呪術縁起   作:生乾きの服

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31.交流会③

 

 京都高専視聴覚室。

 

 所狭しと並べられたモニター類に映るのは第2演習場の深緑の景色。

映像を撮っているのは森に放たれた烏たち。三度の飯よりも金が好きな守銭奴こと、1級呪術師の冥冥が操る式神である。

 

 そして部屋に屯する教員、見学の学生たち一同はそれら映像のうち一つに釘付けとなっていた。

 

 

 「祈本里香…!」

 

 

 楽巌寺が喉を鳴らす。

 次いで五条の方を向き、彼を物凄い形相で睨みつけた。

 

 

 「どったのお爺ちゃん。…あ、ゴメン。そんな風に熱視線送られてもそういう趣味はないんだよね、流石に」

 

 「この糞餓鬼が…。そして夜蛾ァ」

 

 「…はい」

 

 「里香の呪いはもうほとんど制御できておるなどと嘘八百並べ立ておって、アレを見てもそう言えるか?そうまでして乙骨を参加させたかったか」

 

 「い、いえ、そういう訳では…」

 

 「ではどういうわけだ」

 

 

 楽巌寺に憤怒の形相で詰られ夜蛾がたじろぐ。

 

 まあ乙骨の成長の機会を作るという五条の考えに同調したのは確かであり、そのために多少誇張表現を使ったことは否めない。だがそうでもしないと参加の了承を得られなかっただろう。

 

 楽巌寺から目を逸らすようにしてモニターの方を見る。そこでは里香と東堂による壮絶な殴り合いが行われていた。正確に言うと里香には東堂の攻撃がほとんど通じておらず一方的に東堂が殴られているだけだったが、一応それなりに健闘しているといえた。里香から食らっている攻撃は全てカウンターによるものであり、里香からの能動的な攻撃は不義遊戯を駆使して華麗に避けている。

 

 ただ、そのうち里香が呪力放出ビームを出し始めると、東堂が乙骨と入れ替わることで同士討ちを狙い、乙骨を攻撃させられた里香が癇癪を起こして手当たり次第に森を破壊し始めたりと進展していき割ととんでもない環境破壊が起きていた。後始末が非常に大変そうだ。

 

 

 「わーすごい、森がぐちゃぐちゃ。まるで怪獣映画ですね。ところであの光線とメカ丸の大祓砲どっちが強いですか?」

 

 「いやアレと比べられてもナ。それより乙骨もなんか振り回されてるし、多分コレ暴走…」

 

 「ていうか東堂…先輩、さっき普通に腕折れたと思ったんだけど。気のせいかしら」

 

 

 東堂を先輩呼びすることに未だに若干抵抗のある真依が呟く。

 それを聞いて、五条は楽しげに笑い声を漏らした。

 

 

 「いや気のせいじゃないよ。折れたのが治ってるんだ」

 

 「え?それって」

 

 「うん、反転術式。あんだけ里香にボコボコ殴られながらまだノックアウトしてないのもそのお陰かな。京都校も中々粒ぞろいだ」

 

 「いつの間にそんなん習得したのよあの人。本当に才能と実力だけはあるのね、常識とかマトモな感性は無い癖に」

 

 「なんかトゲトゲしいね君」

 

 

 そうして五条たちがのほほんと会話している隣では、今の里香は暴走状態だから即刻競技を中止すべきだとか、東堂はまだ元気そうだし里香は完全顕現でもないし大丈夫だろうとかいう議論がなされていた。

 だが結局はこのまま続行ということで片付いた。突然里香が制止し、顕現状態を解いたからだ。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 ()()なった切っ掛けは乙骨と里香の逢瀬を東堂が邪魔したことだ。

 戦闘中にイチャつく方が悪いと言われればそれまでだが、人間の理など怨霊の里香には関係ないのだから仕方ない。

 

 東堂が仕掛けて里香がキレて、次第にエスカレートしていった。その結果が周囲のこの惨状である。

 森林のある一帯を構成していた木々は軒並み引き抜かれて無惨な倒木と化し、ある一帯は指向性呪力放出攻撃の連射によって焼き払われている。

 

 そして最終的にただの殴り合いに回帰し戦闘を続けている。東堂は里香に殴られる度にどこかしら折れたり潰れたりして()()()()()反転術式による回復を続けていたが、彼の呪力は見た目にももう残り少ない。

 

 乙骨はこの状況を止めるために必死に里香を制止しているが、東堂は戦う意思のない乙骨を無視して里香の方に立ち向かっていく。

 

 里香は膨大な呪力の塊だ。マトモにダメージを与えられるのは黒閃が発動した時くらいで、それも瞬く間に修復される。幾ら殴っても倒せないのは明らかだというのに。

 

 乙骨は心底不思議だった。

 

 

 (何でここまでして戦うんだ)

 

 

 彼の目には東堂が自傷行為をしているようにしか映っていない。

 こんなことをして一体どんな意味があるのか。殴っても殴られても辛いだけではないのか。

 

 上空を佇んでいる西宮は様子を見ているだけで動こうとしない。ただ呆れたような顔になっているのはわかった。そして今は五感が研ぎ澄まされているのか、他の高専生たちも離れたところから様子を窺っているのがわかる。誰も何もしようとしない。

 

 このままではいけないと、ついに居てもたってもいられなくなり、乙骨は叫んだ。

 

 

 「里香、止まれ!!東堂さんも、もうこんなこと止めてください!!」

 

 

 乙骨の心からの制止の声を聞き、里香は動きを止めた。しかし東堂が仕掛けてくればまた振り出しだ。だから乙骨は、今度は自分で東堂を止めるために動いた。

 

 だが彼の予想とは裏腹に、東堂もその動きをピタリと止めて乙骨に向き合った。

 口に溜まった血をペッと吐き出し、尋ねる。

 

 

 「何故止める。というか、何でお前は戦おうとしない?一体ここに何しに来たんだ」

 

 「何でって、僕は…。じゃあ逆に聞きますけど、何でアナタはそこまでして戦おうとするんですか。戦うのがそんなに楽しいんですか」

 

 「ああ楽しいぞ。お前のように、周りに気を遣って自分を抑えつけてばかりいるよりは余程な」

 

 

 知ったように内面を指摘され、乙骨は僅かに眉を顰めた。その指摘がほとんど図星だったからだ。

 

 東堂は乙骨の来歴からその人となりを分析していた。

 周囲で何か問題が起こった時に原因を外ではなく内に求める傾向がある、自責感が強く内罰的な人間。恐らく里香という現象の発生原因とも関わりがあるのだろうが、そこまではっきりとしたことはわからない。

 

 とにかく、他者に気を遣って自分を抑えつけて、楽しいはずがない。だから東堂にはそうする理由がない。自分より他人を優先し、出来れば誰も傷つけたくない乙骨とは価値観が間逆。

 

 しかし乙骨の不満げな顔を見ても、東堂は言葉を交わそうとするのを止めなかった。

 

 

 「…フン、そういえばお前は呪術師になってからまだ半年程度らしい。急速に高まった実力と意識が乖離するのも已む無しか。ならば先達として少しくらい助言してやるのも吝かじゃあない」

 

 

 東堂は乙骨の髪の毛から爪先まで眺めてから鼻を鳴らした。

 

 まだまだ線が細い。最近鍛え始めたばかりであることがひと目で分かるような体躯。

 それでも彼の来歴を鑑みれば向上心の高さは見て取れる。決して悪くはない。

 

 

 「俺が戦うのは無論、強くなるためだ。類稀な強敵と死力を尽くして戦うことでしか見えてこないものがあるからだ。そして、強さを求めなければならない確固たる理由があるからだ」

 

 「理由…?」

 

 

 東堂はふと昔を思い出して笑った。

 何故戦うのか、呪術師とは何ぞやと、師匠が問いかけてきたのは何時のことだったか。最初はただの退屈しのぎだったはずが、彼女に出会ってから全てが変わった。

 

 

 「”俺が呪術師であるということ”。遥かな過去から連綿と続く遺志、そして己の望みのため。より強く、高みを目指して積み重ねていく。それが呪術師。それが俺だ」

 

 

 東堂の言葉を聞き、乙骨が息を呑む。そこらの呪術師崩れと一緒にするなと、そう聞こえた。

 

 

 「呪術師であるため、強くあろうとする意思そのものが俺自身に唯一無二の価値を与えている。…わかるか?俺は今非常に充実している。それはお前も同じじゃないのか、乙骨憂太!」

 

 

 東堂に檄を飛ばされ、乙骨の胸の中にはとある感情が芽生えかけていた。

 

 彼の言う通り、高専に来てから新しいことや大変なことばかりだがとても充実している。

 呪術師である自分が嫌いではない。呪術師として強くなって、皆の役に立ちたいと思っている。誰かに必要とされたくて、そうして努力している自分自身を好きになりかけている。

 

 

 (…この人は、ただ只管真っ直ぐなのか)

 

 

 目の前の彼のことを少し勘違いしていたのかもしれないと思った。

 戦うことが楽しくて仕方がない戦闘狂。それは別に間違っていないのだろう。

 しかし東堂は、正真正銘本物の呪術師なのだ。飽くまで己の中の規律と正義に従い、それに殉じようとしている。

 

 

 (真希さんと同じだ。強くて真っ直ぐで、かっこいいな)

 

 

 共感と羨望。東堂と真希が似ている、などと真希から本気で殴られかねないようなことを考えながら、乙骨は無意識に小さく笑った。

 

 東堂の熱意が乙骨の心を解かした。

 拳を握り込み、一歩踏み出す。

 

 

 「…里香ちゃん。君はこのまま大人しくしてて」

 

 『憂太…?』

 

 「ここから先は僕がやるから」

 

 『……はぁい』

 

 

 それまで散々暴れまわっていた里香は乙骨の願いを素直に聞き、余りにもあっさりとその姿を隠した。

 

 乙骨の意識が切り替わったのだ。ここに至り、彼は生まれて初めて自分のために戦おうとしている。そしてそのための力を欲し、能動的に引き出そうとした。

 半顕現状態の里香と同等レベルの呪力をその身に宿した今、怨霊里香はその命令に逆らうことが出来ない。

 

 特級過呪怨霊を調伏した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…オイ。テメェ、マジで後で覚えとけよ。さっきの結界もズルしただろアレ」

 

 「……」

 

 「シカトすんな!!」

 

 

 陽明は傍らで簀巻きにされ蓑虫のように横たわっている男を一瞥し、すぐに視線を元に戻した。

 

 領域展開を封じたことで危なげなく秤に勝利した彼は、団体戦中に秤が戦線に復帰することがないように手持ちの縄で捕縛していた。参加術師が持っている札を奪うことでポイントを得ることができる一方で、奪われた術師はリタイアになるというルールがなかったためである。

 一応呪霊が蔓延っている森の中で放置するのは普通に危ないということで引き摺って移動していたところ、里香の大暴れが発生したのだった。

 

 木を一本切り倒して作った切り株に腰掛け 、陽明は里香のお陰で見通しの良くなった景色を眺めていた。

 目線の先では乙骨と東堂が無骨な殴り合いに興じている。東堂の方はわざわざ術式を縛ってまで、実に楽しそうだ。

 

 少し前、暴走する里香に振り回されるだけの乙骨に東堂は興味を持っていなかった。

 今は違う。乙骨を一人の呪術師として、超えるべき好敵手として認めている。

 

 

 (乙骨の意識が変わった。それは多分東堂が里香相手にここまで持ちこたえたからだ。まさかこんな結果になるとは)

 

 

 攻防力の差を鑑みて里香にあっさりとやられると思っていたが、東堂は思いの外善戦した。それは彼が反転術式を習得してダメージ許容限界と共に継戦力を格段に引き上げた事による。

 

 陽明は反転術式による他者の治療など出来なかったが、微弱ながら正の呪力を出力する事は出来た。そうして東堂が正の呪力の感覚を掴む手伝いをし、ただその時は習得することが出来なかったはずだった。東堂は里香との戦闘の中で極限まで高まった集中力を利用して、この場で反転術式を習得したのだ。

 

 今ある己の全てを出し尽くしても届かない壁にぶち当たったことで、彼はその壁を超えるために本能とセンスをもって適応・進化しようとした。

 そして間違いなく東堂は己の限界を超え、それに感化された乙骨もまた己が成長するために戦い始めた。

 

 しかし真の限界というものがある。術師の限界は呪力が底をついたときだ。反転術式の呪力消費は非常に大きく、東堂にはもはやマトモに呪力強化を維持するだけの呪力も残っていない。

 逆に乙骨の呪力に底はなく、東堂を師として急速に動きを洗練させていっている。先程から術式を使っていないとはいえ、既に東堂が押し負けている。

 

 勝敗は決していた。

 ある時、一発乙骨の拳が東堂の左の頬に刺さり、地に叩きつけられ、彼はそれっきり動かなくなった。

 

 

 

 「死んだか?」

 

 「あーあ、やっちまったな乙骨」

 

 

 見物人の二人が冗談めかして言う一方で、乙骨は遠目にもわかるくらいオロオロと慌てふためいていた。

 

 陽明は一息ついた後ゆっくりと立ち上がり、大きく伸びをした。

 

 

 「さて俺の番だ。毒仕込んだ刀でも使うわ。流石に反転術式で解毒とかはないだろ」

 

 「…端っから正々堂々戦うって選択肢はねぇのか。軽く引くわ」

 

 「真正面から正々堂々やった結果がアレだよ。アイツで無理なら俺にも無理」

 

 「つーかやり合う前にいい加減縄解け。別に引きずり回されて泥だらけになったことは怒ってないし、いきなり襲いかかったりもしねーからよ」

 

 「わざわざ口に出す時点でな。そこでゆっくり観戦してろ」

 

 

 額に青筋を浮かべている秤をスルーして、陽明は乙骨の元へ歩き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 地面に大きく陥没して微動だにしなくなった東堂を前に、乙骨は絶望に暮れていた。

 

 混乱してどうすればいいかわからずに取り敢えず観察していたのだが、息遣いが聞こえない。 心做しか顔が青白く見えてきた。

 

 

 「し、死んでる…」

 

 「死んでねーよ馬鹿」

 

 「え、あ、陽明くん?!びっくりしたぁ!」

 

 

 乙骨が上擦った声を上げる。 

 気配を絶って近づいたのか、気付いたらいつの間にか陽明が隣に立っていた。

 

 

 「テンパってねーで脈くらい取れ。救急の教習で習ってんだろうが」

 

 

 彼はそう言いながらおもむろに東堂に近づくと、仰向けに倒れている大男の腹をいきなり踏みつけた。言っていることとやっていることが違う。

 乙骨がその暴挙に唖然としていると、東堂はもぞもぞと動き出して寝返りを打った。

 

 

 「うーん…。高田ちゃん…」

 

 「ほら」

 

 「は、はは、良かった…。全然動かないから打ちどころが悪かったのかと」

 

 「丁度呪力切れだ。下手したら死んでたけど、良かったな、東堂が普通じゃなくて」

 

 「それは、はい…」

 

 

 乙骨は自分の未熟さを痛感して項垂れる。

 だが心の中は何故か晴れやかだった。

 

 里香が顕現すると体中に呪力が漲り、感覚が研ぎ澄まされ、何でも出来ると錯覚するほどの全能感があった。

 これまではその感覚が恐ろしかった。里香の力は他人を傷つけてしまう忌むべきものだと思い、抑圧しようとしてきた。

 しかし今の自分は呪術師なのだ。恐れて抑えつけるだけではいけない。そう思ったから戦った。

 

 

 (里香ちゃんは、多分僕の本気のお願いは聞いてくれる。だから足りなかったのは僕自身の心の強さ、覚悟とかそういうのなんだ)

 

 

 今回は実力不足のせいで東堂の限界を察する事ができなかった。そこは反省すべき点ではあるが、自分の選択を後悔するべきではない。

 

 

 

 「…お前はまだまだ強くなれそうだな」

 

 

 深くため息をつき、陽明は何やら不機嫌な様子になった。

 乙骨には全く心当たりがなかったが、自分に原因があるのかもしれないと考えて取り敢えず謝ることにした。

 

 

 「その、何か怒ってたり…?気に障ることしちゃったなら謝るけど…」

 

 「うっせぇ謝んな馬鹿。精々特級らしく馬車馬のように働いてろ」

 

 「えぇ、どういうこと…」

 

 

 若干キレ気味に暴言(?)を吐かれて困惑する乙骨を他所に、陽明は上空で待機していた西宮をジェスチャーで呼びつけた。  

 

 

 少しして、僅かに緊張感を漂わせた様子の西宮が降りてくる。里香がまた突然大暴れを始めるのではないかと警戒していたのだろう。

 ただ、陽明が気を失って横たわる東堂の胴に影から取り出した縄を括り付けると、西宮はこれ以上なく嫌そうな顔をした。

 

 

 「超邪魔なんでどっかに運んでください」

 

 「…一応言っとくけど私はタクシーじゃないんだからね。上から様子見てたのも念の為ってだけで」

 

 「優しい西宮先輩なら運んでくれるって信じてます。あと今日もカワイイですね」

 

 「何その取ってつけたようなカワイイは…。はぁ、仕方ないなぁ」

 

 

 身長190cm以上、推定体重100kgオーバーの巨体が西宮の箒に括り付けられる。

 西宮は余り多くない呪力を箒の操作に回し、ふらつきながらゆっくりと浮上し始めた。

 

 

 「一応状況報告しとくね。東京校は秤くん、こっちは東堂くんがやられて等級の差でウチが不利。加茂くんと星くんは膠着してて、あと呪霊は真希ちゃんが狩りまくってるからこのままだと負けちゃうよ」

 

 「了解。じゃあ乙骨(コイツ)を何としてでも倒さないといけないってことですね」

 

 「え”っ!?」

 

 

 二人のやり取りを他人事のように聞いていた乙骨が声を上げる。

 彼は今が団体戦の最中だということを忘れていたのだった。

 

 

 

 西宮が青空の彼方へ去るのを見届け、陽明は影から刀を取り出して掲げた。

 その姿を見て、乙骨はゴクリと唾を飲み込んだ。

 

 

 「悪いが特級相手に素手でやり合うつもりはない。ついでに言っとくと刃に毒仕込んでるから。一応術師ならちょっと動けなくなる程度で済むはずだ」

 

 「ど、毒!?」

 

 「まあそれは別に気にすんな。どっちみち抜くからには殺すつもりでやる」

 

 

 殺す。乙骨は一瞬聞き間違えたのかと思った。

 だがその発言を切っ掛けに一気に空気が張り詰めたことで考えを改めた。

 

 

 無意識に刀の柄に手を掛ける。東堂の熱意とは180度違う無機物的な冷たさ。ハッタリではない本物の殺気をその肌で感じたからだ。

 

 やると言ったらやる。ルールも理屈も関係なく、彼がそう決めたならそれは実行される。

 再び言葉を発する間もなく、鯉口が切られた。

 

 

 そして、乙骨が気付いた時には陽明が目の前にいた。

 

 

 (速い…!)

 

 

 足元の影を伸ばした上で自分が立っている影の座標を動かすことによる高速移動だ。

 体勢を崩さず、余分な踏み込みも必要ない。最適な条件下、至近距離での”抜刀”には呪力強化で高められた乙骨の反応速度も間に合わない。

 

 しかし乙骨が自ら対応する必要はない。

 ”彼女”は最初からそこにいたのだから。

 

 

 「出たな祈本里香」

 

 

 陽明の殺気と乙骨の危機に反応し、再び自発的に顕現した里香が間に割り込み乙骨を突き飛ばす。刃は彼女の右腕のガードで防がれている。ただ…。

 

 ブシッ…!切り裂かれた里香の腕から呪力が黒い血液のように漏れ出た。

 

 

 『痛い”!!』

 

 (里香ちゃんに傷をつけた!?)

 

 

 里香はいつも一方的に蹂躙する側だった。彼女が傷つけられる姿を乙骨は今まで見たことがなかった。

 

 乙骨が驚愕している間に、里香は怒りと共に自身を切り裂いた刀を掴み、止めた。

 先程東堂と戦った時と同じ。圧倒的に硬い外皮で攻撃を受け止め、不可避のカウンターを返す戦法だ。

 

 だが陽明は止められた刀を手放し、影に溶かした。

 左手には既にもう一振りの黒刀の鞘が握られている。

 

 こちらが本命、レプリカより遥かに多くの呪力を込めてきた呪哭刀のオリジナル。さらに刀身には偽・天羽々斬が装填されている。太刀筋を再現する斬撃を飛ばし、至近距離で使えばその斬撃が重なることで威力を倍増させる呪具。

 

 武器の呪力強化は自分の体ほど簡単にはいかず精度も低くなりがちだ。しかしそれを克服出来るのだったら、当然拳よりも剣の方が強い。

 故に必然、全てを載せた二撃目の抜刀は里香の右腕を完全に切り飛ばし、刀身が胴の半ばまで食い込んだ。

 

 

 『ギャああ”ああ!!』

 

 

 断末魔のような悲鳴だった。

 だがこれだけではダメージを負っているという証拠にはならない。

 

 

 「チッ!」

 

 

 陽明は里香の胴に食い込んだ刀を即座に引き抜き、その場から飛び退いた。

 里香が残った左腕を振り回そうとする、その初動を感知したからだ。

 

 その間に失われた里香の右腕、切り裂かれた胴が修復される。

 少なくとも見える範囲において呪力が減っている様子はない。

 

 

 (ダメージは軽微。完全顕現ではない状態でこれか。有効なダメージを与えようと考えないほうがいいな。まあ取り敢えずこれで里香が顕現した)

 

 

 乙骨が特級術師として認定されているのは里香の存在あってこそ。少なくとも世間ではそう考えられている。里香が出ていない状態で乙骨に勝ったところで意味がない。だからこうして無理矢理引きずり出した。

 

 

 

 一方、相対する乙骨は考えた。

 

 今陽明が何を考えているのかは何となくわかる。大体東堂と同じだ。本当に殺すつもりはないが、もし勢い余って殺してしまっても仕方がないか、くらいには思っている。つまりそれくらい目の前の勝負に()()()挑んでいる。

 間違いなく頭のネジが飛んでいる。ちゃんと応戦しなければ容赦なくやられるだろう。

 

 

 『許さない”ぃ”アイツぅう”う”!!』

 

 

 里香が怒り狂っている。伝わってくるのは殺意に近いもの。

 ただ、今の自分なら彼女を御することができるはず。

 

 

 「里香ちゃん、落ち着いて。彼は僕と同じ呪術師の仲間だ。殺そうとしちゃいけない」

 

 『でも、でも”ぉ”お!!』

 

 「僕の言葉を聞くんだ。戦うのは僕だから、君はそれを横から助けてくれるだけでいい」

 

 『うぅぅ…憂太ぁ…』

 

 「…いい子だね」

 

 

 里香が大人しくなったのを見て乙骨は目を細めた。

 

 今なら里香を完全顕現させたとしても暴走しないだろう。呪力量の差が攻防力に直結し、陽明にもほぼ確実に勝てる。

 だが完全顕現させたのが明るみに出ることで再び処刑の対象となってしまうかもしれない。そのリスクは避けるべきだ。

 

 かつて里香に返り討ちにされた術師の中に1級術師もいたが、恐らく陽明は既に1級という括りの中でも頭一つ抜けている。現状でもスペックはこちらが上だが、少なくとも今の里香の防御を抜いてきた以上戦闘経験の差で自分たちが不利に思える。

 

 

 (ここで戦いを放棄して、負けを認めて逃げる事もできる。でもそれじゃ胸を張って皆と肩を並べることはできないんだ。…だから)

 

 

 腰の刀に手を掛ける。護身用として念の為持ってきたが人相手には抜くつもりがなかったものだ。自分は呪術師であると自信を持って名乗るために、それを抜く。

 

 次いで真っ直ぐ正眼の構えを取る。不意打ちが得意な相手だというのはもうわかった。

 着目すべき点は陽明の影だ。先程彼は足を動かさずにスライドするように動いていた。影を扱う術式という前情報を考えると、自分の影を伸ばし、その表面を伝って移動したのだろう。

 種が割れてしまえば対応もできる。

 

 

 陽明は乙骨が自分の足元を観察していることに気づき、僅かに口角を上げた。

 

 

 「どうやら同じ手は通じないらしい。だったら…」

 

 

 彼が片手で印を幾つか結ぶと、足元の影が少しだけ広がり、ボコボコと盛り上がり始めた。

 実体化した影を媒体とした式神。黒い犬が8体、陽明を囲うようにして現れる。

 

 

 「散れ」

 

 

 掛け声と共に式神たちが八方に広がるが、乙骨は決して陽明から視線を外さなかった。その式神たちに脅威があるようには見えなかった。

 その読み通り、黒犬達は離れたところから様子を窺っているだけで動こうとしない。だが放たれたということには何かしらの意味がある。

 

 一体どう出てくるのかと乙骨が思案していると、本体である陽明の方に動きがあった。

 

 

 「ッ!」

 

 

 遠距離からの抜刀。気付いた時には斬られていた。

 

 目に見えない斬撃が飛んでくる。ただ普通の剣筋であれば容易に見切れるはずのものだが、陽明が放つそれは最速の”抜刀”によって行われる。標的やタイミングすら悟らせず、抜き終わった時には斬撃が到達しているのだ。

 

 里香の呪力を自分の防御に回すことで薄皮一枚切られるだけで済んでいるが、このままでは少しずつダメージが蓄積していく。だが考えもなしに陽明に近づくのは危険だと勘が告げていた。

 

 ならばこちらも遠距離攻撃を使うしかない。

 

 

 「里香!」

 

 『あい!』

 

 

 手札から切られたのは顕現中の里香から放たれる指向性呪力放出攻撃。

 里香が東堂相手に使ったときには止めようとしたが、今は自分から使うように指示している。

 乙骨の胸中には奇妙な信頼感があった。このくらいなら何でもないことのように捌いてくれるだろうという信頼。

 

 少しの溜めの後、里香の口元から光線が放たれる。収束率と共に殺傷性をある程度落としてはいるが、それでも高威力であることには変わりない。

 射線上の空気を燃やし、倒木の水分を瞬時に飛ばして着火させる。

 

 だが再び作られた焼け野原の中に陽明はいなかった。

 

 

 (どこだ…)

 

 

 周囲を見回してみても、いるのは距離を取ってこちらをジッと見据えている式神たちだけ。彼らが存在していることが陽明が健在である証拠だ。

 

 この式神たちも未だに何もしてこないのが不気味。

 そうして意識を正面の式神に向けたとき。

 

 

 「がッ!」

 

 『憂太!!』

 

 

 突然横合いから飛んできた何かに弾かれた。

 右肩に触れてみると僅かに滲んだ血が手についた。また斬撃が飛んできたのだ。意識外からの攻撃で防御が若干甘くなった。

 

 即座にその方向を視界に収めた里香は見た。乙骨から見て4時方向の黒犬の足元から人影が現れ、一瞬刀を抜いて再び消えた。呪力を通じて情報が里香から乙骨に共有される。

 

 

 (…!式神は彼の影、つまりマーキング。直接影が連続してなくても移動できるってことか)

 

 

 影を用いた瞬間移動のようなものだ。直前に東堂が扱う位置入れ替えを見ていたことですんなりと思いつく事が出来た。

 

 

 乙骨の分析は当たっている。一旦術者が影の中に入って境界を閉じた場合、次に境界を開くための影が存在しないときはランダムな地点に跳んでしまう。ただし事前に式神として”自分の影”を残していた場合はそちらを境界として利用することができる。

 すなわち任意座標への空間跳躍は完成こそしていないが、実用化は先人によって既に為されていた。

 

 

 

 『よくも憂太をお”ぉお!!』

 

 

 我慢の限界を迎えた里香が式神を確実に狩るため反射的に飛び出し、対象となった黒犬は里香から離れようと一目散に駆け出した。

 そしてそれと同時に反対方向の式神が3匹、乙骨の元に向かってくる。

 

 

 (なるほど、里香ちゃんを僕から引き離すために)

 

 

 里香は現在乙骨の制御下にあるが、それは完全ではない。自律した意思を持つ存在を完全に操ることは難しい。乙骨本人がその意思を尊重しているならなおさらだ。

 

 呼び戻すことは出来る。そうしてもいいが、元々は里香に頼らず戦うつもりだったのだ。彼女には一先ずそのまま残りの式神を破壊するように伝える。

 いずれにしても転移先のマーキングは潰しておかなければならない。式神を放ってから陽明の呪力は減っていた。無限に生み出せるわけではない。

 

 乙骨は全身に漲っている呪力の比率を下半身に傾け、そして跳ねた。

 

 

 「シッ!」

 

 

 素早く動く黒犬の後ろに瞬時に回り込み、一体目を刀で薙ぎ払う。

 式神は抵抗することも出来ずに崩れた。

 

 しかしその直後、崩れ去ろうとする式神の足元の影から何かが飛び出してきた。

 斬ったのと同じ姿形の式神が複数。

 

 返す刀でそれらも斬り払うが、斬ったそばから次々と湧き出てくる。

 

 

 (一体何体…!でももう少しのはず!)

 

 

 既に十数体は斬った。呪力を載せて纏めて斬っても濁流のように溢れてくる。

 

 本体である陽明がここにいるのは間違いない。式神を逐次生成して放ってきているのならそろそろ呪力の限界が来てもいい頃だ。

 だからきっともうすぐ直接仕掛けてくる。陽明の戦法は姿を隠して相手の隙を突いての一撃必殺狙いで、現状の対抗策としてはカウンターを狙うしかない。問題はそのタイミング。

 

 その時乙骨はふと思いついた。相手がこちらの隙を窺っているのならいっそのこと誘いを掛けてみればいい。そうすればタイミングを自分で決めることができる。

 

 

 湧いてくる式神への攻撃を止めると、黒い犬達はこれ幸いと一斉に姿を現して乙骨に噛みついた。

 その数は10体、それ以上増えることはない。里香が対処しているものと合わせて16体。どうやら数に制限を掛けることで縛りとしているらしい。

 

 

 (想像してたより重い…!)

 

 

 影の式神が実体と重さを持っていること自体に乙骨が違和感を覚えることはない。

 里香という呪力の塊が重さを持っているのと同じ。呪力は重さの形を取り得るのだということを直感的に理解していた。

 だがこの式神たちはそれぞれが擁する呪力量に比して、本来あるべき重さよりも遥かに重い。

 

 

 (けどこれなら!)

 

 

 乙骨は自身の体を最大限に強化して手足を振り回す。多少焦りはしたが、その馬鹿げた量の呪力を身に纏えばたかが一体数十kgの犬を振りほどく事など造作もない。

 

 それでも一時的に動きは鈍る。だからこそ仕掛けてくる。

 陽明が来る場所、方向を予測し、備える。

 

 

 (…来た!)

 

 

 乙骨は背後に殺気を感じた。予想していた通り、影の中に潜んでいた陽明が出てきたのだと思った。

 

 振り返りざまに斬りつけようとし、しかしその寸前で硬直した。

 

 乙骨の目的は飽くまで武器の破壊、刀で刀を斬ることだった。

 だが陽明は刀も持たず、余りにも無防備に立ち尽くしていた。だから止まってしまった。

 

 これでは殺してしまう。斬れない。刀を捨てて素手で殴ろうか。

 逡巡したのもつかの間。

 

 

 (いや、これは…人形!?)

 

 

 微かな違和感に気付く。

 生気のない瞳。それは術者の姿形を模倣した影の人形だった。

 ではこの殺気はどこから来ているのか。

 

 

 影の人形に、さらに重なる影があった。

 

 

 「悪い」

 

 

 声は人形のすぐ後ろから聞こえてきた。

 そして影武者ごと自分を切り裂こうとする刃の軌跡があった。

 

 乙骨が出来たことは可能な限り呪力を纏って斬撃を受け止めることだけだった。

 

 

 『憂太ッ!』

 

 

 白い学生服が裂かれ、薄っすらと赤が滲む。

 だが精々が皮膚を傷つけただけであり、傷の深さで言えば致命傷からは程遠い。

 

 姿を現した陽明を見てみればその手には白銀に光る刀身がある。先程までとは違う刀だ。切れ味も籠められている呪力も違うのだろう。

 彼は既に戦いは終わったとでも言うように動かない。

 

 

 (ああ、さっきの言葉は本当、なのか…)

 

 

 その内に全身から力が抜け、立つことすら覚束なくなってくる。本当に刀に毒を仕込んでいたらしい。

 主が傷つけられたことで再び暴れ出そうとする里香だけはなんとか裡に戻し、乙骨はその場に倒れた。

 

 

 「でも、まだ僕は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 陽明は愕然としていた。

 

 彼我の実力差は自分が一番よくわかっている。既に乙骨はかつて相対した特級呪霊達と同じ位階にあった。

 真正面から正々堂々、というのは強者の特権であり、弱者が勝つためには手段を選ぶことなどできない。だから毒を使った。乙骨に甘さがあること、自分を斬れないことがわかっていて心理誘導を行い、刀を使わせもした。卑怯と言われても何も反論出来ないやり方をとった。

 

 疑問に思わなかったわけではない。東堂に感化され正面から戦おうとしていた乙骨に対して余りに不実な対応だったのではないのか。そんな小細工を弄してまで自分は強いと言い張ることに一体なんの意味があるのか。

 

 そして今まさに、意味など無かったことを知った。小細工は小細工でしかなく、強者との距離を埋めるためのピースにはなり得ないのだと。

 

 

 乙骨はまだ負けてなどいない。その体からは、たった今習得したのだろう、正の呪力の気配が漂ってきている。

 反転術式による体内異物の特定と分解・除去は非常に高度な技術を要する。現在彼が行っているのはそれだ。持って生まれたセンスだけで再び立ち上がろうとしているのだ。

 

 

 (何なんだコイツは…!)

 

 

 全く想定外の、あり得ない成長速度。必要に迫られ、必要以上に成長していく。

 底なしの呪力による馬鹿げた攻撃力と防御力に、これで反転術式による回復力が加わった。もはや小細工を弄しても勝ち目がない存在に成った。

 理解した気になっていた絶対的な才能の差。彼は自分が必死になって積み重ねてきたものを一足飛びで越えていくのだと、今度こそ理解できた。

 

 

 しかしそれはいい。今感じているのは恐怖、恐ろしいのは自分自身だ。

 

 

 最近になって、強くなりたいという欲求と共に、力を持つ者への憧れと妬みの感情を自覚するようになった。その感情は次第に増してきている。

 これは以前死に瀕して絶望したことで生まれた欲望なのだろうか。どれだけ自己分析してみてもわからない。何故唐突にこんな事まで考えてしまうのか。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()などと、何故。

 

 

 倒れ伏した乙骨の背に刀を突き刺したくなる衝動に抗う。

 無防備な何の罪もない人間、同じ呪術師の仲間に手を掛けるなどありえない。それでなくともそんなことをしても意味がない。自分には他者の力を奪う能力などないのに。

 

 

 

 自分が自分ではないような感覚を覚え、一歩後退った時。

 

 

 『恐れるな。欲するならば手を伸ばせ』

 

 

 突然、脳裡に”声”が響いた。

 

 

 

 

 

 

 驚きのあまり一瞬息が止まる。周囲を見回してみても声の主は見えない。 

 

 以前一度だけ感じた幻覚、幻聴…明らかな異常だ。だがこの謎の声を待ち望んでいた。

 これこそが自分の知らない自分。恐らく今自分が生き延びている理由そのもの。

 

 何者なのか、一体何を知っているのか、自分は何を知らないのか。聞きたいことは山程ある。

 しかし陽明が虚空に向かって話すよりも早く、”声”の方から語りかけてきた。

 

 

 『何も知らぬ憐れな童よ。お前には力を求める理由がある』

 

 「何を…」

 

 

 陽明の言葉は途切れた。

 

 

 

 妙な胸騒ぎがした。言葉に出来ない嫌な感じがある。

 始めは微かな違和感でしかなかったのが、次第に強まっていく。

 

 原因を探して徐ろに上を見上げると、一体の龍が空を駆ける姿が目に入った。

 

 

 それを見た瞬間、総毛立ち、吐き気が込み上げ、視界が全て真っ赤に染まった。

 動悸と冷汗が止まらない。足がガクガクと震えて立つことが出来なくなる。

 

 奴の呪力を、自分は知っている。血の匂いと赤い景色と共に、微かな呪力の残穢が残っていた事を覚えている。

 だが肚の底から沸々と湧き上がってくるこの感覚は一体何なのか。

 

 

 ”声”は喜色を滲ませながら答えた。

 

 

 『それこそがお前の欠けた心を埋める感情。奥底深くで澱んでいた憎しみだ。しかと脳裡に刻んでおけよ。今度は決して忘れぬようにな』

 

 




言い訳集

・呪力ビームって完全顕現じゃないと撃てなくね?→『リカ』は撃てない。解呪前の里香は完全顕現状態じゃなくても撃てて不思議じゃないと思ったので取り敢えず撃たせた。まあ虫くんでも同じようなこと出来るんだしええやろ。

・東堂がいきなり反転術式習得してる件について→乙骨と同じく呪術センス10の天才だしまあ必要に迫られれば出来るやろ。
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