どうも、Cross Alcannaです。
書き始めて数話ですが、モチベが低迷している所です。今はまだ「どうにか保とう」と思っているのですが、「モチベを上げてクオリティを上げた方が良い」とも思っています。
頻度が下がった/失踪(凍結)した際は、そういう事だと察して頂けると助かります。
では、どうぞ。
「随分とふざけた戦法を…使うじゃねぇか!」
「褒め言葉と、受け取っておきます。」
超至近距離での撃ち合い。避けては当たり、モノを遮蔽にしては壊れ。そんな闘いが、それなりの時間続いている。タンクであるホシノが撤退している中、銃弾をまともに受けられる人がいない。そんな中で回避タンクとなっているのが、ネル。
簡単に回避タンクとは言うものの、役割を十全にこなすのは本当に至難と言える。本で見る魔法や剣での戦いならまだしも、キヴォトスでの戦闘は銃。回避など、出来なくて当然である。せいぜい、遮蔽で凌ぐのが限界だろう。それでも、いい時間凌いでいるので、ネルの実力は言うまでもない。
……確かに、問題無いと言ってのけるだけの実力である。私が見るに、ミレニアムの中では随一と言っても、およそ過言じゃないように思う。それに肉薄している所か、自身のペースに呑み込んでいる。
…これからの敵にならなくて、良かったと思う。
「では、そろそろ第二と行きましょう。」
「あん?…って、うおっ!?」
突如、ネルが驚きの声を上げ、少し下がる。彼女の手を見ると、妙に模様が彫られたナイフが握られていた。殺傷性は……無いと思いたい。
今は演習。流石に、その辺りの分別はついていると思いたいところ。
……そもそも、こんな銃撃戦でナイフが輝く場面が、そんなに数多いとも思えないが。
話こそ変わるが、私達スナイパーは何をしているのか。普通であれば、ネルが引き付けている間に攻撃を挟むだろう。しかし、
自身の立ち位置とネルの動きの癖を読んで、
どうしても射線に入る場合は、奇想天外な動きをして照準をブレさせる。
何をどうしたら、そんな能力と神経が身につくのか。生涯かけても、理解できそうには無い。理解する前に、身体能力の限界に気が付くのがオチだろう。
……奇策には、奇策。賭けに出る。
「ハスミ、ネルの支援は任せる。」
「……はい。」
何をするのか、粗方悟ったらしいハスミは、私の声掛けに返事をした。ルシアも、限界が近い。時々、肩で息をしているのが分かる。着いていく事こそ出来ているものの、それが後どのくらい続くかも、時間の問題。
なら、神経を尖らせているこの時こそ、好機である。
──────
「……やりますね。ここまで倒せそうにない人は初めてな気がします。」
「テメェこそ……しぶてぇな。」
双方、息も絶え絶え。特に、私は。
こういう策は、
万策尽きた、とまではいかないにしろ。他を実行するだけの余裕も、ましてや体力も無かった。今の私は、攻撃を凌ぐので手一杯。最早、満身創痍手前である。
…強いて言えば、ネルさんも満身創痍な事が幸いか。さっきまでの余裕そうな口振りもなりを潜め、息もタジタジである。
ただ、問題もある。未だ健在のスナイパー二人。ネルさんとの戦闘に殆どの労力を割いてしまったせいで、残り二人をどう対処するのかまで、考え実行する余裕など、とうに無かった。
どうしたものか。
「…取り敢えず、目の前をっ!」
動く。少しでも早く、不安分子を取り除く為に。あの二人にさえなれば、(体力がもつかの問題は考えたくないが)近接戦闘ならば。勝てる見込みはゼロではない。
そう信じて、そう願って、私は銃とナイフを構えた。
「…奇策には、奇策!」
そもそもの話、私は最後で失念していた。何故、
失念だった。いや、最早その考えにまで至れない程、身体を酷使し過ぎた。
演習の最後は、超至近距離のSR直撃で幕を閉じる。
──────
「お疲れ、皆。」
先生の声に返事が出来ない程、私含めた皆が疲れていた。その中でも比較的身体的疲労が少なかったスナイパーの二人が片付けをしている。ホシノさんは、早々に退場した事が少し堪えたのか、ベンチで拗ねている。
一番身体を酷使した私とネルさんは、未だに肩での息を続けながら、地面に寝そべっていた。
……負けた。
何も、負けないとは思っていなかった。けど正直、かなり善戦出来ると考えていた。
相手は私について知らない事だらけ。それに対して私は、それなりにしっかりと知っている面々だった。それに合わせて奇策を使って不意をついたり、武器構成に合った立ち回りをした。
単に強かったと、その一言で片付けるには、少々勿体ない程にフィードバックし甲斐のある戦いだった。敗因としては、実力と経験、予想が外れた事だろうか。他の原因については、後で振り返る事にしよう。
「…………やるじゃねぇか、ルシア。」
「負けましたので、素直に嬉しいとは言えません。……次は、勝ちますので。」
「はっ、言ってろ。」
やっぱり、戦う事は良い。