本年も拙い小説ではありますがお付き合い頂けたら幸いです,
あのエルスマーレU-12の試合から数か月。
俺たちは様々な大会に出場して数多くのタイトルを獲得すると同時に確かにレベルアップしていた。
特に成長が顕著なのは傑かもしれない。
あの試合からドリブルやシュートといった個人技について兄貴や俺に相談しながらFW顔負けの突破力と決定力を身に着けて兄貴に次ぐ評価を得て海外のクラブチームが招待された試合でも活躍している。
それに対して俺はどんな試合でも最低限のゴールを決めているが、前世での三上のプレーなどを参考に突破力を鍛えるためにチャレンジするようなプレーが増えているのが現状だ。
そのため、俺は国内のチームからは兄貴と傑のおかげで得点を量産してるというような評価を受けてる感じである。兄貴や傑曰く「見る目がない」との厳しい評価だったのは秘密である。
俺としては二人が俺のことを高評価しすぎてるような気がするんだよな…実際にプレイしている感想としては二人の視野の広さを生かしたゲームメイクやスルーパスが秀逸すぎて俺が流し込むだけのパターンが多いのである。
まあ泣き言を言ってもしょうがない。サッカー選手は常に今持っているものを全力で活用して勝利のためにプレイするだけだ。それに俺たちにとって最大の大会が近づいて来ている。
全日本U-12サッカー選手権の開催が開催されるのだ!
予選はグループリーグでの一位勝ち抜きで、そこからのトーナメント方式でノックアウト形式。日程は5日間で試合数が多いため、チームの総合力が求められる大会だが前年度の優勝チームである俺たちには、それに相応しいプレーが求められる。
傑は出れる大会には基本出場してるからある程度場馴れしてきたけど、このクラスの大会は初体験だからどこまで冷静にプレーできるかが活躍できるのかの分かれ目だろうな。
俺の場合は別の意味で緊張している。なぜなら兄貴のプレーを視察にレアールの人が来日するらしいからである。
本来なら俺は全く関係ないので緊張する必要は無いのだが、兄貴経由で聞いたところなんと俺と傑も視察する予定らしい。先日行われたバルチャU-12が招待された大会で俺たちが4-2というスコアで快勝したのが原因とは聞いたが…。
まあ、試合が始まったら俺たちは俺たちの全力を尽くすだけなんだけどね。
誰にも言ってないが個人的にはこの大会に俺は大きな目標を立てている。
それは「得点王」と「海外からのスカウト」だ。
チームの優勝は当たり前に目指す。その上で俺は前世で果たせなかった海外で活躍することを熱望している。
兄貴と傑には最近の気合いに入れようから勘ぐられて話す機会があった。
その時にはっきりと宣言した言葉は俺の決意だ!
「俺は世界一のストライカーになる。そのために俺は世界で活躍する!!」
兄貴は世界一のストライカーになるのは俺だと言ってたけど、MFになることを知ってる俺は「兄貴と傑は世界一のゴールデンコンビなって俺にアシストしろ」って言っておいた。
傑はちょっと嬉しそうにしてたけど、兄貴はふくれっ面になってたのを思い出すとまだまだだなって思った。
さて....回想はここまでにして目の前の試合に集中しよう。
今から始まるのは長い全国大会の初戦。
後ろを見れば信頼する兄貴と傑や先輩たちがいて、周りを見れば監督やチームメンバー、そして家族たちの姿が見える。
さあ始めようみんな。
俺たちは強い!だからこそ優勝という最高の栄冠に向かって戦おう!!
ピィいいいいいいい
試合開始のホイッスルと同時に俺は前へ走り出していた。