順風満帆な日々を過ごす理系大学生の七瀬敬人は、突如悪の組織バースショッカーの襲撃を受ける。
マルチバースの自分自身から受け取ったディクリードライバーを手に、敬人は仮面ライダーディクリードとなって世界を守る戦いに乗り出す。

※こちらは読み切り版のパイロット版となります。連載版と設定が変わる可能性が高いです。

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読み切り版

「多次元宇宙論、マルチバースとは宇宙が我々が存在する単一の宇宙だけでなく、他にも無数に存在するかもしれないという仮定に基づいて生まれた理論であり、この理論物理学だけでなく数多くの分野で使われる仮説である!」

 

4年間通っている大学のとある教室。

教授が理論物理学の教科書を片手に、宇宙を表す様な絵を黒板に描いていく。

この理論物理学の授業では、他の授業では聞かないような突飛な理論がたまに教授の口から俺達の耳に飛び込んでくる。

マルチバース?そんなのフィクションの中の話だろうと思いつつ、その内容をノートに書き記していく。

 

「このマルチバースと言う話は、フィクションにおけるパラレルワールドにも近い話だろうね。」

 

栗山教授がお送りするこの理論物理学の授業は単位数も卒業単位数を満たし、所属する研究室で卒業研究と称してパソコンと睨めっこし続けている俺みたいな大学生にはピッタリだ。

 

「ここで皆に質問だ。マルチバースの種類を分類した理論物理学者は誰かな?」

 

「はい。」

 

おっと、ここで教授の質問タイムだ。

暇つぶしがてら、ここで答えてやるか。

 

「早かったな。じゃあ、七瀬君。」

 

「はい、マックス・テグマーク教授です。」

 

「正解だ。流石七瀬君だね。」

 

教科書を先に読んでいたおかげで、正解をしっかりと導き出せた。

この俺、七瀬敬人はこんな感じで授業をこなし、着実に学力を付けて大学院の内部進学まで勝ち取った。

都内の工業大学の大学院からなら、大手自動車メーカーやバイクメーカーの就職の間口も広くなる。

ここまで勉強をしっかり頑張ってきたし、後は卒業研究をこなして学部時代をしっかりやり遂げるだけだ。

 

(さて、今日はどの映画を見ようかな。)

 

とは言え、その卒業研究も夏休みシーズン前には終わりそうだ。

今日は家に帰って大好きなアメコミ映画でも見ようかな。中学時代から洋画にドはまりし、出演してる俳優みたいに身体鍛えて筋肉付けたり、格闘技もある程度かじってた時期もあった。

勉強とか仕事頑張って、家に帰れば映画。そんな平和な日常が続くだけでも幸せだ。

 

「きゃあああああ!!」

 

そんな日常に突然割って入るように、教室の外から悲鳴が響いてくる。

 

「なんだ!?なんだ!?」

 

次に入ってくるのは混乱する他の学生の声と、爆発音。

どこかの研究室が実験にでも失敗して、爆発事故でも起こしてしまったんだろうか?

他の学生や教授が教室の外に飛び出して、爆発が起こった方を見に行くのに続いて、俺も外の様子を見に行く。

 

「おいおい、何だよ…あれ…」

 

大学の中庭の方を見て目に入ったのは、爆発して煙を上げる研究室だけでなく、カニと蝙蝠を掛け合わせたような緑色の怪人とそれに率いられる黒タイツの集団。しかも黒いタイツには白い骨みたいなペイントまでしてて若干趣味が悪い。

何のイベントなんだ?これ?

 

「アビー、アビアビアビー!」

 

俺達の視線が外の怪人に集中していたが、その間にもう1体の怪人が俺達のいる校舎に入り込んできて、廊下に集まる俺たち目掛けて襲い掛かってくる。

 

「みんな逃げろ!」

 

新たな怪人の接近を受けて、栗山教授が避難するように促す。

その一声と共に学生達が怪人の出てきた方と逆方向に向けて走り出し、その人の波に流されるように俺も怪人から離れていくが…

こんなパニックの中に居たら圧死するって!

 

「皆落ち着いて!」

 

皆がパニックになって走ってしまえば、この大群衆の中で誰かが押し潰されたりして事故が起きてもおかしくない。落ち着いて行動するように呼び掛けるが、他の皆の耳には俺の声は届かない。

 

(ど、どうすればっ…!)

 

怪人の登場と、パニックになる学生の大群。

このまま怪人に襲われて死ぬか、パニックになった学友たちに押しつぶされるか。

かなりの死の危機に瀕してしまった。俺のこれまでの努力が…

 

(こっちだ。右を見ろ、右を…)

 

「右!?」

 

その時、頭の中に謎の声が伝わってくる。

この混乱で俺の脳もトチ狂ってしまったか?と思いつつも、右の方向を向いてみれば、窓が淀んで灰色のオーロラカーテンの様になっている。

 

(よく分かんないけど!)

 

だが、状況も状況だ。

一か八かその窓の方に手を伸ばしてみる。

 

「うおっ…!?」

 

すると俺の身体が突然浮き上がり、その窓の方に吸い込まれていく。

大型レジャープールに行った時、スリルが売りのウォータースライダーを滑ったことがあったが、その時に近い感覚でオーロラカーテンに引き寄せられていき、その感覚が終わったと思った時には上下左右全てが真っ白な空間の中に居た。

 

「ここは…?」

 

「気付いてくれたみたいで助かったよ。この俺の呼びかけに…」

 

どうやらこの空間には俺と、俺に呼びかけてきた男の2人しかいないようだ。

その声がした方を見てみると、そこにいたのは黒髪を耳にかかる程度まで伸ばし、髪をセンター分けにした整った顔立ちの青年であった。背は中くらいで服を着てても筋肉がしっかりついているのが伺える…

 

「って、俺!?」

 

と言うより間違いない。目の前にいる男の姿、それはまさしく俺自身であった。

強いて違いを上げるなら、フィクションでよく見るザ・未来人って感じの服を着ていて、眼鏡をかけている。

 

「正しくは、七瀬敬人が西暦2500年に誕生したマルチバースの七瀬敬人さ。」

 

「は?何言ってんの?」

 

いやいや、そんなマルチバースなんてある訳がない…

非現実的すぎるし、それに2500年に誕生した俺ってなんだよ?

 

「到底、現実的じゃなくて信じられないだろうが事実だ。現に大学に怪人が現れただろう?」

 

「確かに、アイツらは一体何なんだ?」

 

「彼らはバースショッカー…様々なマルチバースで暗躍する悪の組織だ。」

 

マルチバースで暗躍する悪の組織…なんかマー〇ルとかD〇の映画に居そうだな。

ただもう1人の俺の言ってることが正しいとすると、話の辻褄は合う。

マルチバースが存在し、そこで暗躍する悪の組織が襲ってきたから、マルチバースの俺が助けに来たってことか。

現に怪人ももう一人の俺もこの目で見てきた。これが夢の中じゃないとするならば、事実の可能性は高い。こんなアメコミ映画みたいな事態に遭遇するなんてな…

 

「とりあえず、バースショッカーが襲撃してきたってのは分かったけど、どうすればいい?このまま大学荒らされて黙ってられないんだけど?」

 

マルチバースがどうこうはさておき、今俺達の学び舎を荒らして回っている奴らを許すことはできない。

これまで学んできた教室や、寛ぐのに使ってきた中庭、腹を満たして幸福感を味わうことのできた食堂、それに俺や皆の努力の結晶である研究のデータ。それらをこれ以上壊されてたまるか!

 

「そう言うと思ったよ。そこで、君にはこれをプレゼントするよ。」

 

もう1人の俺の言葉と共に、俺のズボンのポケットから光が溢れ出す。

 

「これって…俺のスマホ?」

 

「そちらをハードごとアップデートさせてもらうよ。」

 

すると踏んだらすぐに折れてしまいそうなほど薄かった俺のスマホが、かつてのゲームボーイぐらいの分厚さのデバイスに変化する。持ち運びには不便だが、爆撃には耐えてくれそうだ。

 

「君のスマホはディクリードライバーにアップデートされた。バッテリーは無限だし、カメラも高性能。それに電波はどこでも届く!」

 

「けど、持ち運びにくそうなんだけど…」

 

「その代わり仮面ライダーディクリードに変身できる。」

 

「仮面ライダーディクリード?」

 

仮面ライダー?それって毎週日曜朝に放送してる特撮番組のことかな?

俺はあんまし見たことないけど…

 

「そうか、この世界の俺は仮面ライダーファンじゃなくて、アメコミファンだったね…まあいい、変身とかは分かるだろ?」

 

「まあ、ちょっとだけ…」

 

「じゃあ、ここで変身して大学の皆を助けに行こう!まずはディクリードライバーのアプリを開くんだ!」

 

よく分かんないうちに、仮面ライダーに変身することになってしまった。

だが、大学を守るためだ、手段は選んでいられない。

ディクリードライバーと呼ばれるスマホ型のデバイスを起動させ、変身アプリを開く。

 

『変身者、七瀬敬人を認識しました。』

 

「お、ベルトだ。」

 

ディクリードライバーから女性型AIの声が聞こえたかと思えば、俺の腰にベルトの様なものが巻き付く。

ライダーの定番と言えるアイテムだろう。

 

「そのデバイスの画面部分を表に向けて、ベルトに装填しろ。」

 

俺はその指示に従い、ベルトの中心部にディクリードライバーの画面側を表に向けて装填する。

 

「腰のカードホルダーからカードを出すんだ。」

 

「これかな?」

 

そして、右腰のカードホルダーから1枚のカードを取り出す。

それはバーコードと1人の仮面ライダーが描かれたカードだ。

 

「そのカードをデバイスに読み込ませて唱えるんだ!変身と」

 

「変身!」

 

そして俺は、カードを画面に近付けて読み込ませ、変身と叫ぶ。

 

『カメンライド!ディクリード!』

 

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「アビー、アビアビアビー!」

 

敬人がマルチバースの自分と話している時、ショッカーの怪人であるシオマネキングが迫っていく。

 

「アビー!」

 

そして、転倒してしまい逃げ遅れた女子学生を殴ろうと鋏が着いた右手を振り上げる。

 

「キャー!」

 

その腕で切られてしまい、ここで殺されてしまうと思った女子学生は目をつぶり、恐怖から逃れようと自身の顔を腕で覆う。

 

「アビ!?」

 

だが、その腕は彼女に達することはなかった。

シオマネキングの腕は何かによって侵攻を阻まれ、彼女の前で止まった。

 

「早く逃げろ!」

 

「あ、ありがとう!」

 

シオマネキングの攻撃を阻んだのは、灰色のオーロラカーテンから現れた1人の戦士だ。

その戦士は黒のアンダースーツの上に、バーコードを模したアーマーを胸部や肩に装備していて、体の多くは金色のパーツが付いている。紫の複眼が騎士の兜を模したバイザーの中から敵を覗き込む。

 

「アビ!?誰だお前は!」

 

「俺かい?俺は仮面ライダーディクリード。この世界は…俺が守る!」

 

シオマネキングの腕を掴んで攻撃をやめさせたのは、七瀬敬人が変身した仮面ライダーディクリードだ。

その状態から怪人の腹部目掛けて前蹴りを放って、敵の身体を押し倒す。

 

「アビー!アビー!」

 

新たに現れた仮面ライダーの存在に、警戒しつつもシオマネキングは戦闘員たちに彼に対する攻撃命令を出す。

 

「イー!イー!」

 

4体ほどの戦闘員が、ディクリードに向けてナイフを振り回しながら迫っていく。

 

「さてと、やってみるか!」

 

ディクリードに変身した敬人は、その性能を把握すると共にこのピンチから脱するためにまずは1人の戦闘員に狙いを定める。

 

「ハアッ!」

 

先頭にいる戦闘員の顔面に飛び掛かれば、こめかみを狙うように膝を出す。

 

「イー!」

 

頭部に膝蹴りを受けてしまった戦闘員が地面に倒れ、他の戦闘員がディクリードに向けてナイフを振り下ろす。

 

「空手やってて正解だった。」

 

今度はディクリードの放った蹴りがショッカー戦闘員の手首に当たり、それによりその戦闘員はナイフを落とす。

さらにその隙を逃さずに、しっかり距離を詰めると右、左とリズムよくパンチを撃って戦闘員を倒す。

敬人は幼少期に空手を、アメコミにハマってからはキックボクシングを習っており、初陣でその技術を発揮することが出来ていた。

 

『もう1人の俺、聞こえてるか?』

 

「電話も出来るのか、しかも戦闘中に。」

 

順調に戦闘員を2体倒したディクリード自身に、マルチバースの敬人が通信機能で呼びかける。

 

『腰のホルダーにある仮面ライダーのカードを使ってみろ。』

 

「これか?」

 

敬人が腰のカードホルダーから1枚のカードを取り出すと、そこには仮面ライダー龍騎の姿が描かれていた。

 

『カードをドライバーに読み込ませて、仮面ライダーの力を武装するんだ!』

 

「了解!」

 

『カメンライド!龍騎!』

 

龍騎のカードをディクリードライバーの画面部分に翳すと、ベルトがそのカードを読み込んで、カードがデバイスに取り込まれる。

すると、ディクリードの右腕が灰色のモザイクの様なもので覆われ、赤い龍の頭部を模した籠手に変化する。

 

「これは…?」

 

『仮面ライダー龍騎の力を武装させたのさ、性能はまあ、使ってみればわかるよ。』

 

「つーことで、早速使ってやんよ!」

 

ディクリードの右腕に装備された龍騎・ドラグアームをパンチを撃ち出すように突き出すと、龍の頭部を模した籠手から炎が放たれて、戦闘員達を焼く。

 

「おいおい、これ絶対屋内で使ったらダメな奴だろ。」

 

校舎を燃やしそうになって、少し狼狽えるディクリードであったが、戦闘員達をこの攻撃で倒すことができ、目の前にいる敵はシオマネキングだけとなった。

 

「他のも試してみるか。」

 

『カメンライド!ドライブ!』

 

続いて仮面ライダードライブのカードをディクリードライバーに読み込ませると、下半身が仮面ライダードライブの愛車であるトライドロンを模した赤い装甲に覆われる。脚部には車のタイヤの装飾があり、それが回転してディクリードの身体を前進させていく。

 

「ローラースケート的な感じか!」

 

脚部のタイヤの機能をローラースケートの要領で使えばいいと察したディクリードは、タイヤを回転させて加速しながらシオマネキングに向かっていく。

 

「オラァ!」

 

シオマネキングが振り下ろした片手の鋏と、ディクリードが振り上げた自身の右足がぶつかり合う。

 

「いっけえええええ!!」

 

「アビアビアビアビ!」

 

脚部のタイヤを回転させると、それがシオマネキングの腕の鋏を削っていき、一気にその甲殻の鋏を打ち砕く。

 

「コイツも喰らえ!」

 

ディクリードの特性としてカメンライドでライダーの武装を装備したまま他のカメンライドを使用しても、装備の部位が被っていなければそのまま解除されずに装備し続けることが出来る。

即ち、ドライブのカードをカメンライドしてドライブ・トライドロンレッグを装備したディクリードだが、その腕には先程の龍騎アームも装備されている。

その龍騎アームをシオマネキングの胸部に撃ち込むとともに炎を放てば、怪人の身体は炎に包まれながら

床を転がる。

 

「アビアビー!」

 

そのダメージによってシオマネキングの身体は限界を迎え、爆発四散する。

 

「戦う場所はもうちょっと考えねえとな…」

 

その爆発で校舎内の壁が黒く焦げてしまい、屋内での戦闘は二次被害を生むと学んだディクリードは、今度は中庭で暴れるガニコウモルと戦闘員達の方に目を向ける。

 

「ハアッ!」

 

未だ暴れる他の怪人たちを倒すがため、ディクリードは校舎の窓から飛び降りて中庭に降り立つ。

 

「何者だ!?」

 

「俺は仮面ライダーディクリード。ここで暴れるのは止めてもらおうか。」

 

中庭に降り立ったディクリードは、ドライバー上部のボタンを押してカメンライドによる武装を解除する。

 

「さて、まずはこれ使ってみようかな。」

 

『カメンライド!ウィザード!』

 

まずは、ガニコウモルに付き従う戦闘員達を一掃しようとディクリードはウィザードのカードをドライバーに読み込ませる。

 

「この装備は手だけなのか。」

 

ウィザードのカメンライドを発動したディクリードの左手には、ウィザードのドラゴタイマーを模したウィザードハンドが装備される。

そこには、赤、青、緑、黄の4色のボタンが設置されている。

 

「ま、試してみるか。」

 

『ヒート』

 

ディクリードに向けてナイフを持って襲い掛かる戦闘員達。

 

『プリーズ』

 

そんな戦闘員達に対し、ディクリードがウィザード・エレメントハンドの赤いスイッチを押してから手を翳すと、赤い魔方陣が生成されてそこから炎が放たれる。

 

「こりゃ、外で使って正解だったな。」

 

先程の校舎内で使っていれば、大火事確定だったであろう炎の威力に驚きつつも、魔方陣の方向を変えていって多くの戦闘員に炎を浴びせていく。

 

「他の魔法はどうだろう?」

 

『ハリケーン』

 

『プリーズ』

 

今度はウィザード・エレメントハンドの緑色のボタンを押して手を翳すと、戦闘員達の足元に巨大な緑の魔方陣が生成されたかと思えば…

 

「イー!?」

 

そこから巨大な竜巻が発生し、戦闘員達が巻き込まれて吹き飛ばされていく。

 

「さて、次はお前だ。」

 

『カメンライド!ブレイド!』

 

戦闘員を一掃し、残す敵はガニコウモルだけとなったところで、ディクリードはドライバーに仮面ライダーブレイドのカードを読み取らせる。

すると、ディクリードの目の前にブレイドの武器であるブレイラウザーと同形状のブレイド・ブレイラウザーをその手に装備する。

 

「さあ、いくぜ。」

 

「キィー!」

 

ディクリードが振るうブレイラウザーとガニコウモルの鋏がお互いに向けて振るわれ、それぞれの刃がぶつかり合う。

 

「オラァ!」

 

刃がぶつかり合うことでできたガニコウモルの腹部の隙に、前蹴りを撃ち出す。

 

「ハアッ…!」

 

前蹴りを受けてガニコウモルの体制が崩れたところで、ブレイラウザーを縦一閃。

その刃で切られた胸部の甲羅が火花を散らしてしまう。

 

「カードも使えるのか。」

 

『サンダー』

 

さらに、ブレイラウザーにラウズカードが格納されていることに気付いたディクリードは、その内の一枚であるサンダーディアーのカードをスラッシュリーダーにラウズする。

 

「喰らえ!」

 

ブレイラウザーから放たれた電撃がガニコウモルに直撃し、身体が痺れていく。

そのまま倒れるガニコウモルに対し、ディクリードはとどめを刺そうと新たなカードをホルダーから引き抜く。

 

『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディクリード!』

 

「これで終わりだ!」

 

ファイナルアタックライドのカードをディクリードライバーに読み込ませると、20枚のカード型のエネルギーがディクリードとガニコウモルの間に現れる。

 

「トウッ!」

 

そして一気に飛び上がると、そのカード達もディクリード自身に追従していき、それぞれが重なってディクリードの身体に吸収されていく。

 

「ハアアアァァァ!!」

 

右足を突き出した状態でガニコウモルに向けて突き進んでいって、そのキックがガニコウモルの胸部に突き刺さる。

 

「キィー!」

 

その足から流れ出るエネルギーがガニコウモルの身体に流れ込み、その負荷に耐えられなくなった怪人の身体は吹き飛ばされていきながら爆発する。

 

「これで全部かな?」

 

ガニコウモルが爆散したのを確認するとともに、ディクリードは他に敵の残りが居ないか周囲を見渡す。

 

『これで襲撃に来た敵は全てみたいだ。後は大丈夫そうだね。』

 

「そうか、けどバースショッカーはまだいるんだよな?」

 

そんなディクリードにマルチバースの敬人から通信が入り、こちらの敬人もそれに応える。

 

『まあね。色んなとこから出てくるだろうね。』

 

「なら、そいつらは俺が倒すよ。俺の世界に手は出させねえ。」

 

今日大学を襲撃してきた怪人こそ倒せたが、またこうしてバースショッカーの侵攻を受けて、自分の住む世界が脅かされることに対して敬人自身憤りを感じていた。

自分の歩む平和な日常が壊れる恐怖を知り、その想いを多くの人にして欲しくないという敬人の気持ちが、彼自身が仮面ライダーディクリードとして戦いう続ける覚悟を決めさせた。

 

『覚悟が出来てるなら十分さ。これからの戦いは長くなる、俺もサポートするよ。』

 

「頼んだぜ、もう1人の俺。」

 

2つのマルチバースの七瀬敬人による、マルチバースの平和を守る戦いはまだ始まったばかりであった。




設定集
七瀬敬人/仮面ライダーディクリード

21歳
都内の工業大学に通う青年で、大学院への進学が決まっている。

黒髪を耳にかかる程度まで伸ばし、センター分けにしている。
身長は平均的だが、顔立ちも整っているし筋肉もしっかりついていて女子からの人気が高い。

自信家でややナルシスト気味な性格だが、やると決めたことはしっかりとこなす信念が強い男。

アメコミオタクで特にマーベル系の映画をよく視聴している。
推しのヒーローはアイアンマンで、彼の様なエンジニアになりたくて工業系の道に進んでいる。
アメコミ系ヒーローへの愛が深く、出演している俳優を真似て筋トレやキックボクシングにも興じている。
それ故に正義感も強く、犯罪などはあまり見過ごせないタイプ。


マルチバースの七瀬敬人
本人曰く、自分自身が西暦2500年に誕生した世界線の七瀬敬人
仮面ライダーオタク。
詳細は不明だが、ディクリードシステムを作ったと思われる…

仮面ライダーディクリード
黒のアンダースーツの上に、バーコードを模したアーマーを胸部や肩に装備している。体の多くの部位には騎士の鎧を模した金色のパーツがいくつも付いている。頭部の形状も騎士の兜の様になっており、その中から紫の複眼を見ることができる。

ディクリードライバー
仮面ライダーディクリードの変身用アイテム。
スマホ型のアイテムで、カメンライドなどのカードを画面に読み込ませて使用する。
スマホとしてもバッテリー無限、どこでも電波が通じるなど破格の機能を持っている。

ディクリードのカメンライド
仮面ライダーのカードをディクリードライバーに読み込ませて使用する。
各仮面ライダーの武器や、能力を模した装備を自分自身に武装させることが出来る。

使用例
龍騎・ドラグアーム
カメンライド・龍騎で右腕に装備する武装で、龍騎のドラグレッダーの様な赤い龍の頭部を模した籠手を装備する。 ドラグアームの先端からは火炎放射を行える。

ドライブ・トライドロンレッグ
カメンライド・ドライブを使用して下半身に装備する武装で、トライドロンを模した赤いアーマー。 脚部にはタイヤの様なパーツがあり、それを回転させて走行したり、蹴りの威力を上乗せしたりできる。

ウィザード・エレメントハンド
カメンライド・ウィザードの装備
ウィザードのドラゴタイマーを模した武器で、ヒート、ウォーター、ハリケーン、ランドの4種類の魔法を発動できる。

ブレイド・ブレイラウザー
カメンライド・ブレイドを使用することで、仮面ライダーブレイドの装備であるブレイラウザーを装備できる。 中にはラウズカードも備わっており、その効果を使っての戦闘も可能。

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