昏く儚い復讐譚   作:Cross Alcanna

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どうも、Cross Alcannaです。

ブルアカのストーリーを知ってる方なら、本作のストーリーの薄さにかなりの違和感を感じると思いますが、意図的です。恐らく、後々解ると思いますので、「そうなのね」程度に思って頂ければと思います。

では、どうぞ。



2章 無知な少女は笑う
勇者との邂逅


 

「ルシアさん!ゲームをしましょう!」

 

 

「ゲーム、ですか。」

 

 

「はい!先生に聞いた所、ゲームをしていると聞きましたので!」

 

 

困ったものですね。

 

今日は珍しく、何も無い日だったのですが。先生からの当番指名もなく、いつもの仕事もなく。しっかり取れた休日を、怠惰に過ごそうかと悩んでいた所だった。

 

先日、先生とゲーム開発部の姉妹が、とある廃墟に出向いた。そこに、私の目の前でウッキウキな彼女がいたらしい。

 

天童 アリス。先生からは、そう聞いている。何故か古風なゲーム口調であったり、所々で常識が抜けていたり。ある種、モモイやミドリよりも破天荒で、天真爛漫とも言える。

 

底抜けの明るさを兼ね備えている、と一言で言えば片は付くだろうか。

 

 

「まぁ、特段予定も無かったので。構いませんよ。」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

キラキラと、瞳を輝かせるアリス。その姿は、年相応と言うべきものであった。眩しいものである。

 

ともかく、ゲーム開発部に行く事になった私は、アリスに引っ張られながら、ミレニアムの廊下を走る。途中、「廊下は走らない!」と、ユウカさんの声が聞こえた。仕方ないだろう、連れ回してるアリスに言ってもらいたい。

 

……力、強くない?

 

 

 

──────

 

 

 

「うがぁぁぁ!?!?ルシアさん、強過ぎるってぇ!!」

 

 

あれからそれなりに時間が経って。アリスやモモイの言われるがままに、色々なゲームを触った。今は、格闘ゲームをやっている。巷でよくある、即死コンボだのコマンドだのがある類のゲーム。

 

私は一応手広いジャンルを触っているので、格ゲーの何たるかはある程度理解している。流石に、技の硬直とかその領域まではいってない。なので、相当な手練なアリスとは互角だった。

 

……ご覧の通り、モモイには全然勝ち越している訳で。今にもコントローラーを投げそうなくらいに、発狂している。近くで見ていると、ちょっと面白い。

 

 

「ルシアさん、結構強いね。」

 

 

「負けず嫌いではあるので。」

 

 

そう、私は負けず嫌い。勝負となってしまえば、勝ちたくなる性分。それがいかなるくだらない事であっても。そのせいで、何でも首を突っ込んでしまう訳なのだけど。

 

ゲーム開発部の皆も、私と似通った部分がある。特に、ゲームが関係してくると。私がミレニアムに入って最初に関わりを持ったのが、ゲーム開発部だった。「校風とは裏腹に、皆楽しくしてるな。」と思ったのは、今でも鮮明に記憶の中にある。

 

 

「そういえば。ゲーム開発の調子はどうなのです?ゲーム開発の為にアリスのいた場所まで行ったとは聞きましたが。」

 

 

「うーん……それがあんまり好調でもないの。」

 

 

「……と、言いますと?」

 

 

ミドリ曰く、求めていた物が目的と合っていなかったらしい。私も少し面倒だったので、詳しく聞く事は止めておいた。恐らく、そこにいたのが、(目的物とは違う)アリスだったのだろう。そこまで判断材料があれば、もう結論は導ける。

 

 

「……あら、もうこんな時間でしたか。では、そろそろお暇しますね。」

 

 

「えぇーっ!?もう行っちゃうの!?」

 

 

「ちょっとだけ、やりたい事が出来ましたので。また今度、埋め合わせはします。」

 

 

「むーっ……約束だからね!」

 

 

彼女達と話すうちに、少しやりたい事が浮かんだ。渋々ではあるものの、モモイ達も納得してくれた模様。

 

……約束、いつにしようか。

 

 

 

──────

 

 

 

「……どうも、きな臭いですね。」

 

 

先生から無理やり廃墟の場所を聞き出し、やって来た。モモイ達が殲滅したお陰か、敵は少なかった。

 

……やはり、妙である。()()()()()()()()()()()()()()事が。キヴォトスではありがちなのは重々承知なのだが。

 

何故、アリスがいたのか。この妙な統率は、本当に無関係なのか。

 

……待てよ?

 

 

「此処、()()()()()()()()()……?」

 

 

一部、開けた場所があるものの、若干迷路じみている。モモイ達はよく迷わずに行けたなと言いたいが、この際どうでもいい。

 

問題は、何故この構造にする必要があったのか、である。そも、普通の工場であるなら、こんな迷い易い構造はかえってデメリットだ。工場内の物流も滞りやすい。

 

もし、工場の意思でもあるなら統率についても理解が及ぶが、見ての通り廃墟。そんな意思を働かせる機構が、およそ動いているとは思えない。

 

 

「…………そういう、事ですか。」

 

 

─私が抱いた疑問は、どうやら確信に変わりそうである。

 

 

 

──────

 

 

 

「先生。」

 

 

「ん?どうしたの、ルシア?」

 

 

あれから数日。私が当番の日である。ちょうど思い出したので、一応言っておく事にした。どうも、アリス関連はきな臭くて仕方ない。

 

 

「いえ、ちょっとした注意喚起のようなものです。アリスについて。」

 

 

とはいえ、私が辿り着いた結論は、あくまで私の推測の域を出ない。が、およそ正解だとは思っているけれど。

 

ただ、実的証拠が無い。「そんなもの知らない。」などと外野から唱えられてしまえば、振り出しに戻りかねないもの。

 

だから、核心までは話さない。

 

 

「どうも、先生やゲーム開発部達が思う程、楽観的な問題ではないように感じます。先日廃墟に行ってきましたが、妙な点が何個もあったもので。」

 

 

「…えっ?行ったの?」

 

 

「はい。先生達が先に行っていたお陰で、敵は少なかったので。」

 

 

「……そっか。でも、危険な事は少し控えて欲しいな。ルシアは一人で動く事が多いから、何かあっても駆けつけるのが遅れるから。」

 

 

肝に銘じておきます、とだけ言っておく。約束は出来ないけれど。

 

これで先生達がどうするかは、私の管轄外。どうなるのかについては……事の起き様による。申し訳ないとは思うものの、私は私でやらなければならない事がある。

 

…………一応、情報収集くらいはしておこう。

 

 

─本当ですか!?

 

 

あの笑顔を曇らせる程、どうやら私は鬼畜になれていないようだ。

 

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