煉黒宿す少女 作:光炎の大龍玉
「んじゃこの中で間違っている英文はどれだ? ……おらエヴィバディヘンズアップ! おめぇら盛り上がれーー!!」
((普通だ))
(くそつまんね)
(えーっと……4番、かな…?)
ヒーロー科っていうのはかなり忙しい。ヒーローになる為の授業はもちろん、普通科が受けるような授業もするものだから授業内容が濃い。昨日実くんに教えてもらわなかったらつまづいてしまってたと思う。
お昼休みになった途端、みんなはバラバラに教室を出る。
雄英は学食、弁当、購買と食事に関してもかなり自由なんだよね。私? 風邪でもひかないかぎり弁当以外ありえないかな。だって中学の時出来なかったことが出来るかもしれないんだもの。
「実くん、私の作ったお弁当食べる?」
「お、くれるのか? ならお言葉に甘えて……おぉ! オイラの好物だらけだ! トマトにモッツァレラチーズもある! ありがとな命波!!」
実くんの好きな物を色々詰め込んだお弁当は好評だった。実くんは魚とか野菜が好きなんだよね。チーズは……ふふっ♡
「あれ、箸はどこにあるんだ? …………命波?」
私は隠し持っていた箸を取り出して、お弁当に入ってるプチトマトを実くんの口元に運ぶ。
戸惑ってる実くんも可愛い♡ でもこれからが本命だから我慢我慢。
「実くん。あ、あーんして?」
「!?!? …あ、あーん……(これがやりたかったから箸無かったのかよ可愛すぎるだろぉぉぉぉぉ!? それなのに顔トマトみたいに赤くして恥じらってるとか反則ぅぅっ!! せっかくだから、オイラはこの口を開けるぜ!)」
凄く驚いてた実くんだけど、すぐに口を開けてくれた。私はその中にプチトマトを放り込んで実くんに咀嚼させる。
「……おいしい?」
「……おいしい」
……よし、次は本命のモッツァレラチーズ。私はさっきと同じように実くんの口元へ箸を近づけて、実くんが口を開いた瞬間に私がモッツァレラチーズを食べる。
「……命波? (はぁぁぁぁ!? ここで食べさせると見せかけるなんて反則だろぉぉ!? くそう、可愛すぎるッ!! ……ん? なんで命波はまだ口の中にチーズ入れてるんだ?)」
「んぐ、んぐ……」
私は口内の周囲だけ体液を活性化させ、モッツァレラチーズを溶かす。
いざやって見ると恥ずかしい。……ううん、やるって決めたからにはやるの! ……実くん、受け取って!!
「ん、ちゅっ……」
「ん……!?(………………はぁぁぁぁぁ!? キ、キスだけじゃなくて口移しだとおぉぉぉ!?)」
私は実くんの唇に口をつけ、溶けたモッツァレラチーズを実くんの口の中へ流し込む。
念の為実くんの後頭部に手を当てて、絶対に離れないようにする。
「ん……ぷは。……美味しかった?」
「……おう」
実くんは顔を赤くしたまま肯定してくれた。この後もたくさんあーんさせてもらった。
私としては大満足。でも何故かみんなブラックコーヒーを頼んでたけど……なんでだろう?
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午後はヒーロー科限定の授業が殆どで、今から行われるのはその中でも最も多い単位数のヒーロー基礎学の授業。
担当は確か─────
「わーたーしーがー!? 普通にドアから来たッ!!!」
「オールマイトだ!」
「あれはシルバーエイジのコスチュームね」
「画風が違くて鳥肌が……!」
No.1ヒーローのオールマイトだ。
勢いよく、それでいて優しくドアを開けた彼の登場に、私以外のクラスメイト全員が沸き立つ。普段は殆ど感情を表に出さない轟くんや、ことある事にキレたような態度ばかりの爆豪くんまで興奮を隠しきれていなかった。
グランの進行を唯一、一時的にとはいえ止めてみせた上澄みの中の上澄みの頂点に立つ、正しく最強のヒーロー……なんだけど、私はあんまりオールマイトが強いという実感が湧かない。
活躍をこの目で見ているエンデヴァーさんの方が、強いという実感を持ちやすいからなのかな……
「早速だが今日はコレ! 戦闘訓練ッ!!」
オールマイトは小さな…いや、オールマイトの体格的に大きな…? うーん、とりあえず間をとって普通サイズってことにしよう。バトルとアルファベットで書かれた普通サイズのプレートを掴みながら私達に見せてきた。
オールマイトが私達の要望通りに誂えられたコスチュームについて説明している中、グランがなにかに気がついて押し殺すように笑った。
……む? ほう……ククク…!!
《どうしたの? グラン》
なに、面白いものを見れたと思ってな……お前は気にしなくていい
私が聞こうとしてもグランがはぐらかしてきたけど、やっぱり気になる……けど、これは自分で突き止めろって事なんだろう……たぶん。
私は自分のコスチュームが入ったアタッシュケースを抱え、皆に続くようにして歩く。
コスチュームは……
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鎧系
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スーツ系
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キグルミ系