まふゆ→→→→→→→→←えな
絶対こう。
異論は認める。
他のメンバーも出ます。多分。
作者の妄想も多いです。多分。
えななんは無自覚だし、まふゆは自覚して攻めるけど空振りしてほしい。
※妄想に妄想を重ねた話なので、原作の話はほとんど出ない予定です。
絶対どこかで矛盾するからね...仕方ないね。
私は大抵、自分で朝は起きない。
起きないというより、起きれないといった方が適切かもしれないけど、とにかく私は自分から起きることはほとんどない。
深くは考えられない頭で、今は何時なのだろう、と考えて、今日は予定のない日だったことを思い出して思考を放棄する。
そのまま2度寝に入りそうな時、私の上に誰かが覆いかぶさった気配を感じた。
目を開けると、そこにはひどく整った顔の女性がいた。
「絵名。もうそろそろ起きて」
「....おはよ」
「おはよう。もう朝ごはんの準備はできてるよ」
私、東雲絵名は、朝比奈まふゆに起こされる朝が好きなのだ。
少し低めの彼女の声が、まだ眠気を訴える頭の中に心地よく響く。
私が起きたのを確認した彼女は、私に背を向けて部屋から出ていった。
ただのエプロン姿なのに、それすらも様になっているように見えてしまうのはきっと、気のせいじゃない。
〈♪〉
「絵名、私もう出るから、外に出るなら戸締りよろしく」
「わかってるってば。いってらっしゃい」
「いってきます」
まふゆと共に朝ごはんを済ませた私は、コーヒーカップを片手にまふゆを玄関で見送る。
まるで気分は仕事に行く夫を見送る妻...いやまぁ、あまり変わりはないと思うけど。
リビングに戻ってきて時計を見ると、時刻は朝7時。
お互い大学生になったとはいえ、私とまふゆの生活リズムにはかなりの違いがある。
今朝なんかは分かりやすい例だろうか。
日々を忙しく生きているまふゆと比べて、忙しくない....というと違うけれど、まふゆに比べてまだ余裕のある私は、この家の家事を担当している。
同棲するにあたってまふゆの1日を聞いた時に、これはさすがに私が家事をやらなければいけない、と思ったことはまだ記憶に新しい。
台所で水につかっていた皿を洗い始めながら昔のことを思い出していると、ふと手が止まった。
「...そっか、1年か...」
まふゆと同棲を初めて1年。それを『もう』と捉えるか『やっと』と捉えるか。
感慨深いような...そうでもないような。
正直言って、まふゆに沢山迷惑をかけた1年だったんじゃないか、と思う。
今ではまふゆが私の名前を呼べば大抵のことは分かるようにはなってきたものの、最初は大変だった。
何となくは分かっても細かくは分からないうちは、まふゆに一々口に出してもらって...いや、今考えるとその方が普通なのかも...。
まぁいっか。今の状態の方がお互い楽だし。
今日の私は1日休みだし、普段だとできない細かい家の掃除をしてしまおう。
〈♪〉
『一緒に暮らさない?』と持ち掛けてきたのはまふゆからだった。
ニーゴのメンバー全員の進路が決まって、ひとまずお疲れ様会をいつものファミレスでしていた時に、4人全員が席について何気ない話をしている途中でいきなりまふゆがそう口にしたのだ。
困惑した。
いきなりまふゆから同棲しようと持ち掛けられるとは想像もしていなかったし、その対象はなぜか私だけだったから。
奏も瑞希も同じだったようで、最初に持ち直した瑞希がまふゆに『いきなりどうしたの』と理由を聞きだした。
少し前まで『よくわからない』が口癖のようなものだったまふゆが、いきなり自分の要望を口にし始めたのか、とどこか期待してまふゆの返答を待ったものだが、まふゆの口から出てきたのは合理性の話しだった。
要約してしまえば、『その方がお金がかからないから』だった。
偶然にもまふゆと私の大学が比較的近くなのだし、その方がお互い助かるだろう、という。
私からしてみればありがたい話だけど、肝心のまふゆから見てどうなのか。それが分からなかった。
奏が『母親はなんて言っているのか』と聞いてみれば、どうやらまふゆの母親は2つ返事だったようだ。
その理由までは知らないだろうから私たちは聞かなかったけど、予想はつく。
結局まふゆの真意は誰にもわからずじまいで、この日は解散したんだったか。
帰宅して夕食の際にその話をしたら、母親どころか弟である彰人からも『そうした方がいいなじゃないか』と言われてしまった。
それほど私は1人だとダメだと思われているのだろうか。
その話をした後、特に私が何かをするでもなく私抜きで話は進められており。
私の耳に入ってきたのは、まふゆと一緒に内部見学をする時だった。
〈♪〉
「これで洗濯は終わりっと...お風呂も掃除したし...2度寝しちゃおうかな」
時刻はもう少しでお昼時。
先日までまふゆは言わずもがなだけど、私自身も忙しかったおかげでたまっていた洗濯物や浴室の細かい掃除をしていたら、時間が思っていたよりも過ぎていた。
何か予定があったわけでもないけど...若干損した気分になるのは私だけだろうか。
外を見れば気持ちよさそうな天気をしている。
今日はサンドイッチでも作って、外でのんびり過ごそうか。
もちろん、その帰りに今日の夜ご飯の買い物をしに行くのも忘れずに。
慣れていない日は買い物をすること自体を忘れる日があり、まふゆが拗ねて大変だった事があった。
そのあとまふゆの言う事を5回まで聞く、という条件付きで機嫌を直してもらったが...消費された記憶がないのは気のせいだろうか。
サンドイッチの具材が冷蔵庫内にあっただろうか、と足を進めていると、電源がついたままのPCから通知音が鳴り響いた。
私が通知音を個別で設定しているため、誰から連絡が来たのかすぐわかる。
今回の音は瑞希からの音だろうか。
ニーゴのみんなとは相変わらず、といった感じだ。
お互いの都合があるから、25時に集まることはあまりできなくなってしまったけど...私たちのオリジン的な意味もあるから、名前はそのままニーゴだ。
というか、今でも25時に集まっていたらまふゆはこの1年で間違いなく倒れている予感がする。
瑞希からのメッセージは、『駅前に新しい店が出来たから、今度一緒に行かないか』といった内容だった。
非常に魅力的なお誘いである。
「ただ、高校の時と比べて間違いなく運動量は落ちてるのよね...」
今の私はまぁ、まふゆの隣に立つと見劣りするけれど、といったぐらいの体にはとどめている。
まふゆと一緒に外出する時に、『隣の人デブじゃね?』なんて言われたら軽く2ヶ月はひきこもる。いや、これに関してはまふゆのビジュが良すぎるのが悪い。
実際には絵を描くことに集中していて、ご飯を食べることを忘れるからなのだけど。これでは奏の事を笑えない...というか、今では奏の方が健康なんじゃないだろうか。
定期的に奏の家に来るという、穂波ちゃんに矯正されているのが大きな要因だろう。
それでいて奏は細いのだから、何というか...。
まぁそんなわけで。
瑞希から送られてきている店の情報を除けば予想通りスイーツ店で、計算しなくてもカロリーは高いだろう。
しばらく唸って考えた結果、私は今回は見送ることにした。
せっかく誘ってくれた瑞希には悪いけれど、背に腹は代えられない。ちなみに、運動をするという選択肢はない。そんなことをしている暇があれば筆を握る。
1つ深いため息を吐き出して、電源のついていないテレビの前のソファーに座る。
掃除をしていて肉体的にも疲れたし、食べたいけど我慢しなくちゃいけないという精神的にも疲れてしまった。
瑞希も、かなりの頻度で私を誘ってくれている。
一緒に出掛けてショッピングするのも楽しいし、カフェに入ってゆったりした時間を過ごすのも好きだ。大学ではまふゆほどではないけれど、猫をかぶっている私の、外でも気の置けない友人との数少ない時間、と言った感じ。
愛莉とも、本当にたまに一緒に過ごすことがあるけれど...非常に貴重な友人だ。
ソファーに座りながら足を組んで、スマホのアルバムを開く。
以前までは自撮りで埋まっていたはずのフォルダも、誰かと一緒に写っている、または私以外のピン写が多い。
というか、1人で写っている写真だと、ダントツでまふゆが多い。
「...こうして見返すと、もしかして私、まふゆのこと撮り過ぎなのかも...?」
まるでストーカー、と言うほど距離が遠い写真は無いものの、写真を撮ることが半ば癖になっている私のスマホのアルバムには、スクロールしていっても6割はまふゆの写真だ。
うん、まぁ。
同棲しているのだし、これもしょうがないか。
一緒にご飯を食べることも多いのだけど、その時にまふゆが若干目を細めて食べるものだから、色々な意味で嬉しく思うし、そんなまふゆが可愛く思えてつい写真を撮ってしまう。
昔は撮るたびに『理解不能』みたいな顔をしてこちらを見ていたけど、最近ではカメラを向ければピースをする余裕も出てきたようだ。
瑞希や奏と一緒に4人で食事に行ったときに、瑞希がいつものごとくスマホのカメラを構えた時に、まふゆが癖でピースを構えてしまって2人にすごい質問攻めをされたのは、よく覚えている。
「さて、そろそろ夕飯の準備をしようかな」
スマホを机の上に置いて、ソファーから立ち上がって伸びをする。
それなりに時間が経っていたようで、そろそろ夕飯の準備を始めておかないとまふゆが帰ってくるのに間に合わない。
私は鼻歌交じりに、朝まふゆも着けていたエプロンを身に着けた。
私が料理を作るうえで注意しているのは、もちろん栄養の面。
私が適当に作るせいでまふゆに倒れられたら困るし。
栄養を考えて料理をする機会が高校生のうちは皆無に等しかったものだから、母親に聞いたり、それこそまふゆに聞いたりと色々としたものだ。
カロリーのことは今でも、頭から抜けることはほぼなかったのだけど。
多分続かない。