いつも通り暇な翔は砂浜を歩く。この時期の砂浜は足を焼き、日差しは肌を刺す。とはいっても翔には意味がない。翔はその辺に落ちてる貝殻……サクラガイを拾い、呟く。
翔「『能力付与 回転』」
瞬間、貝殻は手の中で高速回転をし始める。貝殻を地面に落とすと、貝殻は地面の上を走り、そのまま海の上をも走っていった。
翔「相変わらず、おもしれー能力」
結果は分かりきっていても、実際に見ると何処と無く面白いと翔は分かっている。
『能力付与』という能力はよく翔が遊びに使う能力の一つ。一つだけ欠点があり、翔はそれを消すことなく使っている。
翔「あの貝殻は……暫く海の上走るのか。ま、波もあるししょうがないか……『能力付与 浮遊』」
穏やかだった波が急に高くなる。先程の貝殻は高波も走り抜けようとするも、バランスが崩れ海中に沈む。
翔「そりゃそっか、問題はこの後……『能力付与 浮遊 解除』」
波が穏やかに戻る。暫く眺めていると海面に回転が生まれ始め、やがて渦と成った。渦はどんどんと大きく育って行き、波打ち際まで渦が来る。直径で40m。
翔「あんな小さい貝でもこんなに大きく影響するのを見ると……面白い。まぁ、流石にこれは何とかしないとねぇ『光線』」
翔の掌から太めの光線が、渦の中心に向けて放たれる。光線は海水を蒸発させながら一瞬で突き進み、原因も消し去った。止まることなく進み続け、光線は地中へと潜る。
翔「やりすぎたかな、まぁ良い」
翔は軽く伸びをすると、『浮遊』を発動させ、宙に浮く。
翔「何か良いやついねえかな~」
翔は軽く地上を見渡し、適当な学生を標的にする。
翔「『能力付与 不老不死』」
翔は自分も制御できない能力の一つを学生に与えた。面白そうだからだ。
翔「中々、あいつの未来は悲惨だったしねぇ……」
学生の後ろには怪しげな黒い服を着た人がナイフを持って立っている。男は学生にナイフを向け、走り出す。ナイフはそのまま学生の胸を突き刺し、血薔薇を咲かせる。しかし、血液がある程度吹き出し死亡すると、血液が逆再生のように体に戻り、傷が塞がっていく。ナイフはというと、学生の体の中に取り込まれ、溶解した。やがて学生は立ち上がり、不審者は恐怖からその場から逃走した。
翔「うーむ……いつみても忌々しい能力だこと」
翔は改めて『不老不死』発生を見て、自身を暇にさせた犯人をいつしか消し去りたいと強く思った。翔は自身の胸を手で貫き、心臓を手で握り潰す。だが相変わらず死ぬことはなく、心臓は再生する。
救われる(?)時は来るのでしょうかねぇ?
初登場能力
能力付与
対象に能力を与える能力。与えられた能力の制御は不可能。
回転
対象を回転させる能力。回転軸やスピードの設定可能
光線
好きな威力、太さの光線を放てる能力。最高火力は全てを葬り去る
不老不死
老いず、死ななくなる能力で、翔でも解除できない。一度死ぬことで脳を基準に完全再生する。例え原子核ごと破壊しても存在していた歴史から再生する。歴史ごと消してもパラレルワールドから、パラレルワールドごとでも存在していたであろう未来から再生する。つまり何をしても無駄。