ア・バオア・クー攻略戦、彼らは白い救世主を見た。

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救世主を謳う者

 何度目かわからない爆発音がノーマルスーツを叩く。

 もはや残党しか残っていないと思っていたジオンにこれほどの余力があるとは思ってもいなかった。

 

「クソ! 駆動系がイカれやがったな! 左足が棒になりやがった!」

 

「撤退しろ! 下がれ!」

 

「連中は逃してやくれねぇよ! 黙って……ぐぁ!」

 

「アルファルド! 応答しろ!」

 

 爆発が直撃したのか、盾を持っていた左半身ごとなくなっている。

 コックピットは無事だと思うが気絶したのか……? 

 

「これ以上の戦闘は無理だ! ミナカワ! アルファルドの機体を回収しろ! この宙域を離脱するぞ!」

 

「り、了解です!」

 

 近くで爆発が起こる。

 ……敵のMSに捕捉されたな。

 

「豚鼻野郎が……先に撤退しろ! 殿は俺がやる!」

 

「フラン隊長! 無茶です! クソ!」

 

 三機か、腹を括るべきかもな。

 スラスターを吹いて距離を詰める。

 このまま盾をぶつけてやる。

 

「地獄で仲間が見てそうなんでな、一機ぐらいは道連れにさせてもらうぞ……!」

 

 敵機と衝突してコックピットが揺れる。

 スプレーガンを胸に押し当ててそのまま引き金を三度引いた。

 どうせ残弾は無いんだ、全てくれてやる。

 三度撃つ頃には動かなくなっていた。

 

「まずは一機だ!」

 

 動きが悪いな……素人か? だとしても油断はできないが。

 放たれたバズーカを盾で受けてそのまま爆煙から突っ込む。

 左手がイカれたな……だが片手があれば十分だ。

 スプレーガンを捨ててサーベルを抜く。

 武器を持ち替えようとしているのが見て取れるがこれなら俺の方が……いや、もう一機はどこだ!? 

 

「上か!」

 

 二発ビームが放たれる。

 強い衝撃がコックピット内にはしる。

 右足が持っていかれた、バックパックに当たらなかっただけマシといえばマシだが。

 バルカンを撃ちながら下がる。

 仕切り直しだが、状況は完全に不利だ。

 

「左手は……もう無理だな、バルカンの残量もないしエネルギーもカツカツだ」

 

 神はいないらしい。

 まぁあれだけ殺してれば神も見限るだろうが。

 だがまだ片手もあるし機体はうごく。

 刺し違えて……レーダーに熱源!? 

 この反応……味方か! 

 一機だけだがこのままよりマシだ。

 到着まで粘って……敵機が吹き飛んだ、ビームライフルか!? 

 だがレーダーの反応はかなり遠い、それ以外の味方の反応もない。

 

「遠すぎる……この距離から撃って当たるなんてあり得るのか!?」

 

「下がってください! 後は僕が!」

 

 子供の声だと!? 

 瞬きすらしない間にMSが沈む、あんな動きが人間にできるのか!? 

 まさか……あの機体は。

 

「……ガンダム」

 

 ……白い救世主。


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