呪いのガンダムとインフィニット・ストラトス   作:エドアルド

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凄まじく久しぶりで申し訳ない。これからも不定期更新になるがつきあっていただけると幸いです。


中国からの転校生と新機体

 

 朝。クラスでは4月という季節外れの転校生の噂で持ちきりだった。中国からの転校生らしい。

 何かしらがあって入学が遅れたのなら転校生という表現は使わない為、おそらくは一夏と俺の2人の男性操縦者が現れた為に急遽、IS学園に転校させたというのが事のあらましだろう。

 

「──その情報、古いよ」

 

 その聞き馴染みのない声がした方に視線を向けるも見知らぬ少女が立っていた。少なくともこのクラスの生徒では無い。

 どうやら一夏たちの会話に割って入ったようだ。

 

「2組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

「鈴……?お前、鈴か?」

「そうよ、久し振り!中国代表候補生、鳳(ファン)鈴音(リンイン)が宣戦布告に来たってわけ」

 

 どうやら一夏の知り合いらしい。それに自己紹介からして彼女が件の中国からの転校生らしい。

 

「何かっこつけてんだ。すげぇ似合わねぇぞ」

「んなっ……何てこというのよ、あんたは!」

 

 いつも思うのだが一夏は少々デリカシーが無い気がする。だが話している感じ、少なくとも親しい人ではあるようだ。

 仲良く話しているのは良いのだがもうそろそろ時間だ。

 

「ふぎゃっ!?」

 

 凄まじい音をたてながら織斑先生の出席簿が鳳の頭に叩き込まれた。

 なんというかこの学園というかクラスか、退屈できなさそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日は一夏の周りに鳳が増えた事で何やらさらに騒がしくなったが俺にはあまり関係の無い事だ。

 

 とりあえず授業が終わって放課後。アリーナに俺とマドカ、簪、本音の4人は集まっていた。ミカエリスの試運転なのだが……。

 

「ふぉふぉふぉ……何かね?」

「何故いる束」

 

 白い付け髭をして変装した気でいる束の姿が目に映る。本当に何故いるんだコイツ。

 

「もう!ミカエリスのデータ取るなら呼んでよね!」

「お前は仮にも国際指名手配だろうが……」

 

 何故こうも堂々と不法侵入をかましているんだこいつは。織斑先生早く来てくれ。

 簪と本音の2人は絶句して言葉も出ていないぞ。マドカは呆れてるし。

 

「ふふん、私が新たに作った光学迷彩装置『ミラコラ』くんで誰にも見られてないから問題無いよ。学園内のカメラもハッキング&改竄済み。束さんに死角は無いのだ!!」

 

 こいつはもう。

 ……というか水星の魔女以外のガンダム世界の技術の事下手に話すんじゃなかったよ。というか名前からしてミラージュコロイドか?流石にあれを作った訳では無いよな?無いと言ってくれ!

 

「束?」

「……ちーちゃん?…………ごめんちゃい……」

「……許さん」

「───いぎゃあァァァァァ!?頭潰れちゃううぅぅ!!」

 

 そうこうしているうちにいつの間にか来ていた織斑先生に束はアイアンクローで頭を捕まれミシミシと常人なら既に頭が潰れたザクロになっているような音を出してもがき苦しんでいる。良いぞもっとやれ。

 

「すまないなラーミナ」

「いえ、助かりました」

「う、裏切ったな───んぎゃぁぁぁぁぁあ!?」

「裏切りものもクソも無いだろう!!何故ここにいる!!」

「ぎぶ!ギブギブギブ!!もうほんとに無理ィィ!!」

 

 流石にこれ以上はまずかったのか織斑先生はやっと束から手を離した。するとドサリと力無く束は倒れた。

 

「ううぅ、酷いよ2人とも……」

「突然来た貴様が悪い」

「同意する」

「味方がいないよォ」

 

 そんな束を放って準備に取り掛かる。

 

「さて、始めるぞ」

「え……あの、良いの?」

「ああ、問題無い」

 

 簪の疑問は分からなくもない。普通の人からしたら世界的な有名人がいきなり現れ、その後暴力にされられて放置されてるからな。

 だが束を良く知る人達からは扱いが毎回こんなものなので特に問題は無い。

 

 俺の言葉に簪はチラチラと束を見ながらもミカエリスを展開する。

 

 それに合わせていつの間にか復活した束と一緒に初期化(フォーマット)と最適化(フィッティング)をする。MSを利用したISは形態移行(フォームシフト)をしないため一次移行(ファーストシフト)はしないが。

 

 

 束がいるおかげで数分で諸々の設定は終わり今度は稼働データを取り始める。

 

 単純な飛行からIS特有の瞬時加速(イグニッション・ブースト)をさせたり戦闘機などでも使われる空中動作(マニューバ)など様々な動作をさせた。ミカエリスの兵装、戦術複合装備「ビームブレイサー」も「ジャベリンブレイサー」も「アンチドート」しっかりと使えていた。

 特に問題は無いだろう。

 

「性能的には問題無いか?」

「うん、そうだね。機体も兵装も特に問題無さそうだね。システムも特に問題無し」

 

 束も問題が無いと判断したらしい。これなら大丈夫だろう。

 

「とりあえずそのまましばらく動いていてくれ。慣れも必要だろうしな」

『うん』

 

 とりあえずミカエリスは問題は無さそうだな。この後はこのまま継続してデータ収集か。

 

「それで、わざわざ来たのはなんだ束」

「……まあ、バレるよね」

 

 言い方は悪いが今更ミカエリス程度では束が実際に調整、データ収集をする意義がない。にも関わらずこの場所にいるという事は来なければいけない何かがあるという推測は簡単に着く。

 

「実はね最近ちょっときな臭いだよねぇ」

「……予想通りか」

「まあね」

 

 束の言うきな臭さはやはり俺と一夏の2人が男でありながらISに乗れた事が原因だろう。そのせいで今世界中が騒がしい。

 その騒がしさの中には世界に2人しかいない男性操縦者が気に入らない者もいるわけだ。

 

「ここに来たのもアンテナ貼りに来たんだよね。物理的な危険はISやちーちゃんがいる限り少ないけどさ」

「はぁ、私は便利な防犯装置じゃないんだぞ」

 

 束の言い分に織斑先生は頭を抱えていた。それは、おそらく目を背けていた問題がたばの口から表面化してきたのを知ったからだろう。

 

「まあ、予想通りだしそう言うやつを炙り出すのも俺の仕事だったしな」

「うん、束さんは念の為だよ。……それにやらかしたっぽいし」

「おい、今なんて言った……!」

 

 小声だがしっかり聞こえたぞ。

 

「束、今すぐ話せ」

「ち、ちーちゃん、どうして束さんは頭を掴まれてるのでしょうか……?」

「やられなきゃわからんか?」

「話させていただきます!」

 

 俺が行動を起こすよりも早く織斑先生のアイアンクローが束を襲い空中に吊るされる、手に力が込められれば一瞬にして奇声をあげる装置に束は成り下がる事だろう。

 

「そ、その、実は放棄した隠れ家に無人ISのプロトタイプを置き忘れちゃって……何処かわからない奴に漁られちゃった。……てへっ、許して♡」

「お  ま え はぁぁぁぁぁ!!」

「いぎゃあぁぁぁぁあ!?」

 

 とんでもないやらかしたを告白した瞬間束の頭からは軋む音が鳴り響いた。しばらくそれが続けば束はビクビクと痙攣するだけのオブジェと化した。

 いい気味だ。

 

 しかし、よりにもよってこいつのIS技術が流出したと来たか。しかも相手が不明か。いや、国ならばもう少し情報が入って来るはずだ。

 それも無いとなると必然的にISの技術を欲しがるような国と関わりの無い組織。筆頭候補としては亡国企業(ファントム・タスク)あたりだろうな。

 厄介な事になるな。

 

 まあ、今はミカエリスの調整だ。めんどくさい事は後で考えるとしよう。

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