「ありがとうございます、シルさん。部屋を貸していただいて」
「気にしないでください。流石にあんな姿を見て無視なんてしたらミアお母さんに怒られてしまいますから」
あの戦いが終わり、数時間。
ベルは今『豊穣の女主人』にいた。
あのモンスターとの戦いに勝利し、急にいなくなってしまったアリーゼを探そうとしたところ、ヘスティアが突然倒れてしまった。
慌ててホームに運ぼうと都市を走っていたところで
部屋のベッドにヘスティアを寝かせ、命に別条がないことを確認したベルは夕日に照らされる廊下でシルと向かい合っていた。
「ヘスティア様、随分とお疲れだったようですね。目の下にこんなすごい隈ができていましたよ」
「怪我とか病気とかでなくただの疲労で良かったというべきなのか……よくわかりませんね……急に倒れちゃったから、心配で心配で」
脱力して壁に寄りかかったベルにシルが微笑む。
そこでベルが居住まいを正してあることについてシルに声を掛ける。
「すみませんでしたシルさん。お財布を届けることが出来なくて」
「謝らなくちゃいけないのは私の方です。私がお財布を忘れなければベルさんもヘスティア様もこんな災難に巻き込まれることもなかったでしょうし……」
「シルさんのせいじゃないですよ。責任はモンスターをわざと逃がした誰かにありますから。一体誰が何の目的でこんなことをしたんでしょうか……」
既に騒動は収まっているが未だに犯人は見つかっていない。
ベルを含む数人の冒険者が軽傷を負ったとはいえ、一般人に死者どころか怪我人すら出なかった今回の事件。犯人に襲われたと思われる人物たちも何も覚えておらず、まるで目的が見えてこないその事件はあっという間に収束されてしまった。
「特にあの花のモンスターなんてどこから連れてきたんでしょうか……アリーゼさんがいなかったら今頃…………いえ、何でもありません」
最悪の想像を浮かべたベルはかぶりを振り、力なく笑う。
あの戦いはベルにとって二度のミノタウロスとの戦いに次ぐ、自分の無力さを思い知らされる苦い思い出となっていた。
「もっと僕が強かったらシルさんにそんな顔をさせることもなかったでしょうし、建物とかの被害だってもう少し抑えられたかもしれません」
「……確かに今のベルさんは他の冒険者様と比べたらまだ弱いのかもしれません。でも、あの時、お花のモンスターに立ち向かうベルさんはとても格好良かったですよ?」
「えっ?」
シルのその言葉に顔を俯けていたベルは顔を上げる。
「不謹慎ですけど、私、見惚れちゃいました。ベルさんならきっと強くなれますから……だから、そんな顔しないで大丈夫です」
どこか悪戯っぽく微笑み、夕日のせいかどうかはわからないがやけに熱っぽい瞳でベルを見つめる。
そんな瞳で見つめられたことなどないベルはよくわからないまま、シルの言葉に現れていた違和感に気づくことなく頬を指で掻く。
そこでガタン、とヘスティアが眠っている部屋で物音がした。
「ヘスティア様も目を覚ましたようですし、お店の方を手伝えともいわれているのでここで失礼しますね。それじゃあベルさん、またお店でお待ちしていますね」
「あっ、シルさ…………あの日の話、しそびれちゃった……」
何故か急いでいるようなシルを引き留めきれずにその背中を見送る。
結局今日の話だけで手いっぱいになってしまい、あの日の話をするタイミングを逃してしまった。
(また今度お店に行って話すかそれとも今すぐにでも行くか……)
考えを巡らせているところでもう一度、今度はドゴンッ! 、と大きな物音がヘスティアの部屋の中から響いてくる。
流石にその音を聞き逃すことはできず、思考を中断して慌てて部屋の中へと飛び込む。
そこではベッドから落ちて頭を打ったのか悶絶した様子でヘスティアが床で蹲っていた。
「神様!? 大丈夫ですか!?」
「ああ、やあベル君……おはよう……いやおそようかな?」
「挨拶は大事ですけど今はそんなこと言ってる場合じゃないですって! 何があったんですか!?」
蹲った状態で喋らせるのは流石に絵面がまずいので優しく横抱きの形で抱き上げる。
額を強くぶつけたのかそこが赤くなっているのが見える。
「いやあ……ごめんごめん。起きようとしたんだけど思ったよりも力が入らなくてね……あ、ふらふらする……」
「たった今、頭をぶつけたんだから当然ですよ……神様とも話したいことはあったんですけど、明日にしましょうか。その状態で話をさせるのは色々不安になりますから」
失礼します、と言い、ベルはヘスティアをその背に背負う。
密着したことで色々とベルの背中に当たっているが、ヘスティアへの心配で頭がいっぱいになったベルはそれに気が付かない。
「おお……やっぱりベル君って結構筋肉があるよね……細いように見えて」
「お身体に障るのであんまり喋らないほうが……いえ、神様が平気ならそれはそれでいいんですけど」
ペタペタと身体に触れるヘスティアの手をくすぐったく感じながらもなるべく揺れないよう気を使い、ベルは酒場の離れを出る。
「神様、まだ眠たいのでしたら僕の背中で申し訳ないですけどそのままお休みください。僕達の家に着くまでもう少しかかりますから」
「…………ん、そうさせてもらおうかな……ありがと、ベル君」
そう言って数秒、静かな寝息が聞こえてくる。
やはり無理をして起き上がったのかすごい速さで眠りについたヘスティアに少し微笑みを浮かべて、ゆっくりとベルは歩き出す。
慎重に、疲れ切った大切な家族の眠りを妨げないように。
「復活ッ!!! 心配をかけたねベル君!!」
昨日の帰り道で眠ってしまった神様はそのまま今日の朝まで起きることなくずっと眠り続けていた。
そして一日でほとんど回復したのかとても元気な姿で親指をグッと天井に向けていた。
思わず一日でそんなに元気になれるものなのかと聞いてしまったけど、神様曰く、
「一日ぐっすり休めればボクなら大丈夫なのさ!! そう!! おばちゃんのところでバイトをしているボクならね!!」
と、やけに上機嫌……神様たちが言うところのハイテンションというやつで押し切られてしまった。
バイトというものをしていればそんな回復力が身に付くのなら僕もした方がいいのかな……
「一体何があったんですか神様。目元にあんなに大きな隈もありましたし……パーティに行ったんじゃなかったんですか?」
「パーティには行ったさ。その後に本当の用事を済ませようと思ったら三日間色んな事が起きてしまってね」
「本当の用事?」
そこで神様がテーブルにダンジョン探索のために用意したポーション類と共に置いてある剣……あの日、神様が渡してくれた『神様の剣』に触れる。
どこで手に入れたのかわからないこの剣はあの花のモンスターとの戦いにおいて最高の活躍をしてくれた。
神様の手が触れた箇所に目を向けて─────思わず目を見開く。
「これを作ってもらうためにちょっとだけ無茶をしちゃったんだ。作ってくれたか……人にも結構無茶をさせちゃったし、君のための武器を作るのに見てるだけは嫌だったからね」
触れた個所には【神聖文字】に酷似した刻印がある。
それは【神聖文字】を解読できない僕でも読むことが出来た。
なぜならこの刻印を都市の中で何度も目にしていたからだ。
「これ、って……【ヘファイストス・ファミリア】の武器……」
刻印の意味はヘファイストス。
世界最高峰の鍛冶の【ファミリア】の主神の名。
そしてその名前が刻まれていることが意味するものは……
「しかも、この刻印は……」
ヘファイストスの銘が刻まれる条件は【鍛冶】のアビリティを手にした上級鍛冶師が打った武器であり、主神と幹部たちがその武器の出来を認めたこと。
僕みたいな農民上がりの冒険者でも知っていることだ。
そしてその銘が刻まれている武器の性能は計り知れない。しかし価格は僕らのような零細ファミリアでは到底支払うことなどできないほどに、その性能に見合う莫大な金額になる。
フィンさんたちからもらったお金でもこの系統の武器の金額を払うには全く足りない。
「神様……どうやって、こんなものを……」
「言っただろう? ちょっと無茶をしたってね。その武器はとっても凄いんだぜ? 世界に一つしかない君だけの武器で性能も他の武器にはないものなんだ!」
ふふん、と得意げに胸を張り、中々とんでもないことを言っていたような気がするけど正直頭に入ってこない。
この武器を手に入れるのにちょっとの無茶だけで済むはずがない。
動揺を隠せない僕に気づいたのか神様が剣を両手で持ち上げ、目を細めて僕に差し出してくる。
「お金のことは大丈夫だよ。ちゃんと話はつけてきたから」
「そ、そこじゃないですよ! いや、そこもそうですけど……!」
神様の顔にはまだ大きな疲労の色が残っていることにそこでようやく気づく。
さっきやたらと上機嫌だったのはこれを隠すためと考えると納得がいく。
「僕の武器のために倒れるほど無茶をするなんて何をしているんですか! なんで、そんな……」
「約束したじゃないか。ボクが使える全ての力を君に貸すって。ボクはその約束のために動いただけさ」
息を呑む。
そんな僕に先ほどまで隠れていた疲労が浮かんでいる顔で穏やかな笑みを向けてくる。
「強くなりたいんだろう? 大切な人を守れるぐらい」
「…………はい」
「君の強くなるその手助けをボクにもさせておくれよ。君がそんなに取り乱すほどボクのことを大事に思ってくれてるみたいに……ボクだって君のことが大事なんだ」
「……神様」
「誰よりも何よりも、ボクは君の力になりたいんだ。だってボクは君の神様で……
君のことが大好きだからね」
言葉が出なかった。
胸を抑えなければ耐え切れないくらい胸が温かくなる。
「いつだって頼ってくれよ。頼りにならない神様だけど、君のためならなんだってしてあげるからさ……ちょっとぐらいボクに格好をつけさせておくれよ」
「……っはい!」
なんとか笑顔を浮かべて神様に返す。
上手く笑えているのかはわからないけど今はこれで精いっぱいだった。
「…………さて! この話はここまでにして今日の準備をしようじゃないか! 今日も探索に行くんだろう?」
頭を振って少しぼやけた視界を治す。
見やすくなったその目でちゃんと神様をもう一度見る。
「……そうするつもりだったんですけど……神様、体調は大丈夫ですか?」
話を切り替えた神様の顔色は少し赤らんでいてその目にはまだ隈が残っている。
体調が芳しくないのなら今日は探索をやめにして神様の療養に使うのもありかもしれない。
「まあはっきり言ってまだ身体は重たいかな。でも昨日に比べればはるかにマシだから気にしないで探索に向かってもいいよ。今日一日ゆっくり休めば今度こそほとんど回復するだろうしね」
「……わかりました。一応ダンジョンには行きます。ただ、今日は少し早めに切り上げて帰ってこようと思います」
「うん、わかった、気を付けていくんだよ。あ、ちょっと待って!」
準備を再開しようとしたところで神様に引き留められる。
ポンポン、とベッドの上を叩き、うつ伏せになるように指示される。
「【ステイタス】の更新しておこうか。昨日はすごい戦いだったし結構上がってるんじゃないかな」
「あ、そうですね。お願いします、神様」
上を脱いでベッドの上にうつ伏せになる。
いつものように背中に神様の血が染み込み、染み込んだ場所を中心に指がなぞり始める。
なぞり始めたところで神様の身体が跳ね、なぞっていた指がピタッと止まる。
「神様?」
「…………………………【ランクアップ】……できる」
「えっ?」
「【ランクアップ】、できる……」
背中で感じる気配だけで神様が困惑している……というか引いていることがわかる。
そういう僕も思わず聞き返すほどにその言葉に困惑していた。
微妙な雰囲気が僕達の間に流れ、その事実に僕達はしばらく動けなかった。
「えっと……とりあえず【ランクアップ】しようか……?」
「そう……ですね」
それからしばらく、神様の声で時が動き出す。
固まっていても仕方がないということでもう一度神様が僕の背中をなぞり始める。
再開したところでまた指が止まった。
「ごめん、ベル君。【ランクアップ】するなら一つ話しておかないと」
起き上がってくれるかい?、という神様の声に従って上体を起こしてベッドの上に座りなおす。
「話したい事って言うのは『発展アビリティ』についてだね。『発展アビリティ』は知っているかい?」
「はい。多分大丈夫です」
『発展アビリティ』。
既存のアビリティに加えて発現する能力。
発現する
ここで神様がそれを話題に出したということは『発展アビリティ』が発現した、加えて複数の候補が出たのかもしれない。
「いくつか選択可能なアビリティが出たから保留にしてあるんだ。どれにするか一緒に考えようぜ」
予想通りそういうことらしい。
手早く神様が選択可能な『発展アビリティ』を一枚の用紙に書き記してくれた。
選択可能なのは三つ。
一つ目が『耐異常』。
名前の通り、色々な状態異常への耐性を得られるアビリティ。
ダンジョン内で何かと色々なことに巻き込まれる冒険者に重宝されている。
二つ目が『狩人』。
こちらは冒険者、それから何故か神々にも人気なアビリティの一つ。
一度交戦し【経験値】を獲得したモンスターとの戦闘時に能力値が強化されるという優れモノだ。
他のアビリティと違う所はLv.2でしか発現しないというところ。
そして三つめが……
「『幸運』?」
聞いたことがないそのアビリティの名に首をかしげる。
神様もよくわからないと言わんばかりに僕と同様に首をかしげている。
「多分……ギルドにも登録されていない『レアアビリティ』ってやつだと思うけど……効果は名前の通り運が良くなる……のかな」
運が良くなる……か。
「あと……勘でしかないんけど、このアビリティは『加護』に近いモノかもしれない。ボクはこのアビリティをお勧めしたいかな。これがこれからの君には必要になってくると思うんだ」
「……そうですね。僕もこれがいいかなって思います。『狩人』も捨てがたいですけどここで『幸運』を取らないと後悔するような気がします」
冒険者には当然だが実力が必要だ。だから『狩人』という選択も決して間違いではないのだろう。
だけど実力がどれだけあっても運を味方に付けることが出来なければ、どうしようもないこともある。
実力は必死に頑張ればその分強くなれるかもしれないけど、運は頑張ったところで手に入れることなんてできない。
ならその運を手に入れることが出来る可能性が高いこれを選ぶべきだと判断した。
「わかった。君もそう言ってくれるのならこれにしようか!」
もう一度ベッドにうつ伏せになり、神様が腰の上に乗る。
すぐに神様の指が僕の背中をなぞり、やがてその動きが止まる。
「……はい、終わったよ」
神様が腰から降りて更新が終了したことを告げる。
ベッドの上に座ったのを見てから僕も上半身を起こす。
手を握って開いたり、腕を軽く回してみたりするが特に身体が強くなったなどの変化は感じない。
「あんまり変わらないですね」
「まあ【ランクアップ】といっても身体の構造がドカンと変わったりするわけじゃないからね。力が溢れてくると思ってたのかい?」
くすっと笑う神様のその言葉に頷く。
【ランクアップ】した人の強さは身をもって知っている。
だから何か変化があるんじゃないのかと思ってたんだけど……
「実感はまだ湧いていないかもしれないけど、君の器は次の段階へ、君の強さは文字通り一つレベルが上がったよ。神であるボクがそれを保証する」
そう言うと神様はいつの間に書き写していたのか共通語で書かれた【ステイタス】の用紙を手渡してくる。
ベル・クラネル
Lv.2 所属:【ヘスティア・ファミリア】
力 :I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
幸運:H
《魔法》
【ケラウノス】
・
・雷属性。
・詠唱式【
《スキル》
【
・誓いを交わした者の魔法の発現(魔法スロットには現れない)
・行使条件:詠唱文と対象魔法効果の完全把握。
・怪物種に対し攻撃力高域強化。
・誓いを違えた時、効果消失。
【
・妖精王の魔法の発現(魔法スロットには現れない)
・行使条件:詠唱文と対象魔法効果の完全把握。
・魔法効果増幅、射程拡大。
・戦闘時、発展アビリティ『魔導』の一時発現。
【
・
・発動時、周囲の味方の戦意高揚
アビリティの数値は学んだ通り、全てI0に戻っている。
初期値に戻ってはいるが、消えたというわけではなく
どういう意味かは分からないけど、神様たちは『隠しパラメーター』と呼んでるらしい。
更新のために脱いだ上着を着ようとすると神様が隣に座り直して目を合わせてくる。
その手には『発展アビリティ』が書かれたものとは別の用紙……多分Lv.1の最終【ステイタス】が書かれたものだと思う……が握られている。
「これで初めての一大イベントが終わった訳だが、今の気分はどうだい?」
立ち上がった僕の正面に机を挟んで座った神様は薄く微笑みを浮かべて感想を聞いてくる。
正直【ランクアップ】したという実感は湧かないけど……
「悪くない気分です。あと、今からどれくらい強くなれたのか試すのがすごい楽しみです!」
「試すのはいいけど無茶はダメだぜベル君。聞くところによると【ランクアップ】したての子は肉体と精神に『ズレ』が現れるみたいなんだ。そのせいで足をすくわれることもあるから十分に気を付けるんだよ」
もっと子供の頃にもお母さんから学んだ肉体と精神の『ズレ』。
【ランクアップ】した冒険者には必ず起きるその現象を神様の忠告と共にもう一度胸に刻み込む。
「さて、もうダンジョンに向かうかい? すぐにでも試したいんだろう?」
「その前にエイナさんに報告しようと思います。【ランクアップ】したらギルドに報告しておかなきゃいけないみたいですし。その後にダンジョンにそのまま行きます」
「わかったよ。さっきも言ったけど気を付けていくんだぜ? アドバイザー君にもよろしくね!」
ダンジョンに向かう準備を整えて地下室の扉を開け、外に出る。
まだ少し冷たい風に吹かれながら僕はエイナさんたちがいるであろうギルドの本部へと走っていった。
「いやー…………どうするかなこれ……なんか前も似たようなこと言ってたな……」
ベルが去った地下室でヘスティアが一枚の紙を見て呟く。
その紙はベルに手渡したものとは違う紙……ベルのLv.1の最終ステイタスが書かれた紙だ。
ベル・クラネル
Lv.1 所属:【ヘスティア・ファミリア】
力 :SS 1027→SSS 1202
耐久:SSS 1343→SSS 1463
器用:SS 1096→SSS 1299
敏捷:SSS 1187→SSS 1301
魔力:S 901 →SSS 1809
《魔法》
【ケラウノス】
・
・雷属性。
・詠唱式【
《スキル》
【
・誓いを交わした者の魔法の発現(魔法スロットには現れない)
・行使条件:詠唱文と対象魔法効果の完全把握。
・怪物種に対し攻撃力高域強化。
・誓いを違えた時、効果消失。
【
・妖精王の魔法の発現(魔法スロットには現れない)
・行使条件:詠唱文と対象魔法効果の完全把握。
・魔法効果増幅、射程拡大。
・戦闘時、発展アビリティ『魔導』の一時発現。
【
・
・発動時、周囲の味方の戦意高揚
【
・超早熟する。
・
・誓いを違えない限り、懸想の丈により効果向上。
力・耐久・器用・敏捷がどれも100を超える上昇を見せている。
だがそれはベルの今までの上昇量を考えればそんなに驚くことではない。
問題は魔力の上昇量。
「上昇量908だって……? ハハ……本当にどんな上がり方なんだよ……」
ベルの前では務めて冷静でいたヘスティアもいなくなった瞬間にため息をついてドン引きしてしまうほどの上昇量。
ベルの成長にようやく慣れ始めたというのにこれだ。これではいつまで経っても慣れることが出来ない。
「
ヘスティアがあの戦いで見たのは雷ではなく風を纏うベルの姿。
あの風が“誓いを交わした者の魔法”かつ“憧憬の魔法”ならばベルなら間違いなくこれだけ上げることができるという確信がヘスティアにはあった。
「バレたら絶対に他の神が狙ってくるだろうなあ……三週間で【ランクアップ】したって発表されたらすぐにでも来るなこれ」
Lv.2最速到達期間である一年をはるかに上回る約三週間での【ランクアップ】。
前代未聞の成長促進スキルに【ステイタス】の限界突破。
他者に発現したと思われる魔法・スキルの内容を複合したような二つのスキル。
そしてあの“雷霆”。
「【ランクアップ】は仕方ないとして他の三つはどうにかして隠さないと……あの子の道の邪魔なんてさせるもんか。頑張るぞ、ボク!」
隠さなければいけないものは多い。しかも相手は神だ。
自分と同じ神を相手にするのはかなり苦労はするだろう。
だがそれが頑張れない理由にはならない。
約束を交わしたベルが頑張っているのだから。
目下の目標はもうじき行われる
そしてその神会で間違いなく来るであろう神々の追及をかわし、ベルの安寧を守ること。
自分にどこまでできるかなんてわからないが、それでも自分の可愛い
いつも感想、評価、お気に入り登録、誤字脱字報告ありがとうございます。
この話を以て第一章を終わりとさせていただきます。
次回からはあのサポーターとの話+αを進めていきたいと思います。
未だ更新頻度が戻っておりませんがなるべく早く元に戻れるよう努力していきます。
どうかこれからもよろしくお願いします。