EYESHIELD21 天使の軌跡   作:沢霧春慈

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今作品は話の都合上オリキャラが多くなります。


3rd down 黄金の脚を持つ少年

 三月も終わり頃になり、世間の学生達は春休みを過ごしていた。

 誰もが自由に過ごす中、昼下がりの公園で小早川瀬那は独りトレーニングに励んでいた。

 上下黒のジャージに身を包み、手にはなけなしの小遣いで買った新品のアメフトボールをその細腕に抱えてひたすら己の身体を苛め抜く。

 広い公園のランニングコースを石蹴りしながら全力でダッシュを繰り返す姿は、周囲の者から見れば奇妙に映る事だろうが、これにはちゃんと意味がある。

 嘗て時代最強のランナー“アイシールド21”と呼ばれた瀬那だが、何の因果か解らないが過去に遡った時に、身体能力がアメフトを始める前まで大きく落ちてしまった。

 言うなればゲームをクリアして、鍛え上げたスキルを継承させて最初からやり直している状態だ。

 現状の瀬那は技術と経験はトップクラスだが、それを生かす肝心の身体能力が全然足りていない。自分が思った通りの動きがしたくても身体がイメージに追いつかないのだ。

 その証拠に一周一キロもある公園のランニングコースを走っているが、僅か十周したあたりから身体が音をあげ始めていた。

 

 「ひいいぃぃ・・・これで20週目・・・」

 

 息を荒げながら水分補給の為にふらふらしながらも水道へと向かう。

 その姿は凄いものだった。

 着ているジャージは汗で濡れ、汗拭き用のタオルも絞れば汗が沢山絞り出るであろうほど濡れている。

 

 「よし! さっぱりしたし、再開しよっと」

 

 ジャージやシャツなどの汗も搾り出して、冷たい水道水を頭に被ってさっぱりした瀬那は再びトレーニングを始める。

 今から一週間後には関西の高校へと入学する。

 現在の日本高校アメフト界には西高東低という言葉がある。

 アメフトは東日本よりも西日本の方が圧倒的に強いという意味である。

 そう言われる所以は、東日本と西日本の最強チームが激突する全国大会決勝戦“クリスマスボウル”で一度も東日本側が勝利したことが無いことに起因する。

 西暦1980年に始まったクリスマスボウルは、初代優勝校である関西の帝黒学園が現在に至るまで全て優勝している。

 東日本で不敗神話を築き上げ続ける神龍寺ナーガですら遠く及ばない力による絶対王政。

 瀬那が関西でクリスマスボウルに行くには、その絶対王政を終わらせなければならない。

 嘗て瀬那は東日本代表・泥門デビルバッツのエースとしてクリスマスボウルに参加して全国制覇したが、その時は頼もしい仲間がいた。

 だが今度通う関西の高校では新たな仲間と帝黒打倒を成し遂げなければならない。

 不幸中の幸いと言うべきか、瀬那は今年の帝黒がどれだけ強いか知っている。

 まだ見ぬ仲間達の事はともかく、帝黒に勝利する為には帝黒学園のエースにしてアメリカの元ノートルダム大付属中学校のエースランナー“アイシールド21”大和猛に自分が絶対勝たなければならない。

 その為に瀬那は春休みをトレーニングに費やしている。

 日本広しと言えども春休み中デスマーチをアメフト選手は自分位だろう。

 一日中トレーニングに明け暮れる瀬那に両親と幼馴染の姉崎まもりは何も言わなかった。

 それどころか何かやりたい事を見つけて以前よりも生き生きとしている瀬那の事を応援してくれている。

 

 「・・・これで37週目・・・・・・」

 

 昼食を食べて昼からトレーニングを再会してから四時間近くが経過した。

 もう既に四十キロメートル近く石蹴りをしながら全力疾走を繰り返しているせいで脚は震え、身体がもう休ませろと悲鳴を挙げる。

 それでもまだ休むわけにはいかない。休憩が少しだけ許される夕食まで後一時間半近くもある。

 そして夕食再開後に午前零時までトレーニングして、二十四時間休ませる事で筋肉を超回復させなければならない。

 二日分トレーニングをして二十四時間休ませて二倍超回復させる。

 それが嘗て泥門デビルバッツを奇跡のチームへと変えた拷問トレーニング“死の行軍(デスマーチ)”である。

 

 「あれ、あの子どうしたのかな?」

 

 休む事無くそのまま次の周回に突入しようとする瀬那だが、公園の出入り口の前で地図を片手に困った顔をしている少女見つけた。

 肩まで伸びたストレートの黒髪を二つに別けてお下げにした可愛らしい少女だ。

 おとなしそうで、年齢は瀬那と同い年位だろう。

 何か困り事だろうか、とお人好しの血が騒いだ瀬那は、トレーニングを一時中断して少女に歩み寄る。

 そこで瀬那は気付いた。

 少女の方へ猛スピードで走って来る一台の乗用車の存在に。

 少女は自身に迫ってくる暴走車の存在に気付いていない。

 

 「!? 危ないっ!!」

 

 最悪の事態を予想した瀬那は、腕に抱えたアメフトボールを放り出して全力で走り出す。

 瞬時にトップスピードまで加速する人間離れした脅威の瞬発力でスタートした瀬那だが、ほんの僅か間に合いそうに無い。

 

 (間に合わない!?)

 

 最悪の事態が頭によぎる瀬那。少女の方もようやく自分の方へと突っ込んで来る暴走車に気付いて、その可憐な顔を恐怖に歪ませる。

 それを見た瞬間―――瀬那の中に秘められたリミッターが外れた。

 

 (間に合えぇぇええええええ!!!)

 

 現在の自身のトップスピードである40ヤード走4秒4の音速の足がさらに加速する。

 そして辿り着くのは人類の限界速度―――40ヤード走4秒2という光速の世界。

 現日本最速の領域に達した瀬那は、トレーニングの疲れで悲鳴を挙げる脚に活を入れ、少女に向かって一目散に駆け抜け、立ち尽くす少女の身体を抱えると横に大きく跳ぶ。

 間一髪だった。

 間一髪で瀬那は事故に遭う筈だった少女を救い出すことに成功した。

 少女を救い出した瀬那は少女を腕に抱きかかえたままゴロゴロとアスファルトの上を転がる。

 さっきまで少女がいた方から車が何かに激突する音が聞こえ、転がる二人は誰かの手によって受け止められた。

 事故が起きた事に周囲が騒がしくなるが、瀬那はそんなこと気にできないほどほっとしていた。

 

 「ハァハァ・・・危なかった・・・」

 

 最悪の事態をまぬがれたことに安堵して息を吐く瀬那。

 少女の方も転んだ時にできた擦り傷程度で済んでいる。

 

 「無事か二人とも?」

 

 瀬那と少女を受け止めてくれた人物が二人に声を掛ける。

 

 「は、はい・・・」

 「はい・・・ありがとうございます―――」

 

 瀬那と少女は体を離してアスファルトに座り込み、少女はぼんやりとしながら答え、瀬那は受け止めてくれた人に礼を言いながら顔を向けると思わず固まった。

 受け止めてくれた彼は、パシリだった瀬那を戦士へと変える切っ掛けを作った因縁の深い相手だったからだ。

 被ったフード付きの白いジャージから覗く生真面目そうな精悍な顔と弛まぬ努力で鍛えられた筋肉質の身体。

 高校史上最強のラインバッカーにして瀬那の永遠のライバルであるパーフェクトプレイヤー―――進清十郎。

 それが彼の名前である。

 

 「どうした? 何処か痛むのか?」

 「いいえ、大丈夫です!」

 

 思わぬ人物に助けられて呆然している瀬那を訝しげに思った進が声を掛けると、瀬那はすぐに立ち上がって無事な事をアピールした。

 この時はまだライバルでも何でもない他人だが、嘗てのライバルに情けない姿を見せたくなかった。

 

 「そうか、なら良かった」

 

 すぐに立ち上がった瀬那の様子を見て進は、フッと微笑んだ。

 珍しいものを見たな、と思いつつ瀬那は尻餅をついて座り込んでいる件の少女に様子を尋ねた。

 

 「君は大丈夫? どこか痛いところはない?」

 「はい、ありがとうございます。どうにか無事みたいです」

 「そう、良かったぁ~。立てる?」

 

 少女の無事に瀬那はほっとして喜び、手を差し出す。

 少女は手を取って立ち上がるとスカートに付いた砂をパンパンと払う。

 三人が視線を向けた先には電柱に突っ込んでフロント部分が大破した車があり、野次馬らしき人達によって運転手が運転席から引きずり出されていた。

 

 「あ、警察を呼ばなくちゃ」

 「もう誰か呼んだんじゃないかな」

 「それでも一応警察に電話しといた方がいいだろう。事が事なだけにな」

 

 事故が起きた事を改めて実感した少女が携帯電話を取り出して、警察と救急車に電話しようとするが、瀬那が大勢の野次馬を見て必要無いんじゃないかなと呟き、生真面目な性格の進がしておいた方がいいと勧めた。

 少女は真面目そうな彼の言う通りだと思って電話しようとするが、現在の場所が分からない事に気づいた。

 

 「すいません・・・私、まだこちらに引っ越してきたばかりで場所が全然分からないから代わりに電話してもらえませんか?」

 

 少女は生真面目そうな進に携帯電話を差し出す。

 うむ、と頷いて携帯電話を受け取る進。それを見て瀬那は大事何かを忘れている様な気がして頭を捻り、はっととある一大事を思い出す。

 重度機械音痴である進に機械類を使わせてはいけないという暗黙のルールを。

 

 「進さん、僕が電話しますから!」

 

 進から少女の携帯電話を守るべく、進が持つ携帯電話にすぐさま手を伸ばすが。

バキャッ―――既に遅かった。

 少女の携帯電話は真っ二つに割れた。

 

 「・・・・・・電話がおかしい?」

 「きゃああああ!?」

 「ひいい、遅かった!」

 

 真っ二つになった携帯電話を不思議そうに見つめる進、それを見て少女は信じられないとばかりに悲鳴を挙げ、瀬那は間に合わなかったかと少女に内心謝った。

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 「電話の件はすまなかった。必ず後日弁償させてもらう」

 「当然です! 買って貰ったばかりだったのに~~~!」

 

 申し訳無さそうに頭を下げて謝る進に対して、涙目で真っ二つにされた携帯電話を握り締めて見つめる少女。

 あれから警察からの事情聴取などを終えた三人は公園にいた。

 もう既に日が暮れ始め、公園内には瀬那、少女、進の三人しかいない。

 

 「とりあえず自己紹介しませんか? 私を助けてくれた貴方には後日お礼がしたいですし、貴方には壊された携帯の弁償をしてもらわないといけませんから」

 「うん、それもそうだね。別に僕はお礼とかいいけど」

 「うむ。相手の名前と住所を知らなければ弁償も出来ない」

 

 少女の言葉に頷く二人。瀬那の方は友好的だが、進に対しては棘を感じるのは恐らく気のせいではないだろう。

 

 「私の名前は澄原葵。春から泥門高校の一年です」

 「僕は小早川瀬那。春から高校一年、学校は関西の誠光学院高校」

 「進清十郎。春から高校二年だ、王城高校に通っている」

 

 三人は自己紹介を済ませると電話番号と住所など互いの連絡先を交換する。

 進だけは携帯電話を持っていなかった為、自宅の電話番号だったが。

 

 「小早川君はラグビーが好きなの?」

 

 葵が瀬那が腕に抱えて持つ楕円形のボールを見て聞くと、瀬那は苦笑した。

 

 「セナでいいよ。それとこれはアメフトのボールだよ」

 「そうなんだ、私の事も葵って呼んでくれてもいいよ」

 「ならそう呼ばせてもらうよ。こう見えても僕、アメフトの選手なんだよ」

 「へぇ~・・・そうなんだ」

 「ポジションは何処だ?」

 

 小柄な瀬那がアメフトの選手だという事を知った葵が意外そうな顔をし、瀬那に興味を持った進がポジションを聞いてきた。

 

 「ランニングバックです」

 

 瀬那は進の顔を真っ直ぐ見据えて答えた。

 二人の間に重苦しい空気が流れる。

 いきなり場違いな雰囲気になった葵は真剣な表情で相手を見据える二人を交互に見る。

 瀬那と進は互いに相手を見極める様に見据え、相手の力がどれ位なのか想像する。

 瀬那が知る現在の進の実力は40ヤード走4秒4の高校最速で、ベンチプレスは140キログラムという日本最強のアメフトプレイヤーに相応しい実力者だ。

 それに対して現状の瀬那の実力は進と同じく40ヤード走4秒4だが、その気になれば人間の限界速度である4秒2を出すことも可能だ。

 パワーに関しては―――百キロ以上も差があるため比べる事じたいが間違いだが、触れられもしないスピードには、どんなパワーも通用しないことは共通の認識である。

 現状の自分の力が進に通用するのか試したい。

 瀬那の中でその想いが膨らみ、瀬那は口を開いた。

 

 「進さん。僕と一回だけ勝負してもらえませんか?」

 「受けて立とう」

 

 瀬那の提案に進はあっさりと頷いて指の関節を鳴らす。

 進にとっては願っても無い事だった。

 彼は事故の一部始終を見ていた。何故なら彼も葵に迫る暴走車に気付いて助けようとしていたからだ。

 彼女を助けようと走り、間に合わないと自身の不甲斐無ささに怒りを感じていた彼の前に瀬那は現れた。

 高校最速である自身を上回るスピードで彼女の窮地を救った少年。

 同年代で自分よりも速い少年で、おまけに自分と同じアメフトプレイヤーである瀬那の存在は進の興味を大きく惹いていた。

 その彼から挑まれて受けないなど考えられない。

 

 「勝負方式は、僕が進さんを抜いたら勝ちで、止めたら進さんの勝ちでいいですね?」

 「それでいい」

 

 瀬那と進は互いに距離を取り、葵は二人の徒ならぬ様子を黙って見守っていた。

 

 「葵、悪いけど合図をしてくれないかな?」

 「う、うん。じゃあこの石が地面に落ちたらスタートだから」

 「ありがとう」

 

 足下にある手頃な大きさの石を拾って見せる葵に礼を言うと、瀬那はボールを腕に抱えて身構える。

 日が暮れて暗くなった公園に電灯が点き、冷たい風が吹き、葵は石を上に放り投げた。

 そして石が地面に落ちた瞬間、向かい合う二人の男は全力で走り出す。

 片方は現高校最速を誇る音速の脚、もう片方は人類の限界速度である光速の脚。

 瀬那の脚は過度のトレーニングと葵を助ける時に引き出した限界速度でぶっ倒れる寸前だったが、最強(アイシールド21)の称号を持つ者としての意地で今日二回目の光速の世界へと突入した。

 片腕で相手を仕留める進のスピアタックルに対して、瀬那が繰り出すのは自身の得意技。

 嘗てアメリカ横断する時に編み出し、クリスマスボウルで更に進化させた超必殺カット、その名は―――デビルバットゴースト!!

 スピアタックルVSデビルバットゴースト。

 勝負は一瞬で決した。

 

 (勝った・・・!)

 

 進を完全に抜き去った瀬那はぐっと手を握り締めた。

 瀬那はタックルが来る寸前にクロスオーバーステップとカットステップを激しく刻んで進の左横を光速の脚で抜き去った。

 結果は瀬那の勝利。

 抜かれた進は瀬那の方を真っ直ぐ見据え、葵はさっき目の前で行われた一騎打ちに目を奪われていた。

 アメフトを知らない彼女はさっきのがどれだけ凄かったか理解できないが、とにかく凄いという事だけは解った。

 

 「俺の負けだ、小早川」

 「ありがとうございます」

 

 互いに歩み寄って握手をする二人。

 瀬那は猛特訓の成果が出せて満足し、進は完全な敗北で新たな目標が出来て嬉しくて笑みを浮かべた。

 

 「関西の高校に行くと言っていたな?」

 「はい、関西の誠光学院です」

 「ならば俺とお前が公式戦で戦うにはクリスマスボウルでという事になる。今日は俺の完全な負けだが、俺はもっと強くなる・・・! クリスマスボウルで会おう・・・!」

 「はい、僕も必ずクリスマスボウルに行きます・・・! そして今よりももっともっと強くなって進さんに勝ってみせます!」

 「ああ、そうでなくては困る・・・!」

 

 ライバル宣言をしてがっしりと握手する瀬那と進。その姿を近くで見ていた葵は初めてアメフトに興味を持った。

 この日の出来事が彼女の高校生活を大きく変える事になろうとは、まだ誰も知らない。

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 そして瀬那が地元を離れて関西の高校へと旅立つ日―――駅のホームに瀬那と葵はいた。

 

 「頑張ってね、セナがクリスマスボウルに行ける様に応援してるから」

 「ありがとう。葵も高校では陸上を続けるんだよね、僕も応援してるよ」

 

 二人は出会った日から親しくなって頻繁に会っていた。

 瀬那の両親、特に母の美生は彼女が出来たと誤解して喜び、幼馴染のまもりは弟が自分の下から巣立っていく姉みたいな複雑な顔をしていた。

 勿論二人の間にそんな関係は無い。せいぜい仲の良い友達レベルだ。

 

 「何かあったらいつでも相談してね、いつでも相談にのるから」

 

 葵は進に弁償させた新たな携帯電話を見せて微笑み、瀬那は葵の携帯電話を買いに行った時の事を思い出して苦笑する。

 真面目な進らしいと言うべきか、まさか携帯電話を買うのに同行するとは思わなかった。

 いつ店の携帯電話を壊さないかと見張っていたのは、まだ記憶に新しい。

 そんな他愛の無い話をしてると目的地に向かう新幹線がやって来た。

 

 「それじゃあ新幹線が来たからもう行くよ」

 「向こうで良い仲間が出来るといいね」

 「葵もね、行って来ます!」

 「行ってらっしゃい」

 

 荷物を持って新幹線に乗り込む瀬那を手を振って送り出す。

 瀬那は発進した新幹線の中から窓越しに葵が見えなくなるまで見つめ、自分の席へと向かった。

 座席に座って瀬那が鞄から取り出したのは、嘗て渡米する前に仲間から送られた激励の文字が書かれたアメフトボールと思い出が詰まった携帯電話。

 こっちの世界では使えない携帯電話だが、写真を取ったりする事くらいはできる。

 携帯電話ディスプレイに表示される高校時代と大学時代のデジタル写真の最後には彼女と撮った写真があった。

 

 「やるよ、僕は必ずクリスマスボウルに行く。絶対に・・・!!」

 

瀬那はボールを力強く握り締めながら自身を鼓舞した。

そして駅のホームから新幹線が見えなくなるのを見届けた葵は短い間だったけど一緒に過ごした友人にエールを送った。

 

 「頑張れ、セナ・・・!!」

 

 暖かな春の昼下がり、彼が乗る新幹線は関西の兵庫県へと向かう。

 そこで瀬那に待ち受ける数々の過酷な試練と出会いを知る者はまだいなかった。

 




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次回から瀬那は高校入学させます。

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