊を木っ端微塵だァ!

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I

 

 

 

「ドラクエの魔法で異世界無双したい!!」

「ok」

 

 

で、俺が生まれたわけ。

 

そんなわけでドラクエの魔法が使えるようになったのに転生したのが前世と何も変わらない世界な件について。

魔法は?剣は?ファンタジーは?ダンジョンはどこですか??

俺、神様にドラクエ能力で無双できる世界に転生させてくださいってお願いしたはずなんだけど!

何にも変わらねぇ現実世界じゃねぇか!魔法使えるのバレたら一発で研究所に強制ルーラじゃねぇか!!

どうやって無双しろって言うんだよ!!!

そもそも16歳くらいの年齢でって言ったのに、なんで!俺は赤ん坊なんだぁ!?

 

「どーちたの(てん)ちゃん?どうちたんでちゅか?おむつでちゅか〜?」

 

今世の名は甘宮天(あやまみやてん)です!どうぞよろしく!

さっそくこれからお決まりの赤ちゃんロールプレイ開始ですかぁ!?

 

 

 

 

──────☆

 

 

 

 

はい6年後!

 

時間飛ばしすぎだって?いやいや、幼稚園や保育園で俺と同じような知恵を持ってる天才少女との出会いも、この世界には隠された秘密が!って展開も無かった。

まあ前世と少し違うのは俺にしか見えない化物がいるぐらい。

半年くらい前から見え始めたその化物は、見た目がグロテスクでドラクエのモンスターとは程遠いけど倒すとレベルが上がる化物。

多分だけど神様がレベル上げする為に俺専用で用意してくれたモノなのだろう、多分ね。

化物共は稀に強いやつも混ざってるけど基本的にメラで木っ端微塵にできるから問題ない。

最下位魔法のメラですらメラゾーマ級の規模って調整ミスだと思いますよ神様。

 

それより問題なのは生まれた時代が前世よりも少し昔って事だ!スマホが無い!プ○ステ5もSwit○hも!ちくしょう!

あと4歳の夏から両親が仕事の関係で2人揃って海外に転勤した。その影響で俺は東京から新潟の辺境に住んでる祖父母のところにぶち込まれた。

 

まあ両親が多忙なのに加えて俺が転生人間で早熟してる事もあって放任気味だったし俺の生活に何も変わりがない。

最初は嫌と言うほど可愛がられたけど父と母は次第に仕事の忙しさに押されて俺が一歳を迎える頃にはベビーシッターに任せっきりで、週に数回顔を見にくるぐらいだった。

まあ前世が齢25で何年も赤ちゃんロールプレイするのは無理だったから良かったよ。大人しすぎてベビーシッターさんには少し気味悪がられたけど。

 

そんなこんなで6歳!

小学一年生です!頭空っぽのウ○コとチ○コしか言わねぇガキしかいねぇ!くそ楽しいぜ!

小学校は適当に頭空っぽにして過ごしつつ終わったら即帰宅して、田舎特有の誰も寄りつかない森の中で魔法の練習。基本的に毎日がその繰り返しだ。

まあ練習といっても神様転生のご都合主義で魔法は自由自在に操れるし、魔力はほぼ底なし。

前にどれだけ魔力があるのか、どれだけの範囲の魔法を放てるのか確認したくていつもより多めに魔力を込めてメラを放ったら俺の頭上に山よりでかい火の玉が出たのは悪い思い出。すぐに消したけど地元新聞で怪奇現象として一面を飾りました。

まさか俺が『これはメラゾーマでは無い……メラだ』をやる日が来るとは思いもしなかった。

これが異世界だったら楽しかっただろうなぁ。

あれ?俺また何かやっちゃいました?なんて言って、巨乳の高飛車なエルフのお姉さんを惚れさせてイチャコラできたんだろうなぁ。羨ましいなその世界線の俺。

 

「ってもう日が暮れてきたから帰らねぇと」

 

1人で色々考えてると時間が経つのが早い。若くなってもそれは同じだな。

ぱぱっとルーラで祖父母の家に帰宅………と思ったけど予定変更。

 

「今日のはちょっと強そうだな」

 

いつから居たのか知らないけど俺の背後に佇んでる人型のモンスター。

ピクリとも動きはしないけど、明らかに俺に敵意を向けてきてる。それも殺意マシマシのヤツ。

 

「人型って事は喋れたりする?」

『………◆■■■』

 

何言ってんのか全くわからん。俺の言葉は通じたっぽい?よく良く考えればゲームでの中ボスモンスター達は喋ったりするもんな。

 

「仲間になってくれたりする?」

『◆ぃ……▼■…!』

「ん?」

『穢ラワシィ人ノ子……!』

 

なんか流暢に喋りだしたぞ?それも怒ってる感じだな。穢らわしい?俺の事か?何かやったっけ。

 

『我ガ山を脅かス者!!!万死!』

「うお!?」

 

人型モンスターが印を結んだ瞬間に、山が荒れた。

地面から鋭利な岩が飛び出し樹木の根が襲いかかってくる、空が荒れ雷が俺めがけて落ちてくる。

とんでもねぇなコイツ!?天候操作って中ボスのやる事じゃねぇよ!終盤ボスやんけ!てか我が山って事はこいつは……!

 

「この山の主か!?」

『万死!!』

「ちょっと話しを聞けよなぁ!?マホカンタ!」

 

降り注いでくる雷をマホカンタで跳ね返す。

本来マホカンタは魔法を反射する魔法だがこの世界で使うと飛び道具に類するものは全て跳ね返す仕様になっていた。ご都合主義万歳!

跳ね返した雷は当たったけど傷1つついてない!負けイベントかコレ!?

 

「俺はあんたの山を脅かさないし何もしてないっての!!」

『万死!死ノ炎で天を覆い山を脅かシ我ラ神々の山を穢そウとした行い万死に値スル!』

「死の炎!?そんなの………あ」

 

死の炎ってのは俺が実験で出した馬鹿でかいメラね!理解しました俺のせいですね、完全に自分のまいた種ですねこれは。

 

「お前神様かよ!?マジで悪気は無かった!実験だったんだよ!それにすぐ消しただろ!?許してくれよお!」

 

万死!!!

 

ダメだクソ怒ってる!話ができねぇ!

段々と技の規模もでかくなってきて山自体が動き出して俺を殺そうとしてるし、これは早々に決着付けないと町に被害が出る。

 

「完全に俺が悪いけど!このままやってると町まで被害が出そうだから……!」

 

大人しくしてもらおう。それに早く帰らないと爺ちゃんが心配する。あと腹減った!

こんだけ大規模な攻撃ができるモンスター、いや山の神。効くのはメラ系か?それともヒャド系?よく分からんから()()()()()()()()()()

 

「大人しくなってもらいますよ山神様!」

 

『!?』

 

右手にマヒャドを左手にメラゾーマをそれを融合させて放つ大魔法!

 

 

 

メドローア

 

『ガ──────

 

 

だいぶ魔力を絞って1点集中させたメドローアは山の神様を飲み込んだ。

 

「………」

ガッて言ってからどこいった?姿が見えないぞ山神様?

大丈夫だと思ってた、いや本当に。

だって山の神様だよ?あんだけ大規模な攻撃をしてきたヤツが俺の抑えた攻撃でくたばる筈が無い。そうだろ?そうだと言ってくれよ山神様。

 

「……スゥゥゥ」

 

いやいやいや!放つ前に魔力を抑えて、すんでのところでその半分に制限したんだぜ?確かにメラやらヒャドとかで様子見した方が良かっただろうけど、強敵なんて初めてだったんだよ!テンション上がるとデカい技出したくなるだろ!?

待てよ?そもそも元々は俺のレベリング用に用意されたモンスターの1種だろ?大丈夫に決まってる。山の神名乗ってたけど設定の話だよきっと。俺を転生させてくれた神がそういう面白味も追加してくれたんだよ。そうに違いない。

 

「あーもう知らねぇ!ルーラ!」

 

まあもし本物の神様でも、どうせ誰にも見られてないし大丈夫だろ!そもそも俺が山の神様殺しました!なんて話、馬鹿でも信じないって!

大丈夫だ。大丈夫だ問題ない。

 

 

 

 

 

──────☆

 

 

 

 

とある山に私が保管していた呪霊達を確認しに行った時の事だった。

そこは呪いがたまる事が無く呪術師達の手もあまり届いていない私の庭のひとつ。

今の私の身体では向かうのも面倒な場所にあるが保管している呪霊達の質は良く、放置して呪術師共に祓われるのは見過ごせない為にわざわざ向かった。

 

古ぼけた町は何も変わった事は無かった。だが、呪霊を保管していた山には異変が起きていた。

私の保管していた呪霊達は数匹の特級を残して全滅していた。

残っていた特級も保管していた場所の隅に縮こまり、特級の名を冠する呪霊とは思えない程にみすぼらしく脅えていた。

 

何が起こった?まさか呪術師に見つかったのか?いやそれは無い。

ここに保管していたのは特級の中でも上澄みだ。祓えるのであれば御三家が関わってくるだろう。

だがアレらが動いたという情報は届いて無い。なら何だ?何が起こった?

 

 

その私の疑問を打ち破ったのは私に降り注いだ莫大な呪力の圧だった。

かの両面宿儺を彷彿とさせる呪力の質と圧、突如として降ってかかったソレの元を確認するために外へ出た。

 

「ははは、やべぇな最下位魔法のメラですらこの大きさならメラゾーマはどうなるんだよ調整バグだろ」

 

そこには小さな男児が丈に見合わぬ業火を片手に宿して、笑っていた。

何百年と生きてきた私ですら近付く事を躊躇う程の呪力を身にまとい、自由自在に炎、氷、雷、あらゆるカタチに呪力を変えていく。

 

(素晴らしい)

 

これほどのモノがこんな辺境の地にあるとは思わなかった。それから私はしばらく彼の観察を続けた。

呪霊があらかた祓われた事なんてもう私の頭には無かった。目の前の男児に私は釘付けだった。

観れば観るほど、彼はあまりにも規格外だった。

彼が黒い衝撃波を放つと、辺りの動植物の全てが死んだ。

植物は枯れ落ち動物は炭となり跡形もなく消え、全てが朽ちて消滅して死の土地に早変わりした。

私は驚きで声が出なかった。だが、彼の規格外さはこの後だった。

次の瞬間、彼の手から光が溢れた。

その直後に彼がその光を放つと全てが生き返り、全てが戻った。

 

理解ができない。

あれほどの力は人間が持っていいモノでは無い。あまりにも規格外だ。

 

(だが……)

 

あの呪力が手に入れば、私の計画は完成に大きく近付くだろう。

両面宿儺を利用せずとも、五条の六眼を警戒せずとも私の夢にすぐに辿り着けるだろう。

 

(彼の戦いも見てみたい)

 

脅え縮こまっていた特級呪霊を彼に向かわせた。

結果は最初から決まっていたが、彼の両手から放たれた呪力はあまりにも強大で私は再び驚いた。

 

その後、彼はたかが呪霊を祓っただけなのに何やら苦悩していたが突如として、姿を消した。

瞬間移動の類も身につけているのか、ますます彼の力が欲しい。

この町にいるのは確かだ、今すぐに彼の身体が欲しい。だが今の私では叶わないだろう。

 

───今はまだ。

 

 

 




メロンパン野郎め

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