多分色んな人から怒られるだろうと思いますが、酔った調子で浮かんだネタをある程度形にしただけのものなので、どうかお手柔らかに…。



1 / 1
1

「貴様らの先祖は光線で死んでいったのだ、ここでもう一度ゲッター光線で滅ぶんだ、ト、トカゲ人間どもめ。」

 

ゲッターエネルギータンクを引きずり出し、握りつぶす。溜め込まれた高濃度のエネルギーは無慈悲にすべてを溶かし尽くす。適正のない武蔵にとってはもはや手遅れ。指や顔が溶け、骨が露出し、足が落ちる。

 

それでもまだ、このままでは。

仲間に託して死ぬには、まだ足りない。

死ぬのが怖いとか、体が痛くて泣きそうとか、そういうのはもうどうでもいいんだ。

あいつらならきっとどうにかなる。だから、俺は俺にできることをするんだ。

 

あたりの有り余るゲッター線のおかげで、辛うじて動くゲッター1。地面に落ちたトマホークを拾い上げ、一匹のメカザウルス目掛けて鈍い動きで進み出す。

何匹ものメカザウルスが道を塞ごうとするも、ゲッター線はどちらにも影響を及ぼしている。メカザウルスが機能停止するだけならまだいいだろう。内部ごとゲッター線に汚染されてどろどろになって溶けてゆくさまはホラーのようだ。片腕でトマホークを振るうだけで紙束のように地面に崩れ去ってゆく。

 

「…お前だけは、ゴール、お前だけは。

俺の道連れになって地獄に堕ちろぉ!」

 

メカザウルス目掛けて投げつけたトマホークの行く先を見終える前に、限界を迎えたゲッターと武蔵の体は爆発とともに消え去った。

 

 あのあと、あいつらはどうしただろうか。

ゲッターに適正のない俺が死んだところで、ゲッターロボの損失よりは大きくないだろう。

もう少しまともなやつが入れば、あいつらも苦労せずに済んだだろうか。

竜馬は、記憶を取り戻せただろうか。

隼人は暴走してねぇかな。

早乙女博士は…まぁどうでもいっか。

あの人がいりゃ多分俺居なくてもなんとかなるもんな。気にしないほうが気楽でいいわ。

 

死んじまってから考えても仕方ねぇことだと思うんだが、死んじまったらすることもねぇ。

飯を食いたくても食う口も空く腹もねぇ。

暇で暇で仕方ねぇんだ。

暇だとどうしても考えたくねぇことまで考えちまう。

一回死んで生まれ変わったときもこんなことしてたっけ。

あー、でも、ひげの爺だかやたらきれいな女だかわかんねぇのにもあったっけ…。

 

思いだせ…ねぇ…

ゲッター線で…とけ…

よう…終わり…。

なんかきこえ…?

 

巴武蔵。

巴武蔵にして、巴武蔵ならざるもの。

お前の人生もまた、新たなるゲッターロボの運命を導く一つのきっかけとなった。

ただ、お前にはまだやることがある。

 

本来巴武蔵は、ゴールを殺せなかった。

殺せてしまったことが、他の世界に余波を及ぼした。

新たなゲッターの可能性は、新たな世界を生むのだ。

 

行って来い、武蔵。

あと責任はちゃんと取るんだ、武蔵。

避妊はするんだぞ、武蔵。

 

やけに親切な自分によく似た声が、消えつつある武蔵の魂にほんの少し聞こえた。

 

 

 全くなんの責任を取れってんだ、と同僚に愚痴をこぼす。どんな偶然か、三度目の人生もまた巴武蔵。

とはいえあんなへんてこりんな格好をしているわけではなく、今回の自分は軍部にいるようだ。

腕っ節の強さ、将来の無鉄砲さ、そして生存能力の高さが幸いしてなのか災いなのかはわからないが、少佐まで上り詰めてしまった。どこぞの俺とは違って命令するより突撃してる方が気楽なんだが…。

 

縁というものは切っても切れないようで、この世界にはゲッター線もゲッターロボもあるらしい。なんせ早乙女研究所が普通にあった。

 

 なんなら流竜馬の話も聞いたことがある。

早乙女博士を殺した犯人として月面に追放されたとか。

実は隼人が裏切ったとか。

月面には放棄されたゲッターロボがあるとか…。

 

まぁ名前が同じだけの他人だ。

一介の軍人にゃあ関係のないことってわけでその方面に興味を持ったのはそれっきり。厄ネタに触れたくなかった、ってのもあるんだが。

 

 で、今。

すっげぇボロボロの服着たナイスバディの悪人顔が目の前にいるんだが、帰って良いんだろうか…。

誰かってのはわかるんだ、わかりたくねぇけど。

なんなら車で移動してたら真上から黒いゲッターみたいなもんが出てきた時点で二人くらいしか思いつかねぇよ!

 

よし逃げよう、本物の竜馬だろうがなんだろうが一応こいつ犯罪者みたいだし。どっかに通報しとくべ。なんか性別チゲぇけど。

 

と思ったら通信端末を目の前で握り潰された。

え、握り潰された?

こっわ、かおこっ…

 

「少しぐらい返事返せやこのタコ武蔵ぃ!」

との声とともに、宙を舞う俺。何なら五回くらい縦回転した気がする。多分蹴られたんだと思う。

 

「お前は誰だ!大人しく抵抗をやめるんだ!」

いや足震えてるぞ、同僚。さっさと逃げたほうがいいと思うんだ、俺は。

あのトカゲ人間よりも凄まじい悪人面だぞ、早いとこ逃げた方がいいって、まじに。

 

ちらりと推定竜馬はこちらを見て言い放つ。

「そこのデブの婚約者様だよ!」

「は?」

「将来を託された仲だぞ?これはもう婚約者ってことでいいだろうが!」

「はぁぁ?」

 

は?

いやもうなんだ。

なんだこれ。

麻雀ゲッター並みにわけわかんないぞ。

たしかに後は託し…

いやこいつ記憶引き継ぎ済みか…?

 

「ちょっとまて、そりゃ聞き捨てならねぇな。武蔵はお前には渡さねぇよ。」

なんか余計なのが増えた気がする!余計ってよりかは色んな意味でやばいのが!

 

「俺も託された側だ。つまり俺も婚約者ってわけだな!」

こんなアホな隼人は見とうなかった!

クールで暴力的なお前はどこいった!

お前もお前で妙にナイスバディなのがなお悲しいわ!

 

「裏切っといてなーにが託されただこのアバズレぇ!お前の性癖はボインちゃんってたろうが!」

「それはそれ、これはこれだ!あと武蔵は十分ボインちゃんだろうが!」

「それはそうだな!もっちりしてそうだもんな!だがテメーにはやらねぇ!ミチルさんもいるだろうが!」

 

 

俺等を無視して喧嘩始めるな!頼むから誰か収拾付けてくれぇ!

あとあの頃から俺をそんな目で見てたのか…?

こっわこいつらこっわ…。

 

これは2回も巴武蔵になった男の話。

ツッコミ気質になった武蔵の胃は保つのか。

色んな意味で仲間の目が怖いけど、がんばれ武蔵。

 




ゆるしてヒヤシンス

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。