縁壱side
引っ越しの荷解きを終わらせ、星野一家の新居に招かれた。どうやら荷解きは完了している様で家財道具が整理されていた
「さて、引っ越しも終わったところで。これからのアイの活動について話していこう」
「私のこれからの活動?」
「そうだ。今回のことがあって、今アイには世間の注目が集まっている。良い意味でも、悪い意味でもな」
「良い意味と悪い意味?」
「今回の事件を経て、ライブを開催したことによりアイには応援するファンが更に増えたが。それと同時に注目を集めるために人を雇って自作自演の事件を起こしたんじゃないか?と言う迷惑な噂まで流れてるんだ」
話を聞くだけで呆れて物も言えなくなってしまう。情報社会と言う物はあらゆる情報を瞬時に得られると同時に心を傷つける言葉の刃に晒されなければならない。そして誤った情報が新たな悲劇を生む引き金となってしまう。いつの時代にも人を傷つけることをなんとも思わない人間はいるのだ
「そうなのか。私が助けに入ったせいで」
「そんなわけないよ!あそこで縁壱くんが来てくれたから私は今ここに居られる。ルビーとアクアをこの手で抱きしめて居られるの。縁壱くんは何も悪いことなんてしてないじゃない!」
星野アイは声を荒げ、私の右手を両手で握りしめた。その小さな手からは想像も出来ないほど力強い物だった。更にその目には薄らと涙が浮かんでいる。ここまで明るく振る舞っている彼女ではあるが命を奪われかけたことに変わりは無い。精神的な傷は相当な物の筈だ
そんな彼女の手を優しく包み
「そう言ってもらえると私も嬉しい。君の命を取りこぼさずに済んだ。生きていてくれて、ありがとう」
心から幸せな気持ちが溢れてくる。意識せずとも笑みが溢れてくるのが分かった
アイside
縁壱くんが落ち込んでいたから私は改めて感謝を伝えた。縁壱くんの両目をしっかりと捉える。でもここで不思議な感覚を覚えた。縁壱くんの目は私の瞳と同じ赤色なんだけど私よりもっと深く濃い赤、赫灼の瞳だ。そしてその瞳の奥には暗いどこまでも続く暗闇が見えた。その暗闇の深さに私は飲まれそうになってしまうが
「そう言ってもらえると私も嬉しい。君の命を取りこぼさずに済んだ。生きていてくれて、ありがとう」
縁壱くんはまたあの暖かいお日様の様な笑顔を浮かべる。すると胸がポカポカしてくる。まるで遠い昔にこの笑顔を向けてもらっていた様な感覚だ。でも、こんな笑顔を見せてくれた人を縁壱くん以外は知らない。不思議な感覚だ
そのまましばらく見つめ合っていると
「おーい。ちょっと見つめ合いすぎじゃ無いか?」
「へ?」
佐藤社長が声をかけて来た。改めて私は今の状況を見直す。互いの両手を握り合いながら見つめ合っている。今の状況がしっかり分かると顔が熱くなって来た
「ご、ごめんなさい」
こ、こんな感情初めて。顔から火が出そうだよ〜。私は顔が熱くなっているのを感じながら両頬に手を添えた
「な、なんだかママがすごく乙女な顔してる」
「う、うん。アイのあんな顔初めて見た」
アクアとルビーは目を丸くしている
でも私もこんな気持ち初めてなんだもん
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