実は喜多ちゃんを支えたのはぼっちだけじゃなくて佐々木さんもなのでは?と思って書きました
喜「さっつー!聞いて!私憧れの先輩のバンドメンバーになれたの!」
佐「おー、よかったじゃん?先輩って前に喜多が言ってた路上ライブで見かけた人でしょ?」
喜「そうなの!本当にかっこよくてクールで…もう最高よ!」
佐「でも喜多ってギター弾けたっけ?」
喜「それなら大丈夫よ、お年玉2年分とお小遣いを前借りして借りたもの!」
佐「いや、大丈夫なの?それ…急に楽器なんて難しいでしょ」
喜「うっ…たっ多分大丈夫よ。必死に練習すればなんとか…ほら、私って器用だし…」
佐「まぁ、何でも行動からだしね。うちは応援してるよ」
喜「ありがと、さっつー!」
最近喜多は話す度に先輩先輩と言ってたから物凄く入れ込んでるってのは分かってるんだよね。そして昨日たまたまその先輩がメンバー募集をしてたみたいで飛び込んだらしく今日の喜多は物凄くテンションが高い、憧れの先輩に近づいたんだーって正直不安な所はあるけど喜多がここまでやる気を見せてるんだし腐れ縁としてうちは応援してるよ
その後もしばらくは先輩が〜と元気よく話してた喜多だけど徐々に元気がなくなっていた
喜「さっつー、昨日の新作ファンデ見た?あれ可愛いわよね!」
佐「あー見た見た。うちも欲しいんだよね……そういえば最近先輩の話やバンドの話をしなくなったけど大丈夫なん?」
喜「えっ!…だ、大丈夫よ!今度ライブもあるみたいだし…それにそんなにしなくなったかしら…?」
佐「そりゃあねー何かを話したら二言目には先輩がーって言ってたくらいだし何かあったのかなって。まぁ、ライブをするくらいなら大丈夫そうだね。そのライブはいつやるの?」
喜「そ、そうね…ライブは今度の金曜日よ」
佐「そっかうちは行かないけど頑張れよ」
喜「うん…」
喜多が元気がないとうちもなんだか調子が狂うんだよね…まぁ、バンド先でなにか喧嘩したとかじゃなさそうだし一先ずは安心かな。少し様子がおかしいのは気になるけど…
そんな胸騒ぎはダメな方で的中してしまった、それは喜多がライブがあるという日に帰るために靴を履いていると後ろから喜多が走って追いかけて来たからだ
喜「さっつー!今日一緒に帰らない?」
佐「え?でも喜多はらい…」
喜「あとは帰りにカラオケにでも行きましょ!」
佐「…分かった、行こ」
喜「ありがと!よーし!今日は歌うわよー!」
佐「……」
明らかに喜多の様子がおかしいこの前はライブがあるからと言っていたのにカラオケに誘ってる事もだけどそれよりも今の喜多は空元気で動きまくって何かから逃げようとしてるようにも見えた。何かを問い詰めれば聞けるとは思うけどそんなことをしても解決にはならない、ならうちに出来ることは喜多に付き合うことだけかな
…けど、その次の日から明らかに喜多は様子がおかしくなっていた。まるでバンドや楽器の話を避けるようになり笑っているのにどこか暗くいつもの明るさはない、他の人は気づいてないみたいなのが唯一の救いなのかな
喜多がバンドの話をしなくなって数日後うちは…意を決して聞くことにした
喜「ここのパンケーキ美味しいわね…あれ?さっつーどうしたの?そんな真剣な顔で」
佐「本当は聞かないつもりだったけどさ、バンドはどうしたの?」
喜「………」
佐「普段の喜多ならスルーもしたと思うけど見てられないくらいに辛そうだよ。多分気づいたのはうちだけだと思うけど」
喜「……ごめん、言えないわ」
佐「……そっか」
こういう所…分かりやすいんだよね。大方ギターが理由でバンドメンバーから離れたのか逃げたのどちらかだろう。1ヶ月で楽器が弾けるようになるのならそれは本当に天才だろうしみんな苦労はしない、けど…うちは知ってるみんなが見てない所でギターの動画を見て勉強してうっすらクマが出来るほど夜に練習してること
こんなんじゃ喜多の努力は報われないしいずれギターも手放してしまうんじゃないかな、それだけは絶対にダメだ
佐「…そっか、じゃあうちからはもう何も言わないよ。でも一つだけいい?」
喜「…なに?」
佐「絶対にギターは手放すなよ?勘だけどそのうちいい事あると思うし」
喜「…ふふ、なにそれ」
佐「うちの勘は意外と当たるんだからなー?」
喜「そうね、さっつーがそこまで言うなら手放さないわ…………ありがと」
勘なんてほとんど当たったことはないんだけど今回のは当たると確信してる。なぜかは分からないけどね
2日後私の勘はやっぱり当たっていたようで朝から登校してきた喜多がどこかいつもの明るさが戻っていた
佐「お、何か機嫌いいね。何かあった?」
喜「そうなの!実は昨日ね…ギターの先生を見つけて教えて貰えることになったの!」
佐「おー、良かったじゃん?」
喜「しかもね?後藤さんのおかげで私また憧れの先輩のバンドに戻ることも出来たし…あの時さっつーがギターを手放したらいけないって言ってくれたおかげよ」
佐「あれはうちの勘だしね…何もしてないよ」
喜「それでもよ。私あの言葉がなかったらその日に売りに行くつもりだったもの…本当に感謝してるわ」
佐「……それなら今度ギターを見せて貰おうかな?そのごとー先生って人にレッスンして貰ってるんでしょ?」
喜「いいわ!絶対にびっくりさせてやるんだから!」
佐「楽しみにしてるわ、そういえば聞かなかったけどどんなギターを持ってるんだ?お小遣いとか前借りしてたんだしいいもの買ってるんでしょ?」
喜「……た…」
佐「ん?」
喜「…多弦ベースだったのよ…私が買ったの」
佐「…お前はもう少し突っ走る癖を治した方がいいよ」
喜「私もそう思うわ…」
喜多の天然に呆れながらも元に戻れたことにうちは実はホッとしてた、ごとーって奴が誰かは知らないけど喜多に明るさを取り戻してくれた事は本当に感謝してるよ
そこからの喜多は前みたいにバンドのことばかりを話していた、けど少し違うのは初ライブの後の事だろう。その日は台風のせいでうちは見に行けなかったけどその次の日から喜多は憧れの先輩の話より後藤の話をすることが多くなった
喜「さ、さっつー…」
佐「どうしたー?ってなんだか暗くね?大丈夫か?」
喜「それがね…後藤さんが死んじゃったの…」
佐「は!?やばくね?」
喜「まぁ、それはいつもの事だからいいのだけど…」
いや、人の生死にいつもとかってあるのか?まぁ話を聞いてる限りは破裂したり分散したり変な液体を出してたりと面白いことばかりが出てるし今回もそれだろう
でもそれでなんで喜多が暗くなるんだ?
喜「……後藤さんが捨てた文化祭ライブのステージを勝手に出しちゃって後藤さんが棺桶に入っちゃって…このままじゃ私人殺しになっちゃうわ…」
佐「それだけで死ねる後藤も面白いけどさ、前にも突発的な行動は治した方がいいって話をしなかったか?」
喜「ううー…だって聞いてよ!○○が後藤さんのこと「呉何とかさん」だとか「1度見た事あるけどなんかヤバい人に見えた」って言って他の人も頷いてたのよ!」
佐「いや、うちは見た事ないけど話を聞く限りはおも…ヤバいと思うけど」
喜「確かにツチノコになったり電子音を出したりこの前の江ノ島ではトンビに襲われてたりしたけど…」
佐「鳥にまで襲われる人類ってなんなんだろうな」
喜「でも…後藤さんは本当はカッコイイのよ」
佐「スマン、今の話だけだとカッコイイと感じないんだけど」
喜「後藤さんはライブの時は本当に凄いのよ?雷鳴が走るというか…」
佐「あー、なんだっけ?グダグダになってた喜多達をソロで立て直したんだっけ?」
喜「そうなのよ、普段はトンビに襲われたりするくらいか弱いのに…ライブの時はまるで別人で…」
佐「ふーん?それならうちは喜多の立場だったら後藤をサポートするかな」
喜「へ?」
佐「だって喜多が勝手に出したんでしょ?なら責任を持ってやるしかないでしょ」
喜「…………そう、ね…でも私にできるかしら」
佐「まぁ、うちはギターは弾けないけど喜多ならやれると思うよ」
喜「……うん」
喜多は最後まで自信がつかなかったみたいだけどうちは喜多がバンドに入った時から応援してるんだ、それくらいの自身はあるよ
結局テストが終わるまで喜多は元気が戻らなかった、けどある日私達と遊ぶことを暫く遠慮して憧れの先輩の所で後藤に内緒で練習してくるとやる気に満ちた目をしていた、何かあったのだろうけど聞くなんてことはしない
ただ元気に送り出すだけさ
文化祭も2日目に入り今日は喜多のバンドが演奏する日だ。体育館には人が沢山集まり何故か世紀末風の輩やお酒を飲んでる人もいる中幕は上がった。喜多のMCが終わって1曲目が始まった…5月の頃はギターが弾けなかったと言われても信じられないほどに喜多は上手くなっていた。初めて見るけど隣に居るのは喜多が言っていた後藤だろう、舞台に上がった時の弱々しい雰囲気が感じられないほど確かにギターが上手い…これは別人だと言われても信じられるくらいには
そして1曲目も終わり黄色の髪の子のMCを跨いで2曲目が始まった、うちも含め他の人のテンションも上がりいいライブになっている…ん?後藤が演奏をやめてる…屈んでギターを触ってるって事は何かトラブルだろう
喜多が言うように後藤の違う1面も見れたしこういう系のトラブルは防ぎようがない、仕方の無いことだろう
そう思っていると喜多が猫背になってギターを弾き始めた、初めは何も思わなかったけど後藤が喜多を眺めているところを見る感じこれは打ち合わせとかしてない感じだろう。それにあまりよくは見えないが普段の喜多はどちらかと言えば可愛いといえる顔つきが素直にカッコイイと思えるような表情をしてどこか覚悟を決めてるように見えた、勿論後藤にと伝わったのか後藤の顔つきも代わり横に置いてあった瓶を持って演奏し始めた。後から調べたのだけど後藤がやった演奏はボトルネック奏法と言って難易度がとても高いと…だけどその時のうちはそんな事は関係なく身体中に電撃が走る感じがした。前に喜多が言ってた雷鳴が走るとはこの事だろう
結果的に言えば文化祭は成功に終わったと思う、2曲目が終わって喜多にマイクを向けられた後藤が何故か飛び降りた事以外は
そしてそんな文化祭が終わり時が流れて今日は学年が上がり今日から新学期に入った、もちろん腐れ縁の喜多は同じクラスだ…そして目の前には
ぼ「けっ欠点は人の目を見れないことあって付けることです…ってそっその笑うな…あっえっと…シバくぞ!!!」
喜(何言ってるの!!!)
去年の文化祭でかっこよかったはずの後藤が自己紹介で盛大に滑っていた。本当にあのカッコ良さは何だったんだろう?喜多もなんだか黒いオーラを出てるし
まぁうちは喜多が笑ってくれてることそして…うちも楽しければなんでもいいんだけどね