狂愛の成層圏   作:◆nfBCCxnKFit4

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Episode 2: 少年の、憧れた学園生活。
Part 1: 少年は、ISの学校へ入学する。


──はぁ……はぁ……

 

 

 やっと、ここまで辿り着いた。ここまで、本当に長かった。このエレベーターを昇った先に、俺を苦しめた元凶が、亡国機業のトップが待っているはず……! 

 

 

『さすがだな、ラビッツラバー・ソリダス』

 

──ど、どちら様!? 

 

 

 突然、個人間秘匿通信(プライベート・チャネル)に通信が入ってくる。……聞いたことない、それも男の声だ。

 

 

『やはりここまで来たか。貴様こそ我が社にふさわしい人材だ』

 

 

 あれ? 俺、就職活動に来たんだったっけ? ……そんなはずはない。俺は亡国機業を潰しに、ここまで来たはずだ。

 

 

──えっと、あの? 就職の面接を受けに来たわけではないんですけど……

 

『ふっふっふっふ……。ここまで来ることが実技選考だったと知らんのか』

 

──…………まさか、お前が亡国機業のトップか!? 両親を殺し、俺を散々苦しめたお前を殺しに、ここまで来た! 面接とか訳分からないことをほざくな! 

 

 

 こいつが亡国機業のトップなら、話が早い。今までの恨みをこの爆裂追尾連射散弾銃に乗せて、撃ち抜くのみ! 

 

 

『ほ〜う? 随分と強気に言ってくれるじゃないか、ええ? 屋上に来い、俺が面接してやる』

 

 

 …………? どういう事だ? 面接に来たわけではないっていうのに、意図が掴めない。

 

 

『ふっふっふっふ……。あまり俺を待たせるなよ?』

 

 

 …………よく分からないまま、言われた通り屋上に行ってみる。

 

 

「すまんな、こんな場所で」

 

 

 するとそこにはスーツを着た、やたらガタイのいい中年男性が居た。…………武器も持たずに。

 

 

──どういう、ことだ? 

 

「言っただろう? 面接してやると」

 

 

 そう言って、相手は構える。俺の、最後の戦いが今、始まる…………。

 

 


 

 

──ぁぁぁぁああっ!? ……あ、あれ? 

 

 

 叫びながら、俺はベッドから飛び起きる。見渡してみれば、そこはいつもの部屋。

 

 

ペタペタ

──…………よかった、夢だ…………

 

 

 変な夢を見た。ゲームのラスボスが俺の前に出てきて、ISを纏ってる俺を素手でボコボコにしてきて……最後には、変な機械で女の子にされちゃう夢。とっさに、自分の胸を触って確認してしまう。硬い胸板だったから、ひとまず安心。夢の中の、女の子になっちゃった俺はおっぱい大きかったし。下も……うん、無くなってない。ちゃんとあるべきものがあって更に安心。

 それにしても、ゲームのキャラが夢に出てくるなんて。……ゲームのやり過ぎかな? 

 

 

『ソリダスくーん! ご飯にするよー?』

 

──あ、はーい! 今行きます! 

 

 

 束さんが呼ぶ声が聞こえた。俺はそれに返事して、ベッドから降りて部屋を出る。夢の中の出来事は、さっさと忘れちゃおう。

 

 


 

 

「あれが噂の篠ノ之博士の婚約者?」

「ちょっとカッコいいかも……」

「ちょ、そんな目で見たら篠ノ之博士に殺されちゃうよ!?」

「篠ノ之博士の婚約者なら、ISを動かしたのも納得ね……」

 

 

 IS学園。ISを専門に教える学校。そう束さんが言ってた。だけど、ISはそもそも女性にしか動かせないから、事実上の女子校になっている。これも束さんから聞いたまま。

そんな中に男の子が居たらどうなるのかって? 

 

 

──うぅ…………すっごい見られてる…………

 

 

 みんなから見られる。

 それはもうベロベロ舐め回されるように見られる。犬にペロペロ舐められるのはいいよ、かわいいし。でも女の子にベロベロ舐め回されるように見られるのは嫌だ。しかも真ん前ど真ん中という、みんなからの注目を特に浴びやすい場所。目線だけで体中に穴が開きそうだよ…………。

 

 

──だ、大丈夫……だよね……? 

 

 

 すごく不安になっちゃう。変なところとかないかな? 寝癖とか付いてないよね? 顔に落書きされてないよね?? (たまに束さんに顔に落書きされる)心臓はバックバクしてるし、手汗がもうグッチョリ。ハンカチがもうビチャビチャ。水に浸けた雑巾みたいになってる。汗いっぱい出るから、喉もすぐに乾いちゃう。……これは水筒のお茶飲めばいっか。

 

 

「はいはーい! お、みんな揃ってるねー! それじゃ、SHR(ショートホームルーム)始めるよー!」

「「「「!?!?!?」」」」

 

──ぶー!? 

 

 

 束さん!?!?!? 何でここに居るの??? お茶吹いちゃったよ、束さんに掛かっちゃったよ!! 

 

 

「あわわわわ……!?」

「あの子、篠ノ之博士になんてことするの!?」

「もうダメだぁ……おしまいだぁ……!」

「み、みんな篠ノ之博士に、殺されちゃうのよ……!」

「い、いやでもあの子、篠ノ之博士の婚約者だし……」

 

 

 みんなが途端に青ざめる。だ、大丈夫だよこれくらいちゃんと拭けば怒られることはないから多分恐らくきっと…………。

 

 

「…………」

ビチョビチョ

 

──ああっ! ごごご、ごめんなさい篠ノ之先生!! い、今拭きますね!! 

 

「大丈夫! ご褒美だよ!」

「「「「…………」」」」

 

──…………そうでしたね

 

「え、ソリダ……虹村くん!? 何でそんなに引くの!? ねえみんなも! 束さん変なこと言った!?」

 

 

 …………そうだった束さんは千冬さんにチョーカー喰らって喜ぶような変態なんだった。俺が吹いたお茶を被って喜んでるし、拭く必要無かったよ。

 みんなも、束さんが怒らなくて安心してるというより、むしろ喜んでるの見てドン引きしちゃってるよ。当然といえば当然だけども。天災さんって頭の中どうなってるのかよく分からないし、俺もドン引きしとこう。多分それが正しい反応だと思う。




うさぎさんは、IS学園へ追っかける。
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