やっぱオリジナルウマ娘で書くには、オリジナル馬の設定もしっかりしてんと不味いよな。競馬初心者だけど頑張るぞ。
あかん、調べれば調べるほど奥深すぎる手に負えん。私はカジュアルにウマ娘を書きたい!
......『原作のないウマ娘』、で良くね?
私、スターシーカーは、ちょっとおかしなウマ娘である。
走ることや競争には興味ないくせに、誰かが走る姿やその有り様ばかりを追いかける幼年期を過ごし、終いには保育園でのかけっこ大会で「もっとマジメに走ってよ! 私をバカにしてるの!!」と怒られる始末。
さもありなん、
競争相手をずっとガン見しながら走るというよそ見走りならぬ舐めプを全園児とその親御さんと保育士の前でやらかせば、園児のプライドはズタズタだ。フェアプレー精神が塵一つ無いと思われるのも普通である。その頃の私に倫理は無かった。恥ずかしや。
まあそういうわけで。真剣に走るフリと盗見、気配遮断スキルだけは上手くなった私がそうレース方面で上達することも無く、園児時代、園内最速の
趣味はレース観戦、撮影、電子掲示板の回遊、昼寝。
好きなものは、レース観戦しながら食う干し芋と
我が愛しの妹の冷たい目に晒されながら、カーペットに寝そべって皿を直に置いて騒ぐのが週末の楽しみです。
いやー毎日が充実ですなあ。
「お姉ちゃん。」
「うん?」
「太るよ。横に。」
「それ、お姉ちゃんが気にすると思う?」
妹ちゃんの美しい夕焼けの瞳に雲が陰り、
スッと構えられるオタマとフライパン。
「私、今日の分のノルマがまだなんだよね。お姉ちゃんは勿論付き合ってくれるよね。」
「あいや私は今から未勝利戦の録画を【ウマ娘の腕力で鳴らされる金属音】やだわたしやだ【ウマ娘の腕力で鳴らされる金属音】わかったわかったから耳元はヤメレー!!」
まあそんな風に嫌がりつつも。
妹ちゃんにも授けられた天性の走りを間近で見られるゴホウビに、心の底ではニコニコなのです。
走るのも疲れるし、妹についていくのもやっとだけれど、それでも心の底から湧き出る快感は幼年期から変わりなく。
まあ、キモがられたら精神が死ぬので表面上は渋々を演じるのですが。
・
風で靡く、シミ一つ無い芦毛の髪。
真っ直ぐ前を見据える赤色の瞳。
上気し、汗に透ける肌。
薄く漏れる白い息。響く呼吸の音。
スラリと伸びる手足。軽く持ち上がる胸。
軽快なストローク。徐々に上がっていくスピード。
そのまま数刻。
彼女が走り続けている、その斜め横を、
限界まで気配遮断した私が追走する。
その走りは、先行する彼女と比べて対照的。
いびつなほどの前傾姿勢。
長い長いストライド。
後ろへとラグなく回し流す。
斜め前の妹の呼吸、テンポ、走行感覚を探り合わせ、
私が気に障る要素を極限まで削り殺す。
傍から見れば不審者。
しかし周囲のウマ娘や地域の方々は素知らぬ顔。
いつもの光景だねとばかりに、ウマ娘専用レーンを見回る警察官も微笑みを浮かべている。
河川敷の頂点、老若問わずすれ違う走行者に、にこやかに夕方の挨拶を交わす余裕のある妹と対象に、私はこれでも必死である。なんせ妹が速い。着実に速くなっている。そこら辺のクラブの優等生のレベルではない。確実に
・
「よし! 今日は終わり。」
「うへぇ~~~」
そんなことを考えながら河川敷の草原に倒れこむ私。
空を向いた視界に、汗にまみれた凛々しき妹の姿。
もちろん、私のためにも、お姉ちゃんのためにもなるよ!と返される。ほんとか~?
まあ、妹のためになるのならやぶさかではない。
さあ帰ろうと立ち上がろうとして、
「いつつつつ.....結構くるなあ。」
「...大丈夫?」
大丈夫大丈夫と手を振る。妹曰くためになるらしいあの特徴的な超前傾走行は、なかなかの負担を背骨や背筋、腹筋、膝関節に与えてくる。特に今日は走り方、主に踵の接地と足の開き幅に調整を加えたので、それらが積み重なったのだろう。軽い疲労だ。湿布を貼らんと。
心配性な妹に笑いかけつつ、夕焼けの家路を歩く。
さて、お腹が減った。今日のご飯はなんだかなー。
・
数年前から、鬼気迫るレベルでレースに熱心な妹にせっつかれながら走り始めたわけだが。
実感できた幾つかのメリットは、この寝付きの良さである。
布団に入れば即就寝。ぐーたらやら昼寝やらしてることが多いとどうも寝付きが悪かった身としては感動するレベルだ。
夢はよく見るほうである。
全く珍しいことでもないが、今日は何か違った。
・
ふと、意識が浮上する。
足元には波紋。
うわ水の上? と脚をバタつかせれば沈むことはなく。
よく観察してみれば、水面のように見えるのは流体のように揺らぐ地面....砂のようだ。
沈みそうで沈まない。脚がとられると思うのに歩くことに支障なし。
そんな不思議空間、ああ夢かと合点がいくと、視界が拡がった。
目が痛くなるほどの満天の星。
微かに白け始めている地平線。
見たことのない絶景に、鼻がツーンとするのを堪えながら、辺りを徘徊する。なにか無いかなー。
こんだけはっきりした夢、明晰夢なのだから、面白いことの一つ二つほど......あれは?
揺れ動く砂地のせいで、中々焦点が定まらない視界。
目を細めてやっとわかった、凹凸の一つもないこの世界に目立つものが一つ。
「三脚?」
駆け寄る。
結構遠いなあ。めっちゃ走りやすいからいいけど。まさか私ダート適正あるのかね。
大きな三脚だあ。
結構ゴツい。そして重い。テレビカメラ用かな?
それとも、望遠鏡用か。
思い出す。父と妹が共有している、星を見る趣味が昂じて、大きめの天体望遠鏡を買おうとカタログを見ていたことを。
母はその様子をにこやかに眺めていたけれど徐々に上がっていく金額に顔が______なことは置いておいて、多分これはそれだ。天体望遠鏡の三脚。
肝心の本体は......あった。
三脚の根本に、横たわるようにして砂に半分ほど埋まっている。
確か精密機器だよね!? 砂なんか大敵でしょこれ!
焦り半分興味半分近づいて引っこ抜く。
するりと抜けた望遠鏡本体に傷一つ無く、砂の一粒も付着していない。良かった、夢の中で。
地面を見れば、いつの間にか引き抜いたあとも波紋に掻き消されていた。
ウマ娘の腕力でも中々の重量の筒を抱え、三脚に振り向く。
......ここで天体観測しろと言うのだろうか。どんな夢なんだこれ。
まあ、折角だし、こんな綺麗な星空なのだから見てみるかとえっちらおっちら筒を三脚まで持っていき、三脚に取り付けられた架台を確認する。
......ネジやらレバーだらけでわからん。多分対応すると思われる部分に筒を載せてネジを締めればいいのだろうが...兎に角載せてみ____うおっ!
『セット』
架台に筒を嵌めてみたらなんか勝手に色々締まった。謎機能。夢だからなのか現実にもある機能なのか。
『ロック』
なにかの調整レバーやダイアルが勝手に動き出し、望遠鏡はある角度、ある方向を指して停止した。
......びっくりした。自動調整機能とはハイテクな。
じゃあ、折角だし。
覗いてみることにしますか。
砂に膝を着く。
自動で固定された望遠鏡に沿って真っ直ぐ接眼レンズに目を近づけて___________
『観測 開始』
そこで目を覚ました。
「.........。」
あからさまに不機嫌なまま朝のルーチンを熟しつつ、妹に愚痴る。
「面白い夢に逃げられた....。」
「あるあるー。珍しく面白い夢に限って、良いところで起きちゃうよね。それで不機嫌なの?」
「いや、うん、まあね。」
なんとなく目を瞑る。拡がるのは憶えのある景色。
どうしちゃったのだろうか私の脳ミソ。
寝相が悪すぎてどこかぶつけたか?
「お姉ちゃん、二度寝は駄目だよ。もう出ないと。」
「はいはーい。やば、今日日直。先出てるね。」
「ちょっと! 髪ぐらい整えなよ!」
「走りながらやるー!」
玄関のハンガーツリーに無造作に掛けられた通学バックとふかふかのジャケット、帽子を引っ掴み外に飛び出す。
「あっっっつ。」
残暑。まだ朝だってのにこの暑さ。
昨日の夕方は涼しかったのでジャケットを持ったのだがこれはいらなかったか?
適当にバックに上衣を突っ込み、走り出す。
少し郊外寄りの自宅から、商店街を通り抜けて学校へ走る。
ペイントが掠れたウマ娘通行帯を駆け抜けながら、食べ途中だった丸パンをはむはむ。
「おはようシーちゃん、今日は早いねえ。」
「おはよーございます。日直なんですー。」
「朝飯食ってる途中じゃねーか。ついでにこれでも食ってけな!」
弁当屋、揚げ物担当のおじさんから放られたコロッケの袋を加速してキャッチし、手を振る。
「ありがとーございます。夕方よりますねー!」
いい人といい町。
まだまだ古き時代の気配が残る町中を、
コロッケを頬張りつつ走っていく。
うまい。
・
「うひゃあ、もうあんな遠くに。シーちゃんも中々速いもんだ。もしかしなくても大成するんじゃないか。」
「ええ、でも、
「はー....そうかそうか。そこら辺は二人の自由だしな。ライラがここをあんなに盛り上げてくれたから、少しは期待しちまう自分がいるらしい。参った参った。」
栄枯盛衰。時代に押し流され、錆び始めている商店街を眺めながら、彼は呟く。
少しだけでもあの栄華を。と願ってしまうのはなんとも欲深いと苦笑いしながら、店内に飾られた大枠の写真を眺める。
『ノースライラ、川崎記念一着!!』
赤の下地に金の文字のレイを背負い、手を上げる少女の姿。
砂に塗れた水色の勝負服。浮かぶ笑みは不敵だろうか。
あの日の歓声。刻まれたものを思い出す。
「あの
「やーね、それじゃあ賭けは成立しないじゃない。私も期待してるのよ?」
・
「走りながらやるー!」
そう叫びながら、丸パンを咥えあげる姉の姿にあきれながら、こちらはしっかりとした朝ごはんをいただきます。
元走者であるお母さんによって調整されたメニューは、私たちの
「お母さん、後で調整手伝います。」
「いいのよ、これは勝手にやってることだから。中央のこと、まだ言わなくていいと思う?」
「多分今言っても逃げられると思いますよ。完全に逃げ道ふさいでから叩きつけるつもりです。お母さんの見立てではお姉ちゃんの仕上がりはどうですか?」
「あなたには及ばないけど、同学年では十分よ。十分だけれど....あの変な走り方、結局直せなったはね。」
「あれでいいと思います。あれはお姉ちゃんの強みにもなっていくと思いますから。」
「ずっと一緒に走ってきたあなたが言うなら、私はそれを信じるわ。再来年の春から二人で頑張ってらっしゃい。ケガだけは、本当に気を付けるのよ。」
「気が早いですって.....良いトレーナーさんは見つかりそうですか?」
「任せなさい! お母さんとお父さんの
「知ってます。」
お母さんの自室に飾られた、多くの写真を思い出して、そうつぶやく。
たぐいまれな砂の資質は、運よく私たちに受け継がれました。
ダートを走れば、立派な成績を残せるでしょう。
だけど、狙うは、
「トリプルティアラ....」
写真の中で、一際目立つ芝G1。
姉と何回も見た
「無理はしないように。私はケガだけはいやよ。」
「わかっています。これは、私の夢ですから。」
必ずや、女王へと。
・
日直の仕事を終え、自分の席につく。
ポカポカと、窓から射す暖気に、
誰もいない教室は翳っていく。
頬をつく/息を潜める
瞼を閉じる/大地は白み
言葉を紡ぐ/走り出す
これは夢。
あり得ない、陽炎の命。
祈りのかたち。
鏡のような、幻の欠片。
だとしても、
一応"スターシーカー"というお馬さんはいらっしゃいますが、全く関係ありません。
『原作のないウマ娘』と言っておいて名前被りとかマジ?って感じですけど、これ以上テンションの上がる名前が無かったので勘弁してください。
二人は双子です。わざとです。アドマイヤベガが大好きです。
二人の母親は実在馬をモデルにしています。脚質とか適性はそちらをベースに考えております。
解釈違いや『素人質問で恐縮ですが』が怖い今日この頃です。
何年の世代と競わせるかまだ悩んでますので、後でアンケートとると思います。よろしくお願いいたします。
母親のモデル馬がBNW、1993世代なのですが、その娘達(姉クラシック路線予定、妹ティアラ路線予定)はどの世代と走らせるべきでしょうか?
-
1997年世代 スズカドーベル
-
1998年世代 黄金世代ファレノプシス
-
1999年世代 覇王世代ハルウララ
-
その他