翔は『予知』の光景を眺めていた。『予知』で見える光景は「自分が干渉した未来」に分類するのか、毎回知らないものになるため趣味の一つになっている。
翔「お……こりゃ面白い……」
たった今見えた光景は翔が5秒後突然異世界召喚され、その召喚者と戦闘するというもの。ただそこでは翔があっさり勝てている。
翔「つまんねえことしてんなぁ……『瞬間移動』だけで勝つか」
そう決めた瞬間、翔は召喚された。
召喚場所は薄暗いコンクリートの壁だった。召喚者である「ロボウド・クレフティス」は魔法で異世界から能力持ちを召喚し、その能力を奪っている魔王。ロボウドは翔の腕を掴んだ。
ロボウド「『窃盗』」
翔「うおっと、危ね」
翔はロボウドの後ろに『瞬間移動』する。
ロボウド「厄介だ……『拘束』」
翔の四肢に鎖が巻き付く。今度は『瞬間移動』してもこの拘束を解くことはできない。どうやするか?
翔「『瞬間移動』」
先ほどまで翔を縛っていた鎖が全てのロボウドに移動した。続けて翔は右手をロボウドに向けると、翔の掌に火球が現れた。
ロボウド「『瞬間移動』だけじゃないのか……『水操作』」
気だるそうにロボウドは『拘束』を解除し、掌に湿気を集めて水球を発生させ、火球に被せた……筈だった。ロボウドの背中に火球が当たる。
翔「他にも色々持ってるけど……今使ってるのは『瞬間移動』だけ……だけと?」
翔は再び、この世界の何処かから掌に一度火を集めて、今度はロボウドへと飛ばすと、火が牢獄へと形を変え、ロボウドを投獄した。
ロボウド「……成る程……『道作』」
すると一瞬にして火の牢獄はコンクリートの牢獄へと変わり、そのコンクリートも消え去ったことで火の牢獄は消えた。
翔「へぇ……それをそんな使い方してんの初めて見た。まあいい」
翔の右手に日本刀のような禍々しいオーラを放つ、所謂「妖刀」が現れる。それを一振すると、周囲にあった蝋燭が全て切れた。蝋燭の破片は全て謎の紫色の炎に焼かれて消えた。
ロボウド「……斬撃を移動させたのか」
翔「惜しい、正確には空を切ったという事実を移動させた。ついでに言うと紫の炎は多分妖刀の力」
ロボウド「なんだもありかよ」
翔はもう一度振る。
ロボウド「『硬化』」
ロボウドは最後の足掻きか自身の体を鋼鉄と同等の硬さにしたが、切った事実を移動させられるため、それが意味をなすことはなくロボウドの体は二つに分けられ、紫色の炎に包まれた。
ロボウド「……我が倒れようとも……必ずや世界を手に入れてや……」
完全にロボウドの体は燃え尽きた。
初めて翔以外の能力持ちが出ましたね
初登場能力
予知
「『予知』を使っていなかったら」の未来を見ることができる能力
窃盗
触れている相手の何かを奪える能力。「何か」は本当に何でも良く、私物から能力まで幅広い
拘束
対象を好きに拘束できる能力。縛り方、拘束具等は自由
水操作
水を操作できる、名前そのままな能力
道作
好きな道を作り出せる能力。道とした場所に存在していたものは抹消される
硬化
対象の硬さを好きなだけ硬くすることができる能力