昏く儚い復讐譚   作:Cross Alcanna

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どうも、Cross Alcannaです。

前回書きそびれましたが、前書きや後書きは必要だと感じた際にのみ書きますので、ご理解の程宜しくお願いします。
また、前作のような定期的な投稿は少々難しいと思われます。出来るだけ定期投稿出来るよう努めますが、不定期になった際はお待ち頂けると幸いです。
そして、感想や評価は勿論の事、ここすき機能もお待ちしております。特にここすき機能は皆様がどの表現が好きだったかを知れる良い機能ですので、積極的に使ってもらえると有難いです。

長くなりましたが、どうぞ。



対話は大事

 

「ユウカさんの紹介が無かったとはいえ、こちらから伺わなかった事は私の落ち度でした。すみません。」

 

 

「ううん、気にしなくて大丈夫だよ。」

 

 

ユウカに連れられて幾らかの時間が経ち、私達は場所を変えて話をしていた。それを提案したのは彼女で、何でも、「折角会えたのですし、お互いの事を知っておきたいと思いましたので。」との事らしい。私もそうした機会を設けようかと思っていたので、願ってもない事だった。

 

ただ、彼女が疲れているかもしれないと頭にチラつき、今日は止めておこうかと思っていたのだけど。彼女の方から言ってくれたので、これまた助かった。

 

その提案に乗ってから今に至るまで、軽くお互いについて話したのだが、彼女は凄く礼儀正しい。それこそ、トリニティの子に似ているなぁ、と思う程には。ただ、敬語を抜いて話しても全然いいのにな、とは思ってしまう。

 

「癖になってしまって…中々抜けないんです。」とは彼女の言葉だが、ちょっと壁を感じてしまう。彼女自身、そうでは無いんだろうけど、どうしても。

 

 

「ルシアって、どこかの部活動だったりに所属してるの?」

 

 

「いえ。一通り見て回ったんですけど、今はいいかなと思ったので。」

 

 

「そっか。」

 

 

ミレニアムのみならず、キヴォトスにある学園には部活動であったり、委員会が存在する。さっき行ったエンジニア部であるとか、ゲヘナで言えば風紀委員会がそれにあたる。

 

今まで会った生徒は何かしら所属していた(凡そ、部活動と呼べるかどうか怪しいものも含めて)。なので、彼女がどこにも属していないと言ったのは、少し意外だった。

 

……何か、新しい部活でも立ち上げるんだろうか。だとしたら、どんなものを立ち上げるのかが気になる。聞きこそしないが。

 

 

「そうだ。ルシアって、どんな趣味があるの?」

 

 

「趣味……ですか。色々ありますね。」

 

 

一部でいいならと言って、彼女は例を挙げてくれた。護身術や読書、ゲーム、料理、塗装……他にもいくつかあったけれど、何個か印象的だったものも。

 

雰囲気で判断するのは申し訳なかったが、ゲームと塗装が意外だと思った。どんなゲームが好きなのか、どんな塗装をするのかは聞いてないけど、ゲームをしたり塗装をするような雰囲気ではないと思ってしまった。

 

逆に、読書や料理は何となくイメージしやすかった。お淑やかな彼女の立ち振る舞いに、どことなく合っているようにも思う。

 

 

「……話は全然変わるけど、随分変わった銃を使うんだね。」

 

 

「そう……ですね。私に似合わない見た目なのは、自分でも分かっているんですけどね。」

 

 

そういうつもりで言った訳では無かった。謝っておこう。

 

……そう思っていると、「便利なんです、これ。だから、気にしないで下さい。」と、彼女は付け足して言った。気遣いを受けるなんて、どっちが子どもなのだろうか。彼女からは、大人としての振る舞いを学べそうである。

 

 

「……先生。最近、アビドスに訪問していると聞きますが。」

 

 

突然、彼女はそう切り出してきた。彼女から聞かれるとは思わなかったために、少し動揺してしまう。動揺する程、やましい事をしている訳でもないのに、である。

 

 

「うん、困ってる生徒がいるからね。」

 

 

「そうなんですね。私も最近、ブラックマーケットに行く事が多いので。もしかしたら会えるかもしれませんね。」

 

 

「……大丈夫?あそこは危険だって聞くけど……。」

 

 

「その為の護身術です。そうでないにしろ、腕には自信があるので。」

 

 

そうハッキリと言ってのける辺り、本当に自信があるのだろう。彼女の実力をこの目で見ていない私としては、不安が拭えない。生徒が傷付くのは……やはり見ていられない。かと言って、私の方が脆いのも事実。

 

とても、もどかしい。

 

 

「もしアビドスの近くでお会いしたら、私もお手伝いしますよ。」

 

 

「…うん、ありがとう。その時は、宜しくね。」

 

 

静かに、でも確かな声色で「はい。」と答える彼女が、とても頼もしく感じた。

 

 

 

──────

 

 

 

「ねぇ、あの噂聞いた?」

 

 

「また出たんだっけ?物騒だよね〜。」

 

 

ルシアと話をした帰り道。ミレニアムの廊下で、生徒が話をしているのを耳にした。

 

噂。気になってしまった私は、つい物陰に身を潜める。外から見れば不審者極まりないのだが、それでも、噂についての知的好奇心が勝ってしまう。バレないように聞き耳を立てる私を客観視すると、作戦中の生徒のようだろうか。

 

 

「潜影、でしょ?悪事を働いた不良達を、知らずのうちに倒しちゃうっていう。」

 

 

「そう!今は悪い事をした人だけが倒されてるらしいけど、何を企んでるか分からないもんね〜。」

 

 

潜影。聞いた事のない名前だった。ワカモの"災厄の狐"のような、二つ名や異名、通り名の類だと思うけど…。ヒナやカンナから話を聞かない事を考えると、噂程度で留まっているんだろうか。

 

……今まで会った生徒から一言も聞かなかった事を、ふと思い返す。どうにも、違和感が残る。

 

つい最近出始めた噂ならまだしも、()()()()、と言っていた。だとすると、そんなに近々に出たように思えない。少なくとも、潜影が出た区域の学園なら、知っていても不思議じゃないだろう。

 

…………誰かが、意図的に隠してる?

 

……いや、噂だから真に受けてないのか?

 

解けそうにない謎を抱え、今日を終えようとしている。

 

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