昏く儚い復讐譚   作:Cross Alcanna

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どうも、Cross Alcannaです。

勉学関連で、投稿頻度を下げます。1〜2週間後には(多分)これまで通りになると思いますので、宜しくお願いします。



残酷なサービス

 

「この先が差押品保管所だよ!」

 

 

モモイの言葉に、一同が心を引き締める。

 

何でも、”鏡”とやらがそこにある事が判明。具体的に何かはまだ分からずにいるものの、それを手に入れるという方向に話がいった。

 

相手は、メイド部。あのネルを筆頭に、戦闘力の非常に高い4人で構成されている。が、今はどうやら、ネルは不在の模様。なので、これを好機と踏んで来ている。

 

当初は分散させて、囮部隊だの撹乱だのを画策したが、結局ゲーム開発部の皆で保管所に向かう事に。

 

今頃、メイド部を他の皆が気を引いている頃だろうか。とすると、ここは割と手薄になっているはず。

 

 

「はっ!残念だったな!」

 

 

『なっ…!?』

 

 

そこには、ネルがいた。

 

ユウカが呼び戻したのだろうか。または、用事が早く終わったのか。ともかく、ピンチである事には変わらない。

 

予想外に、私達は身体を動かせずにいる。

 

 

「さぁ、どうすんだ?全員でかかってくるか?」

 

 

「先生!もう戦うしかないよ……!」

 

 

「っ……ネル、退く気はないんだね?」

 

 

「あぁ!?ある訳ねぇだろうが!」

 

 

既に臨戦態勢なネルに、この一言は無駄だった。諦めて戦うしかないのか。

 

そう思っていた。

 

 

「…あ!?横の……っ!」

 

 

ネルの横にあった窓ガラス。それが、綺麗に砕け散る。そして、ネルの前に立ち塞がっていたのは……。

 

 

─随分うるさいですね、珍しい。

 

 

「ルシア(さん)!?」

 

 

ルシアだった。

 

思わぬ刺客の登場に、私達は焦る。が、ルシアの意識の向け先は、ネルの方だった。

 

 

「はっ!あん時以来だな!あん時の借り……今日で返してやってもいいぞ?あ?」

 

 

「…強気ですね。今日はこちらが数の暴力ですが、大丈夫なので?」

 

 

「るせぇ!そう息巻いてられるのも、今のうちだぜ!」

 

 

一触即発。そんな時間が続く。

 

 

「まぁ、今日はサポートに徹する訳ですが。」

 

 

『はっ?』

 

 

ルシアの、思いもよらないそんな一言が放たれるまでは。てっきり、先陣切ってネルと闘うとばかり。……というか、サポートまで出来るんだ。多才だなぁ。

 

 

「おいゴラァ!今のは闘う流れだろーが!?」

 

 

「ゲーム開発部に一人もサポーターがいないので。……あぁ、私のサポートを受けたゲーム開発部に負けるのが、怖いので?」

 

 

「ア”ァ!?ぶっ殺すぞ!!」

 

 

あ、挑発に乗った。

 

ルシアが人心掌握に長けてるのか、ネルがチョロいのか。……どっちもかな?

 

ともかく、サポーターがいるのは有難い。どんなサポートをしてくれるのか分からないけど。…サポートについては、ルシアに一任した方がいいかもしれない。下手に指示を出してグダグダするより、その方が良い。ルシアも、一人で立ち回る方がやりやすいって言ってた訳だし。

 

「さっさとかかってこい!」

 

ネルとの戦闘は、やはり避けれそうに無い。負けないとは思うけど……。

 

 

 

──────

 

 

 

「随分と、大人しいんだな。」

 

 

私ことウタハは、室笠アカネの捕縛に駆り出ていた。ルシアから頼まれていたのだが、場所が的確であった事に若干の違和感を抱かざるを得ない。

 

「この座標で伸びてる筈ですので、宜しくお願いしますね。」とだけ言われ、ここに来た。ここにいると分かるのは、この際いいとして。何故、ここで伸びている事まで当てられたのか。

 

()()()()()()()()()()みたいである。

 

 

「……アレには、勝てそうにありません。」

 

 

「アレ?」

 

 

「ルシアさんですよ。私、あの人に負かされたんです。」

 

 

殆ど手が出ませんでしたが、そう添えたアカネ。アカネの実力は生半可でないのは、私も分かっている。そのアカネが自ら、殆ど手が出なかったと言う。

 

メンテナンスがてら、いつも軽く射撃をしていたのを思い出す。確かに、正確だった。止まっている的を撃っている筈なのに、その目は数瞬先を見据えている様にも見えていたのを、覚えている。

 

……敵には、回したくないな。

 

 

「……ウタハさん。ルシアさんの眼、しっかり見た事ありますか?」

 

 

「眼?……いや、無いな。」

 

 

いつもメンテナンス目的でやり取りしているので、眼などをマジマジと見る事はない。……いや、目を見て話しているから、厳密には違うのだろうが。

 

強いて言うなら、そんな事を覚えていない。とどのつまり、どんな眼をしていたかなんて、態々覚えていないのだ。

 

 

()()()()()()()。」

 

 

「濁って……?」

 

 

曰く、どす黒い。

 

曰く、奥底の感情が読み取れない。

 

曰く、恐怖を感じる。

 

 

「……私達の事なんて、まるで見えていないように思えて。」

 

 

どういう事だろう。遥か先の事を考えているのだろうか?それとも、本当に私達に関心が無いのか?

 

……いや。だとしたら、こうしてゲーム開発部の為に奔走する理由が無い。何に関心があるのか分からないのは変わらないが、少なくとも、私達に敵対するという事態になる事は無いだろう。

 

…………とは言え。

 

 

「……どうして、だろう。」

 

 

不安は、拭えない。

 

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