パッと思い付いたものを適当に書いただけなので色々と雑ですがよろしければ。
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世間を騒がせた病気があった。それは、性転換病。原因も治療法も分からなかったこの病気は、社会に混乱をもたらした。
現在でも原因は不明、治療は不可能らしい。たが、発症率は僅か0.0001%であるらしいことから、次第に混乱は収まっていった。あまりにも現実的ではない数字だから、この時の俺も軽く流していたような気がする。
だから、俺がその病気にかかるなんて思いもしなかった。当然家族や友人たちの、俺への対応は変わってしまった。当然だとは思うけど、俺はそれが悲しくて、そして悔しかった。なぜ俺が、と自問自答した回数は数えきれない。
でも、あいつは変わらなかった。幼稚園の頃からずっと一緒だった、たった1人の親友は。
そんな親友に、俺が恋心を抱いてしまうのも、自明の理というものだろう。
……でも、元男だし。やっぱり、気持ち悪いと思われるんだろうか。もし拒絶されようものなら、俺は……。
どうしようもない不安が心を埋め尽くしてしまう。どうすれば拒絶されない?受け入れてくれる?いっそのこと、このまま親友の関係の方が良いのではないのか?そんなことさえ思ってしまう。
そんな風に考え続けていたある日、いつものように一緒に下校しようと思い、あいつを探していたときに見てしまった。あいつが、クラスの女の子と楽しそうに話している姿を。
それを見て、俺は……酷く嫉妬してしまった。元々はそんなに話をするようなタイプではなかったはずだ。
あいつは、俺だけのものなのに。
今までずっと、俺のものなんだ。
今さら誰かに渡すものか。
こうして、俺は告白することを決意したのだった。
思い立ったら即行動。こんなこと、冷静になって考えるとできるはずがない。今のうちだけなんだ。
そんなことを考えていたら、あいつの話は終わっていたらしい。いつも通り、2人で下校する。
……今日、俺は、告白するんだ……。臆病風に吹かれないように、自己暗示をかけながら。
そうこうしていると、俺の家の前までついてしまった。今しかない。
「ちょっと良いか」
「ん、なんだ?」
「えーっと、あの……」
詰まるな。最後まで言い切るんだ。
「俺は……お前のことが好きなんだ、だから……付き合って、くれないか……」
「……は?え?ん?」
……え。
「お前が?俺を?」
「う、うん……」
そんな、わけ……ない、よね?
「あー、えっと……」
あいつは、言葉が上手く出てこないらしい。
え、これって……。
失敗……した?
「……もういい。忘れて、じゃあね」
「あっ、ちょっと待てって!」
そうなんだ。ダメだったんだ。そんな……
何か言いかけてたみたいだけど、俺じゃ、やっぱり嫌ってことだよね……。
俺はすぐに自分の部屋に入った。自分でも、少し前まで男だった奴が告白するなんて馬鹿げたことだとは思っている……けど。
「好きだったのに……ぐすっ……うぅ…」
これから、どうしたら良いんだろう。何も、考えられない。
「どうしたらいいの……ぐすっ……」
そういえば、最近のあいつはよく他の女の子と話をしていた。それって、
「うぅ……他に、好きな子がいたって、こと、なのかな……」
俺は、ただただ泣き続けることしかできなかった。
それからだいたい30分後、俺を振ったはずのあいつが、俺の部屋に入ってきた。
「鍵閉めただろ、そのせいで時間がかかっちまった」
「……なんで、来たの……」
凄く気まずい。そもそも、なぜ……。
「そりゃあ、お前のさっきの告白の返事をするためだよ」
「……え?」
「さっきは気が動転してて……まさかお前も好きだったとは思わなくて、上手く言葉を紡げなかった」
「……じゃあ、俺は……」
「勝手に振られたって勘違いするなよ。俺も同じだよ。お前のことが好きだ……これ、結構恥ずかしいな。よく言えたな」
ってことは、俺の、ただの勘違い……?勝手に拒絶されたと思って、勝手に1人で塞ぎ込んで。なんというか、さっきまでの俺が凄く馬鹿のように思ってきた。
「じゃあ、俺と、付き合ってくれるって、ことか……」
「今さらなに確認してんだ。そう言ってるだろ」
「うぅ……ありがと……ひっく、ぐすっ。うあああ」
「ちょ、おい!」
あいつも俺のことが好きなんだと、そう認識した瞬間、俺は涙が止まらなくなってしまった。さっきまでのようなものじゃない。嬉し涙だ。
「ふふっ、そっか。お前も俺のこと好きなのかぁ、えへへ」
当然だけど、今まで女になったことに対して好意的な印象はなかった。でも、それでも、そのお陰であいつと付き合えるってんなら、俺はこの病気のことも、少しは好きになれるような気がした。